【R18】Under Control〜公安刑事がドSインテリヤクザに調教されるBL〜

MINAMI@白鳥湖

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FALL DOWN(媚薬+拘束+玩具攻め)

⑦余韻side黒崎

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 榊原の身体は、すっかり力を失っていた。
 脱力した肢体がシーツに沈み、白く乱れた胸元が、わずかに上下している。
 眼差しはとろけ、焦点は合っていない。
 数度の絶頂を重ね、奥を熱で満たされた身体は、もはや抵抗という概念を忘れてしまったように──ただ、甘えたように眠っている。
 「……ふふ」
 思わず笑みがこぼれた。
 たぶん、他人に見せれば“優しい笑顔”に映るだろう。
 けれどその実、黒崎の胸に広がっていたのは──達成感と、圧倒的な所有欲だった。
 “飼ってあげますね”──そう言葉にした瞬間、榊原のまぶたが小さく震えたのを見逃さなかった。
 あれは恐怖でも屈辱でもない。
 むしろ、安堵。
 やっと居場所を与えられた、そういう顔だった。
 「……ほら、やっぱり。あなたは、僕のものになるようにできてたんですよ」
 寝息すら整わないその口元に、指先を軽く滑らせる。
 唇は柔らかく、わずかに熱を帯びている。
 その唇が、さっき……“好き”と囁いた。
────無意識の告白。……あれは、きっと本音だった。
 理性を手放す寸前、無防備にこぼれた言葉。
 だからこそ、信用に足る。
 決して無垢ではない。
 むしろ、頑なで、ずるくて、強がりで。
 でもその奥にある“甘さ”を見抜いたとき──黒崎は、この男を“手に入れたい”と思った。
 他人を見下していた榊原孝之が、
 自分の手の中で喘ぎ、泣き、イかされ、
 そして「好き」と口にするまでに堕ちた。
 その軌跡は、何より甘美で、なにより美しかった。
 「……大丈夫。もう誰にも渡しませんよ」
 黒崎はそっと、シーツを引き上げて榊原の肩を覆った。
 抱きしめるようにその背中に腕を回し、唇を耳元へと近づける。
 「あなたは僕のもの。これからずっと……ずっと、ね」
 榊原のまぶたが、微かに動いた。けれど目を開けることはなかった。
 ただ、ほんの少し、指が黒崎の手を掴んだ気がした。
 その反応すら、たまらなく可愛いと思ってしまう自分に、少しだけ笑ってしまう。
────ああ……完璧だ
 この夜は、完全なる“支配の夜”。
 黒崎啓は、榊原孝之という男を、完全に“手の中”に落としたのだ。


 

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