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第2話*筋肉部
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お姫様抱っこされてから数日が過ぎた。
今日は学校が休みだ。
俺と輪島は最近、朝昼晩のご飯を一緒に食べている。「先輩の筋肉のために、先輩が食べるものを全て知りたいから」と言われてからだ。そこまで俺の筋肉について考えてくれているんだと、胸の辺りが熱くなる。
今日も朝飯を食堂ですまして、ふたり一緒に部屋に戻った。それからすぐに机に向かって勉強をしている輪島と、部屋の角で体育座りをしながら輪島の背中を眺めている俺。
輪島をお姫様抱っこする!なんて、強気な発言をしてみたけれど、無理だな。〝ひとまわり大きい〟がどのくらい大きいのかは一切分からんけど、ひとまわりかふたまわりか、もしかしてさんまわりな可能性もあり?なぐらい大きい輪島を隅から隅までみて悟った。
――もっと、筋トレ時間を増やせばいいのか?
「なぁ、輪島」
「なんだ?」
俺に背中を向けながら勉強を続ける輪島。
「明日、筋肉部見学しに行ってもいいか?」
「部活をか? 何故見学したいと思った?」
輪島が勢いよく振り向き、俺と目が合う。
――輪島は、筋肉の話になると食いつき違うな。
「俺の筋トレ、今は夜にこの部屋でやるだけじゃん? 筋トレの時間が足りないのかなって思ってよ」
「何故そう考えた?」
「俺、輪島にお姫様抱っこするって言ったじゃん? そもそも輪島をお姫様抱っこするなんてムリな話なんだけど……」
「諦めるな!」
輪島は勢いよく立ち上がった。
「今から、部室にいくぞ!」
「今からかよ」
「なんだ? 今からじゃ、嫌なのか?」
「いや、急だなって思って」
もうちょっと部屋で輪島とのんびりしたいなぁ。ふたり同じ空間でのんびりしている時間も好き。せめて午後からがいいな。
「部室でトレーニングすることになれば、今よりもトレーニングがキツくなる。先輩には難しい、か……」
目を細めながら見てくる輪島。
俺には無理だとすでに諦めている言い方がなんかイラッとするな。
「いや、難しくねーし。余裕だ!」
部室はどんな感じか、どんなトレーニングをするのか全く知らんけどな。
「よし、その気持ちが大事だ! じゃあ、いつものTシャツを着ろ! 部室行くぞ!」
「リョーカイッ!」
俺たちはニヤッと笑い合うと着替えた。
そして寮を出て部室がある学校に向かった。
墨で『筋肉部』と書かれた白い紙が、ドアに強めにドドンと貼ってあった。ドアを開けると四人の部員と思われる筋肉もりもりな男たちがそれぞれ筋トレをしている。
想像よりも広い部室。色々な筋トレグッズがある。走るやつや、ぶらさがるやつも。中に入った瞬間、熱気がむんむんした。
「お疲れ様です。今日は、見学者が来た!」
輪島が『果たし状を持ってきた!』みたいに、はっきり大きな声でそう言うと、部員たちは筋トレをやめて集まってきた。じろじろと見られる俺。
「新人?」
「やる気はあるのか?」
見学なのにもう入部する雰囲気が漂っている。いつもは絶対にありえないのに、なんか体全体がもじもじしてきた。それはどう見ても自分よりも強そうな奴らに囲まれたからなのか?
「じゃあ、まずは目指したい体型のものを自分に当てて、全身鏡でチェックしてみて?」と、細い体型の筋肉もりもりイケメンが顔出し全身パネルを三種類、壁に立てかけた。
三種類とも白Tシャツ紺色短パンの姿で、右腕を曲げ筋肉もりもりのポーズをしている。だけど、体型が全て違う。とにかくでかくて筋肉もりもりな体型と、ほどほどの大きさな筋肉もりもり体型、そして細くて筋肉もりもり体型なやつ。
でかいのとか目指すの、無理じゃね?
俺は、とりあえず細いのを選んで自分に当て、丸い穴のところから顔を出してみた。そして鏡で全身を見た。
「何これすげー! 本当に筋肉もりもりになったみてえだ!」
「このパネルの体型を僕たちはSサイズ筋肉、略してエスキンと呼んでいる。僕と目指す筋肉が一緒だね! 頑張っていこうね!」
細い筋肉イケメンがさわやかに言う。
「でも、俺……今日は見学でまだ入部するわけじゃなくて……」
「先輩にとって、筋肉部で活動するのは大変で無理かもしれないから、入部しなくてもいい」
腕を組みながらそう言う輪島。
そうやっていつも輪島は煽ってきて、俺に勝負を仕掛けてくるんだ。その勝負、乗るぜ!
「無理じゃねーし!」
そうして俺は筋肉部で活動することになった。
今日は学校が休みだ。
俺と輪島は最近、朝昼晩のご飯を一緒に食べている。「先輩の筋肉のために、先輩が食べるものを全て知りたいから」と言われてからだ。そこまで俺の筋肉について考えてくれているんだと、胸の辺りが熱くなる。
今日も朝飯を食堂ですまして、ふたり一緒に部屋に戻った。それからすぐに机に向かって勉強をしている輪島と、部屋の角で体育座りをしながら輪島の背中を眺めている俺。
輪島をお姫様抱っこする!なんて、強気な発言をしてみたけれど、無理だな。〝ひとまわり大きい〟がどのくらい大きいのかは一切分からんけど、ひとまわりかふたまわりか、もしかしてさんまわりな可能性もあり?なぐらい大きい輪島を隅から隅までみて悟った。
――もっと、筋トレ時間を増やせばいいのか?
「なぁ、輪島」
「なんだ?」
俺に背中を向けながら勉強を続ける輪島。
「明日、筋肉部見学しに行ってもいいか?」
「部活をか? 何故見学したいと思った?」
輪島が勢いよく振り向き、俺と目が合う。
――輪島は、筋肉の話になると食いつき違うな。
「俺の筋トレ、今は夜にこの部屋でやるだけじゃん? 筋トレの時間が足りないのかなって思ってよ」
「何故そう考えた?」
「俺、輪島にお姫様抱っこするって言ったじゃん? そもそも輪島をお姫様抱っこするなんてムリな話なんだけど……」
「諦めるな!」
輪島は勢いよく立ち上がった。
「今から、部室にいくぞ!」
「今からかよ」
「なんだ? 今からじゃ、嫌なのか?」
「いや、急だなって思って」
もうちょっと部屋で輪島とのんびりしたいなぁ。ふたり同じ空間でのんびりしている時間も好き。せめて午後からがいいな。
「部室でトレーニングすることになれば、今よりもトレーニングがキツくなる。先輩には難しい、か……」
目を細めながら見てくる輪島。
俺には無理だとすでに諦めている言い方がなんかイラッとするな。
「いや、難しくねーし。余裕だ!」
部室はどんな感じか、どんなトレーニングをするのか全く知らんけどな。
「よし、その気持ちが大事だ! じゃあ、いつものTシャツを着ろ! 部室行くぞ!」
「リョーカイッ!」
俺たちはニヤッと笑い合うと着替えた。
そして寮を出て部室がある学校に向かった。
墨で『筋肉部』と書かれた白い紙が、ドアに強めにドドンと貼ってあった。ドアを開けると四人の部員と思われる筋肉もりもりな男たちがそれぞれ筋トレをしている。
想像よりも広い部室。色々な筋トレグッズがある。走るやつや、ぶらさがるやつも。中に入った瞬間、熱気がむんむんした。
「お疲れ様です。今日は、見学者が来た!」
輪島が『果たし状を持ってきた!』みたいに、はっきり大きな声でそう言うと、部員たちは筋トレをやめて集まってきた。じろじろと見られる俺。
「新人?」
「やる気はあるのか?」
見学なのにもう入部する雰囲気が漂っている。いつもは絶対にありえないのに、なんか体全体がもじもじしてきた。それはどう見ても自分よりも強そうな奴らに囲まれたからなのか?
「じゃあ、まずは目指したい体型のものを自分に当てて、全身鏡でチェックしてみて?」と、細い体型の筋肉もりもりイケメンが顔出し全身パネルを三種類、壁に立てかけた。
三種類とも白Tシャツ紺色短パンの姿で、右腕を曲げ筋肉もりもりのポーズをしている。だけど、体型が全て違う。とにかくでかくて筋肉もりもりな体型と、ほどほどの大きさな筋肉もりもり体型、そして細くて筋肉もりもり体型なやつ。
でかいのとか目指すの、無理じゃね?
俺は、とりあえず細いのを選んで自分に当て、丸い穴のところから顔を出してみた。そして鏡で全身を見た。
「何これすげー! 本当に筋肉もりもりになったみてえだ!」
「このパネルの体型を僕たちはSサイズ筋肉、略してエスキンと呼んでいる。僕と目指す筋肉が一緒だね! 頑張っていこうね!」
細い筋肉イケメンがさわやかに言う。
「でも、俺……今日は見学でまだ入部するわけじゃなくて……」
「先輩にとって、筋肉部で活動するのは大変で無理かもしれないから、入部しなくてもいい」
腕を組みながらそう言う輪島。
そうやっていつも輪島は煽ってきて、俺に勝負を仕掛けてくるんだ。その勝負、乗るぜ!
「無理じゃねーし!」
そうして俺は筋肉部で活動することになった。
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