3 / 11
第3話*輪島の異変
しおりを挟む
「では、新しい部員となった矢萩くんに自己紹介をしよう。俺は部長の森だ、よろしく!」
優等生な雰囲気の大きな男が、メガネを光らせながら自己紹介をする。続いて他の部員も。
筋肉部の部員はこんな感じだ。主に活動しているメンバーは五人。他の部員は何人いるか知らんが、たまに来る感じ。
まずは、高校一年生のメンバー。高校生なのにイケオジな雰囲気漂う、全てが完璧でかっこよく、俺のことを気にしてくれる男。そして筋肉部のトップで、Lサイズの筋肉、略してエルキンの輪島。俺の中では輪島が一番光っている。
同じく一年生の、髪の毛もさもさしていて野生のクマのようで少女マンガが大好きな、エルキンの秦(はた)。
俺と同じ二年生の可愛い系イケメン。細くて長身、色素が薄く部の中で唯一金髪。サイズも俺と同じなエスキンの中谷(なかや)。
三年生で、優等生な雰囲気が漂い、制服が似合う顔。雰囲気が全く筋肉もりもりだとは予想できないのに、実は脱ぐとすごいんです系な部長。エムキンの森。
最後、五人目は三年生の、運動神経抜群なしょうゆ顔な男。中学生の時はサッカー部のエースだったが、筋トレに目覚めてサッカーを辞め、今は筋トレばかりをしているエムキンの青木。
サイズは一年がL、二年はS、三年はMな感じだな。ちなみに三年生は一ヶ月後の〝秋の全国高校生筋肉バトル〟が終われば引退らしい。
筋肉部の活動は筋肉を休めるために、週に三、四回の休みがあり、平日は二時間ぐらい、休日は三時間から四時間ぐらい休憩時間も含めてやるという説明も受けた。
「じゃあ、早速エスキン同士でエスキンの筋トレを始めようか? まずはランニングマシンで身体を温めるよ!」
言われるがまま、細いイケメン中谷についていき、ふたり並んで、走る機械でゆっくり走った。それが終わるとマットの上で中谷と並んで座り、ストレッチをする。
「サイズによって、筋トレ方法は違うのか?」
「あとでコピーして渡す予定の、エスキン用の基本トレーニングの紙にも書いてあるんだけど。僕たちは、他のサイズよりも筋トレ量と、食事量は少ない感じかな? あと、全部を鍛えるんだけど、特に腹筋を中心に鍛えていくよ!」
「そうなのか。トレーニング、とりあえずついていく!」
「ちなみにこれ、見て?」
中谷は自分の白Tシャツをめくりお腹を見せてきた。俺は中谷の腹筋を触ってみた。
「すっげー!! 割れてるのか? 俺もこんな風になりてぇ」
ふとチクッとする視線を感じた。視線を感じる方向を見ると、輪島と目が合う。輪島は俺を睨むようにじっとみてきた。普段見たことのない表情で心臓がビクッとした。
――俺、何か輪島にとって嫌なこととか、した?
いや、一切していないと思う。見つめあっていると、今度は勢いよく輪島は視線をそらしてきた。そらし方が荒くて、今度は心臓の辺りがズキっと傷んだ。
「矢萩くん、どうかした?」
「いや、何も……」
輪島の動きが気になりすぎながらも、身体を動かし続ける。
「僕はね、外見を整えたくて、さらに力持ちにもなりたいなって思って筋トレをしてるんだけど、矢萩くんは何で筋トレしようって思ったの?」
「輪島を、お姫様抱っこしたいんだ……」
「わぁ、すごい目標だ! 矢萩くんが輪島くんをお姫様抱っこしているところ、みてみたい!」
「そっか、俺、がんばるわ!」
「がんばって! 応援してる!」
中谷は話しやすいな。
そんなこんなで初日の筋肉部での活動は、あっという間に終わった。
輪島と学校を出て、寮に戻る。
「昼飯前にシャワーで汗を流したいな」
「そうだな」
「筋肉部、楽しいな! 俺、続けられそうだわ。中谷も教え方が上手いし」
「……そっか」
いつもは筋肉関係の話をすると、もっと反応してくれるのに、今は目を合わせてもくれない。なんか寂しいな――。
「どうした輪島? 体調悪いのか?」
「いや、別に……」
――いや、あきらかにいつもと何かが違う。
そういえばさっきのトレーニングの時も、俺と目が合った瞬間、いつもと違う表情をしていたし。気になるけど、本当に何もないのか? しつこく聞きたいけど、ふたりの間に見えない壁が……。
「そっか、調子悪いとか、何かあれば言えよ? 俺の出来ることなら何でもするから!」
「……なんでも、か」
「あぁ! 何でもだ!」
俺は微笑んだ。
輪島は無表情で俺の顔をじっと見る。
気がつけば、輪島には色々してもらっている。何もやる気がなくて、怒られることばかりしていた俺に、輪島は筋トレという楽しみをくれた。誰にも気にしてもらえなかった俺を、すごく気にしてくれている。
輪島のお陰で、最近は毎日が楽しい。
俺も輪島に何かしてあげたい。人に対してそんな気持ちになったのは、初めてだ――。
優等生な雰囲気の大きな男が、メガネを光らせながら自己紹介をする。続いて他の部員も。
筋肉部の部員はこんな感じだ。主に活動しているメンバーは五人。他の部員は何人いるか知らんが、たまに来る感じ。
まずは、高校一年生のメンバー。高校生なのにイケオジな雰囲気漂う、全てが完璧でかっこよく、俺のことを気にしてくれる男。そして筋肉部のトップで、Lサイズの筋肉、略してエルキンの輪島。俺の中では輪島が一番光っている。
同じく一年生の、髪の毛もさもさしていて野生のクマのようで少女マンガが大好きな、エルキンの秦(はた)。
俺と同じ二年生の可愛い系イケメン。細くて長身、色素が薄く部の中で唯一金髪。サイズも俺と同じなエスキンの中谷(なかや)。
三年生で、優等生な雰囲気が漂い、制服が似合う顔。雰囲気が全く筋肉もりもりだとは予想できないのに、実は脱ぐとすごいんです系な部長。エムキンの森。
最後、五人目は三年生の、運動神経抜群なしょうゆ顔な男。中学生の時はサッカー部のエースだったが、筋トレに目覚めてサッカーを辞め、今は筋トレばかりをしているエムキンの青木。
サイズは一年がL、二年はS、三年はMな感じだな。ちなみに三年生は一ヶ月後の〝秋の全国高校生筋肉バトル〟が終われば引退らしい。
筋肉部の活動は筋肉を休めるために、週に三、四回の休みがあり、平日は二時間ぐらい、休日は三時間から四時間ぐらい休憩時間も含めてやるという説明も受けた。
「じゃあ、早速エスキン同士でエスキンの筋トレを始めようか? まずはランニングマシンで身体を温めるよ!」
言われるがまま、細いイケメン中谷についていき、ふたり並んで、走る機械でゆっくり走った。それが終わるとマットの上で中谷と並んで座り、ストレッチをする。
「サイズによって、筋トレ方法は違うのか?」
「あとでコピーして渡す予定の、エスキン用の基本トレーニングの紙にも書いてあるんだけど。僕たちは、他のサイズよりも筋トレ量と、食事量は少ない感じかな? あと、全部を鍛えるんだけど、特に腹筋を中心に鍛えていくよ!」
「そうなのか。トレーニング、とりあえずついていく!」
「ちなみにこれ、見て?」
中谷は自分の白Tシャツをめくりお腹を見せてきた。俺は中谷の腹筋を触ってみた。
「すっげー!! 割れてるのか? 俺もこんな風になりてぇ」
ふとチクッとする視線を感じた。視線を感じる方向を見ると、輪島と目が合う。輪島は俺を睨むようにじっとみてきた。普段見たことのない表情で心臓がビクッとした。
――俺、何か輪島にとって嫌なこととか、した?
いや、一切していないと思う。見つめあっていると、今度は勢いよく輪島は視線をそらしてきた。そらし方が荒くて、今度は心臓の辺りがズキっと傷んだ。
「矢萩くん、どうかした?」
「いや、何も……」
輪島の動きが気になりすぎながらも、身体を動かし続ける。
「僕はね、外見を整えたくて、さらに力持ちにもなりたいなって思って筋トレをしてるんだけど、矢萩くんは何で筋トレしようって思ったの?」
「輪島を、お姫様抱っこしたいんだ……」
「わぁ、すごい目標だ! 矢萩くんが輪島くんをお姫様抱っこしているところ、みてみたい!」
「そっか、俺、がんばるわ!」
「がんばって! 応援してる!」
中谷は話しやすいな。
そんなこんなで初日の筋肉部での活動は、あっという間に終わった。
輪島と学校を出て、寮に戻る。
「昼飯前にシャワーで汗を流したいな」
「そうだな」
「筋肉部、楽しいな! 俺、続けられそうだわ。中谷も教え方が上手いし」
「……そっか」
いつもは筋肉関係の話をすると、もっと反応してくれるのに、今は目を合わせてもくれない。なんか寂しいな――。
「どうした輪島? 体調悪いのか?」
「いや、別に……」
――いや、あきらかにいつもと何かが違う。
そういえばさっきのトレーニングの時も、俺と目が合った瞬間、いつもと違う表情をしていたし。気になるけど、本当に何もないのか? しつこく聞きたいけど、ふたりの間に見えない壁が……。
「そっか、調子悪いとか、何かあれば言えよ? 俺の出来ることなら何でもするから!」
「……なんでも、か」
「あぁ! 何でもだ!」
俺は微笑んだ。
輪島は無表情で俺の顔をじっと見る。
気がつけば、輪島には色々してもらっている。何もやる気がなくて、怒られることばかりしていた俺に、輪島は筋トレという楽しみをくれた。誰にも気にしてもらえなかった俺を、すごく気にしてくれている。
輪島のお陰で、最近は毎日が楽しい。
俺も輪島に何かしてあげたい。人に対してそんな気持ちになったのは、初めてだ――。
0
あなたにおすすめの小説
悋気応変!
七賀ごふん
BL
激務のイベント会社に勤める弦美(つるみ)は、他人の“焼きもち”を感じ取ると反射的に号泣してしまう。
厄介な体質に苦しんできたものの、感情を表に出さないクールな幼なじみ、友悠(ともひさ)の存在にいつも救われていたが…。
──────────
クール&独占欲強め×前向き&不幸体質。
◇BLove様 主催コンテスト 猫野まりこ先生賞受賞作。
◇プロローグ漫画も公開中です。
表紙:七賀ごふん
【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話
日向汐
BL
「好きです」
「…手離せよ」
「いやだ、」
じっと見つめてくる眼力に気圧される。
ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26)
閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、
一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
短期でサクッと読める完結作です♡
ぜひぜひ
ゆるりとお楽しみください☻*
・───────────・
🧸Twitterもぜひ遊びに来てください🫧
❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21
・───────────・
応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪)
なにとぞ、よしなに♡
・───────────・
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
【完結】俺とあの人の青い春
月城雪華
BL
高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。
けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。
ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。
けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。
それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。
「大丈夫か?」
涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。
【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】
彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。
高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。
(これが最後のチャンスかもしれない)
流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。
(できれば、春樹に彼女が出来ませんように)
そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。
*********
久しぶりに始めてみました
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
死ぬほど嫌いな上司と付き合いました【完結】
三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。
皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。
涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥
上司×部下BL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる