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第4話*お姫様抱っこ比べ
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今日は筋肉部に入部してから三回目の部活だ。
放課後、教室を出てまっすぐ部室に向かった。廊下を歩きながら輪島のことを考えていた。俺が筋肉部に入部した日から、輪島の様子がよそよそしいというか、少し冷たいというか。輪島がいるといつも部屋が暑く感じるのに、寒く感じるし。とにかく、なんか様子がおかしい。特に今日の朝はおかしかった。
「先輩は、誰にでもお姫様抱っこされるんですか?」
朝、学校に行く準備を寮の部屋でしている時。中谷と俺が一緒にしていた筋トレについて、詳しく輪島に話をしていたら、いきなりそんな質問をされた。
「なんで突然、そんな話になった?」
「毎日、中谷先輩の話ばかりしてるから……先輩は、中谷先輩にお姫様抱っこされたら、中谷先輩にも『好き』って言うんすか?」
責めるように強めな口調の輪島。
毎日って、まだ数日だけだし、ずっと中谷の話をしてるわけじゃねえし。っていうか――。
「俺、誰にでも好きとか言わねえし。輪島以外にお姫様抱っこされても、ドキドキしねえし、多分……」
「多分?」
険しい顔になる輪島。疑ってるのか?
もやもやして嫌な気持ちになってきた。
「いや、もうどうしたんだよ、輪島。ちょっとめんどくせぇ」
「先輩は自分ではなく、中谷先輩にお姫様抱っこをしてもらえばいい」
輪島はささっと制服を着て準備をすると、沈んだ表情をして部屋から出ていく。輪島にめんどくさいと言ってしまったことをすぐに後悔した。
――いつもは冷静で、年上の俺よりも大人な雰囲気なのに、輪島、本当にどうしたんだ?
俺は輪島が部屋からいなくなって少し経つと、いつも通り食堂に行った。いつもは輪島と食べていた朝飯を、ひとりで食べた。輪島は食堂に来なかった。
――朝飯食べないの珍しいな。輪島はエルキンだから、俺たちよりも多く食べないとならない。休日は何回か、ご飯以外にも筋肉のために間食もしている。筋肉のために、ああだこうだと食事について、いつも誰よりも考えている輪島にとって、一食分抜くって重大じゃないのか?
輪島について考えていると、あっという間に部室前に着いた。今日は、輪島と朝した会話を何回も思い出している。今ので何回目だろ……。
部室に入ると、輪島以外の部員がいた。俺がTシャツとハーフパンツに着替えたタイミングで部員たちがラジオ体操をはじめた。
筋肉部は、ラジオ体操もするのか。輪島がラジオ体操をしたらきっと、動きがしなやかで誰よりもかっこいいだろうなぁ。
ラジオ体操をして輝く輪島を妄想しながら、俺も体操に加わる。そして終わるといつものように中谷と並んで筋トレをはじめた。
「矢萩くん、今日なんか浮かない顔しているけど、元気ない?」
「えっ?」
中谷の声ではっとした。
俺は今、輪島のことで頭がいっぱいになっていて、筋肉に集中していなかった。
「いや、うん……実は朝、輪島に『先輩は自分ではなく、中谷先輩にお姫様抱っこしてもらえばいい』って、冷たく言われてさ……」
「ぼ、僕が矢萩くんを抱っこ? ちょっと待ってよ! どうしてそんな話になったの?」
「実はさ――」
中谷は聞き上手で話しやすい。どんどん自分のことを話したくなる。輪島にお姫様抱っこをされてドキドキしたことから、今日の朝の会話まで、全てを話してしまった。でも、輪島から可愛いとか好きとか言われたことは、ふたりだけの秘密にしておきたくて言わなかった。
「お姫様抱っこされた時、本当に輪島のことが大好きだなって思ったんだ。その特別な気持ちは輪島にだけ感じるんだと思っていたんだけど……正直、本当にそうなのか自信がなくなってきたかも……」
「とりあえず僕が矢萩くんをお姫様抱っこして、矢萩くんがドキドキするか試してみる?」
「中谷、お姫様抱っこできるのか?」
「うん、出来ると思う」
そう言って中谷は俺を持ち上げようとした。その時、部員たちが「お姫様抱っこトレーニングか?」と、わらわら集まってきた。
「中谷はお姫様抱っこされる側だろ? お姫様抱っこをする側になるな! 俺がやる」
「わ、分かったよ」
三年生の運動神経抜群なエムキン青木副部長が、オラオラしながら中谷にそう言うと、上目遣いで中谷は返事をした。そして中谷から俺を引き剥がした青木副部長は、軽々と俺をお姫様抱っこした。青木副部長は今、意味深いみしんすぎて気になる発言をしていた気がするが、それよりも――。
「軽々と、すげぇな」と、抱かれながら俺は叫んだ。
「矢萩くん、どう? ドキドキ、する?」
中谷から質問された俺は、お姫様抱っこされながら考えた。
「ドキドキ……するかしないかで言えば、するほう?」
「ドキドキ、しちゃうんだ……」
中谷は口に手を当て、眉を八の字にして悩んでる感じの顔をしている。いや、ドキドキはしないのか? 自分のことなのにちょっとよく分からない。
「ドキドキするかチェックしているのか? それなら、俺はどうだろうか? 安定感はあるからしないと思うが」
次は制服が似合う、エムキンの森部長が俺をお姫様抱っこした。
「さっきよりも、ドキドキしないかも?」
「だろ? 安定感は極めているからな」
今チェックしているドキドキは、安定感があるかないかを調べているわけではないけど……。森部長は、微妙にドキドキするくらいか。
「じゃあ、次は、秦がお姫様抱っこしてみろ」
「は、はい。ちょっと、僕の方が緊張してドキドキしてます」
「大丈夫だ、秦は今から少女漫画の、ヒロインをお姫様抱っこするイケメンヒーローだ!」
「ヒーロー……部長にそう言われると、ヒーローな気がしてきました」
見た目が野生児風のエルキン秦は、震えながら俺をお姫様抱っこした。震えていたけれど、俺をお姫様抱っこした瞬間にその震えはおさまった。ヒーローになったのか? なんだろう、抱かれ心地がよくて、とにかく癒される。ドキドキ度はうっすらか。
「秦は、この中で一番安心する感じだ。なんか、布団の中にいる感じがして、いますぐ寝そう」
「あ、安心してもらえて、よかったです」
ほっとした様子で秦は、俺を優しくおろした。
「青木は止めたが、中谷もやってみろ! 部長命令だ」
青木副部長と中谷は、はっとして目を合わす。そして目で何かを会話しているように見える。
――もしかしてこのふたりって!?
「じゃあ、中谷が矢萩をお姫様抱っこするのは、一回だけだぞ。その代わりに後から中谷を沢山お姫様抱っこさせろよ!」
「うん、分かったよ。青木先輩! 矢萩くんのお姫様抱っこやってみるね」
やっぱりこのふたりは、何かある……青木副部長が中谷をお姫様抱っこしているのを想像してみた。なかなかお似合いだな。
そして中谷もお姫様抱っこに挑戦した。他の部員よりも時間をかけて俺をお姫様抱っこした感じだったけど、余裕が少しある状態で成功した。でも短時間で中谷の手がフルフルしてきて、俺は落ちそうになってきた。
「な、中谷が一番ドキドキするかも……」
「ぼ、僕もすごくドキドキしてる」
好きとか、そんなんじゃなくて不安や緊張で――。
「先輩は、お姫様抱っこされるのは誰でもいいのか。しかも中谷先輩に一番ドキドキしていると?」
「えっ?」
その低くて重たい声と言葉にびくつき、過剰な反応をした俺。
声の方を見ると、輪島が腕を組みながらドアの前に立っていた。
いつから見られていたんだ?
「輪島、これは違くて。試していて……」
「何を試していた?」
誤解を解きたい。今すぐに解きたいけど。あきらかに怒っている様子の輪島を目にすると、焦って言葉が何も出てこない。それに、輪島以外にお姫様抱っこをされても、ドキドキした。だけど違うドキドキで、その辺りも頭の中で整理して、輪島にきちんと伝えたい。焦るほど頭の中が真っ白になっていく。
俺があたふたしていると、輪島は勢いよく中谷から俺を奪い、お姫様抱っこをして廊下に出た。
「輪島、落ち着けよ」
「落ち着いてなんか、いられん」
「どこに行くんだよ?」
「部屋に戻る! 先輩を筋肉部に連れてこなければよかった。もうこのまま部屋に戻ったら、先輩を部屋に閉じ込めておきたい。先輩が他の人にお姫様抱っこされないように、一生……」
こんな恐ろしい形相をしている輪島を見たのは初めてだ。
――これは、ヤキモチか?
ヤキモチを焼かれて、胸の奥がじんとする。落ちない安心感はあったけど、もっと触れる面積を増やしたいから、輪島の首に両手を回す。前を向いている輪島の顔をずっと見つめた。
輪島のお姫様抱っこが一番、いや、輪島のお姫様抱っこだけが特別で、大好きだ――。
部屋に戻ると、輪島は俺をお姫様抱っこしたまま、輪島のベッドの前で立ち止まった。勢いよく投げられると思って目を閉じたけれど、優しく投げられた。
そして、仰向けになった俺を思い切り抱きしめてきた。俺の心臓は今にも爆発しそうなくらい、ドキドキがやばい。
「先輩、大胸筋辺りが、苦しい――」
突然輪島は、震える声でそう言った。
放課後、教室を出てまっすぐ部室に向かった。廊下を歩きながら輪島のことを考えていた。俺が筋肉部に入部した日から、輪島の様子がよそよそしいというか、少し冷たいというか。輪島がいるといつも部屋が暑く感じるのに、寒く感じるし。とにかく、なんか様子がおかしい。特に今日の朝はおかしかった。
「先輩は、誰にでもお姫様抱っこされるんですか?」
朝、学校に行く準備を寮の部屋でしている時。中谷と俺が一緒にしていた筋トレについて、詳しく輪島に話をしていたら、いきなりそんな質問をされた。
「なんで突然、そんな話になった?」
「毎日、中谷先輩の話ばかりしてるから……先輩は、中谷先輩にお姫様抱っこされたら、中谷先輩にも『好き』って言うんすか?」
責めるように強めな口調の輪島。
毎日って、まだ数日だけだし、ずっと中谷の話をしてるわけじゃねえし。っていうか――。
「俺、誰にでも好きとか言わねえし。輪島以外にお姫様抱っこされても、ドキドキしねえし、多分……」
「多分?」
険しい顔になる輪島。疑ってるのか?
もやもやして嫌な気持ちになってきた。
「いや、もうどうしたんだよ、輪島。ちょっとめんどくせぇ」
「先輩は自分ではなく、中谷先輩にお姫様抱っこをしてもらえばいい」
輪島はささっと制服を着て準備をすると、沈んだ表情をして部屋から出ていく。輪島にめんどくさいと言ってしまったことをすぐに後悔した。
――いつもは冷静で、年上の俺よりも大人な雰囲気なのに、輪島、本当にどうしたんだ?
俺は輪島が部屋からいなくなって少し経つと、いつも通り食堂に行った。いつもは輪島と食べていた朝飯を、ひとりで食べた。輪島は食堂に来なかった。
――朝飯食べないの珍しいな。輪島はエルキンだから、俺たちよりも多く食べないとならない。休日は何回か、ご飯以外にも筋肉のために間食もしている。筋肉のために、ああだこうだと食事について、いつも誰よりも考えている輪島にとって、一食分抜くって重大じゃないのか?
輪島について考えていると、あっという間に部室前に着いた。今日は、輪島と朝した会話を何回も思い出している。今ので何回目だろ……。
部室に入ると、輪島以外の部員がいた。俺がTシャツとハーフパンツに着替えたタイミングで部員たちがラジオ体操をはじめた。
筋肉部は、ラジオ体操もするのか。輪島がラジオ体操をしたらきっと、動きがしなやかで誰よりもかっこいいだろうなぁ。
ラジオ体操をして輝く輪島を妄想しながら、俺も体操に加わる。そして終わるといつものように中谷と並んで筋トレをはじめた。
「矢萩くん、今日なんか浮かない顔しているけど、元気ない?」
「えっ?」
中谷の声ではっとした。
俺は今、輪島のことで頭がいっぱいになっていて、筋肉に集中していなかった。
「いや、うん……実は朝、輪島に『先輩は自分ではなく、中谷先輩にお姫様抱っこしてもらえばいい』って、冷たく言われてさ……」
「ぼ、僕が矢萩くんを抱っこ? ちょっと待ってよ! どうしてそんな話になったの?」
「実はさ――」
中谷は聞き上手で話しやすい。どんどん自分のことを話したくなる。輪島にお姫様抱っこをされてドキドキしたことから、今日の朝の会話まで、全てを話してしまった。でも、輪島から可愛いとか好きとか言われたことは、ふたりだけの秘密にしておきたくて言わなかった。
「お姫様抱っこされた時、本当に輪島のことが大好きだなって思ったんだ。その特別な気持ちは輪島にだけ感じるんだと思っていたんだけど……正直、本当にそうなのか自信がなくなってきたかも……」
「とりあえず僕が矢萩くんをお姫様抱っこして、矢萩くんがドキドキするか試してみる?」
「中谷、お姫様抱っこできるのか?」
「うん、出来ると思う」
そう言って中谷は俺を持ち上げようとした。その時、部員たちが「お姫様抱っこトレーニングか?」と、わらわら集まってきた。
「中谷はお姫様抱っこされる側だろ? お姫様抱っこをする側になるな! 俺がやる」
「わ、分かったよ」
三年生の運動神経抜群なエムキン青木副部長が、オラオラしながら中谷にそう言うと、上目遣いで中谷は返事をした。そして中谷から俺を引き剥がした青木副部長は、軽々と俺をお姫様抱っこした。青木副部長は今、意味深いみしんすぎて気になる発言をしていた気がするが、それよりも――。
「軽々と、すげぇな」と、抱かれながら俺は叫んだ。
「矢萩くん、どう? ドキドキ、する?」
中谷から質問された俺は、お姫様抱っこされながら考えた。
「ドキドキ……するかしないかで言えば、するほう?」
「ドキドキ、しちゃうんだ……」
中谷は口に手を当て、眉を八の字にして悩んでる感じの顔をしている。いや、ドキドキはしないのか? 自分のことなのにちょっとよく分からない。
「ドキドキするかチェックしているのか? それなら、俺はどうだろうか? 安定感はあるからしないと思うが」
次は制服が似合う、エムキンの森部長が俺をお姫様抱っこした。
「さっきよりも、ドキドキしないかも?」
「だろ? 安定感は極めているからな」
今チェックしているドキドキは、安定感があるかないかを調べているわけではないけど……。森部長は、微妙にドキドキするくらいか。
「じゃあ、次は、秦がお姫様抱っこしてみろ」
「は、はい。ちょっと、僕の方が緊張してドキドキしてます」
「大丈夫だ、秦は今から少女漫画の、ヒロインをお姫様抱っこするイケメンヒーローだ!」
「ヒーロー……部長にそう言われると、ヒーローな気がしてきました」
見た目が野生児風のエルキン秦は、震えながら俺をお姫様抱っこした。震えていたけれど、俺をお姫様抱っこした瞬間にその震えはおさまった。ヒーローになったのか? なんだろう、抱かれ心地がよくて、とにかく癒される。ドキドキ度はうっすらか。
「秦は、この中で一番安心する感じだ。なんか、布団の中にいる感じがして、いますぐ寝そう」
「あ、安心してもらえて、よかったです」
ほっとした様子で秦は、俺を優しくおろした。
「青木は止めたが、中谷もやってみろ! 部長命令だ」
青木副部長と中谷は、はっとして目を合わす。そして目で何かを会話しているように見える。
――もしかしてこのふたりって!?
「じゃあ、中谷が矢萩をお姫様抱っこするのは、一回だけだぞ。その代わりに後から中谷を沢山お姫様抱っこさせろよ!」
「うん、分かったよ。青木先輩! 矢萩くんのお姫様抱っこやってみるね」
やっぱりこのふたりは、何かある……青木副部長が中谷をお姫様抱っこしているのを想像してみた。なかなかお似合いだな。
そして中谷もお姫様抱っこに挑戦した。他の部員よりも時間をかけて俺をお姫様抱っこした感じだったけど、余裕が少しある状態で成功した。でも短時間で中谷の手がフルフルしてきて、俺は落ちそうになってきた。
「な、中谷が一番ドキドキするかも……」
「ぼ、僕もすごくドキドキしてる」
好きとか、そんなんじゃなくて不安や緊張で――。
「先輩は、お姫様抱っこされるのは誰でもいいのか。しかも中谷先輩に一番ドキドキしていると?」
「えっ?」
その低くて重たい声と言葉にびくつき、過剰な反応をした俺。
声の方を見ると、輪島が腕を組みながらドアの前に立っていた。
いつから見られていたんだ?
「輪島、これは違くて。試していて……」
「何を試していた?」
誤解を解きたい。今すぐに解きたいけど。あきらかに怒っている様子の輪島を目にすると、焦って言葉が何も出てこない。それに、輪島以外にお姫様抱っこをされても、ドキドキした。だけど違うドキドキで、その辺りも頭の中で整理して、輪島にきちんと伝えたい。焦るほど頭の中が真っ白になっていく。
俺があたふたしていると、輪島は勢いよく中谷から俺を奪い、お姫様抱っこをして廊下に出た。
「輪島、落ち着けよ」
「落ち着いてなんか、いられん」
「どこに行くんだよ?」
「部屋に戻る! 先輩を筋肉部に連れてこなければよかった。もうこのまま部屋に戻ったら、先輩を部屋に閉じ込めておきたい。先輩が他の人にお姫様抱っこされないように、一生……」
こんな恐ろしい形相をしている輪島を見たのは初めてだ。
――これは、ヤキモチか?
ヤキモチを焼かれて、胸の奥がじんとする。落ちない安心感はあったけど、もっと触れる面積を増やしたいから、輪島の首に両手を回す。前を向いている輪島の顔をずっと見つめた。
輪島のお姫様抱っこが一番、いや、輪島のお姫様抱っこだけが特別で、大好きだ――。
部屋に戻ると、輪島は俺をお姫様抱っこしたまま、輪島のベッドの前で立ち止まった。勢いよく投げられると思って目を閉じたけれど、優しく投げられた。
そして、仰向けになった俺を思い切り抱きしめてきた。俺の心臓は今にも爆発しそうなくらい、ドキドキがやばい。
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突然輪島は、震える声でそう言った。
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