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奴隷編
9.僕たち、友だちッスよね✦︎
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※注意書き※
性描写あり(無理矢理、強姦未遂、アナル舐め)
「……ゃ、やだっ……やめてえ……っ」
ぼろぼろと涙が溢れてきて、エディスはしゃくりあげて泣いた。
その様子を、クレマはほぉ……っと悦楽の吐息を零して見下ろす。その中心はすっかり勃ち上がり、今にも押し入りたいとばかりに主張している。
「王子、ご安心ください。私が非常に紳士な男だと、あなたにも知っていただきたい」
は、は、と息を継いだエディスは、涙を拭いながら頷く。
紳士であれば、レウのように止めてくれるのだろうと。そう期待してクレマを見たのに。
「この舌で、奥まで濡らして差し上げます」
「――ヒッ」
だらりと垂れた、蛇のように二股に割れた舌を見せつけられたエディスは総毛立った。
どうにか逃げられないかと辺りを見渡し、体を捩じるが触手は振りほどけそうにない。
ついにクレマの指で後孔を開かれてしまう。
「こんなところまで美しいだなんて。美術品のように育てられたのだな」
見るなと叫んだエディスに、クレマは微笑み掛けてくる。
「やめて……」
ちゅうっと愛おしそうに口づけさえ贈られ、エディスは力なく首を振った。
「ひぎゅっ、あ、あああああっ、は、はひゅ、ア゙、」
無情にもズルズルと入り込んでくる舌の、レウの指や一物とは全く感触にエディスは我も忘れて叫び声を上げる。
無理矢理脱しようと引っ張った腕や足が痛んでも構わなかった。だが、暴れれば暴れる程、触手は強固にしがみ付いてくる。
クレマの舌は驚く程に長く伸び、エディスの中にあるしこりを丹念に舐め回してからさらに奥へと進んできた。
レウでも招いたことがほとんどないところにだ。ついこの間、ゆっくり慣れていこうなと話したばかりの――。
「くるな、くるなあぁ、そこやだっ、やだあぁぁっ、やだ、レウ、レウしか、やめてっ、いやあ!」
うるさいとばかりに結腸口を舐め、舌先で弾かれたエディスは「ふぐっ」と喉を詰めた。
「ぃやっ、やだ、やだあ!」
子どものように泣き喚くエディスに呆れたのか、クレマの舌が抜かれていく。
息を吐いて安堵し、強張らせていた体の力を緩める。
媚薬を奥まで塗りつけられた後孔はじんじんと熱を持って、男根を欲していた。けれど、心は冷え切って泣き濡れている。
「やれやれ、ワガママな王子だ」
クレマがまたもトゲがびっしりとついた手袋をはめたことに気が付いたエディスが膝を合わせようとすると、クレマは太ももを叩いて隠すなと叱責した。
「これで中を掻くと処女でも娼婦のようになるのだ」
「か……っ、ぁは……」
いきなり二本一気に挿れられたエディスが腹に力を入れると、クレマは「なにを締め付けているのだ」と腹を押した。
中をごしごし引っ掻かれたエディスは腕を突っ張り、歯を食いしばる。だが、すぐに口が開けて背を丸めた。クレマの手を止めたいのに届かず、涙を零すばかり。
「かゆ、痒い゙ィ……やだ、やだぁあ……っ、や゙ッ」
ごりゅっと前立腺を強く引っ掻かれて喉を曝け出す。
仰け反ったエディスの性器から勢いよく潮が噴き出したが、それでもクレマの手は止まらなかった。
エディスは腹がべこべこと凹む程に力を入れたり、抜いたり。それでも押し留められない快楽に頭を振るう。
「快楽に弱いよう仕立てられた、私もこのぬかるみに入れてくれないかね」
「あ゙ふっ、ッい、い゙ううぅ……ッ、だれが、だれがいれるかぁッ」
「だが、あなたは性交をする為に作り出された。そうキシウ様や奴隷市の男どもに教えこまれたのだ」
私が嫌ならば部下とするかと囁かれたエディスは嫌だと叫ぶ。ほとんど恐慌状態だった。
「何百人という男の白濁を腹に受ければ、如何にあなたといえど陥落するだろう」
「されだくない、えっちじない! しない゙ぃ……っ!」
「ほう? だが、この奥は男を待ち望んでいるだろう」
代わりにこれを挿れてみようかとクレマが持ちだした物を見たエディスは、カタカタと体を震わせた。
「私が特に気に入っているコレクションの一つだ」
クレマはその物に頬ずりをしながら、ブツの紹介を始める。
「この長大さと凶悪な返し……おや、どうしてそう怯えることが? ほら、近くに寄って見てくれ!」
見せつけられた物から顔を背けて目を閉じたエディスの顎を掴んで、さらに近づけた。
恐る恐る見たそれがあまりに恐ろしく、口を両手で押さえて涙を零す。
「ああ、なんて愛らしい。もっともっと、堕ちてきてくれ……」
べろりと長い舌に顔の側面を舐めてくるクレマは、体を小さく震わせているエディスの肩を抱き寄せようとしてくる。
その手が握っている物がいつ己を貫くのかという恐怖に頭が支配されかけてしまう。
その時、バンッとドアを開ける大きな音がした。
「なにしてるんスか!!」
放心していたエディスは緩慢な動作でドアの方に顔を向ける。
いつも眠たげな目をこれでもかと怒らせ、拳を握ったジェネアスの姿が目に映り込んできて、頭をゆっくり上げた。
「ジェネアス……? なんで」
腰に帯びたポーチから薬品入りの試験管を取り出そうとしたのを見取ったクレマが、エディスの後ろに回ってくる。
「ぐぅ……っ!?」
きゅう、と喉から音が鳴った。クレマの手で首を絞められたのだ。
「やめろ、やめろッス!!」
ジェネアスは手を引っ込め、奥歯を噛み締める。
どうして戦闘要員ではない彼がこんな所まで来たのか、今のエディスの頭の鈍さでは推理できない。
「人は同じ汁を吸って生きた者で群れる。奴隷と友だちごっこをしているのが、貴様が性奴隷であった証左だ」
「エディスは性奴隷なんかじゃね~ッスよ!」
バカッアホッ、なに言ってくれてんスかと地団太を踏むジェネアスを小馬鹿にするように、クレマがハッと息を漏らす。
「知識奴隷など、しくじれば主人の慰み者だというのはお前もよく知っているだろう。コイツは夜の指南を受けている」
「うちの……っ、うちの奴隷市はそんな所じゃ」
エディスが口答えをしようとすると、クレマが手に力をこめる。段々と景色が白じんでいき、指が痺れて頭が熱っぽくなってきた。
「キシウ様がそう公表すればどうなるのだろうか。この者を見る人々の目は変わるだろうな」
「あんなクソ色ボケババアの思惑なんか死ぬほどどうでもいいんスけど!」
クソ色ボケババア……とクレマが復唱する。
エディスでさえ薄ぼやけた頭の中で(今なんかすごいこと言ったな……)と考えた。
「僕は今、僕の友だちを馬鹿にするなって話をしてんスよ!!」
跳びかかってきたジェネアスの頬を、クレマが手の甲で殴った。だが、ジェネアスも負けじとクレマの腕を掴んでがぶりと噛みつく。
クレマはひょろ長いだけでそこまで筋力があるわけではない。
ジェネアスは近くに落ちていたペニスを模した玩具を拾い、それでクレマの頭を何度も殴った。
クレマともつれ合って床を転がり、猫のように引っ掻いたり、引っ掻かれたり。
むきになっているように見えるジェネアスに、クレマから解放されたエディスは衣服の乱れを正しながらもぽかんと口を開けて見やる。
「うちのとりさんの目が黒い内は、お前なんかに好き勝手させない。エディスを性奴隷扱いするなんて、許さね~ッスからね!」
怒りを原動に叫んだジェネアスが小さな筒の蓋を開けてクレマに向かって放つと、小爆発を起こした。
目くらまし程度にしかならなかったが、距離を取るには最適だった。
ジェネアスは息を荒く吐きながらもこちらに走ってきて、エディスの頭を抱えて床に低くしゃがみこむ。
彼の肩はクレマの爪が食い込んでいたのか皮膚が破れ、血が滲んでいた。
「……下に五、西に二ミリ修正。とりさん、お願いするッスよ――!!」
エディスの上に獣のように四肢をついて跨って、クレマを睨んだジェネアスの叫び。それを聞いたクレマの、濃くクマが浮き出た目が大きく見開かれる。
「お前、なにを――」
壁に線が入るのを見た。
外から飛んできた斬撃はしゃがんで避けようとしたクレマの髪を数本散らし、床の上へ落ちる。
震える手で頭に手を当てて確かめる彼の後ろで、壊された屋敷が横へとズレていく。
空が開け、風が吹き込んでくる。
エディスは空気を吸ってから駆け出し、クレマの横腹にローキックを食らわせた。ぐぅっと唸ったクレマの脳天に踵を落とすと、ようやく床に倒れ伏す。
エディスもまた床に崩れ落ちると、ジェネアスもはあ~~っと息を吐いて横に寝ころんだ。
「からだ、めっちゃいってぇ~ッス」
へへっと笑い掛けられ、エディスはじわりと浮かんできた涙を隠すために顔の前に腕を持ってくる。
「ありがとな、ジェネアス」
「なんのなんの、これしき。気にしないでほしいッスよ」
ころんできたジェネアスに手を握られる。
「だって、僕ら友だちッスよ」
はにかんで笑われたエディスは、わあっと彼に飛びついた。ジェネアスはエディスの背を撫でて、「ごめんッス」と言う。
「僕が不安にさせたせいッスよね」
でなかったら攫われるような隙できなかったッスよねと謝ってくるジェネアスに、首をぶんぶん振る。
「ずっとお前気にしてたのかよって言われるかなって、弱気んなっちゃって」
でもと鼻をつまんできたジェネアスに、エディスはなんだよと目を閉じた。
「エディスにこ~んな顔をさせちゃうくらいなら、言っちゃうッス」
「なんでも言えって」
へへ……と笑うジェネアスに頷くと、彼が見たことがないくらい真剣な顔になったので唾をごくりと飲みこむ。
「君が王様になったら、この国から奴隷制度を撤廃してほしいッス」
約束してくれるッスかと差し出された小指に、自分の指を絡めてエディスは笑った。
「ぜったい。約束する」
性描写あり(無理矢理、強姦未遂、アナル舐め)
「……ゃ、やだっ……やめてえ……っ」
ぼろぼろと涙が溢れてきて、エディスはしゃくりあげて泣いた。
その様子を、クレマはほぉ……っと悦楽の吐息を零して見下ろす。その中心はすっかり勃ち上がり、今にも押し入りたいとばかりに主張している。
「王子、ご安心ください。私が非常に紳士な男だと、あなたにも知っていただきたい」
は、は、と息を継いだエディスは、涙を拭いながら頷く。
紳士であれば、レウのように止めてくれるのだろうと。そう期待してクレマを見たのに。
「この舌で、奥まで濡らして差し上げます」
「――ヒッ」
だらりと垂れた、蛇のように二股に割れた舌を見せつけられたエディスは総毛立った。
どうにか逃げられないかと辺りを見渡し、体を捩じるが触手は振りほどけそうにない。
ついにクレマの指で後孔を開かれてしまう。
「こんなところまで美しいだなんて。美術品のように育てられたのだな」
見るなと叫んだエディスに、クレマは微笑み掛けてくる。
「やめて……」
ちゅうっと愛おしそうに口づけさえ贈られ、エディスは力なく首を振った。
「ひぎゅっ、あ、あああああっ、は、はひゅ、ア゙、」
無情にもズルズルと入り込んでくる舌の、レウの指や一物とは全く感触にエディスは我も忘れて叫び声を上げる。
無理矢理脱しようと引っ張った腕や足が痛んでも構わなかった。だが、暴れれば暴れる程、触手は強固にしがみ付いてくる。
クレマの舌は驚く程に長く伸び、エディスの中にあるしこりを丹念に舐め回してからさらに奥へと進んできた。
レウでも招いたことがほとんどないところにだ。ついこの間、ゆっくり慣れていこうなと話したばかりの――。
「くるな、くるなあぁ、そこやだっ、やだあぁぁっ、やだ、レウ、レウしか、やめてっ、いやあ!」
うるさいとばかりに結腸口を舐め、舌先で弾かれたエディスは「ふぐっ」と喉を詰めた。
「ぃやっ、やだ、やだあ!」
子どものように泣き喚くエディスに呆れたのか、クレマの舌が抜かれていく。
息を吐いて安堵し、強張らせていた体の力を緩める。
媚薬を奥まで塗りつけられた後孔はじんじんと熱を持って、男根を欲していた。けれど、心は冷え切って泣き濡れている。
「やれやれ、ワガママな王子だ」
クレマがまたもトゲがびっしりとついた手袋をはめたことに気が付いたエディスが膝を合わせようとすると、クレマは太ももを叩いて隠すなと叱責した。
「これで中を掻くと処女でも娼婦のようになるのだ」
「か……っ、ぁは……」
いきなり二本一気に挿れられたエディスが腹に力を入れると、クレマは「なにを締め付けているのだ」と腹を押した。
中をごしごし引っ掻かれたエディスは腕を突っ張り、歯を食いしばる。だが、すぐに口が開けて背を丸めた。クレマの手を止めたいのに届かず、涙を零すばかり。
「かゆ、痒い゙ィ……やだ、やだぁあ……っ、や゙ッ」
ごりゅっと前立腺を強く引っ掻かれて喉を曝け出す。
仰け反ったエディスの性器から勢いよく潮が噴き出したが、それでもクレマの手は止まらなかった。
エディスは腹がべこべこと凹む程に力を入れたり、抜いたり。それでも押し留められない快楽に頭を振るう。
「快楽に弱いよう仕立てられた、私もこのぬかるみに入れてくれないかね」
「あ゙ふっ、ッい、い゙ううぅ……ッ、だれが、だれがいれるかぁッ」
「だが、あなたは性交をする為に作り出された。そうキシウ様や奴隷市の男どもに教えこまれたのだ」
私が嫌ならば部下とするかと囁かれたエディスは嫌だと叫ぶ。ほとんど恐慌状態だった。
「何百人という男の白濁を腹に受ければ、如何にあなたといえど陥落するだろう」
「されだくない、えっちじない! しない゙ぃ……っ!」
「ほう? だが、この奥は男を待ち望んでいるだろう」
代わりにこれを挿れてみようかとクレマが持ちだした物を見たエディスは、カタカタと体を震わせた。
「私が特に気に入っているコレクションの一つだ」
クレマはその物に頬ずりをしながら、ブツの紹介を始める。
「この長大さと凶悪な返し……おや、どうしてそう怯えることが? ほら、近くに寄って見てくれ!」
見せつけられた物から顔を背けて目を閉じたエディスの顎を掴んで、さらに近づけた。
恐る恐る見たそれがあまりに恐ろしく、口を両手で押さえて涙を零す。
「ああ、なんて愛らしい。もっともっと、堕ちてきてくれ……」
べろりと長い舌に顔の側面を舐めてくるクレマは、体を小さく震わせているエディスの肩を抱き寄せようとしてくる。
その手が握っている物がいつ己を貫くのかという恐怖に頭が支配されかけてしまう。
その時、バンッとドアを開ける大きな音がした。
「なにしてるんスか!!」
放心していたエディスは緩慢な動作でドアの方に顔を向ける。
いつも眠たげな目をこれでもかと怒らせ、拳を握ったジェネアスの姿が目に映り込んできて、頭をゆっくり上げた。
「ジェネアス……? なんで」
腰に帯びたポーチから薬品入りの試験管を取り出そうとしたのを見取ったクレマが、エディスの後ろに回ってくる。
「ぐぅ……っ!?」
きゅう、と喉から音が鳴った。クレマの手で首を絞められたのだ。
「やめろ、やめろッス!!」
ジェネアスは手を引っ込め、奥歯を噛み締める。
どうして戦闘要員ではない彼がこんな所まで来たのか、今のエディスの頭の鈍さでは推理できない。
「人は同じ汁を吸って生きた者で群れる。奴隷と友だちごっこをしているのが、貴様が性奴隷であった証左だ」
「エディスは性奴隷なんかじゃね~ッスよ!」
バカッアホッ、なに言ってくれてんスかと地団太を踏むジェネアスを小馬鹿にするように、クレマがハッと息を漏らす。
「知識奴隷など、しくじれば主人の慰み者だというのはお前もよく知っているだろう。コイツは夜の指南を受けている」
「うちの……っ、うちの奴隷市はそんな所じゃ」
エディスが口答えをしようとすると、クレマが手に力をこめる。段々と景色が白じんでいき、指が痺れて頭が熱っぽくなってきた。
「キシウ様がそう公表すればどうなるのだろうか。この者を見る人々の目は変わるだろうな」
「あんなクソ色ボケババアの思惑なんか死ぬほどどうでもいいんスけど!」
クソ色ボケババア……とクレマが復唱する。
エディスでさえ薄ぼやけた頭の中で(今なんかすごいこと言ったな……)と考えた。
「僕は今、僕の友だちを馬鹿にするなって話をしてんスよ!!」
跳びかかってきたジェネアスの頬を、クレマが手の甲で殴った。だが、ジェネアスも負けじとクレマの腕を掴んでがぶりと噛みつく。
クレマはひょろ長いだけでそこまで筋力があるわけではない。
ジェネアスは近くに落ちていたペニスを模した玩具を拾い、それでクレマの頭を何度も殴った。
クレマともつれ合って床を転がり、猫のように引っ掻いたり、引っ掻かれたり。
むきになっているように見えるジェネアスに、クレマから解放されたエディスは衣服の乱れを正しながらもぽかんと口を開けて見やる。
「うちのとりさんの目が黒い内は、お前なんかに好き勝手させない。エディスを性奴隷扱いするなんて、許さね~ッスからね!」
怒りを原動に叫んだジェネアスが小さな筒の蓋を開けてクレマに向かって放つと、小爆発を起こした。
目くらまし程度にしかならなかったが、距離を取るには最適だった。
ジェネアスは息を荒く吐きながらもこちらに走ってきて、エディスの頭を抱えて床に低くしゃがみこむ。
彼の肩はクレマの爪が食い込んでいたのか皮膚が破れ、血が滲んでいた。
「……下に五、西に二ミリ修正。とりさん、お願いするッスよ――!!」
エディスの上に獣のように四肢をついて跨って、クレマを睨んだジェネアスの叫び。それを聞いたクレマの、濃くクマが浮き出た目が大きく見開かれる。
「お前、なにを――」
壁に線が入るのを見た。
外から飛んできた斬撃はしゃがんで避けようとしたクレマの髪を数本散らし、床の上へ落ちる。
震える手で頭に手を当てて確かめる彼の後ろで、壊された屋敷が横へとズレていく。
空が開け、風が吹き込んでくる。
エディスは空気を吸ってから駆け出し、クレマの横腹にローキックを食らわせた。ぐぅっと唸ったクレマの脳天に踵を落とすと、ようやく床に倒れ伏す。
エディスもまた床に崩れ落ちると、ジェネアスもはあ~~っと息を吐いて横に寝ころんだ。
「からだ、めっちゃいってぇ~ッス」
へへっと笑い掛けられ、エディスはじわりと浮かんできた涙を隠すために顔の前に腕を持ってくる。
「ありがとな、ジェネアス」
「なんのなんの、これしき。気にしないでほしいッスよ」
ころんできたジェネアスに手を握られる。
「だって、僕ら友だちッスよ」
はにかんで笑われたエディスは、わあっと彼に飛びついた。ジェネアスはエディスの背を撫でて、「ごめんッス」と言う。
「僕が不安にさせたせいッスよね」
でなかったら攫われるような隙できなかったッスよねと謝ってくるジェネアスに、首をぶんぶん振る。
「ずっとお前気にしてたのかよって言われるかなって、弱気んなっちゃって」
でもと鼻をつまんできたジェネアスに、エディスはなんだよと目を閉じた。
「エディスにこ~んな顔をさせちゃうくらいなら、言っちゃうッス」
「なんでも言えって」
へへ……と笑うジェネアスに頷くと、彼が見たことがないくらい真剣な顔になったので唾をごくりと飲みこむ。
「君が王様になったら、この国から奴隷制度を撤廃してほしいッス」
約束してくれるッスかと差し出された小指に、自分の指を絡めてエディスは笑った。
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