新しい家族は保護犬きーちゃん

保護犬ちゃん・譲渡編

６話 アンケート

インターネットの時代。送られて来たアンケートは封書ではなく、パソコンのアドレスにメールにて送付されてきた。

何枚かの質問の書かれたアンケートは、かなり掘り下げた内容で中身が濃い。そして一通り目を通せば見えてくる。内容の全てが保護犬ちゃんに寄り添った形のアンケート。

虐待を受け続けたことにより、人間不信に陥った可哀想な保護犬ちゃん達。だからこそ、「この先はより良い受け入れ先へと巡り会えるように……」そうした想いが伝わるような中身。ちゃんとした受け入れ先かを見極める為のもの。

「だったら、こちらも真剣に書かないと……」

旦那様と子供も交えて、一つ一つ丁寧にアンケートに答えていく。かなり譲渡の条件が厳しいことがわかる。それだけ動物保護団体の方々も真剣なのだ。


厳しい譲渡内容は以下のような事だ。

⚫︎保護犬ちゃんを迎え入れる場合、先住犬は居ないこと。もし相性が悪い場合、保護犬ちゃんが捨てられる可能性がある。実際に起きたこと。事実。

⚫︎必ず、誰かは在宅。保護犬ちゃんを1人きりにしない。寂しい想いはさせては駄目。その為、共働き世帯は譲渡不可。

⚫︎万が一の時の為に、必ず保護犬ちゃんを世話する後継人がいること。

⚫︎必ず室内で飼うこと。

⚫︎ワクチンや狂犬病の予防接種・フィラリアの予防薬の投与・ノミマダニの予防薬の投与は必至。

⚫︎月1での近況報告(保護犬ちゃんの写真付き)も必至。

面白いのが、月に1度は必ずトリミングに連れて行くことも盛り込まれている。

最後に、1番の最重要事項は、「家族総意」であること。1人でも反対する家族がいれば駄目。家族総出で愛情を注ぐことが必至。おまけに世帯主の収入もある程度はないと駄目。貧困の末に世話出来ず、捨てられる可能性があるから……などなど、かなりの厳しい規約を設けている。

家には専業主婦の私がいるし、後継人も私の両親がいる。既に保護犬ちゃんを受け入れている父母なら安心。

旦那様はもちろんだが、2人の我が子も大賛成してくれた。保護犬ちゃんが我が家に来た時は、皆んなでいっぱいの愛情を注ごうと誓う。

この先、まさに其の通りのなるのだから嬉しい。

「保護犬ちゃんを引き取りたい」

私の想いを汲んでくれる家族。やっぱり得難い。