新しい家族は保護犬きーちゃん

ゆきむらさり

文字の大きさ
7 / 37
保護犬ちゃん・譲渡編

7話 対面と面談

しおりを挟む
家族と相談して書き上げたアンケート。保護団体へと返信すれば、後日面談の案内が届く。それは保護犬ちゃんを今現在までお世話をしている保護団体の方との対面での面談となる。

指定された日時と場所には、旦那様と2人で赴く。平日は子供達は学校。休ませて行かせるわけにはいかない。

自宅から自家用車で1時間弱の保護施設の分所に「その子」はいる。

犬用ベビーカーの中、家族として迎え入れたい保護犬のチワワちゃんがいた。小さな体を丸めて、上目遣いで私達夫婦を見る保護犬のチワワちゃん。その様子は誰が見ても警戒しているのがわかる。

そう、人間という生き物が恐怖の対象でしかない保護犬ちゃん達には、人間の言葉が分かるはずもなく、この先のことに恐怖しているのだ。

僕はまたこの人達に虐待をされるの……。

そんな声が聞こえてきそうなぐらい怯えている。オドオドと瞳を潤ませ、体を丸める保護犬ちゃん。明らかにビクビクと怖がっている。

いったい、どれ程の辛い想いをしてきたの?

どれ程の虐待を受けてきたの……?

そう思えば、胸に込み上げるものが。居た堪れない。助け出される前の保護犬ちゃんの境遇を考えると、どうしたって涙が滲む。

だからこそ思ってしまう。願ってしまう。

私達の家族として迎え入れ、「いっぱいの愛情を注いであげたい……」そう思うのは偽善ではなく本心から。保護犬ちゃんの怯えた様子を見れば見るほど、そうした想いは増すばかり。

綺麗事だと思われるかもしれない。だけど、これは綺麗事じゃない。実際、私は本気だ。

一目で「この子だ!」と思った。直感めいたもの。それに縁があれば繋がる。

「……この子を迎え入れたい……」

そう望む私の想いが届くことを、ただただひたすらに祈る。切に願う。
しおりを挟む
感想 156

あなたにおすすめの小説

【完結】初めてアルファポリスのHOTランキング1位になって起きた事

天田れおぽん
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスのHOTランキング一位になった記念のエッセイです。 なかなか経験できないことだろうし、初めてのことなので新鮮な気持ちを書き残しておこうと思って投稿します。 「イケオジ辺境伯に嫁げた私の素敵な婚約破棄」がHOTランキング一位になった2022/12/16の前日からの気持ちをつらつらと書き残してみます。

アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?

無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。 どっちが稼げるのだろう? いろんな方の想いがあるのかと・・・。 2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。 あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

投稿インセンティブで月額23万円を稼いだ方法。

克全
エッセイ・ノンフィクション
「カクヨム」にも投稿しています。

アルファポリスの禁止事項追加の件

黒いテレキャス
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスガイドライン禁止事項が追加されるんでガクブル

幼馴染みの君が言うには

六つ花えいこ
青春
「おかえりなさい」 「あぁ、いらっしゃい」 同じマンションに住む陽介と実里は幼馴染。 最近では話すことさえなくなった二人であったが、ひょんなことから、実里は陽介のために毎晩家に通っておさんどんをすることになった。 「いただきます」 「はい、どうぞ」 手と手を合わせて、心を繋いでいく二人の、のんびりとしたお話。

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

処理中です...