新しい家族は保護犬きーちゃん

ゆきむらさり

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保護犬きーちゃん・帰省編

22話 きーちゃんと餌付け・前

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根気ある娘っ子。

彼女の此の根気こそが、かまくら型の寝床に閉じ籠るきーちゃんに、新たな一歩踏み出させた……と言うと大袈裟に聞こえるかもしれないが、本当にそうなのだから頭が下がる。

きーちゃんである。

人間を信用していないきーちゃんは、徹底して自分からは犬用ゲージからは出ない。そのきーちゃんの信頼を勝ち取る為には、かなりの根気と忍耐が必要だったことを娘っ子の行為から知り、覚悟の程を学ばされた私だよ。

子供は時に偉大。親も子から学ぶこともあるもんだと感心感嘆。



* * * * * * * *


今回、母のおかげで犬用ゲージからは出たきーちゃん。だが、お隣りのかまくら型の寝床へと移動しただけのことに過ぎない。

そう、結局は出てこない。

かまくら型の寝床から、上目遣いで外の様子を伺うきーちゃん。やっぱり、まだ警戒している様子。ただ、まん丸お目々で上目遣いをするきーちゃんの姿に「可愛い♪」と思ってしまう私もいたりと……まぁ、そんな話は置いといて。

さてさて。きーちゃんのご飯の食べが悪いのはいつものこと。実家に帰省してからは余計に食べない。お水もかろうじて飲むぐらい。今だに徹底抗戦のきーちゃん。ブレない態度には頭が下がる。

きーちゃんの日々のご飯は、保護団体のお姉さんが持たせてくれた特別なドックフード。きーちゃんが保護されてからは、それが主食。あとは、お芋とかお野菜入りの手作りおやつをもらっていたらしい。

警戒心もありありのきーちゃん。ただ、保護団体のお姉さん宅では盛り盛り食べていたらしいから、やっぱり羨ましいと思ってしまう。

「保護される以前の劣悪な環境では、食事も満足に与えてもらえず、常にひもじい環境に置かれていたきーちゃんです。だから、その反動でしょうね? 今のきーちゃんはよく食べますよ。食べることが大好きみたいです。ご飯を見せると喜んで来ますよ。おかげで体重も増えて、今ではむっちりなきーちゃんになってしまいました。でも、可愛いんですよ」

あははっ……と笑いながら告げる保護団体のお姉さん。

のちに、保護団体のブログに掲載されたきーちゃんのお写真だが、「ハッシュタグむっちりチワワ」と紹介されている。

ただね。きーちゃんには、ずっと食べていたご飯だろうが、美味かろうか不味かろうが……そんな事はどうでも良くて、大好きな保護団体のお姉さんから引き離されたことへの、きーちゃんなりの抵抗なんじゃないかとも思える。

きーちゃんのハンスト。それを見事にぶち破ったのが娘っ子というわけだ。

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