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Merle

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エルフ少女の耳しゃぶ初体験 1/2

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 【D級斥候】というごく普通の称号を持つ、ごく普通の女性PC・アマリ。でもたったひとつ、ちょっと希少なところがあった。

「あぁ……また来ちゃった」

 アマリが溜め息を吐いたのは、彼女の持つ超レアSSRな才能【選択神託】の託宣が降りたからだ。
 キャラ作成時に表示されたから何も考えずに選んだけれど、そのためにとても苦労する羽目になっていた。よくありそうで、わりとそうでもない話のアレだ。

「でも、これを取るのに初期ポイント全部振っちゃったんだから、ちゃんと使いこなさないと損っていうか、元が取れなくて嫌だよね……」

 独り言で自分を納得させつつ、託宣クエストの内容を確認する。

「レアアイテムをゲットしてね系か……ええと、これはどこのモンスター倒せばいいんだっけ……っていうか、このモンスターもまた、わたしよりレベル高いんだろうな……はぁ」

 アマリが託宣の内容に溜め息を吐くのは、託宣という体で下されるクエストがだいたい無理ゲーだからだった。
 現在のレベルだと勝てない魔物からしかドロップしないアイテムを集めろと言われたり、短期間で大金を稼げと言われたり、もっとド直球に何人とセックスしてこいというのもあった。

「でも、クエスト失敗すると罰ゲームが酷いし……でもまあ、今回はアイテムゲットだし、なんとか頑張ってみるか」

 何度目かの溜め息を吐くと、アマリはクエスト遂行に向けて行動開始した。

 今回のクエストは、ログイン時間で72時間以内にミノタウロスの斧を入手せよ、だ。
 数は一個でいいのだけど、いまのアマリではミノタウロスを独力で倒すことはまず無理だ。だから、仲間を集めてミノ狩りするか、市場で買うかするのが妥当だ。ミノ斧はそれほど希少なものではないので、お値段もそのレベル帯の武具にしてはお手頃なのだが……。

「あぁ、やっぱお金が足りない……」

 自分の適性レベルよりも上の武器である以上は、お手頃価格といってもやっぱりお高い。そして、クエストのために不要品を買うということを何度もやっているため、アマリは常に金欠なのだった。もっとも、それだけの対価に見合ったクエスト成功ボーナスも貰っているから、文句ばかりでもないのだけど。

「というかいい加減、わたしも固定の仲間が欲しいとこだよね。なんでこう、わたしってソロ気質なのか……まあ、答えは分かってんだけどさ」

 初めて入った固定募集していたパーティで、「このゲームやってるってことは、こうされたいってことなんだよね」とか言って他の男たちに襲われかけたということがあって以来、アマリはソロ一辺倒なのだった。

「けどまあ、実際そろろキツいし……女子パーティ、探すしかないかなぁ」

 女子だけで固まるパーティもあるにはあるのだけど、新メンバーを募集しているところが少ない上に、こちらにもトラウマ――というほどのものではないけれど苦手意識を植え付けられる出来事があって、やっぱり敬遠していた。

「っていうか、なんでゲームでまで人間関係で悩まなくちゃなんないのさ! ――うん、やっぱパーティ要らない! ミノちゃんくらい、わたし一人で狩ってやろうじゃないのさ!」

 アマリの大きな独り言に、近くにいた何人かが振り向いた。
 ここはPCもNPCも数多く行き交う、エルフ森王国首都の中央広場。
 ベンチに一人で座って独り者宣言するアマリの姿に、振り向いた誰もが可哀相なものを見る目を向けたのだった。

 その後、ソロでミノス迷宮に挑んだアマリは秘薬を飲みながら頑張ったけれど、やっぱり駄目だった。
 遭遇した一匹目のミノに手こずっている間に二匹目、三匹目と集まってきてしまって敗北。巨根揃いのミノちんぽにずこばこ輪姦まわされてしまったのだった。


    ●    ●    ●


「うぅ……ボコボコにされたし、クエストは時間切れで失敗だし……うっ、ぅ……♥」

 街中をとぼとぼ歩くアマリの足取りは頼りない。右に左にふらふらしている。
 ショートパンツに黒タイツ、ショートブーツで固めた両脚は内股気味になっていて、もじもじとトイレを我慢しているような歩き方だ。
 なぜかというと、次の託宣まで【状態異常:発情】になる――それが今回の罰ゲームペナルティだからだった。

「うぅ……この理不尽クエスト切れないのって絶対、不都合だぁ……あっ、っ♥」

 いまかかっているのは一番弱い発情状態なのだけど、発情の効果は蓄積するという仕様上、時間が経つとともにどんどんキツくなっていくのだ。黒タイツを穿いているのも、濡れて滴る愛液が周りにバレないようにするためだったりする。

「はっ、あっ……も、これ、あぁ……だ、っめぇ……ッ」
「――大丈夫ですか?」
「ふぇ……?」

 道端で蹲ったアマリが顔を上げると、声をかけてきたのは心配顔をしたエルフの少女だった。
 深緑色の髪を二つ結びのおさげにした、素朴な感じの少女だ。アマリの視界に浮かんだポップした名札には、彼女がNPCであることを示すアイコンも表示されていた。

「ありがとう、大丈夫。ちょっと……一人になれば治るやつだから」

 アマリは脂汗の滲んだ顔で、どうにか頬笑む――頬笑もうとした。

「いや、そんな顔で大丈夫と言われましても、少しも説得力がないわけですが」
「あ、あはは……だよね」

 アマリも全くその通りだと思うから、愛想笑いを浮かべてしまう。でも、今度の笑いもやっぱり引き攣ってしまった。

「うぅん、これを放置するのは、あたしのAI性向ポリシーに反するんですよね。もしよかったら、これ、使います?」

 エルフ少女はそう言うと、自分のインベントリから回復の秘薬HPポーションを取り出してアマリに差し出した。

「ありがとう。でもこれ状態異常だから、それじゃ治らないんだ」
「あ……それはなんか、すいません。えっと、毒じゃないようだし、麻痺はもちろん違うし、他にこういう感じになる状態異常というと……あっ」

 蹲って顔を火照らせているアマリの様子をしげしげ見ていたエルフ少女は、遅まきながら気づいたようだった。

「えっと、なんかすいません……」
「あ、あはは……」

 顔を赤らめて目を逸らしながら謝ってくるエルフ少女に、アマリは汗ばんだ愛想笑いを浮かべるくらいしかできなかった。

「え、えっと――そうだ」

 エルフ少女が無理やり気味に話題を換える。

「あたしの師匠の店に行けば、はつじょ……その状態異常を治す秘薬も売っています。案内しますよ! ……って、お金はかかるんですけど」
「あ……んー……お金、そんなにないから、悪いんだけど……」
「あっ、いえいえ! なんかもう本当に、なんかすいませんばっかりですいません!」

 がばっと腰を直角くらいまで曲げて謝るエルフ少女に、アマリはふるりと頭を振る。

「ううん、全然。こうして話しかけてくれただけでも、けっこう気が紛れて助かったよ。ありがとう」
「これでお礼を言われると、いよいよ申し訳なくなるのですが……」

 しゅんとしたエルフ少女のぴんと尖った耳が、ふにゃりと萎れる。その様子に、アマリはつい言っていた。

「だったら、宿まで送ってもらえないかな?」
「あ……はい! お任せくださいっ!」

 ぱっと笑顔を咲かせたエルフ女子に腕を取られて、アマリは宿へと帰った。
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