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カルナヴァル・ア・ロアンネル ~肉欲都市の謝肉祭 3/9
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初級の治癒術を修めたことを示す称号【神官】の持ち主が、仲間への支援能力を伸ばして称号【司祭】を取得する方向性へと進まずに、天使召喚のスキルを覚えることで取得できるのが、称号【聖女】だ。ちなみに男性キャラだと【聖人】になる。
両者の称号に違いがあるのかは検証中だ。【聖女】【聖人】になるキャラが少なくて、検証データが足りていないのだった。
そんなマイナー称号【聖女】を持つ女性PC・ナナカセも、今回の謝肉祭に参加していたい。
「ふ、ふ、ふっ……! 前々回、前回と、まさかの連続落選だったけれど……遂に! とうとう! わたしは来た! 来たのよぉ! おーっほっほっほッ!!」
胸から腰にかけてぴっちり張りつく袖無しの法衣をまとったナナカセが浩然と高笑いする。ボトムもぴったりしたロングスカートだけど、スリットは深い。
ナナカセはその深いスリットからガーターストッキング着用の太腿を半ばまで露出させて仁王立ちをし、剥き出しの肩と腋と二の腕を見せびらかすように両腕を広げて高笑いしているのだった。
「ほーほほほっ……っほげ! げへっ、ぐへっ……ごぇ……!」
そして、噎せて呻く。
じつはアバターで噎せるのは難しい。片目瞑りができるかできないかくらいに、どうでもいい話だけど。
「っ……ん、んんっ……さて、さてさて――」
どうにか落ち着いたところで、ナナカセは照れ隠しに神妙な顔をして足下を見やる。彼女の足下に転がっているのは、手足を拘束されて目隠しまでされた男性淫魔だった。
これで拘束具が立派なものなら、まだ辛うじて格好がついていたかもしれない。だが、この淫魔を縛り付けている拘束具は――下着だった。パンツだった。
「ふっふっ……どうですか、イケメンさん。わたしが延べ二十四時間、こつこつことこと穿き込んだパンツの香りは?」
ナナカセのブーツを履いた爪先が、転がる男性淫魔の頭をこつんと小突く。その顔面には水色のパンツが、クロッチ部分が鼻に当たるようにして被されていて、なんとも変態なことになっていた。
ついでに言うなら、彼の両手首は後頭部の後ろで交差する形でまとめられて、白色パンツでもって首に拘束されている。まっすぐ伸びた両足を足首のところで拘束しているのは水玉パンツだ。
淫魔の怪しげな魅力を台無しにする拘束方法だったが、そんな辱めを受けている淫魔に、この拘束を解くことはできなかった。
この憐れな淫魔の魔力を封印している頭部の水色パンツも、両手両足を縛っている白色と水玉のパンツも、ナナカセが長時間、浄化をかけたりしないで身につけっぱなしにしたのを保管していたものだ。【聖女】や【聖人】が身につけていた下着は、その着用時間に応じたレベルの【聖体】になるのだ。
称号の効果はほとんどが隠し要素で、ナナカセがこの下着聖変の能力に気づいたのも偶然だった。下着フェチの契約天使マシェリエルに奉納するためのパンツが、長く履いたものほど喜ばれて、また授けられる祝福の効果が上がることにも気がついたのが、この称号能力に気づいた切欠だったりする。
【聖体】は単なる聖属性を付与されただけのものではない。悪魔特効の効果を有したアイテムで、下級淫魔を完全に封じ込めることなど、わけもないのだった。
「はあぁ……ッ♥ イケメンがわたしの履き込みパンツふがふがして死んだ魚みたいになってるとか……っはああ! もっ、わっくわくもんだぁッ♥ ――っというわけで、いっただっきまぁっす!」
ナナカセはいま身につけているローブと下着を装備解除しながら、この動けない下級淫魔に飛びついた。
「……!」
水色の聖体に半ば隠された淫魔の顔が、びくりと歪む。けれど、彼にできた抵抗はそれまでだった。
「ふっはぁ♥ 天使もいいけど淫魔もいい! っていうか、イケメンならどっちでもいい! むっはぁ♥」
魂の叫びである。
ナナカセは、ふはー♥むはー♥と奇声を上げながら、パンツの穴二つから覗く整った目元や頬をべちゃべちゃ舐める。
「あっ、も、イケメン美味ぁーっ! 舌が蕩けるぅーっ!」
何度でも叫ぶナナカセ。ガーターストッキングだけを身につけた裸体を、太い革ベルトを何本か巻きつけただけのボンデージファッションをした男性淫魔にぐいぐい擦りつける。抱きつく、ではない。正しく、擦りつける、だ。
「っふはぁ♥ はあぁ♥ んんっ……あっ! ローション用意してくれば良かったぁ!」
やっぱり叫んだナナカセだったが、すぐに思い直す。
「あっ、でも、汗でじわじわねちょねちょしてくる感じ、悪くないわ……!」
はっ、はっ、と息を弾ませながら腰をへこへこ蠕動させるナナカセ。
水泳選手のような淫魔の身体は、適度な硬さとしなやかさで彼女の肢体を受け止めてくれる。擦りつけ行為に熱が入るほど滑りが良くなっていくのが、尚のことナナカセの腰をくねらせさせる。また、淫魔の裸体の所々に巻きつけられている革ベルトのところでは滑りが悪くのも、これはこれで良い対比になってナナカセを楽しませた。
汗ばむ肌のぬるぬると、黒革のきゅっきゅっと、交互に味わう肌触りの面白さに、ナナカセの小鼻は膨らむ一方だ。
「むっ、ふはっ♥ むはっ、はっ、あはっ♥ ……ああっ♥ 汗のっ、匂いっ、ん、んすうぅーッ!!」
肌と肌とが温まったことで、立ち上ってくる汗の匂い、ぷっくり拡がったナナカセの鼻腔を直撃する。
「ふはぁーっ、イケメンの汗の匂いよぉ! ふはっ、んっ、んすっ……ふはーっ♥ 柑橘系の天使スメルと違って麝香の風味がスパイシー!」
ナナカセは淫魔の首筋に鼻面をぐりぐり擦りつけて快哉を上げる。彼女の鼻先は淫魔の肌を擦りながらゆっくりと下りていき、首筋から肩口、鎖骨の窪み、胸元までを熱い鼻息で火照らせる。
鼻面の他にも胸や脚が淫魔に押しつけられていて、とくに片方の脚では膝の裏で淫魔ちんぽを挟み込んでいる。
「ん、っふは♥ はっ、はすっ……すっ、っ、っふはぁーッ♥」
まるで飼い主に甘えて大興奮している大型犬のようだ。ナナカセはリアルだったら過呼吸になっているだろう勢いで鼻を鳴らしながら、淫魔ちんぽを膝裏できゅっきゅっと挟む。
関節の内側は肌が薄くて感じやすくなっている――というのはアバターでもしっかり再現されていて、淫魔ちんぽの程よく張った陰茎と、弾力感旺盛な亀頭とが膝裏を気持よくしてくれる。これはもう膝裏でするセックスだ。
「うん、そうだわ。これは膝でするセックス……だから膝ックスね。ん、膝ックスのほうがいいかしら?」
動けない淫魔の胸板に頬擦りしながら柳眉を顰めるナナカセ。
ベルトの隙間から露出している乳首にも鼻腔を擦りつけ、すんすんと嗅ぐ。残念ながら、あんまり匂いがない。
「首筋のほうが良い匂いしたわね……あ、こっちのほうから……♥」
小鼻をぷくぷく膨らませていたナナカセは、首筋と同じくらい、いやそれよりもっと濃厚な動物性の匂いに誘われて、淫魔の腋下に鼻先を押し込んだ。
両手を頭の後ろで組んだ無抵抗アピールのポーズで転がっている淫魔は、一瞬だけ身を固くした――ような気がしたのは、ナナカセの気のせいだろう。淫魔の彼は聖下着による三重拘束で完全封印されていて、ちんぽを固くさせる以外の全ての行動が不能になっているのだから。
「すんっ……ふぁうあッ♥ しゅごっ、濃厚! これっ、これよ、これだわ! ……すふうぅ……っふはあぁッ♥」
ナナカセは鼻から思いきり息を吸い込んで、淫魔の腋から滲み出ている牡臭を腹一杯に吸い込む。意識の隅々にまで染み渡らせる。
「はあぁっ……! 心臓、ハードビートぉ……おっはぁーッ♥」
どくどくと早鐘を打つ胸の鼓動に急かされて、ナナカセは全身をうねうね震わせる。それは自然、先走りを垂らし始めている淫魔ちんぽを膝裏扱きするということだ。くちゅっくちゅっ、と可愛らしい水音がして、ナナカセの膝裏が先走り汁で湿っていく。
だけど、いまのナナカセにとっては、膝裏で感じる淫魔ちんぽの感触よりも、ちんぽが濡れるほどに腋の下から広がってくる淫魔臭のほうが衝撃的だった。
彼女が契約している天使マシェリエルにも全身くんくんかプレイをしたことがあるけれど、あちらの天使臭は爽やか白王子系だった。意識高い系カクテルのような暑気払いの涼風だった。
それに対して淫魔の腋臭は、カレーだ。それも、出汁を利かせた和風カレーではなく、香辛料で建てた立体万華鏡のようなインダスの赤い風だ。刺激的なスパイスたちと羊肉の野趣が、がっぷり四つの喧嘩祭だ。ひとを汗だくにさせる熱狂の渦だ。
「つまりどっちも堪らないってことよおぉッ♥ ふっはあぁッ♥♥」
ナナカセは相変わらず叫びながら、淫魔の腋下に顔を埋める。腋下の窪みに鼻面をぐりぐり埋め込ませて、オレガノとスパイスと素敵な何かで出来ている黒王子臭を、鼻から頭へと目一杯に吸い上げる。
「……――っはああぁッ♥ ここで寝かせたお肉を焼きたぁい♥」
ふんがふんが鼻を鳴らして、へっこへっこと尻をくねらせ、膝で挟んだちんぽをむにむに扱いて、ナナカセは淫魔フェロモンを全身全霊で、松茸の香り味わうが如くに味わい尽くす。
だが、それでも足りない。身体は熱くなるばかりで、その熱を解き放つための切欠がない。
「――そうか、腋ックス」
ふいに、ぽろりと零すように呟いたナナカセは淫魔に寄り添わせていた裸体を起こすと、淫魔の腰を起こして座った姿勢にさせた。両手は頭の後ろで組ませたままで、いまから銃殺されるひとみたいな姿勢だ。
「んんっ、腰を下げないと位置が合わないわね……」
ナナカセは座った淫魔の横に立って、独りごちながら蟹股になると、自分の股間を淫魔の腋にぴとりと押しつけた。
「んあっ♥ イケメン成分を粘膜吸収しちゃってる、この感じ……いい! 腋ックス、ありだわ!」
ナナカセは歓喜に叫んだ。
淫魔の頭を両腕ごと抱き締めて、ぐいっぐいっと股間を腋下に擦りつける。股間と腋の位置を合わせるための蟹股で腰を前後させる姿は、残念なほど卑猥だ。だけどナナカセは、周りからどう見られるかを気にする余裕もないというほど緩んだ顔をして、腋でするセックスに陶然としている。
立った姿勢で腋下に秘所を擦りつけようとすれば、蟹股になるだけでなく、背筋を反らして腰を突きだすことになる。全裸ガーターで蟹股になるだけでも卑猥なのに、仰け反りながら腰をへこへこ前後させるダンスまで加わると、卑猥を突き抜けて笑いになってしまう。
「あっ、ふっ、んっ、んんっ……これっ、もっと、こう……こう!」
息を弾ませながら腰をくねらせていたナナカセだが、もっと腋に秘肉を密着させたくて、淫魔をそのまま押し倒した。立位腋ックスから騎乗位腋ックスへの体位変更だ。
横臥になった淫魔の腋に跨がると、淫魔の片肘を両手で掴んで手綱代わりにすると、それまでよりも勢いをつけて腰を振りたくる。
「はっ! はっ、あっ! あっ、っ……! これよ、こうよっ……っ、はあぁッ♥ 気持ちいっ、最っ高ぉッ♥」
淫魔の喉元近くと、肩甲骨の辺りから生えている小さな皮翼より上のほうとを太腿でがっちりと挟んで、ナナカセはぐいっぐいっと力強く腰を振る。火照った股間はたちまちに熱を増して、分泌させた汗と愛液とで淫魔の腋を湿らせていく。それに応えて、淫魔の腋からも性臭たっぷりの汗が発散されて、ぬちゅっぬちゅっと湿った音が聞こえてくる。どんなセックスをされようと順応するのは、淫魔だからか。
「あぁ! んあぁ! あっ、あっ、っ……あぁ! あ、あぁッ!」
ナナカセの腰使いが幅を小さく、速度を速くさせていく。
腋の中心は窪んでいて、秘肉を食い込ませるには不向きだけれど、その左右に張り出した腱のところは程よく張っていて擦りつけ甲斐がある。濡れた割れ目を食い込ませるも良し、秘芽を擦りつけるも良し、だ。どちらにしても淫魔フェロモンがまんこ粘膜直火焼きで、最高に燃え立つ。イイネの火災旋風だ。
「……あっ、イっ、イいぃ! っく……!」
ナナカセが腰を前後に震わせながら、ぐうっと仰け反る。尻の脂肪がぷるぷる震える。横臥する淫魔の肩下を太腿で挟んでいるわけだが、必死すぎる腰振りのせいで、淫魔の顎を何度も膝蹴りしてしまっている。ダメージが通って淫魔の耐久力はごりごり減っているのだけど、それでも淫魔はされるがままだ。聖体ショーツによる完全封印の状態異常は、ダメージでは解除されないのだ。ついでに言うと、完全封印で防御力も1にされているから、膝蹴りごときで超痛い。
「イっ、くっ、っ……っ、っ……んんうぅッ! んんッ! っくううぅッ♥♥」
大きく背筋を反らしたナナカセの、じつはDくらいある胸がぽよんっと弾む。その体勢で急停止した腰がびくびくっと痙攣を起こして、ナナカセが絶頂したことを喧伝していた。
「はっ……はっ……、……きゃうッ!?」
放心していたナナカセが急に尻餅をついた。騎乗位腋ックス相手の淫魔が、強制防御1状態への度重なる膝蹴りによって、天に召されてしまったからだ。跨がっていた淫魔が消滅したことで、その体勢のまますとんと尻餅をついたというわけだった。
淫魔を拘束していた聖体パンツ三枚組も一緒に消えてしまっていた。
「えぇ……下級淫魔って、あのくらいで消えちゃうの? わたし、まだ一回しかイってないわよ……」
お尻を擦りつつ立ち上がったナナカセは、眉を顰めて文句を垂らす。だけど、そんな渋面もすぐに好色な表情に取って代わられた。
「まあでも、男性淫魔なら山ほどいるし? 犯り捨て御免でじゃんじゃん行くわよ!」
さっと交差されたナナカセの両手のそれぞれに、空間収納から取り出された穿き込み下着が一枚ずつ顕れて、閉じたチョキの手つきで伸ばされた人差し指と中指に輪っかを引っ掛けて、さながら戦輪の如くにくるくると回される。
武器の貯蔵は十分なのだ。
「淫魔狩りよーっ! うーらーっ!」
ナナカセは奇声を発しながら、街をうろつく淫魔の群れに飛び込んでいった。
なお、彼女の契約天使がいまどうしているかというと、六人目の女性淫魔を立ちバックでバコバコ犯りながら、六枚目の紐パンをむしゃむしゃ頬張っているところだ。
聖女と天使の淫魔狩りは、まだ始まったばかりだった。
両者の称号に違いがあるのかは検証中だ。【聖女】【聖人】になるキャラが少なくて、検証データが足りていないのだった。
そんなマイナー称号【聖女】を持つ女性PC・ナナカセも、今回の謝肉祭に参加していたい。
「ふ、ふ、ふっ……! 前々回、前回と、まさかの連続落選だったけれど……遂に! とうとう! わたしは来た! 来たのよぉ! おーっほっほっほッ!!」
胸から腰にかけてぴっちり張りつく袖無しの法衣をまとったナナカセが浩然と高笑いする。ボトムもぴったりしたロングスカートだけど、スリットは深い。
ナナカセはその深いスリットからガーターストッキング着用の太腿を半ばまで露出させて仁王立ちをし、剥き出しの肩と腋と二の腕を見せびらかすように両腕を広げて高笑いしているのだった。
「ほーほほほっ……っほげ! げへっ、ぐへっ……ごぇ……!」
そして、噎せて呻く。
じつはアバターで噎せるのは難しい。片目瞑りができるかできないかくらいに、どうでもいい話だけど。
「っ……ん、んんっ……さて、さてさて――」
どうにか落ち着いたところで、ナナカセは照れ隠しに神妙な顔をして足下を見やる。彼女の足下に転がっているのは、手足を拘束されて目隠しまでされた男性淫魔だった。
これで拘束具が立派なものなら、まだ辛うじて格好がついていたかもしれない。だが、この淫魔を縛り付けている拘束具は――下着だった。パンツだった。
「ふっふっ……どうですか、イケメンさん。わたしが延べ二十四時間、こつこつことこと穿き込んだパンツの香りは?」
ナナカセのブーツを履いた爪先が、転がる男性淫魔の頭をこつんと小突く。その顔面には水色のパンツが、クロッチ部分が鼻に当たるようにして被されていて、なんとも変態なことになっていた。
ついでに言うなら、彼の両手首は後頭部の後ろで交差する形でまとめられて、白色パンツでもって首に拘束されている。まっすぐ伸びた両足を足首のところで拘束しているのは水玉パンツだ。
淫魔の怪しげな魅力を台無しにする拘束方法だったが、そんな辱めを受けている淫魔に、この拘束を解くことはできなかった。
この憐れな淫魔の魔力を封印している頭部の水色パンツも、両手両足を縛っている白色と水玉のパンツも、ナナカセが長時間、浄化をかけたりしないで身につけっぱなしにしたのを保管していたものだ。【聖女】や【聖人】が身につけていた下着は、その着用時間に応じたレベルの【聖体】になるのだ。
称号の効果はほとんどが隠し要素で、ナナカセがこの下着聖変の能力に気づいたのも偶然だった。下着フェチの契約天使マシェリエルに奉納するためのパンツが、長く履いたものほど喜ばれて、また授けられる祝福の効果が上がることにも気がついたのが、この称号能力に気づいた切欠だったりする。
【聖体】は単なる聖属性を付与されただけのものではない。悪魔特効の効果を有したアイテムで、下級淫魔を完全に封じ込めることなど、わけもないのだった。
「はあぁ……ッ♥ イケメンがわたしの履き込みパンツふがふがして死んだ魚みたいになってるとか……っはああ! もっ、わっくわくもんだぁッ♥ ――っというわけで、いっただっきまぁっす!」
ナナカセはいま身につけているローブと下着を装備解除しながら、この動けない下級淫魔に飛びついた。
「……!」
水色の聖体に半ば隠された淫魔の顔が、びくりと歪む。けれど、彼にできた抵抗はそれまでだった。
「ふっはぁ♥ 天使もいいけど淫魔もいい! っていうか、イケメンならどっちでもいい! むっはぁ♥」
魂の叫びである。
ナナカセは、ふはー♥むはー♥と奇声を上げながら、パンツの穴二つから覗く整った目元や頬をべちゃべちゃ舐める。
「あっ、も、イケメン美味ぁーっ! 舌が蕩けるぅーっ!」
何度でも叫ぶナナカセ。ガーターストッキングだけを身につけた裸体を、太い革ベルトを何本か巻きつけただけのボンデージファッションをした男性淫魔にぐいぐい擦りつける。抱きつく、ではない。正しく、擦りつける、だ。
「っふはぁ♥ はあぁ♥ んんっ……あっ! ローション用意してくれば良かったぁ!」
やっぱり叫んだナナカセだったが、すぐに思い直す。
「あっ、でも、汗でじわじわねちょねちょしてくる感じ、悪くないわ……!」
はっ、はっ、と息を弾ませながら腰をへこへこ蠕動させるナナカセ。
水泳選手のような淫魔の身体は、適度な硬さとしなやかさで彼女の肢体を受け止めてくれる。擦りつけ行為に熱が入るほど滑りが良くなっていくのが、尚のことナナカセの腰をくねらせさせる。また、淫魔の裸体の所々に巻きつけられている革ベルトのところでは滑りが悪くのも、これはこれで良い対比になってナナカセを楽しませた。
汗ばむ肌のぬるぬると、黒革のきゅっきゅっと、交互に味わう肌触りの面白さに、ナナカセの小鼻は膨らむ一方だ。
「むっ、ふはっ♥ むはっ、はっ、あはっ♥ ……ああっ♥ 汗のっ、匂いっ、ん、んすうぅーッ!!」
肌と肌とが温まったことで、立ち上ってくる汗の匂い、ぷっくり拡がったナナカセの鼻腔を直撃する。
「ふはぁーっ、イケメンの汗の匂いよぉ! ふはっ、んっ、んすっ……ふはーっ♥ 柑橘系の天使スメルと違って麝香の風味がスパイシー!」
ナナカセは淫魔の首筋に鼻面をぐりぐり擦りつけて快哉を上げる。彼女の鼻先は淫魔の肌を擦りながらゆっくりと下りていき、首筋から肩口、鎖骨の窪み、胸元までを熱い鼻息で火照らせる。
鼻面の他にも胸や脚が淫魔に押しつけられていて、とくに片方の脚では膝の裏で淫魔ちんぽを挟み込んでいる。
「ん、っふは♥ はっ、はすっ……すっ、っ、っふはぁーッ♥」
まるで飼い主に甘えて大興奮している大型犬のようだ。ナナカセはリアルだったら過呼吸になっているだろう勢いで鼻を鳴らしながら、淫魔ちんぽを膝裏できゅっきゅっと挟む。
関節の内側は肌が薄くて感じやすくなっている――というのはアバターでもしっかり再現されていて、淫魔ちんぽの程よく張った陰茎と、弾力感旺盛な亀頭とが膝裏を気持よくしてくれる。これはもう膝裏でするセックスだ。
「うん、そうだわ。これは膝でするセックス……だから膝ックスね。ん、膝ックスのほうがいいかしら?」
動けない淫魔の胸板に頬擦りしながら柳眉を顰めるナナカセ。
ベルトの隙間から露出している乳首にも鼻腔を擦りつけ、すんすんと嗅ぐ。残念ながら、あんまり匂いがない。
「首筋のほうが良い匂いしたわね……あ、こっちのほうから……♥」
小鼻をぷくぷく膨らませていたナナカセは、首筋と同じくらい、いやそれよりもっと濃厚な動物性の匂いに誘われて、淫魔の腋下に鼻先を押し込んだ。
両手を頭の後ろで組んだ無抵抗アピールのポーズで転がっている淫魔は、一瞬だけ身を固くした――ような気がしたのは、ナナカセの気のせいだろう。淫魔の彼は聖下着による三重拘束で完全封印されていて、ちんぽを固くさせる以外の全ての行動が不能になっているのだから。
「すんっ……ふぁうあッ♥ しゅごっ、濃厚! これっ、これよ、これだわ! ……すふうぅ……っふはあぁッ♥」
ナナカセは鼻から思いきり息を吸い込んで、淫魔の腋から滲み出ている牡臭を腹一杯に吸い込む。意識の隅々にまで染み渡らせる。
「はあぁっ……! 心臓、ハードビートぉ……おっはぁーッ♥」
どくどくと早鐘を打つ胸の鼓動に急かされて、ナナカセは全身をうねうね震わせる。それは自然、先走りを垂らし始めている淫魔ちんぽを膝裏扱きするということだ。くちゅっくちゅっ、と可愛らしい水音がして、ナナカセの膝裏が先走り汁で湿っていく。
だけど、いまのナナカセにとっては、膝裏で感じる淫魔ちんぽの感触よりも、ちんぽが濡れるほどに腋の下から広がってくる淫魔臭のほうが衝撃的だった。
彼女が契約している天使マシェリエルにも全身くんくんかプレイをしたことがあるけれど、あちらの天使臭は爽やか白王子系だった。意識高い系カクテルのような暑気払いの涼風だった。
それに対して淫魔の腋臭は、カレーだ。それも、出汁を利かせた和風カレーではなく、香辛料で建てた立体万華鏡のようなインダスの赤い風だ。刺激的なスパイスたちと羊肉の野趣が、がっぷり四つの喧嘩祭だ。ひとを汗だくにさせる熱狂の渦だ。
「つまりどっちも堪らないってことよおぉッ♥ ふっはあぁッ♥♥」
ナナカセは相変わらず叫びながら、淫魔の腋下に顔を埋める。腋下の窪みに鼻面をぐりぐり埋め込ませて、オレガノとスパイスと素敵な何かで出来ている黒王子臭を、鼻から頭へと目一杯に吸い上げる。
「……――っはああぁッ♥ ここで寝かせたお肉を焼きたぁい♥」
ふんがふんが鼻を鳴らして、へっこへっこと尻をくねらせ、膝で挟んだちんぽをむにむに扱いて、ナナカセは淫魔フェロモンを全身全霊で、松茸の香り味わうが如くに味わい尽くす。
だが、それでも足りない。身体は熱くなるばかりで、その熱を解き放つための切欠がない。
「――そうか、腋ックス」
ふいに、ぽろりと零すように呟いたナナカセは淫魔に寄り添わせていた裸体を起こすと、淫魔の腰を起こして座った姿勢にさせた。両手は頭の後ろで組ませたままで、いまから銃殺されるひとみたいな姿勢だ。
「んんっ、腰を下げないと位置が合わないわね……」
ナナカセは座った淫魔の横に立って、独りごちながら蟹股になると、自分の股間を淫魔の腋にぴとりと押しつけた。
「んあっ♥ イケメン成分を粘膜吸収しちゃってる、この感じ……いい! 腋ックス、ありだわ!」
ナナカセは歓喜に叫んだ。
淫魔の頭を両腕ごと抱き締めて、ぐいっぐいっと股間を腋下に擦りつける。股間と腋の位置を合わせるための蟹股で腰を前後させる姿は、残念なほど卑猥だ。だけどナナカセは、周りからどう見られるかを気にする余裕もないというほど緩んだ顔をして、腋でするセックスに陶然としている。
立った姿勢で腋下に秘所を擦りつけようとすれば、蟹股になるだけでなく、背筋を反らして腰を突きだすことになる。全裸ガーターで蟹股になるだけでも卑猥なのに、仰け反りながら腰をへこへこ前後させるダンスまで加わると、卑猥を突き抜けて笑いになってしまう。
「あっ、ふっ、んっ、んんっ……これっ、もっと、こう……こう!」
息を弾ませながら腰をくねらせていたナナカセだが、もっと腋に秘肉を密着させたくて、淫魔をそのまま押し倒した。立位腋ックスから騎乗位腋ックスへの体位変更だ。
横臥になった淫魔の腋に跨がると、淫魔の片肘を両手で掴んで手綱代わりにすると、それまでよりも勢いをつけて腰を振りたくる。
「はっ! はっ、あっ! あっ、っ……! これよ、こうよっ……っ、はあぁッ♥ 気持ちいっ、最っ高ぉッ♥」
淫魔の喉元近くと、肩甲骨の辺りから生えている小さな皮翼より上のほうとを太腿でがっちりと挟んで、ナナカセはぐいっぐいっと力強く腰を振る。火照った股間はたちまちに熱を増して、分泌させた汗と愛液とで淫魔の腋を湿らせていく。それに応えて、淫魔の腋からも性臭たっぷりの汗が発散されて、ぬちゅっぬちゅっと湿った音が聞こえてくる。どんなセックスをされようと順応するのは、淫魔だからか。
「あぁ! んあぁ! あっ、あっ、っ……あぁ! あ、あぁッ!」
ナナカセの腰使いが幅を小さく、速度を速くさせていく。
腋の中心は窪んでいて、秘肉を食い込ませるには不向きだけれど、その左右に張り出した腱のところは程よく張っていて擦りつけ甲斐がある。濡れた割れ目を食い込ませるも良し、秘芽を擦りつけるも良し、だ。どちらにしても淫魔フェロモンがまんこ粘膜直火焼きで、最高に燃え立つ。イイネの火災旋風だ。
「……あっ、イっ、イいぃ! っく……!」
ナナカセが腰を前後に震わせながら、ぐうっと仰け反る。尻の脂肪がぷるぷる震える。横臥する淫魔の肩下を太腿で挟んでいるわけだが、必死すぎる腰振りのせいで、淫魔の顎を何度も膝蹴りしてしまっている。ダメージが通って淫魔の耐久力はごりごり減っているのだけど、それでも淫魔はされるがままだ。聖体ショーツによる完全封印の状態異常は、ダメージでは解除されないのだ。ついでに言うと、完全封印で防御力も1にされているから、膝蹴りごときで超痛い。
「イっ、くっ、っ……っ、っ……んんうぅッ! んんッ! っくううぅッ♥♥」
大きく背筋を反らしたナナカセの、じつはDくらいある胸がぽよんっと弾む。その体勢で急停止した腰がびくびくっと痙攣を起こして、ナナカセが絶頂したことを喧伝していた。
「はっ……はっ……、……きゃうッ!?」
放心していたナナカセが急に尻餅をついた。騎乗位腋ックス相手の淫魔が、強制防御1状態への度重なる膝蹴りによって、天に召されてしまったからだ。跨がっていた淫魔が消滅したことで、その体勢のまますとんと尻餅をついたというわけだった。
淫魔を拘束していた聖体パンツ三枚組も一緒に消えてしまっていた。
「えぇ……下級淫魔って、あのくらいで消えちゃうの? わたし、まだ一回しかイってないわよ……」
お尻を擦りつつ立ち上がったナナカセは、眉を顰めて文句を垂らす。だけど、そんな渋面もすぐに好色な表情に取って代わられた。
「まあでも、男性淫魔なら山ほどいるし? 犯り捨て御免でじゃんじゃん行くわよ!」
さっと交差されたナナカセの両手のそれぞれに、空間収納から取り出された穿き込み下着が一枚ずつ顕れて、閉じたチョキの手つきで伸ばされた人差し指と中指に輪っかを引っ掛けて、さながら戦輪の如くにくるくると回される。
武器の貯蔵は十分なのだ。
「淫魔狩りよーっ! うーらーっ!」
ナナカセは奇声を発しながら、街をうろつく淫魔の群れに飛び込んでいった。
なお、彼女の契約天使がいまどうしているかというと、六人目の女性淫魔を立ちバックでバコバコ犯りながら、六枚目の紐パンをむしゃむしゃ頬張っているところだ。
聖女と天使の淫魔狩りは、まだ始まったばかりだった。
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