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第四章 新たな使命は特にない
第1121話
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俺は、かつて王に仕える魔法騎士団の末席にいた。
王族の血を引いていながら、母の身分が低いというだけで立場は弱く、後ろ盾もなく、捨て駒のように扱われていた。
一緒に戦ったはずの仲間は魔物の餌食になり、俺と親しくした者や、同情した者は「事故」や「病死」で消えていった。
俺が一体何をしたのだろうか。
数えるほどしか顔を合わせた事のない兄弟たち。
それなのに、彼らは俺が目障りだったらしい。
生きて帰れないだろうダンジョンに送り込み、集団で殺そうとするほどに。
「――もう、どうでもいい」
そう呟いた瞬間だった。
突然、魔法陣が閃光を放ち、転移トラップが作動。
見知らぬ少年と小さなドラゴンが現れた。
終わりだと思っていた運命が、最後の最後で俺に手を差し伸べてくれた。
そう思えたのは、温かな食事を口にした時だった。
ああ、美味いな。
毒なんて入っていない。
くず野菜すら入っていない泥のようなスープでもない。
歯が立たないほど固いパンでもない。
体に染み込む温かさに、何かが満たされていく。
瞼が重くなり、ダンジョンの中だというのに眠気に抗えない。
崩れ落ちる体を抱きとめてくれた誰かからは、柔らかい草の香りがした気がした。
涼玉のリクエストに応え、デザートにうささんリンゴをむいていたら、ミノタウロスに肉のおかわりをおねだりされた。
どれだけ食べるつもりなんだろう。
遠慮するか、自分で肉を調達してきなさい。
「うーん、涼玉。あれどうするべきだと思う?」
「引き剥がすのは無理だろうから、共存できる環境に引っ越しさせるとか?」
シャリシャリと良い音を立てながらリンゴを食べる涼玉。
僕らの目線の先では、丸くなって眠る青年と、その眠りを守るように根を張る植物型の魔物の姿があった。
普通のラノベなら「主として認められ、ここから始まる成り上がり物語」みたいな感じになるのだろうけど、残念なことにこの世界はBLに支配された世界。
あれは使い魔として守っているのではなく、伴侶を守っているんです。
不遇からの最強の伴侶。
字面だけなら、まぁ、あるといえばある。
冷遇されていた令嬢が、竜族の伴侶とかね、そういう物語が多いって女神様が語っていたし。
つまりこれは溺愛ルートBL版?
「魔物と人間が共存できる街かぁ」
「どこがいいかな? 人間が少ない方がいいなら、植物に飲み込まれた街だろ、いても大丈夫ならにいちゃの領地辺りか?」
「案外選択があるね」
しかもどちらの街も一般の王都より発展してるという特典付き。
伴侶がダンジョンの巡回ボスでも大丈夫!
王族の血を引いていながら、母の身分が低いというだけで立場は弱く、後ろ盾もなく、捨て駒のように扱われていた。
一緒に戦ったはずの仲間は魔物の餌食になり、俺と親しくした者や、同情した者は「事故」や「病死」で消えていった。
俺が一体何をしたのだろうか。
数えるほどしか顔を合わせた事のない兄弟たち。
それなのに、彼らは俺が目障りだったらしい。
生きて帰れないだろうダンジョンに送り込み、集団で殺そうとするほどに。
「――もう、どうでもいい」
そう呟いた瞬間だった。
突然、魔法陣が閃光を放ち、転移トラップが作動。
見知らぬ少年と小さなドラゴンが現れた。
終わりだと思っていた運命が、最後の最後で俺に手を差し伸べてくれた。
そう思えたのは、温かな食事を口にした時だった。
ああ、美味いな。
毒なんて入っていない。
くず野菜すら入っていない泥のようなスープでもない。
歯が立たないほど固いパンでもない。
体に染み込む温かさに、何かが満たされていく。
瞼が重くなり、ダンジョンの中だというのに眠気に抗えない。
崩れ落ちる体を抱きとめてくれた誰かからは、柔らかい草の香りがした気がした。
涼玉のリクエストに応え、デザートにうささんリンゴをむいていたら、ミノタウロスに肉のおかわりをおねだりされた。
どれだけ食べるつもりなんだろう。
遠慮するか、自分で肉を調達してきなさい。
「うーん、涼玉。あれどうするべきだと思う?」
「引き剥がすのは無理だろうから、共存できる環境に引っ越しさせるとか?」
シャリシャリと良い音を立てながらリンゴを食べる涼玉。
僕らの目線の先では、丸くなって眠る青年と、その眠りを守るように根を張る植物型の魔物の姿があった。
普通のラノベなら「主として認められ、ここから始まる成り上がり物語」みたいな感じになるのだろうけど、残念なことにこの世界はBLに支配された世界。
あれは使い魔として守っているのではなく、伴侶を守っているんです。
不遇からの最強の伴侶。
字面だけなら、まぁ、あるといえばある。
冷遇されていた令嬢が、竜族の伴侶とかね、そういう物語が多いって女神様が語っていたし。
つまりこれは溺愛ルートBL版?
「魔物と人間が共存できる街かぁ」
「どこがいいかな? 人間が少ない方がいいなら、植物に飲み込まれた街だろ、いても大丈夫ならにいちゃの領地辺りか?」
「案外選択があるね」
しかもどちらの街も一般の王都より発展してるという特典付き。
伴侶がダンジョンの巡回ボスでも大丈夫!
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