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第一章 紡がれる日常
第11話
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一時間ぐらいして、ボロボロになった近衛兵を抱えた冒険者が戻ってきた。
「皇帝陛下はもうちょっと奥を目指すって言って、腹心の部下と一緒にレイア様のチームに組み込まれてましたよ」
「なら安心かな、情報ありがとうございます」
負傷した近衛兵を連れてきたリーダー格の人に話を聞き、お礼を言って休憩所に向かう姿を見送る。
忘れていたけど女神様に冒険者が戻ったら出来るだけ一声かけてくれって言われてたんだよね、何でも謎能力特有の癒し効果がどうのって言ってた。
ここでも空気清浄機能が大活躍?
ともかく、皇帝と仲間達はレイアさんが傍にいれば大丈夫だろう、万が一が起こっても春日さんいるし。
やれやれとため息を吐いた所で別のグループに囲まれました。
どうやら近衛兵の近場にいた冒険者で、そこそこ収獲出来たので調理してもらうために帰ってきたらしい、アイテムボックスから出てきたのは30cmサイズの牡蠣、さすが魔物、奥へ行くほど凶暴化すると同時にサイズも大きくなるようだ。
正直、怖い。
「でもさすが稲刈り大会優勝経験者、稲を刈るがごとく魔物を斬っていく姿は爽快でしたよ」
「部下も妻子にランクの高いお土産を持ち帰るんだって、張り切ってバッサバッサ斬って、俺ら楽だったですよ」
「近衛兵、ちょっと練度が足りないっす!」
「皇帝陛下を守るどころか、守られてちゃなぁ」
「あ、神子様、角の生えた伊勢海老狩れたんですけど、イネス様どの辺にいます?」
子供達が再び森に突撃してしまい暇になったので、戻ってきた冒険者に声掛けついでに話を聞きつつ、補給水を配ったり、クリーンをかけたりしています。
シャムスはカイちゃんと一緒に屋台巡り中、カイちゃんが森に行かないのは魔物が森から出てきてしまった時に対処するためが建前、本音は味見狙い。
「イネスはリンゴ味のさつま芋にハマって食べ放題してるよ、確か炭火焼の旗を掲げてる屋台の近くだったかなぁ」
あれこれ味見した結果、やっぱりいつもの味がいいという結論に達したみたいです。
残りの面白い味したさつま芋各種は夢の世界に植えるんだって、精霊へのいいお土産になるだろう。
変なトレントとして群れになったら迷惑だから、なるべく僕のスペースから遠いところに植えてもらうようお願いしておこう、じゃないと花ちゃんの二の舞になる。
その後も、ちらほら帰ってくる冒険者が持ち込む食材は角が生えたり、巨大だったり、中には牙の生えた貝類もいたなぁ。
1mぐらいあるカニを狩ってきた人もいて、炭火で焼いて甲羅でお酒を飲んだ後「もう一個!」と叫んで仲間とともに森に突撃していった。
刀国の冒険者は皆さん逞しいなぁ。
そんな事を思いながらほのぼのとした気持ちで見守っていたら、休憩所にいる近衛兵の方々の様子がちょっとおかしい事に気付いた。
視線の先には笑顔で飲み食いする冒険者達、何もおかしなことは無いのに、なんで顔色が悪いんだろう?
「カイちゃん、カイちゃん、近衛兵さんたちの様子がおかしいよ。瘴気に中てられちゃったのかな?」
「ああ、あれは魔物を食べていることに驚いているのですよ、ましてダンジョンにいる魔物なんて魔素の塊のような存在ですからね、食べたら体に魔素が溜まって、魔物に変異すると信じている者もいます」
「え、そうなの!?」
「ありえないとも言い切れないですが、その程度なら教会に行って浄化を受けるなり、こまめにクリーンをかければ無くなる程度です」
そりゃぁ刀国の人が気にするわけがない、だって日常的にクリーンを使ってるからね。
「この世界、摂理が確立されていないから思い込みの内容が作用する可能性はあるんだ」
「つまり魔物を食べると魔物に変異するって信じてる人は、本当に魔物になっちゃうってことかー」
摂理を決めるのは女神様。
つまり全部あの人のせいかぁ、どうにもならない案件ですね。
「皇帝陛下はもうちょっと奥を目指すって言って、腹心の部下と一緒にレイア様のチームに組み込まれてましたよ」
「なら安心かな、情報ありがとうございます」
負傷した近衛兵を連れてきたリーダー格の人に話を聞き、お礼を言って休憩所に向かう姿を見送る。
忘れていたけど女神様に冒険者が戻ったら出来るだけ一声かけてくれって言われてたんだよね、何でも謎能力特有の癒し効果がどうのって言ってた。
ここでも空気清浄機能が大活躍?
ともかく、皇帝と仲間達はレイアさんが傍にいれば大丈夫だろう、万が一が起こっても春日さんいるし。
やれやれとため息を吐いた所で別のグループに囲まれました。
どうやら近衛兵の近場にいた冒険者で、そこそこ収獲出来たので調理してもらうために帰ってきたらしい、アイテムボックスから出てきたのは30cmサイズの牡蠣、さすが魔物、奥へ行くほど凶暴化すると同時にサイズも大きくなるようだ。
正直、怖い。
「でもさすが稲刈り大会優勝経験者、稲を刈るがごとく魔物を斬っていく姿は爽快でしたよ」
「部下も妻子にランクの高いお土産を持ち帰るんだって、張り切ってバッサバッサ斬って、俺ら楽だったですよ」
「近衛兵、ちょっと練度が足りないっす!」
「皇帝陛下を守るどころか、守られてちゃなぁ」
「あ、神子様、角の生えた伊勢海老狩れたんですけど、イネス様どの辺にいます?」
子供達が再び森に突撃してしまい暇になったので、戻ってきた冒険者に声掛けついでに話を聞きつつ、補給水を配ったり、クリーンをかけたりしています。
シャムスはカイちゃんと一緒に屋台巡り中、カイちゃんが森に行かないのは魔物が森から出てきてしまった時に対処するためが建前、本音は味見狙い。
「イネスはリンゴ味のさつま芋にハマって食べ放題してるよ、確か炭火焼の旗を掲げてる屋台の近くだったかなぁ」
あれこれ味見した結果、やっぱりいつもの味がいいという結論に達したみたいです。
残りの面白い味したさつま芋各種は夢の世界に植えるんだって、精霊へのいいお土産になるだろう。
変なトレントとして群れになったら迷惑だから、なるべく僕のスペースから遠いところに植えてもらうようお願いしておこう、じゃないと花ちゃんの二の舞になる。
その後も、ちらほら帰ってくる冒険者が持ち込む食材は角が生えたり、巨大だったり、中には牙の生えた貝類もいたなぁ。
1mぐらいあるカニを狩ってきた人もいて、炭火で焼いて甲羅でお酒を飲んだ後「もう一個!」と叫んで仲間とともに森に突撃していった。
刀国の冒険者は皆さん逞しいなぁ。
そんな事を思いながらほのぼのとした気持ちで見守っていたら、休憩所にいる近衛兵の方々の様子がちょっとおかしい事に気付いた。
視線の先には笑顔で飲み食いする冒険者達、何もおかしなことは無いのに、なんで顔色が悪いんだろう?
「カイちゃん、カイちゃん、近衛兵さんたちの様子がおかしいよ。瘴気に中てられちゃったのかな?」
「ああ、あれは魔物を食べていることに驚いているのですよ、ましてダンジョンにいる魔物なんて魔素の塊のような存在ですからね、食べたら体に魔素が溜まって、魔物に変異すると信じている者もいます」
「え、そうなの!?」
「ありえないとも言い切れないですが、その程度なら教会に行って浄化を受けるなり、こまめにクリーンをかければ無くなる程度です」
そりゃぁ刀国の人が気にするわけがない、だって日常的にクリーンを使ってるからね。
「この世界、摂理が確立されていないから思い込みの内容が作用する可能性はあるんだ」
「つまり魔物を食べると魔物に変異するって信じてる人は、本当に魔物になっちゃうってことかー」
摂理を決めるのは女神様。
つまり全部あの人のせいかぁ、どうにもならない案件ですね。
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