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第一章 紡がれる日常
第21話
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僕の接待をしてくれた綺麗なお兄さん、トレントが進化して人化した姿でした。
うん、予想の範囲内。
あとこれも予想内だと思うけど一応言っておこう、熊さんの運命の相手、つまり番だった。
ミニトレントはトレントの熊さんへの愛が溢れた結果みたいなものだって、眉間を揉みながらアー君が解説してくれました。
「収穫に夢中になってママを放置した俺も悪いとは思う、でもなんでダンジョンボスの伴侶から流れるように接待受けて、何の疑いもなく松茸フルコース食べて、ゆず風呂入ったりマッサージ受けたりしてるの!?」
「気持ち良かった」
お肌艶々です。
「樹からゆずの香りがするね」
「えへへ」
「パパがそうやって甘やかすから、ママの危機管理能力が育たないの!」
尻尾でバシバシ地面を叩いて抗議するアー君。
対する騎士様は僕を抱きしめてゆずの香りを堪能している。
レイアさんは説教を放棄してSランクを中心に採取中、なんなら涼玉を連れて来て、高ランク無限採取というチート技使ってます。
「ところでアー君、シャムスはどうしてるの? 泣いてない?」
「気付くの遅い! カイが帝国兄弟と一緒にまとめてお昼寝させてるから大丈夫、あまりの可愛らしさにシヴァが湧いて全力で守護してるよ」
女神様は森に突撃しようとするお子様を止めるのに体力を使い果たし、早々にヘラ母さんに連絡を取って来てもらったらしいです。
正しい判断だと思う。
「アー君、俺、今日ここに樹と泊ってく!」
「却下! シャムスが待ってる! あと打ち上げあるでしょ!」
「アルジュナ、裏にある川でズワイガニが獲れたぞ!」
「俺も行きます!」
レイアさんの一言にアー君が説教を切り上げて走り出した。
「僕らも行きましょう」
「えー」
「カニは確実にイネスが狙ってくるので数を獲らないと」
弟達がどれほど可愛くても食べ物は別、海老もカニも譲ることはないんだよねぇ。
帝国一家もいるし、なるべく大きいのを狙いたいなぁ
「よっしゃオラーーー!!」
「そっち行ったぞ! 逃がすな!」
現場は戦場でした。
なるべく大きいのをと思ったら、ズワイガニの大きさが想像と違い、物凄く大きかった。
体の大きな冒険者よりもさらに大きくて、ダンジョンの偉大さを感じたね、あの大きさならイネスもきっと満足するだろう。
「熊さんが真面目にボスをやると、このカニが増援で現れるのかな?」
「ぎゃー止めてー、神子様止めてー! こいつ結構レベル高いんですよー!」
「ぎゃあああ、死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅ!」
「止まるな動け! 本当に死ぬぞ!」
割と本気で強いらしく、冒険者と傭兵団の人達がきゃーきゃー言いながら逃げまどっている。
「騎士様、父としての威厳を示しつつ、イネスの好感度上げるチャンスですよ!」
「よし頑張ってくる!」
参戦した騎士様の向こう側ではアー君が片っ端から海鮮類を氷漬けにし、レイアさんは足の部分だけをもぎ取っては再生させまたもぎ取るという残虐な行為を繰り返していた。
カニに同情しそうになる光景だなぁ。
「神子様そっちに黄金の牛が!!」
「逃げてください!!」
叫び声に視線を向けたら本当に金ぴかな牛だった。
お腹を目掛けてどーーんと頭突きをされ、体が宙に浮いたけれどポンチョのおかげでダメージゼロ、しかも着地したのは牛さんの背中だった。
ドヤァ
「黄金の牛がぁぁぁ」
「ちくしょう、アイツ、誰に媚びればいいか的確に見抜きやがった!」
「レアなのに! 俺らでもギリギリ倒せるレアなのに!」
僕が味方すると魔物のステータスがバグって倒せなくなっちゃうからね、とりあえずこの子は連れ帰ることになるのだろうか。
あとでアー君に相談してみよう。
うん、予想の範囲内。
あとこれも予想内だと思うけど一応言っておこう、熊さんの運命の相手、つまり番だった。
ミニトレントはトレントの熊さんへの愛が溢れた結果みたいなものだって、眉間を揉みながらアー君が解説してくれました。
「収穫に夢中になってママを放置した俺も悪いとは思う、でもなんでダンジョンボスの伴侶から流れるように接待受けて、何の疑いもなく松茸フルコース食べて、ゆず風呂入ったりマッサージ受けたりしてるの!?」
「気持ち良かった」
お肌艶々です。
「樹からゆずの香りがするね」
「えへへ」
「パパがそうやって甘やかすから、ママの危機管理能力が育たないの!」
尻尾でバシバシ地面を叩いて抗議するアー君。
対する騎士様は僕を抱きしめてゆずの香りを堪能している。
レイアさんは説教を放棄してSランクを中心に採取中、なんなら涼玉を連れて来て、高ランク無限採取というチート技使ってます。
「ところでアー君、シャムスはどうしてるの? 泣いてない?」
「気付くの遅い! カイが帝国兄弟と一緒にまとめてお昼寝させてるから大丈夫、あまりの可愛らしさにシヴァが湧いて全力で守護してるよ」
女神様は森に突撃しようとするお子様を止めるのに体力を使い果たし、早々にヘラ母さんに連絡を取って来てもらったらしいです。
正しい判断だと思う。
「アー君、俺、今日ここに樹と泊ってく!」
「却下! シャムスが待ってる! あと打ち上げあるでしょ!」
「アルジュナ、裏にある川でズワイガニが獲れたぞ!」
「俺も行きます!」
レイアさんの一言にアー君が説教を切り上げて走り出した。
「僕らも行きましょう」
「えー」
「カニは確実にイネスが狙ってくるので数を獲らないと」
弟達がどれほど可愛くても食べ物は別、海老もカニも譲ることはないんだよねぇ。
帝国一家もいるし、なるべく大きいのを狙いたいなぁ
「よっしゃオラーーー!!」
「そっち行ったぞ! 逃がすな!」
現場は戦場でした。
なるべく大きいのをと思ったら、ズワイガニの大きさが想像と違い、物凄く大きかった。
体の大きな冒険者よりもさらに大きくて、ダンジョンの偉大さを感じたね、あの大きさならイネスもきっと満足するだろう。
「熊さんが真面目にボスをやると、このカニが増援で現れるのかな?」
「ぎゃー止めてー、神子様止めてー! こいつ結構レベル高いんですよー!」
「ぎゃあああ、死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅ!」
「止まるな動け! 本当に死ぬぞ!」
割と本気で強いらしく、冒険者と傭兵団の人達がきゃーきゃー言いながら逃げまどっている。
「騎士様、父としての威厳を示しつつ、イネスの好感度上げるチャンスですよ!」
「よし頑張ってくる!」
参戦した騎士様の向こう側ではアー君が片っ端から海鮮類を氷漬けにし、レイアさんは足の部分だけをもぎ取っては再生させまたもぎ取るという残虐な行為を繰り返していた。
カニに同情しそうになる光景だなぁ。
「神子様そっちに黄金の牛が!!」
「逃げてください!!」
叫び声に視線を向けたら本当に金ぴかな牛だった。
お腹を目掛けてどーーんと頭突きをされ、体が宙に浮いたけれどポンチョのおかげでダメージゼロ、しかも着地したのは牛さんの背中だった。
ドヤァ
「黄金の牛がぁぁぁ」
「ちくしょう、アイツ、誰に媚びればいいか的確に見抜きやがった!」
「レアなのに! 俺らでもギリギリ倒せるレアなのに!」
僕が味方すると魔物のステータスがバグって倒せなくなっちゃうからね、とりあえずこの子は連れ帰ることになるのだろうか。
あとでアー君に相談してみよう。
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