101 / 1,238
第一章 紡がれる日常
第98話
しおりを挟む
お昼までたっぷり睡眠を取った騎士様だけど、起きてもなんだか疲れが取れていないもよう。
「魔力回復しなかったんですか?」
「したけどね、方法が問題っていうか……」
視線の先には湖面を爆走するネヴォラとイネス、体が水に沈む前に移動しているらしいけれど止まったら溺れる奴じゃないだろうか。
「こう、ネヴォラとイネスがテントに入ってくるなり「とりゃー」って言って魔力回復ポーションを俺の顔面に叩きつけたんだよ。回復したけど心が痛い」
遠い目をする騎士様はただいま焚火に設置した棒をくるくる回しています。
こちらの正体はバームクーヘン、時間はかかるけどボーッとしたい騎士様にはいいかなぁって思ってお任せしました。
……女神様が全財産出すから譲ってとか言いそうだな。
刀雲は釣りに行くかと思いきや、元気が有り余っている子供たちのためにキャンプならではのお菓子を作っているところ、涼玉の炎だから焦げる心配もなくて一度に数種類作ってる。
保護された両性のお兄さんと銀髪イケメンはアー君が学園に行く前にギルドに連れて行って今はいない、サポーターのお兄さんだけが残って採取品の記録をしている。やってもやってもキリがないとちょっと萎びてます。
「おーやーつーー!」
「パパいい香りです! それなんですか!」
「とうちゃ、俺はやったぜ! 魚一匹獲ったど!」
「ポップコーンか、それポップコーンか!?」
「ママ、喉乾いたーー!」
帝国兄弟も乱入して大変な騒ぎになっております、刀雲が残ってくれていて良かった。
騎士様、魂が半分出張中だから……。
「これはキャラメルクルミ、熱いから気をつけろ」
「はぁーい!」
「アチチ、うっま!」
もうネヴォラが十人増えたのかって思うほど騒がしいです。
生命力の塊だからねこの子達。
「チョコ入り!」
「ホットサンド!」
「これ、炎帝ちゃんが良く作ってくれるやつ!」
「炎帝ちゃんな、オコゲ作るの上手なんだぜ、カリッとしてうんまい!」
「かあちゃんと一緒に来てるんじゃなかったっけ?」
「執務やらずに来たからな、呼び戻されたんだろ」
わちゃわちゃと刀雲に群がる子供たち、一部騎士様の手元をガン見している子もいるけど、それは時間稼ぎのおやつだから簡単には完成しないよ。
何せ騎士様が自分の箇所だけ温度調整して弱火でやってるから。
「涼ちゃん、焼き芋ないのー?」
「あるぞ、焚火に放り込んである。な、マールス」
「はい、リンゴも仕込んでありますぞ」
焦げない事をいいことに昨日のうちに火に入れておいたらしい、良く邪神一家に狙われなかったな。
「俺ら火炎耐性持ってたっけ?」
「持ってない……涼ちゃんどうしよう」
「アペプ様取ってくださらない?」
「気持ち悪い喋り方をするな、取ってやるから」
帝国兄弟の中に俺様邪神のアペプが混ざっていたようだ、気付きませんでした。
良く見たら魔物の子供もいますね、魔王様と配下も遊びに来てるのかな、まだここ未完成ですよー。
「樹、完成したよ」
「はぁい、じゃあ取りましょうか」
騎士様がバームクーヘンを作っていた棒を炎から引き上げた瞬間、帝国兄弟と邪神兄弟が群がって一瞬で食べつくしてしまいました。
泣かないでください、この程度なら想定内ですよ!
「魔力回復しなかったんですか?」
「したけどね、方法が問題っていうか……」
視線の先には湖面を爆走するネヴォラとイネス、体が水に沈む前に移動しているらしいけれど止まったら溺れる奴じゃないだろうか。
「こう、ネヴォラとイネスがテントに入ってくるなり「とりゃー」って言って魔力回復ポーションを俺の顔面に叩きつけたんだよ。回復したけど心が痛い」
遠い目をする騎士様はただいま焚火に設置した棒をくるくる回しています。
こちらの正体はバームクーヘン、時間はかかるけどボーッとしたい騎士様にはいいかなぁって思ってお任せしました。
……女神様が全財産出すから譲ってとか言いそうだな。
刀雲は釣りに行くかと思いきや、元気が有り余っている子供たちのためにキャンプならではのお菓子を作っているところ、涼玉の炎だから焦げる心配もなくて一度に数種類作ってる。
保護された両性のお兄さんと銀髪イケメンはアー君が学園に行く前にギルドに連れて行って今はいない、サポーターのお兄さんだけが残って採取品の記録をしている。やってもやってもキリがないとちょっと萎びてます。
「おーやーつーー!」
「パパいい香りです! それなんですか!」
「とうちゃ、俺はやったぜ! 魚一匹獲ったど!」
「ポップコーンか、それポップコーンか!?」
「ママ、喉乾いたーー!」
帝国兄弟も乱入して大変な騒ぎになっております、刀雲が残ってくれていて良かった。
騎士様、魂が半分出張中だから……。
「これはキャラメルクルミ、熱いから気をつけろ」
「はぁーい!」
「アチチ、うっま!」
もうネヴォラが十人増えたのかって思うほど騒がしいです。
生命力の塊だからねこの子達。
「チョコ入り!」
「ホットサンド!」
「これ、炎帝ちゃんが良く作ってくれるやつ!」
「炎帝ちゃんな、オコゲ作るの上手なんだぜ、カリッとしてうんまい!」
「かあちゃんと一緒に来てるんじゃなかったっけ?」
「執務やらずに来たからな、呼び戻されたんだろ」
わちゃわちゃと刀雲に群がる子供たち、一部騎士様の手元をガン見している子もいるけど、それは時間稼ぎのおやつだから簡単には完成しないよ。
何せ騎士様が自分の箇所だけ温度調整して弱火でやってるから。
「涼ちゃん、焼き芋ないのー?」
「あるぞ、焚火に放り込んである。な、マールス」
「はい、リンゴも仕込んでありますぞ」
焦げない事をいいことに昨日のうちに火に入れておいたらしい、良く邪神一家に狙われなかったな。
「俺ら火炎耐性持ってたっけ?」
「持ってない……涼ちゃんどうしよう」
「アペプ様取ってくださらない?」
「気持ち悪い喋り方をするな、取ってやるから」
帝国兄弟の中に俺様邪神のアペプが混ざっていたようだ、気付きませんでした。
良く見たら魔物の子供もいますね、魔王様と配下も遊びに来てるのかな、まだここ未完成ですよー。
「樹、完成したよ」
「はぁい、じゃあ取りましょうか」
騎士様がバームクーヘンを作っていた棒を炎から引き上げた瞬間、帝国兄弟と邪神兄弟が群がって一瞬で食べつくしてしまいました。
泣かないでください、この程度なら想定内ですよ!
20
あなたにおすすめの小説
【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―
綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。
一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。
もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。
ルガルは生まれながらに選ばれし存在。
国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。
最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。
一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。
遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、
最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。
ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。
ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。
ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。
そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、
巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。
その頂点に立つ社長、一条レイ。
冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。
転生したら神子さまと呼ばれています
カム
BL
佐伯要《さえきかなめ》が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上ではなく知らない世界だった。目の前には見たことのない男の人がいる。彼は聖騎士であり、要の結婚相手だという。
要はこの世界で『神子』と呼ばれる存在だった。
健康な身体を手に入れて喜ぶ要だが、みんなが自分を必要としているのは、神子だからで、本当は結婚相手にも誰にも愛されてはいないのではないかと悩み始める。
愛されたことのない要が本当の愛を手に入れるまでの話。
聖騎士×転生神子
主人公総愛され気味ですが、最終は固定です。
ファンタジー要素強め。不定期更新です。
異世界の話なので、神子や聖騎士、神官、呪術士などの職業は独自の設定になっています。
エピソード0はかなめが目覚める前のアルバート視点の話になっています。
以前書いていた「転生したら神子と呼ばれています」を書き直しました。
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
分厚いメガネ令息の非日常
餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」
「シノ様……素敵!」
おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!!
その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。
「ジュリーが一番素敵だよ」
「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」
「……うん。ジュリーの方が…素敵」
ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい
「先輩、私もおかしいと思います」
「だよな!」
これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
もふもふ獣人転生
* ゆるゆ
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
もふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しいジゼの両片思い? なお話です。
本編、完結済です。
魔法学校編、はじめました!
リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるように書いています。
リトとジゼの動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。
読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる