神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第175話

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 結果、大丈夫だった。
 えっちゃんと謎能力とが協力したらしく、いい感じにグラちゃんが大地に与えた力が循環したみたい。

 ご覧ください、岩だらけだった荒野に瑞々しい緑が広がっております。

「ひよこ豆と対抗してそら豆も凄い勢いで増えていると思ったら、混ざって新種が生まれてない?」
「生まれてるなー」
「ガハハハッ!!」
「かあちゃ、ひよこ豆食べると効率いい、これでご飯作ってー」
「はいはい」

 ドリちゃんから送ってもらった白飯入りおひつをドンッ。
 軽く炒った豆を適当に入れて混ぜて出来上がり。
 こんなに簡単に出来るわけがない?
 大丈夫、その辺はひよこ豆が調節してくれるから。

 これでおにぎりを作ります、イグちゃんが!!

「ホイ」
「あぐ」
「ホイ」
「もぐもぐ」

 十四のうち四本を使っておにぎりを握り、二本で涼玉に食べさせ、残った腕で体に巻き付く豆の木を千切ってはえっちゃんに放り込み、えっちゃんはそれを鍋に放り込んで煮込んでいる。
 マールスは七体に分裂しイグちゃんに絡みつこうとする豆たちを間引き、僕は出来上がったスープを盛って配っています。

 人数が多くて大変と思っていたら、動けるようになった子供達が手伝ってくれてとても助かりました。
 手が増えれば作れるものも増えるからね、メニュー画面で小麦粉を大量購入、こねこねして豆大福や団子を作って保存、明日以降の食事です。
 シャムスが手伝った一部がスライムになってしまったけど、その子たちは泉の番人に任命されていました。

 蛮族の人達も元気を取り戻し、動けるようになった大人はセティに連れられて狩りに、狩りに出れない子供や老人はイネスの指示でせっせと豆を収穫したり、刈り取った草の部分を編んでカゴを作ったりしている。
 刈り取られる倍の勢いで増え続け、小さな森になりつつあるんだけど、どこまで成長する気だろうか。

 よく見たら成長しきったひよこ豆がポロポロと地面に落ちては干からびるように枯れ、そのたびに天を目指す木々が成長していました。
 人間だけじゃなく大地の肥料にも有効なんだね、凄いなぁ。

 伸びた木々から葉が落ちて、豆と混ざってまた大地に溶けてゆく。

「ふむ、このぐらいで良かろう」
「古竜の真価すげー」

 グラちゃんがずぼっと尻尾を土から抜く頃には肥沃な大地が誕生していました。

「やり過ぎて聖域を作った気がしないでもない」
「息子に良いところを見せたくて張り切ってしまったからな!」
「張本人、補給に忙しくて見てないけどな」
「げっふーー」

 ようやく補給が間に合ったらしい涼玉が、イグちゃんに背中トントンされて大きなげっぷをした。

「あー、死ぬかと思った! 枯渇した大地怖い! 焼き野原再生の方が楽だった!」
「俺も久々に本気で食事作ったわー、マールスサンキューな、おかげでひよこ豆の一部にならずに済んだ」
「恐ろしい勢いで増えたな」
「あっ、狼!」

 ちょうど泉には誰もいなかったからだろう、ほとんど骨と皮だけの狼が泉の近くに現れた!
 いや違う、僕のワンワン知識から推測する限り、狼というよりシュッとした感じはジャッカルかな!?
 異世界で生ジャッカル!
 もしかして魔物に属しちゃう!?
 地球のジャッカルと違って魔法とか使える!?

「わぁガリガリだったのがあっという間に艶々の毛並みになったな」
『こっちおいでー』
「一歩動くごとに健康体になってる……かあちゃの謎能力がひよこ豆を超えたな!」

 野生動物だけど異世界だし、獣族を従えるシャムスがいるから触れないかなーと思ったら、くりくりの瞳を輝かせながらこっちに近寄ってきた!
 尻尾が緩く揺れているのがツンデレっぽくて可愛い!!
 人間のツンデレは微妙だけど、動物のツンデレは大歓迎!

 最初見た時は茶色に近い毛皮だったのに、僕の手前に来た時には白銀のジャッカルに進化してました。
 可愛いから有りで!!
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