神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第178話

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 荒野のど真ん中に出来た泉は不可侵の聖域としてセティに指定された。
 水を求める生物は自由に使って良いし、恵みも惜しみなく与えられる。

 ただし殺生も独占も許されない。
 定められし聖域の理を侵した者は、神が番人として定めた存在に裁かれる。

 一つ目巨人・サイクロプス。
 操る水は罪人を罪ごと押し流す。

 炎を放つドラゴン。
 魂を罪ごと燃やし尽くす。

 白銀のジャッカル。
 聖なる泉を血で汚す者を容赦なく噛み殺す。

 神の戦士ウルガ。
 敵の心臓をえぐり取り、砂漠の神に捧げる者。

「……ウルガの描写だけエグイよアー君」

 アー君が朝から庭で2m越えの石板に文字を書き込んでいたので、何をしているかと尋ねたら聖域の入り口に置く忠告の石板だと教えてくれた。
 ついでに内容を教えてもらったら怖かった。

「神罰だからこのぐらいで大丈夫、ルールを守れば悪いことは起こらないしな!」
『罰則無視する人間への警告なのよ』
「にいちゃ、文字読めない相手はどうすんだ?」
「脳に直接語り掛けることもある」

 なお、文字は魔法で書き込んであるため、魔力を通せば理解できる言語で浮かび上がるサービス付き。
 破壊行動を試すだけでも四つの神罰が一斉に襲い掛かるぐらいの覚悟は必要らしい、神罰が無かったとしても石板を攻撃して欠けさせたりヒビを入れたら、アー君の親衛隊が地獄の果てまで追いかけそうだよね。

「ウルガいつ神の戦士になったです?」
「イネスが加護を与えた辺りかな、恐らく部族が滅びるその日まで、ウルガの名前は引き継がれ続けるだろうな」
『その前にお嫁さん』
「にいちゃ、実はウルガって未成年らしいぞ」
「ぶーーーー」

 幼児がもたらした衝撃の暴露にアー君が茶を噴いた。何という古典的な反応。

「え!?」
『アー君が噴いたの』
「石がべしょべしょ」
「アー君ばっちぃです」
「ほらお口拭いて……」

 ハンカチを渡そうとしたら親衛隊が光の速さで滑り込み、本人より素早く口回りを綺麗にしていました。
 あの……一応言っておくけれど、そのハンカチはキチンと洗ってくださいね? 間違ってもそのまま保管してはぁはぁしないでね?

「未成年……? パパより背が高くて顔がおっさんだったよな?」
『おひげのせいかな?』
「髪もお手入れしてないですしねー」
「よほど年取ってないと年齢分かりにくいよなー」

 なお、信仰する神は特になかったようで、すんなりセティへ信仰心を集めることが出来たそうです。

「そういえばママ」
「はい?」
「蛮族って別に部族の名前じゃないからな? 蔑称だからな?」
「あっ!」

 うっかり!
 何か戦士っぽいイメージがあるからそのまま呼んでた!

「かと言って部族を示す名前も失われて久しいみたいだから、何か名前を付けてほしいって言われてる」
『女神しゃま』
「女神だな」
「女神様ですねー」

 うちの子の中で女神様が名付けを司る便利な女神扱いになっている気がする。
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