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第二章 聖杯にまつわるお話
第363話
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ダンジョンに遊びに来たら冒険者ギルドに置いて行かれました。
なんで僕、幼児を含めた子供達に置いて行かれているの?
普通は逆じゃないだろうか。
えっちゃんの転移で最奥に行ってやろうかと思ったけど、知らぬ間に交渉済みだったようで転移拒否されたのですが。
致し方無いのでギルドを出て黄金の牛が領主をやっている館に遊びに来ました。
「こんにちは」
「うむ」
前触れなしで来たから追い返される可能性があったものの、そんな事はなく応接室に通されました。
向かう途中、廊下で見たことある顔とすれ違った気がする。
牛さんは領主をやっているものの、元々が魔物のため文字の読み書きは範疇外。
領主がやるべき仕事を回しているのは彼のハーレムに入れられた人達と、女神様からこの地の管理を任された一族の人たち。
牛さんはハーレムの主として妻に仕事を任せ、自分は好きなようにスローライフを送っている。
アー君曰く、主な役割は領主としてこの地の平穏を守ること、なお平穏を守るためには物理的な強さも必要なため、Sランク突破した上に謎能力やらシャムスの加護やら受けた黄金の牛さんはとても都合が良いらしい。
いるだけで抑止力になるとか凄いねぇ。
そして本人が一番楽しみにしている領主のお仕事がこちら。
「新しい加工品が出来た」
「わぁ楽しみ!」
伴侶や領民が試行錯誤して作り上げた料理の味見です。
牛さんは食べるの好きだもんね、アー君の領地に行った時もずっと食べてたし。
特に甘いものがお気に召したらしく、領地で生クリームやアイスなどを再現しようと頑張っている。伴侶の皆さんが。
僕と牛さんの前に置かれたのはシンプルなアイスだった。
家庭で作れる一番簡単なやつかな、僕も転生前に作ったことがあるような気がする。
「んー、懐かしい味」
ドリちゃんによる最高級のおやつを毎日食べているけど、たまにはシンプルな味もいいよねぇ。
僕、ぷっちんするあのプリンも好き。
「これは売れると思うか?」
「んー? 人によるかなぁ、アイスとかデザート系を滅多に食べれない層には喜ばれると思うけど、刀国の人や刀国で食事したことがある人は舌が肥えてるから」
刀国はかき氷なら屋台、アイスクリームならレストランなどのデザート、ソフトクリームならアカーシャのモールで食べれるから、味や好みに拘りもあると思う。
なお冒険者からの熱い要望でギルドの食堂でアイスクリームが提供されるようになったとか。
「……あっ、ダメかも」
アー君の領地で採れる果物の種類によって毎月食べれる味が変わるものの、ドリちゃんが提供したレシピで作られたアイスだから質が高い。
あれを知っている人はこれ食べないかもしれない、品質が違いすぎる。
牛さんに素直にその旨を伝えました。
「せっかく作ったのだが……」
「大浴場あるし、そっちで出してみたらどうかな? お風呂上りに食べるアイスは美味しいよ、本音を言うと牛乳系があるとなおいいかな」
我が家もお風呂上りにコーヒー牛乳やフルーツ牛乳を飲むことがよくある。
そう話すと牛さんではなく、牛さんの後ろに控えている人がふむふむと頷きながらメモを取っていた。
「せっかく商業ギルドがあるんだから、そこでレシピ買ったら? 最初から作るより完成度高くなると思うよ」
「……ん?」
「え?」
驚く牛さん、どうやらレシピという存在を知らなかった模様。
もちろん牛さんの伴侶さんたちも。
「あぁそっか、文化の差かぁ。盲点だった」
刀国では気軽に店頭に並んでいるから気付かなかった。
他国では基本的にレシピ本なんて存在しないようです、そりゃぁアカーシャがウハウハになるわけだ。
見本としてヘラ母さんが出した「究極の麺料理」を渡したら、真剣な表情で読んでいます。
その本に載っているレシピで使う食材は、大体商業ギルドで手に入るよ。
一番の問題は牛さんハーレムのメンバーに料理が出来る人がいるかどうかだね。
まぁその問題も商業ギルドに相談すればどうにかなるかな、人材派遣もしてるし。
なんで僕、幼児を含めた子供達に置いて行かれているの?
普通は逆じゃないだろうか。
えっちゃんの転移で最奥に行ってやろうかと思ったけど、知らぬ間に交渉済みだったようで転移拒否されたのですが。
致し方無いのでギルドを出て黄金の牛が領主をやっている館に遊びに来ました。
「こんにちは」
「うむ」
前触れなしで来たから追い返される可能性があったものの、そんな事はなく応接室に通されました。
向かう途中、廊下で見たことある顔とすれ違った気がする。
牛さんは領主をやっているものの、元々が魔物のため文字の読み書きは範疇外。
領主がやるべき仕事を回しているのは彼のハーレムに入れられた人達と、女神様からこの地の管理を任された一族の人たち。
牛さんはハーレムの主として妻に仕事を任せ、自分は好きなようにスローライフを送っている。
アー君曰く、主な役割は領主としてこの地の平穏を守ること、なお平穏を守るためには物理的な強さも必要なため、Sランク突破した上に謎能力やらシャムスの加護やら受けた黄金の牛さんはとても都合が良いらしい。
いるだけで抑止力になるとか凄いねぇ。
そして本人が一番楽しみにしている領主のお仕事がこちら。
「新しい加工品が出来た」
「わぁ楽しみ!」
伴侶や領民が試行錯誤して作り上げた料理の味見です。
牛さんは食べるの好きだもんね、アー君の領地に行った時もずっと食べてたし。
特に甘いものがお気に召したらしく、領地で生クリームやアイスなどを再現しようと頑張っている。伴侶の皆さんが。
僕と牛さんの前に置かれたのはシンプルなアイスだった。
家庭で作れる一番簡単なやつかな、僕も転生前に作ったことがあるような気がする。
「んー、懐かしい味」
ドリちゃんによる最高級のおやつを毎日食べているけど、たまにはシンプルな味もいいよねぇ。
僕、ぷっちんするあのプリンも好き。
「これは売れると思うか?」
「んー? 人によるかなぁ、アイスとかデザート系を滅多に食べれない層には喜ばれると思うけど、刀国の人や刀国で食事したことがある人は舌が肥えてるから」
刀国はかき氷なら屋台、アイスクリームならレストランなどのデザート、ソフトクリームならアカーシャのモールで食べれるから、味や好みに拘りもあると思う。
なお冒険者からの熱い要望でギルドの食堂でアイスクリームが提供されるようになったとか。
「……あっ、ダメかも」
アー君の領地で採れる果物の種類によって毎月食べれる味が変わるものの、ドリちゃんが提供したレシピで作られたアイスだから質が高い。
あれを知っている人はこれ食べないかもしれない、品質が違いすぎる。
牛さんに素直にその旨を伝えました。
「せっかく作ったのだが……」
「大浴場あるし、そっちで出してみたらどうかな? お風呂上りに食べるアイスは美味しいよ、本音を言うと牛乳系があるとなおいいかな」
我が家もお風呂上りにコーヒー牛乳やフルーツ牛乳を飲むことがよくある。
そう話すと牛さんではなく、牛さんの後ろに控えている人がふむふむと頷きながらメモを取っていた。
「せっかく商業ギルドがあるんだから、そこでレシピ買ったら? 最初から作るより完成度高くなると思うよ」
「……ん?」
「え?」
驚く牛さん、どうやらレシピという存在を知らなかった模様。
もちろん牛さんの伴侶さんたちも。
「あぁそっか、文化の差かぁ。盲点だった」
刀国では気軽に店頭に並んでいるから気付かなかった。
他国では基本的にレシピ本なんて存在しないようです、そりゃぁアカーシャがウハウハになるわけだ。
見本としてヘラ母さんが出した「究極の麺料理」を渡したら、真剣な表情で読んでいます。
その本に載っているレシピで使う食材は、大体商業ギルドで手に入るよ。
一番の問題は牛さんハーレムのメンバーに料理が出来る人がいるかどうかだね。
まぁその問題も商業ギルドに相談すればどうにかなるかな、人材派遣もしてるし。
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