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第二章 聖杯にまつわるお話
第364話
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商業ギルドでレシピが入手出来ることを教えたら、牛さんがハーレムから一人、交渉上手な人を伴ってギルドに向かってしまいました。
取り残されて暇です。
一緒に行くという選択肢はなかったのだろうか。
日に二度も置いて行かれた僕はどうすれば……と思いつつ、邸内を歩いていたら牛の群れがのんびりと草をはむ光景に出くわし、そのまま居座っています。
もちろん一人じゃありません、主人が置いて行ったので代わりに伴侶さんの一人が一緒です。
牛が持つ包容力が擬人化したんじゃないかってぐらいほわほわした感じの人で、ハーレムの癒し担当かもしれない。
黄金の牛さんがダンジョンの魔物から離脱する際、一緒にダンジョンから出てきた牛たちが敷地内で暮らしていました。
一瞬ハーレムのメンバーかと思ったけど違ったようです。びっくりした。
「ここで暮らす牛たちの乳を搾り、加工の研究に使用しております」
群れのボスが黄金の牛な影響なのか、普通の牛よりも採れるミルクのランクが高いそうです。
まぁ出身のダンジョンのランクが高いからねー。
「最初は柵を作って囲いの中で飼おうとしたのですが、作る柵は端から壊されてしまいまして、今のように放牧に切り替わりました」
ただでさえ頑丈なタイプの魔物だったのに、そこに謎能力が加わったため、防御力がさらに強化されたのかな。
ああでも人間に激突して弾き飛ばしても、相手が吹っ飛ぶだけで怪我させない不思議な現象が起こるから放牧しても大丈夫?
話していたらモーモーと牛に取り囲まれて動けなくなりました。
インド映画みたいに牛に乗って暴走すべきだろうか。
なんて馬鹿なことを考えていたら、案内役の人が牛の乳を飲むか聞いてきたので力強く頷いてみた。
もちろん異世界ですから日本のような殺菌とかそういう過程はないです、刀国ならクリーンで全て解決するけど他国はそのまま飲むのか、大丈夫じゃない事案が発生しそうだね。
僕は状態異常無効があるから何が起きても平気だけど。
いや、やっぱり酪農に本腰を入れるなら正しい知識大事。
しかし僕にそんな細かい知識はない。
ならばどうするか……とりあえず、えっちゃん我が家からスラちゃん一匹召喚お願いします。
「この子は我が家で大活躍するスライムの一匹です。牛乳の正しい加工方法はいまいち良く分からないので、この子に手伝ってもらってください」
シャムスのスライムなのでチートを秘めるスライムですよ。
我が家では主に料理の下拵えから盛り付けまで、フルで大活躍しています。
「あの牛乳、飲めるようにしてもらっていいかな?」
「ぴ!」
触手を伸ばして元気よく答えるスラちゃん、一瞬でバケツに入っていた牛乳を取り込むと自分のアイテムボックスから木のコップを取り出し、そこに牛乳を注いだ。
最近のスラちゃんはアイテムボックス持ち、そして個人の持ち物も持っているんですね。進化に僕の脳が追い付かないのは置いておこう。
「どうぞ」
「は、はい」
もう一杯酌んでもらって僕も一口飲んでみた。
素晴らしく濃厚です。
搾りたての新鮮さを損なわず、なおかつ飲みやすく一番美味しい温度になっている親切さ!!
あれ、この子ってスラちゃんであって、ドリちゃんの分身じゃないよね?
「こ、これは……いつもの味と全然違う」
感動で案内役さんがフルフルしている。
そうでしょう、そうでしょう、殺菌や清浄など一瞬で行うスラちゃんすごぉい。
ついでにアイス食べたいとねだったら、アイテムボックスから必要材料を取り出してソフトクリームを作ってくれました。しかもリンゴ味。
美味い、美味い。
「これが完成された味……」
牛乳に続きアイスの味に震えている。
大丈夫ですか?
今更だけど商業ギルドじゃなくて最初からスラちゃん紹介すれば良かったですね、一瞬で全てが解決するチートスライム、今ならシャムスの許可をもらうだけで一匹もらえる!
「それにしてもアイスの材料迷わず取り出したよね、もしかしていつも子供達に作ってる?」
「……」
反応しない。
どうやら黒のようだ。
取り残されて暇です。
一緒に行くという選択肢はなかったのだろうか。
日に二度も置いて行かれた僕はどうすれば……と思いつつ、邸内を歩いていたら牛の群れがのんびりと草をはむ光景に出くわし、そのまま居座っています。
もちろん一人じゃありません、主人が置いて行ったので代わりに伴侶さんの一人が一緒です。
牛が持つ包容力が擬人化したんじゃないかってぐらいほわほわした感じの人で、ハーレムの癒し担当かもしれない。
黄金の牛さんがダンジョンの魔物から離脱する際、一緒にダンジョンから出てきた牛たちが敷地内で暮らしていました。
一瞬ハーレムのメンバーかと思ったけど違ったようです。びっくりした。
「ここで暮らす牛たちの乳を搾り、加工の研究に使用しております」
群れのボスが黄金の牛な影響なのか、普通の牛よりも採れるミルクのランクが高いそうです。
まぁ出身のダンジョンのランクが高いからねー。
「最初は柵を作って囲いの中で飼おうとしたのですが、作る柵は端から壊されてしまいまして、今のように放牧に切り替わりました」
ただでさえ頑丈なタイプの魔物だったのに、そこに謎能力が加わったため、防御力がさらに強化されたのかな。
ああでも人間に激突して弾き飛ばしても、相手が吹っ飛ぶだけで怪我させない不思議な現象が起こるから放牧しても大丈夫?
話していたらモーモーと牛に取り囲まれて動けなくなりました。
インド映画みたいに牛に乗って暴走すべきだろうか。
なんて馬鹿なことを考えていたら、案内役の人が牛の乳を飲むか聞いてきたので力強く頷いてみた。
もちろん異世界ですから日本のような殺菌とかそういう過程はないです、刀国ならクリーンで全て解決するけど他国はそのまま飲むのか、大丈夫じゃない事案が発生しそうだね。
僕は状態異常無効があるから何が起きても平気だけど。
いや、やっぱり酪農に本腰を入れるなら正しい知識大事。
しかし僕にそんな細かい知識はない。
ならばどうするか……とりあえず、えっちゃん我が家からスラちゃん一匹召喚お願いします。
「この子は我が家で大活躍するスライムの一匹です。牛乳の正しい加工方法はいまいち良く分からないので、この子に手伝ってもらってください」
シャムスのスライムなのでチートを秘めるスライムですよ。
我が家では主に料理の下拵えから盛り付けまで、フルで大活躍しています。
「あの牛乳、飲めるようにしてもらっていいかな?」
「ぴ!」
触手を伸ばして元気よく答えるスラちゃん、一瞬でバケツに入っていた牛乳を取り込むと自分のアイテムボックスから木のコップを取り出し、そこに牛乳を注いだ。
最近のスラちゃんはアイテムボックス持ち、そして個人の持ち物も持っているんですね。進化に僕の脳が追い付かないのは置いておこう。
「どうぞ」
「は、はい」
もう一杯酌んでもらって僕も一口飲んでみた。
素晴らしく濃厚です。
搾りたての新鮮さを損なわず、なおかつ飲みやすく一番美味しい温度になっている親切さ!!
あれ、この子ってスラちゃんであって、ドリちゃんの分身じゃないよね?
「こ、これは……いつもの味と全然違う」
感動で案内役さんがフルフルしている。
そうでしょう、そうでしょう、殺菌や清浄など一瞬で行うスラちゃんすごぉい。
ついでにアイス食べたいとねだったら、アイテムボックスから必要材料を取り出してソフトクリームを作ってくれました。しかもリンゴ味。
美味い、美味い。
「これが完成された味……」
牛乳に続きアイスの味に震えている。
大丈夫ですか?
今更だけど商業ギルドじゃなくて最初からスラちゃん紹介すれば良かったですね、一瞬で全てが解決するチートスライム、今ならシャムスの許可をもらうだけで一匹もらえる!
「それにしてもアイスの材料迷わず取り出したよね、もしかしていつも子供達に作ってる?」
「……」
反応しない。
どうやら黒のようだ。
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