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第二章 聖杯にまつわるお話
第430話
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女神様がどうでもいい神託を朝っぱらから下さった。
曰く「不憫受が見てみたい」だそうです。
延々と続いていた不憫受に対する情熱を聞き流したけれど、どうやら僕にそれをやってほしかったみたい。
無理ですね、どうあがいても無理ですねー。
拒否する僕にもっと頑張れよ、女神のお願い叶えてよと泣き言言われましたけど、まぁ不憫と程遠い環境にいるからなぁ。
過保護がスキル化して僕を守っている状況で、どうやって不憫になれというのだろうか。
頑なに断り続けたら離宮に呼び出され、ティータイムセットを前に神託の続きを熱弁されています。
シャムスと涼玉も一緒に来たけど、さっさと皇子達と遊びに行っちゃいました。付き合ってほしかったな。
「でもまた何で急にそんな事を言い始めたんです?」
電波ですか?
目の前にあるティータイムセット、メニュー画面で出したものだけど、そう言えばポイント稼ぎのためのダンジョン巡り途中だったなぁ。
ハロウィンダンジョンでやるの忘れてたけど、何となくもう近付きたくないっていうか。
あれ待って。
もしかしてあの大量のカボチャ、ポイントにすれば万事解決だったんじゃ……?
品質ノーマルだとしてもないよりマシなはず、僕は何て勿体ない事を!!
「そう言う訳でさ、不憫系を探したい」
話を聞き流していたら変な結論を出していました。
こんなのが帝国の皇后なんて大丈夫なんだろうか、と一瞬思ったけど、刀国はこの人に守られて千年以上の平和を保っていますね。
もしかして刀国では出来ないジャンルを帝国で開拓しようとしている?
「不憫と言ったら境遇が大事だよな、やっぱ孤児院かな? それとも路地裏? 親なしか虐げられている奴が狙いどころだと思うんだわ、どう思う?」
「腐ってるなと思います」
「イツキちゃん、本音駄々洩れ」
「あっ、すみません。でも不憫系ショタなんて残っているんですか? 教会とシヴァさん、あとイネス達があれこれ手を打ってるのに?」
「帝国のそれも王都だからな、これだけの規模だと出入りも多い。帝国の人間が捨てなくても、外から来た人間が捨ててくってこともある。いけると思わないか?」
なにがだろうか。
「よし、さっそく今から城下のスラム街をメインに視察するぜ!」
「イネス呼んでいいですか? あとあれだけ大規模にぺかぁってしたのにまた出来ちゃったんですね、スラム」
「あとあと、そんなのはあと! 不憫系主人公見つけてからな!!」
意気揚々とお出かけの準備をする女神様。
城下までどうやって移動するのかと聞いたら無言で影に視線を向け、視線に気付いたえっちゃんがOKと影文字で返答していた。
どうやらえっちゃん頼りなようです。
白いワンピースに大きな麦わら帽子、貴女それで本当にお忍びの格好のつもりなんですか?
そう言いたかったけども、同行する僕の本日のポンチョはシマリスだった。
どう足掻いても目立つねこの二人、もう最初からイネスを頭にのせておこうかな。
曰く「不憫受が見てみたい」だそうです。
延々と続いていた不憫受に対する情熱を聞き流したけれど、どうやら僕にそれをやってほしかったみたい。
無理ですね、どうあがいても無理ですねー。
拒否する僕にもっと頑張れよ、女神のお願い叶えてよと泣き言言われましたけど、まぁ不憫と程遠い環境にいるからなぁ。
過保護がスキル化して僕を守っている状況で、どうやって不憫になれというのだろうか。
頑なに断り続けたら離宮に呼び出され、ティータイムセットを前に神託の続きを熱弁されています。
シャムスと涼玉も一緒に来たけど、さっさと皇子達と遊びに行っちゃいました。付き合ってほしかったな。
「でもまた何で急にそんな事を言い始めたんです?」
電波ですか?
目の前にあるティータイムセット、メニュー画面で出したものだけど、そう言えばポイント稼ぎのためのダンジョン巡り途中だったなぁ。
ハロウィンダンジョンでやるの忘れてたけど、何となくもう近付きたくないっていうか。
あれ待って。
もしかしてあの大量のカボチャ、ポイントにすれば万事解決だったんじゃ……?
品質ノーマルだとしてもないよりマシなはず、僕は何て勿体ない事を!!
「そう言う訳でさ、不憫系を探したい」
話を聞き流していたら変な結論を出していました。
こんなのが帝国の皇后なんて大丈夫なんだろうか、と一瞬思ったけど、刀国はこの人に守られて千年以上の平和を保っていますね。
もしかして刀国では出来ないジャンルを帝国で開拓しようとしている?
「不憫と言ったら境遇が大事だよな、やっぱ孤児院かな? それとも路地裏? 親なしか虐げられている奴が狙いどころだと思うんだわ、どう思う?」
「腐ってるなと思います」
「イツキちゃん、本音駄々洩れ」
「あっ、すみません。でも不憫系ショタなんて残っているんですか? 教会とシヴァさん、あとイネス達があれこれ手を打ってるのに?」
「帝国のそれも王都だからな、これだけの規模だと出入りも多い。帝国の人間が捨てなくても、外から来た人間が捨ててくってこともある。いけると思わないか?」
なにがだろうか。
「よし、さっそく今から城下のスラム街をメインに視察するぜ!」
「イネス呼んでいいですか? あとあれだけ大規模にぺかぁってしたのにまた出来ちゃったんですね、スラム」
「あとあと、そんなのはあと! 不憫系主人公見つけてからな!!」
意気揚々とお出かけの準備をする女神様。
城下までどうやって移動するのかと聞いたら無言で影に視線を向け、視線に気付いたえっちゃんがOKと影文字で返答していた。
どうやらえっちゃん頼りなようです。
白いワンピースに大きな麦わら帽子、貴女それで本当にお忍びの格好のつもりなんですか?
そう言いたかったけども、同行する僕の本日のポンチョはシマリスだった。
どう足掻いても目立つねこの二人、もう最初からイネスを頭にのせておこうかな。
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