神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第431話

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 スラムに転移したら頭の上ではなく喉にイネスが巻き付いていた。
 いつの間にマフラーしてたんだろうと思い、外そうとしたらイネスだったんだ。

「ぺかぁしていいですか?」
「まだ視察してないっす」
「女神様、言葉遣い」

 世界を管理する女神様なのに、うちの子に対しては腰が低いというか下僕のように下手にでるよね。
 アー君には頭が上がらない感じだし、シャムスに対しては土下座する勢い。
 僕の知らないところでお互いに何かあったのか、それともうちの子が騎士様の威を借りまくっているのか、どっちかなぁ。

「ほらほらイツキちゃん、薄暗い路地裏、やせ細った人々、薄暗い世界だろう」
「喜ぶことですか?」
「ぺかぁしちゃう?」
「もうちょっと散歩させてください」

 単純に女神様がやらかし過ぎて、頭が上がらなくなっている可能性もあるか。

「スラムを潰して神様グッズを売る聖地にしたら、今度は別の場所にいつの間にかスラムできちまってさぁ、こういうのって強制力の一つだと思うか?」
「ラノベの展開にたまに必要になりますからねスラム」
「でもなくても困らないです、健全な労働で健全な生活を送るべきです!」

 イネスが正論を言っていると思うでしょ?
 でもちょっと人間の思う健全さとはずれているんです。
 イネスの言う「健全な労働」は神々への奉仕が含まれているので、死霊部隊のように24時間休みなしでダンジョンで狩りをするのも入っちゃうんだよね。
 欠片も健全じゃない気がする。

「ほら、イツキ見つけたぜ! ボロをまとった子供!」
「ショタですね、シヴァさん呼んでいいですか?」
「もうちょっと付き合おう!?」

 いかにも世の中を恨んでいる風な少年を発見、はしゃぐ女神様、ぺかぺか点灯するイネス、僕らを襲ってさらうかお金をはぎ取るかしようとしてえっちゃんに影で殴られる大人、端的に言ってカオスです。

「この人の気が済んだら帰るから、煩くしてごめんね。これ柔らかいパン」
「……」

 迷惑料代わりに渡したのはひよこ豆を粉にして作ったパン、お腹を空かせた状態でがっついて食べても胃が驚かない、ちょっとしたサプリ代わりにもなる優秀なパンです。
 渡したら貪るように食べる人が多いからね、こういう時は本当にひよこ豆が頼りになります。
 開発はドリちゃんとヘラ母さん、開発費はシヴァさんが出資したらしいです。世の中のためになっているからいいけどね。

「ほらイツキ、こっちには隻眼の剣士がいたぞ!」

 すみません。すみません。本当うちの女神様が騒がしくてすみません……って、スラムでこのテンション、スラム荒らしをする時の涼玉達と同レベルなんですが。
 あと首に巻き付いているイネスがぺかぁしたいと主張して、ビッカビッカ光ってて眩しい、剣士の人も睨もうかドン引きしようか迷って変な顔になってる。

「あっちには人さらいがいるぞ!」
「ぺっかぁぁ!!」
「目がぁぁ!!」

 女神様のセリフにイネスが光の矢となって飛び出していった。
 発光するイネスを見つめてた剣士の人が目を抑え、伝説のセリフを叫んでいます。

 ひよこ豆のスープとパンで許してもらえるだろうか。
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