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第二章 聖杯にまつわるお話
第487話
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ダンジョンボス代理を何回かこなし、えっちゃんが満足した所で次の予定が入った。
女神様ってこんなに忙しくないよね?
人間の営み覗きながらお酒飲むのは趣味だし、世界の管理はしてても覗きに忙しくてこんな頻繁に干渉してない気がする。
我が家に飲み食いしに現れるけど、あれは実家に帰っているだけだからノーカウントとか言いそう。
学園の生徒はたまに女神様のげへげへとした笑い声や神託を聞くことがあるらしい、みんなスルーしているらしいけど。
「帝国の皇后がこんな平凡な男だなんて、他国に笑われるわ」
「皇帝陛下の愛し子がこんな平民みたいな子供だなんて」
僕は今、三毛猫ポンチョを着てお茶会に参加している。
女神様が主催するお茶会は各国のトップや女神様達が参加する格式が高すぎる感があるもので、少なくとも未婚のレディはお近付きにもなれないし、参加する資格もない。
なのに僕は今、未婚のレディに囲まれてお茶会に参加している。
僕、身分だけで言えば女神様の上なんだけど……。
皇帝の子供は確かに何度も産んでいるけど、あの人の愛し子ではないし、まして妻でもない。
身分はちょっと分からない、平民なのかな? 息子の大半が神様だけどどうなんだろう。
何より君たちは平凡だと笑うけど、この世界の管理者である女神様って平凡好きだよ。本当に好きなのは「美形×平凡」というジャンルだけど。
あと……
「ははは、君たち、本当のことを言ったら可哀そうだろう」
煌びやかなレディに囲まれ、きざったらしくポーズを決めるこの人は誰。
ツッコミどころ満載でもう帰りたい。
「殿下は本当に慈悲深い方ですわね」
「尊敬いたしますわ」
殿下……こんな皇子、帝国にいないよね?
「レデリオン様、庭園でのお茶会も素敵ですけど、離宮も見てみたいですわ」
「回遊庭園が素晴らしいとお聞きしています、私たちまだ見たことがありませんの」
「おやおや困った子猫ちゃんたちだね」
「君は誰?」
もしかしたら帝国の皇子ではなく、他国の王子かもしれない。
僕を皇后と間違えているのに、皇子を名乗るこの人が僕とほぼ同じ年齢っぽいのもおかしい。
「皇后さまはご存じないのかしら」
「この方はレデリオン・シュトラウス・アトウッド様、偉大なる帝国の第三皇子ですわよ」
第三皇子……いや知らない、長男から次男、三男は僕が生んだけど、これは知らない。
第二、第三皇子はシャムスと同じような理由でまだ幼児です。
何より、皇子を名乗るのに僕と面識ない設定はどうなんだろう? 設定破綻してない?
偽物か詐欺師、どっちだろう。
それとも女神様が不在で生じたズレ、とか? うーん。
「あっ、ママここにいたーー!!」
「もう探しちゃったじゃないか」
「腹減った。腹減った!」
困惑していたらそこに帝国兄弟が乱入してきた。
そう言えば忘れていたけど、息抜きにこの子達と遊ぼうと帝国に来て、離宮に向かっていた所をこのお茶会に引き込まれたんだった。
いつもなら離宮に直接飛ぶのにおかしいなぁと思ってはいたんだ。完全にえっちゃんの愉快犯!!
「ママこいつら誰ー?」
「第三皇子を名乗る怪しい人物と、その男に媚を売る令嬢集団」
「不敬罪だな!」
「かあちゃんの好きそうなシチュエーションだけども、設定がずさんだなぁ」
「第三皇子って兄ちゃんだろ、今なら筋肉質な子守に抱かれてご満悦だぞ」
「たいちょー、こっちこっち!」
帝国兄弟が騒いだことで衛兵さんが駆け付け、庭園でお茶会をする集団を一斉捕縛した。
「これはあれかな、アー君が言っていた乗船してない人間が突然現れ、船上で婚約破棄を繰り広げたっていう、あれと同じ感じの女神の呪いかな?」
「ありえるなぁ」
アカーシャの学生時代には排除しても排除してもピンク髪が発生していたこともあるらしいし、女神の呪いって根深くて厄介なんだよね。
テンプレの数だけ種類があるから迷惑極まりない。
とりあえずこの日は他に呼び出されることもなく、回遊庭園で愛の告白をする大臣を通りがかりに祝福した後は帝国兄弟とお茶して帰宅しました。
女神様ってこんなに忙しくないよね?
人間の営み覗きながらお酒飲むのは趣味だし、世界の管理はしてても覗きに忙しくてこんな頻繁に干渉してない気がする。
我が家に飲み食いしに現れるけど、あれは実家に帰っているだけだからノーカウントとか言いそう。
学園の生徒はたまに女神様のげへげへとした笑い声や神託を聞くことがあるらしい、みんなスルーしているらしいけど。
「帝国の皇后がこんな平凡な男だなんて、他国に笑われるわ」
「皇帝陛下の愛し子がこんな平民みたいな子供だなんて」
僕は今、三毛猫ポンチョを着てお茶会に参加している。
女神様が主催するお茶会は各国のトップや女神様達が参加する格式が高すぎる感があるもので、少なくとも未婚のレディはお近付きにもなれないし、参加する資格もない。
なのに僕は今、未婚のレディに囲まれてお茶会に参加している。
僕、身分だけで言えば女神様の上なんだけど……。
皇帝の子供は確かに何度も産んでいるけど、あの人の愛し子ではないし、まして妻でもない。
身分はちょっと分からない、平民なのかな? 息子の大半が神様だけどどうなんだろう。
何より君たちは平凡だと笑うけど、この世界の管理者である女神様って平凡好きだよ。本当に好きなのは「美形×平凡」というジャンルだけど。
あと……
「ははは、君たち、本当のことを言ったら可哀そうだろう」
煌びやかなレディに囲まれ、きざったらしくポーズを決めるこの人は誰。
ツッコミどころ満載でもう帰りたい。
「殿下は本当に慈悲深い方ですわね」
「尊敬いたしますわ」
殿下……こんな皇子、帝国にいないよね?
「レデリオン様、庭園でのお茶会も素敵ですけど、離宮も見てみたいですわ」
「回遊庭園が素晴らしいとお聞きしています、私たちまだ見たことがありませんの」
「おやおや困った子猫ちゃんたちだね」
「君は誰?」
もしかしたら帝国の皇子ではなく、他国の王子かもしれない。
僕を皇后と間違えているのに、皇子を名乗るこの人が僕とほぼ同じ年齢っぽいのもおかしい。
「皇后さまはご存じないのかしら」
「この方はレデリオン・シュトラウス・アトウッド様、偉大なる帝国の第三皇子ですわよ」
第三皇子……いや知らない、長男から次男、三男は僕が生んだけど、これは知らない。
第二、第三皇子はシャムスと同じような理由でまだ幼児です。
何より、皇子を名乗るのに僕と面識ない設定はどうなんだろう? 設定破綻してない?
偽物か詐欺師、どっちだろう。
それとも女神様が不在で生じたズレ、とか? うーん。
「あっ、ママここにいたーー!!」
「もう探しちゃったじゃないか」
「腹減った。腹減った!」
困惑していたらそこに帝国兄弟が乱入してきた。
そう言えば忘れていたけど、息抜きにこの子達と遊ぼうと帝国に来て、離宮に向かっていた所をこのお茶会に引き込まれたんだった。
いつもなら離宮に直接飛ぶのにおかしいなぁと思ってはいたんだ。完全にえっちゃんの愉快犯!!
「ママこいつら誰ー?」
「第三皇子を名乗る怪しい人物と、その男に媚を売る令嬢集団」
「不敬罪だな!」
「かあちゃんの好きそうなシチュエーションだけども、設定がずさんだなぁ」
「第三皇子って兄ちゃんだろ、今なら筋肉質な子守に抱かれてご満悦だぞ」
「たいちょー、こっちこっち!」
帝国兄弟が騒いだことで衛兵さんが駆け付け、庭園でお茶会をする集団を一斉捕縛した。
「これはあれかな、アー君が言っていた乗船してない人間が突然現れ、船上で婚約破棄を繰り広げたっていう、あれと同じ感じの女神の呪いかな?」
「ありえるなぁ」
アカーシャの学生時代には排除しても排除してもピンク髪が発生していたこともあるらしいし、女神の呪いって根深くて厄介なんだよね。
テンプレの数だけ種類があるから迷惑極まりない。
とりあえずこの日は他に呼び出されることもなく、回遊庭園で愛の告白をする大臣を通りがかりに祝福した後は帝国兄弟とお茶して帰宅しました。
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