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第三章 世界に降りかかる受難

第524話

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 さて、騎士様を発光させた翌朝です。
 やっぱり昨日はお泊りだったらしく、帰宅しておりませんぞ!

「まぁそうだよな、あれだけ目に優しい感じに光ってるなら使うよな、それが世界の持ち主だろうとも」
「刀国の役人つえぇ」
「邪神兄弟にも説教するメイドさんがいるぐらいですしね」
『淡い光じゃなかったら仕事を持ち帰りだったのよ』

 太陽ほど眩しすぎず、月の光ほど弱くなく、とても丁度いい光だったそうです。
 ついでに言うと聖なる効果が付与されて疲労回復効果もあったとか、ゾンビ軍団から感謝の言葉がアー君に届いたらしい。結果オーライ。

「お見合いパーティーがいよいよ近付いて来たからな、城中ゾンビだらけだった」
「俺の仕事は一旦終わりか? 俺はもっとやれるぜ!」
「じゃあ次は打ち上げパーティー用の食材集めましょう!」
『お酒の噴水とかかなぁ?』
「ひよこ豆のお酒とか、ないかな?」

 その時の子供達の顔をどう表現したら良いものか……。
 何ていうか悪巧みしている時に余計な一言を言ってしまった感がある。まぁいいか!


 ひよこ豆で作るお酒は大変だった。
 何せ参加者が幼児しかいないからね、お酒の味が分からない!!
 マールスと霧ちゃんは研究に勤しむ僕らの代わりにお昼作ったり、夕食の打ち合わせしたりと身代わり主婦やってくれてたから不参加なの。

 四苦八苦しながら作って出来たのは美味しいお茶だった。
 あれはあれで美味しいので、どこかの領主を仲間にして名産品として量産してもらう予定。

「そんな感じで僕はとても忙しいのです! お家に帰して!」
「すみません、すみません」

 僧侶っぽい獣人さんが集団土下座しながら謝っている。
 だーめー!
 僕は今、研究に忙しいのです!

 でも……もふもふさせてくれるなら許しちゃおうかな。

 触らせてくれるなら、ちょっとだけお話聞いてあげると言ったら喜んで触らせてくれた。
 胸毛ふわふわ、でも埃っぽい気がする。クリーン大事よ、魔法を授けるのって僕にも出来るかな?

 クリーンかけて、ブラッシングして、もう一回クリーンかけて、香油を塗ってからブラッシング、おお段々毛並みが綺麗になってきた。
 お話、大丈夫、ちゃんと聞いてる。

 人間の貴族が狩猟大会を開催、獣人の奴隷が獲物……なんだって?
 無意味に動物を狩ること自体が許せないのに、わざわざ獣人を捕まえて奴隷に落として使う?

 やけに薄暗いと思ったら、ここは奴隷にした獣人を押し込めておく倉庫みたいな場所らしい。
 洞窟だと思ってた。
 暗いから分からなかっただけだよ。

「もふもふを奴隷にしている国が現存するなんて!!」

 悪!
 もふもふを虐げるのは相手の種族、権威関係なく悪なり!!
 騎士様もそう言ってた!

 よーーし、やっちゃうぞぉぉ!
 女神様に代わってお仕置き、いや、女神様はお仕置きとか苦手分野だから――レイアさんに代わってお仕置きのお時間です!!

 そういう訳で魔物の皆さん、やっちゃえ。


 その日、某国の王都からさほど離れていない領地に災害級の魔物が突如現れ、一晩でかの領地を更地にしたという。
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