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第三章 世界に降りかかる受難

第552話

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 雷ちゃんのお守りに謎能力を混ぜたら、即死攻撃を向けた相手の命を吸い取るお守りが完成。
 謎能力が張り切っている気配がする。
 怖い効果がついたこれは雷ちゃんの懐にないない。

 僕が作りたいのは平和な感じの効果なんだけどなー。
 少なくとも生死を左右する効果はご遠慮いただきたいでござる。

「ママ、これはどうですか?」
「んー?」

 お守り作りにイネスが参戦。
 効果は……浄化【極】。
 雷ちゃんに鑑定してもらいました。
 効果はこちら「所持者の魔力に応じて範囲内にいる魔を消失させる」。

 アウトでーす。

 レッサーデーモンの皆さんが即死するやつ。
 彼らも数匹パーティーに参加するって連絡来てるのに会場に入れなくなるよ!
 あと神薙さんも会場に飲み食いしに行くつもりらしいから、効かないとは言え、不快にはなるかもしれないのでやっぱりだめー。

「イネス、これ駄目よ。会場の給仕にスケルトンをアルバイトで雇ったってアー君言ってたの」
「えー!」
「どうした?」
「アー君、これ」

 イネスが作った魔石をアー君に渡したら苦笑いされた。

「当日は闇属性の魔物も参加するし、これは使えないぞ」
「そんなぁ、うまくぺかぁって出来たのにー」
「ギルドで買い取るから、もう少し魔物に優しい効果にしてくれ」
「はぁい」

 アー君の説得でイネスがひとまず諦めてくれたようです。
 良かった。スケルトンたちが消失する所だった。

 数個作ってみたものの、イネスの魔力自体がキラキラしているので闇属性に大ダメージ系しか出ないの。
 こうなると余計にムキになるのがイネスなのよね。

 それから何個も作ったけど、聖職者が祭壇に飾って祈りそうなものが山ほど出来ました。
 これはこれでアー君が買い取ってくれるからいいけどね、でも効力ふわっとしたものを作るために使う魔石を小さくしたのに効果がおかしいのは何でだろうね?

「んー、じゃあこれはどうかな、ふぅーー」

 魔石に触らず、息だけを吹きかけた魔石がギラギラではなくほわぁっと優しく光っております。

「雷ちゃん」
「うむ、良い感じだな。効果もふわっとした感じの魔除け程度に収まっている」
「成功です!!」

 チャレンジ成功に大喜びした瞬間、イネスがべかーーーっと光って目がチカチカです。

「もー、イネスは急に光るなよなー、あぁびっくりした」
「ヨムちゃんごめんなさい」

 謝りつつもまだ光ってるね。
 結果、イネスのお守りは一個しか完成しませんでしたー。レアよ。

「雷ちゃんあのね」
「どうした?」
「お腹空いた」

 少ない魔力をお守り作りに使ったせいか、お腹がぐーぐー鳴ってます。
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