神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

文字の大きさ
959 / 1,237
第三章 世界に降りかかる受難

第944話

しおりを挟む
 出禁の理由が過去の自分にあった。
 でも国滅ぼしたのって、闇落ち勇者なんだけどなぁ。
 そもそも闇落ち勇者に会いに行った理由も、リザママがクエスト受けたからで……うーん理不尽。

 この会話は全て門前で行われており、僕とリザママが足止めされている間も後ろに人々が並んでいました。
 しかし、ご覧ください、今は皆さん地面に頭をついて土下座の姿勢で息を殺しています。
 門を守るべき兵士は気絶しているし、カオスである。

 参ったなぁと呟いて、冒険者の一人が詰所に入って行ってすぐに戻ってきた。
 ガクブル状態で交代要員が誰もいないらしい、逆に僕を何とかしてと依頼を受けたみたい。

「人間は脆弱だなぁ、ちびを怒らせなきゃいいだけだろう?」
「闇が光に弱いのと同じで、どうにもならない事もあんのよ」
「分かってあげて欲しいっす」
「えっ、闇って光に弱かったのか?」

 冒険者の発言にリザママが僕、ではなく僕の影を凝視する。

「えっちゃんを基準にしたらまずいと思う」
「魔王様だって一時期、イネス様に近付けなかったんだぜ?」
「いや、だって、魔王軍に所属しているアンデッドとか、太陽の下で爽やかに働いたり、日光浴したり、干物作ったり、イネスの神聖グッズ集めたりとか平気でしてるぞ!?」
「……俺らの母国が愉快なだけっす」
「国が変われば基準も変わるんだ」

 親切な冒険者集団がここに来て初めて目を逸らした。
 イネスとアンデッドを例に挙げられると困るよね、本来なら同じ場に存在するだけで吹き飛ぶはずなのに、神聖グッズを買い漁ったり、神聖属性がぎっちり詰まった店に通うスケルトンが刀国には普通に存在していて、誰もがそれに疑問を抱かないんだもの。
 普通の国なら討伐対象だよね。

 他にも闇属性代表とも言える魔王様がうちにはいます。
 ただ魔王様、イネスと遊んであげるためだけに光属性耐性を上げたからなー。
 うむ、正しい基準になるような人材がうちの国にはいない。

「とりあえず、せっかく遊びに来たんだから町に入りたい」
「ギルドと教会以外から門前払い受けて神子様が悲しんで町が滅ぶに一票」
「むしろ両施設がすでに撤退準備を進めているに賭けたい」
「黒髪が生まれたら教会が保護しているから許してあげて欲しいっすねー」
「孤児も浮浪者もいない、適度にいい国なんだけどなぁ」

 庇おうとしているのか諦めているのかどっちだろうか。

「神子様」

 そこに新たな人物が現れた!
 ヴィシュタル教の司祭である。
 
「どうか、ここは教会の顔を立ててくださいませんか?」
「ん~~」
「彼の民は過去に起きた出来事を心より反省し、国民が一丸となって贖罪の日々を送っております」
「そうなの?」
「この国は奴隷解放にも力を入れており、女神様よりまぁまぁ認められています」

 まぁまぁなんだ。

「そしてここで私が神子様の説得に成功すると、教会への信心が増して女神様が多少ご機嫌になります」
「結構どうでもいい扱いの部類じゃない?」
「そうなんですよねぇ」
「司祭様!」
「説得するなら最後まで!」

 のほほんと笑う司祭に冒険者がツッコミを入れてくる。
 とりあえず今日は別の所に行こうかな、ビクビクされるなか遊んでも面白くないしね~。

「一番近くのダンジョンに遊びに行く」
「そうすっか」
「「え」」

 どんなダンジョンか楽しみですね、もふもふがいると嬉しいな。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

分厚いメガネ令息の非日常

餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」 「シノ様……素敵!」 おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!! その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。 「ジュリーが一番素敵だよ」 「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」 「……うん。ジュリーの方が…素敵」 ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい 「先輩、私もおかしいと思います」 「だよな!」 これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話

【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―

綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。 一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。 もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。 ルガルは生まれながらに選ばれし存在。 国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。 最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。 一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。 遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、 最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。 ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。 ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。 ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。 そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、 巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。 その頂点に立つ社長、一条レイ。 冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。

N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間 ファンタジーしてます。 攻めが出てくるのは中盤から。 結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。 表紙絵 ⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101) 挿絵『0 琥』 ⇨からさね 様 X (@karasane03) 挿絵『34 森』 ⇨くすなし 様 X(@cuth_masi) ◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

処理中です...