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7章 性欲の中心には魔物が棲んでんねん
7-2 モニターを観ながら、ガリ総長の講義1【⑳「図々しく、図太く、太々しい男が結果を出すんだよ!」】
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ねじと女の話し声に耳を澄ました。大きな笑い声が聞こえる。たわいもない世間話をしているようだ。
ガリさんがモニターを観ながら口を開いた。
「グリーン。今までぎょーさん教えてきたけど、お前はちっとも身に着けてないねん。せやから、多少重複するが復習や応用も含め、点ではなくおなごをオトす一連の流れの中で改めてレクチャーするから、今度こそ身体全体で刻みつけて覚えろよ」
「はい、お願いします」
「さっきも言うたけど、ここからは攻めなきゃあかんのや。その前に守りとは何なのかについて説明しようと思うねん。グリーンの癖になっていることだがわかるやろか?」
「グリーンの場合は、まず話し方を変えないとダメだろ」
突然乳ローが割り込んできた。
「グリーンに訊いたのだが……。ま、その通りやな。おなごと話すときに敬語になりがちやろ。タメ口で喋れるようにならんと」
「すいません……。確かにそうかもしれません」
「乳ロー。グリーンに訊いたのやから、そうあっさりと奪って答えるなよ」
「思った瞬間に喋る。それが乳ロー流」
「わかったわかった」と呆れ口調で言ったが、すぐさま表情を戻して話し始めた。
「敬語は守りなんや。嫌われないがそれ以上打ち解けることもできん。ほんで、もう少し自信に満ちあふれた男を匂わせながら堂々と喋らんとあかんわ」
「っていうか、グリーンは女という生き物を全然わかっていない」
いつも唐突だが、またもや唐突に乳ローが喋り出した。
「何がわかっていないのでしょうか?」
「女ってのはとんでもなくエロい生き物なんだよ。それをお前はわかっていない。女を聖人だと思ってるんじゃねぇか。何か幻想を抱いてねぇか。女の持っているエロの炎を体内で着火させて、その炎を全身まで及ぼさせることができるかどうかはその男の腕にかかっている。どうせグリーンのことだから、女が自らエロの炎を点けたとしても鎮火させるような接し方しか知らねぇと思うがな」
聖人だと思っているわけじゃないが、女という生態がよくわかっていないことは事実だ。
「とにかくブスでもデブでもババアでもいいから抱きまくることによって経験値を上げないと女のことなんかわかるわけがねぇし、いつまでたっても幻想の沼から抜け出すことなんてできねぇぞ」
素人童貞の俺には、心の中心を突き刺しえぐるような言葉の連続だった。
「まぁ、そう言うなって……」
とガリさんは言ったが、乳ローの語りは止まらない。
「聖人かどうかはわからねぇが女を変に上に見てんだよ。今までの習慣を変えることは簡単ではねぇが、これからナンパ師として結果を出していきてぇならば、その習慣を矯正しねぇと終わりだよ! 最初は無理だったとしても、少しずつ主従関係を作り出していくことが大事なんだぜ」
ガリさんの表情は明かに辟易している。
「だから、どんなに可愛くても『大したことない。ちょろいちょろい』というメンタリティで臨んだほうがいいんだよ。相手が上だと思ってしまうと謙ってしまうし、自分を見失ってコントロールできなくなり落ち着いて攻められなくなるんだぜ」
「確かにそうかも……」
「それでな、攻めの具体的な説明に入っていくわけだが、会話に慣れてきたら少しずつ押しを強くしていく必要があるんだよ」
「オシですか?」
「ああ。敬語や褒めトークだけだと退屈しちゃうから、何もなく終わってしまう。そういう奴が、いい人という印象を与える一方、何も感じない男と思われて終了するんだよ。だから、気遣いはやめて、太々しく攻めていくことが重要なんだぜ」
「太々しくですか。確かに自分はいつも必要以上に気を使っているような……」
「見てればわかるよ。だから、その部分を矯正しろ! もっと、女に対して図々しく、図太く接するという精神を持て。そこを変えないと話は進まないだろな」
「わ、わかりました」
「なぜこんなことを言うと思う? そういう太々しい男が結果を出すんだよ!」
男に生まれたからには結果を出したい……。もっと、図々しく、図太くならないと。
「太々しく接するという精神を持ちながら、少しずつ押しを強くしていくんだよ。それで、その女が許容してくれるグレーゾーンまで侵入しろ。そこで、女と対峙することから逃げたら終了。女の深部に踏み込んで傷ついたり経験を積まないと、何も生まれないし先には進めないんだぜ」
乳ローが、髪を掻き上げながら覗き込んできた。
「よぉ、グリーン地蔵。太々しさや押しの延長上には何があるかわかってるよな? さっき教えたんだからさ」
「えっ、なんでしたっけ……」
「ゲスだよ! 『いい人はモテない、ゲスの方がモテる』と言っただろ? この俺様が改めて口酸っぱく教えてやってるんだから脳に刻みつけろ」
ゲス……。さすが、強引な乳ローのアドバイス。
「刺激という言葉で言い換えることもできる。『刺激を与えることができる男はモテるが、逆はモテない』。わかったか?」
「わかりました……。でも、乳ローさん。太々しいとか押しとか、それと、ゲスとか……、具体的にはどうやってやるんですか?」
ガリさんは、見守りながらタバコを吸っている。
「グリーンの場合は、まず、女の名前を呼び捨てすることから始めてみれば? 後は、追い追いねじが見せてくれるんじゃね」
乳ローからモニターに視線を移した。
ガリさんがモニターを観ながら口を開いた。
「グリーン。今までぎょーさん教えてきたけど、お前はちっとも身に着けてないねん。せやから、多少重複するが復習や応用も含め、点ではなくおなごをオトす一連の流れの中で改めてレクチャーするから、今度こそ身体全体で刻みつけて覚えろよ」
「はい、お願いします」
「さっきも言うたけど、ここからは攻めなきゃあかんのや。その前に守りとは何なのかについて説明しようと思うねん。グリーンの癖になっていることだがわかるやろか?」
「グリーンの場合は、まず話し方を変えないとダメだろ」
突然乳ローが割り込んできた。
「グリーンに訊いたのだが……。ま、その通りやな。おなごと話すときに敬語になりがちやろ。タメ口で喋れるようにならんと」
「すいません……。確かにそうかもしれません」
「乳ロー。グリーンに訊いたのやから、そうあっさりと奪って答えるなよ」
「思った瞬間に喋る。それが乳ロー流」
「わかったわかった」と呆れ口調で言ったが、すぐさま表情を戻して話し始めた。
「敬語は守りなんや。嫌われないがそれ以上打ち解けることもできん。ほんで、もう少し自信に満ちあふれた男を匂わせながら堂々と喋らんとあかんわ」
「っていうか、グリーンは女という生き物を全然わかっていない」
いつも唐突だが、またもや唐突に乳ローが喋り出した。
「何がわかっていないのでしょうか?」
「女ってのはとんでもなくエロい生き物なんだよ。それをお前はわかっていない。女を聖人だと思ってるんじゃねぇか。何か幻想を抱いてねぇか。女の持っているエロの炎を体内で着火させて、その炎を全身まで及ぼさせることができるかどうかはその男の腕にかかっている。どうせグリーンのことだから、女が自らエロの炎を点けたとしても鎮火させるような接し方しか知らねぇと思うがな」
聖人だと思っているわけじゃないが、女という生態がよくわかっていないことは事実だ。
「とにかくブスでもデブでもババアでもいいから抱きまくることによって経験値を上げないと女のことなんかわかるわけがねぇし、いつまでたっても幻想の沼から抜け出すことなんてできねぇぞ」
素人童貞の俺には、心の中心を突き刺しえぐるような言葉の連続だった。
「まぁ、そう言うなって……」
とガリさんは言ったが、乳ローの語りは止まらない。
「聖人かどうかはわからねぇが女を変に上に見てんだよ。今までの習慣を変えることは簡単ではねぇが、これからナンパ師として結果を出していきてぇならば、その習慣を矯正しねぇと終わりだよ! 最初は無理だったとしても、少しずつ主従関係を作り出していくことが大事なんだぜ」
ガリさんの表情は明かに辟易している。
「だから、どんなに可愛くても『大したことない。ちょろいちょろい』というメンタリティで臨んだほうがいいんだよ。相手が上だと思ってしまうと謙ってしまうし、自分を見失ってコントロールできなくなり落ち着いて攻められなくなるんだぜ」
「確かにそうかも……」
「それでな、攻めの具体的な説明に入っていくわけだが、会話に慣れてきたら少しずつ押しを強くしていく必要があるんだよ」
「オシですか?」
「ああ。敬語や褒めトークだけだと退屈しちゃうから、何もなく終わってしまう。そういう奴が、いい人という印象を与える一方、何も感じない男と思われて終了するんだよ。だから、気遣いはやめて、太々しく攻めていくことが重要なんだぜ」
「太々しくですか。確かに自分はいつも必要以上に気を使っているような……」
「見てればわかるよ。だから、その部分を矯正しろ! もっと、女に対して図々しく、図太く接するという精神を持て。そこを変えないと話は進まないだろな」
「わ、わかりました」
「なぜこんなことを言うと思う? そういう太々しい男が結果を出すんだよ!」
男に生まれたからには結果を出したい……。もっと、図々しく、図太くならないと。
「太々しく接するという精神を持ちながら、少しずつ押しを強くしていくんだよ。それで、その女が許容してくれるグレーゾーンまで侵入しろ。そこで、女と対峙することから逃げたら終了。女の深部に踏み込んで傷ついたり経験を積まないと、何も生まれないし先には進めないんだぜ」
乳ローが、髪を掻き上げながら覗き込んできた。
「よぉ、グリーン地蔵。太々しさや押しの延長上には何があるかわかってるよな? さっき教えたんだからさ」
「えっ、なんでしたっけ……」
「ゲスだよ! 『いい人はモテない、ゲスの方がモテる』と言っただろ? この俺様が改めて口酸っぱく教えてやってるんだから脳に刻みつけろ」
ゲス……。さすが、強引な乳ローのアドバイス。
「刺激という言葉で言い換えることもできる。『刺激を与えることができる男はモテるが、逆はモテない』。わかったか?」
「わかりました……。でも、乳ローさん。太々しいとか押しとか、それと、ゲスとか……、具体的にはどうやってやるんですか?」
ガリさんは、見守りながらタバコを吸っている。
「グリーンの場合は、まず、女の名前を呼び捨てすることから始めてみれば? 後は、追い追いねじが見せてくれるんじゃね」
乳ローからモニターに視線を移した。
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