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地下十一階探索終了
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三人の女性に囲まれて生殺しのまま寝た次の日。
半分意識が飛んでいたところで、もぞもぞと右腕に絡まるチュリップが目を覚ます。
「おはようございます」
「おはよう」
チュリップは目が合うとスッキリした笑みを浮かべる。だいぶ調子が良くなったようだ。
「ご飯を用意しますね」
「ありがとう」
そうしてベッドから起き上がる。足取りはしっかりしている。昨日の探索とベッドで寝たことで気晴らしができた様子だ。前のようなとげとげしさを感じない。
「それにしてもいつまでそうしているつもりなんですか?」
チュリップは呆れたように言う。
「だって寝てるんだから動けねえだろ」
左腕はリリーに腕枕をしている。もぞもぞと寝つきが悪そうなので試しに腕枕をしてみたら、満足したようでそのまま眠ってくれた。ローズは未だに俺の上で爆睡している。落ちそうになるともぞもぞ動いて上りなおす。降りる気配はない。
「まあ、あなたが良ければそれでいいですけどね」
チュリップは宝の山を見つめながら言った。
「ん?」
左腕でリリーがもぞもぞと動き出す。顔を向けると目が合う。
「おはよう」
リリーはぼんやりと目をこすりながら体を起こす。
「す、すまない!」
そして素早くベッドから降りた。
「その……迷惑をかけたな。すまない」
「別に迷惑じゃない。それより、よく眠れたか」
「あ、ああ。すっきりした」
リリーは水筒の水を飲む。
「それより、お前はよく眠れたか? 私みたいな女と寝て嫌じゃなかったか?」
リリーは顔を合わせず小さな声で言う。
「よく眠れた。あと別にお前と寝るのは嫌じゃない。美人だし。というかその聞き方だと悪いって言えないだろ」
「そ、それもそうだな。あ、あと昨日はすまない。よくよく考えると私は暴走していた。あれではもうレイを怒れないな。はは」
リリーはベッドに座って冒険者手帳を読みだした。口調ははっきりしているし、昨夜のことも顧みている。本調子になったようだ。
「はふ……」
あまりにもローズが熟睡しているので、起こすために頭を撫でているとようやく目を覚ます。
「お休み」
そしてまた顔を胸にこすり付ける。ネコか犬か?
「目が覚めたんだから起きろよ」
「まだ眠い」
「起きないと外に出られないぞ」
ピクリとローズが体を強張らせる。
「起きないと置いてく?」
小さな震え声だった。
「起きなかったら抱っこして連れて行くよ」
この状況下ではシャレにならない、嫌な言葉を投げてしまった。不安を和らげるために頭を撫でながら反省する。
「本当に置いていかない?」
「置いていかない。絶対に」
ギュッと少し冷えた体を抱きしめて温める。
ローズにギュッと抱きしめ返される。
「もうちょっと、このまま」
「分かった」
頭を撫でる。腹が減ってきたな。
「レイの心臓の音が聞こえる」
ローズの声からこわばりが取れる。そして俺の腹の虫が暴れる。
「お腹の音も聞こえた」
ローズが顔を起こして、にへへっと柔らかい笑顔を見せてくれた。
「飯食おう」
「うん!」
ぼそぼそした携帯食料を腹に収める。パンや肉やスープが恋しい。新鮮な水が飲めるのが幸いであった。
「いよいよ、ご飯が少なくなってきましたね」
チュリップが荷物の在庫を調べて顔を曇らせる。
「携帯用松明も心細くなってきましたし……」
チュリップは暗いため息を吐く。
「そうだな……十階に上がって終わりじゃない。それからさらに上る必要がある。そう考えると、ギリギリの状態だ」
リリーも荷物を調べて唇を噛む。
「神の水差しで、水の心配がなくなったのは救いだが……」
リリーは無理やり笑みを作ると、荷物から目を外し、再び冒険者手帳を開く。
「生きて帰らないと、これ全部無駄になっちゃうね」
ローズが寂しそうにお気に入りの杖を抱きしめる。
「そう暗くなるな。まだ調べていないところはたくさんある。悲観するのは、全部調べてからでも遅くはない」
皆にマッピングの地図を見せる。
「感だが、調べていない場所に食料がある」
「なぜそう思う!」
リリーが冒険者手帳を閉じて、地図を食い入るように見る。
「武器庫があっただろ。なら食糧庫があってもおかしくない」
リリーは冒険者手帳を閉じたまま、考える。
「あり得るかもしれない!」
リリーは地下一階から地下十階の地図を広げる。
「気になっていたが、この階層は特殊だ。地下一階から十階は罠が多種多様に配置されている。それなのにここにはそれが無い。まるで罠を張る意味がないと言っているようだった」
「罠はあの鎧だけだったな」
「そうだ。そして、手帳を見たところ、そんな罠発見されていないんだ。置物に擬態する化け物は記載されているが、それは罠じゃない」
「そういえば、この階は寝室や食事処など、まるで大勢が生活するための場所みたいですね」
「学校の寄宿舎みたい」
「上層は敵を押しとめるような作りだ。ここは違う。まるで駐屯地のようだ」
皆が違和感を口にする。非常に大きなヒントだが、切りのいいところで終わらせないと何も進まないまま一日が過ぎてしまう。
「皆、色々と言いたいことはあると思うが、そろそろ探索に行こう。気づいたことは、メモに取って後で言えばいい」
皆口を閉ざす。
「確かに、レイの言う通りだ。私たちに必要なのは、前に進むことだ。思い付きを話すことじゃない」
「私は皆さまに従います」
「私は、レイと一緒に居る!」
「ありがとう」
回廊の内側の扉の前に立つ。外側の扉と同じように色の違うレンガを押す。扉は土埃を舞上げながら開く。
「通路だ……嫌な予感がするなぁ」
土埃が収まってから中を覗く。武器を持った鎧が侵入者を拒むように陳列していた。
「入ったら動き出すかもしれない」
リリーが耳打ちする。くすぐったくて堪らない。
「万が一動き出したとして、返り討ちにできるか?」
「挟み撃ちに気をつければ何とかなる」
「俺が先行する」
剣を構える。素人だが、突き刺すように使えば何とかなるはずだ。
「動き出す前に、鎧を壊しながら進んだほうがいいと思うが?」
「そう上手く行かないと思う。どうにもこうにも嫌な予感がして堪らない」
中に一歩足を入れる。
「罠が作動すれば、鎧は俺に集中する。少ししたら中へ入ってくれ。そうすれば、リリーに有利な局面になっているはずだ」
リリーは深呼吸すると、ぐっと握手する。
「気をつけろ」
「ありがとう」
中へ入ろうとすると、服が引っ張られて後ずさりしてしまう。ローズが服を握りしめていた。
「一緒に行く!」
泣きそうな顔だった。
「安心しろ。すぐに戻ってくる」
心配してくれたことが素直に嬉しく、自然と笑顔になる。
「気を付けてね」
ローズは大泣きしそうな顔で手を離した。
「行ってくる」
中へ入る。三人の不安げな視線を背中に感じながら進む。
扉が閉まり、鎧が動き出した。
「一緒に遊ぼうぜ!」
軽口を叩くと通路の扉が開き続々と鎧が現れる。
「暇人がこんなに居るとは思わなかったよ」
通路を埋め尽くす鎧たちに、思わず皮肉を言った。残念ながら、鎧たちは笑わず、武器を構えた。
地面を転がり、メイス、剣、槍、斧の一撃を避けて一旦戦域から離脱する。鎧が密集していて動きずらい。とてもではないが強行突破は無理だ。だが後退しても状況は悪くなるだけだ。
「ほらよ!」
攻撃を外し、隙だらけの鎧に突きを放つ。ガツンと鐘を叩いたような音とともに鎧は後ずさる。しかし後ろの鎧に押されてすぐに体勢を立て直す。
面倒だと舌打ちすると、ガチャガチャと鎧の騒音に紛れて、キリキリと弓を絞る音が聞こえた。しゃがむと頭上を一本の弓矢が風切り音とともに通過する。
「あっぶねえ!」
鎧たちに足払いを食らわせて転ばせる。後続の鎧は、倒れた鎧が起き上がるまで待つ。そして鎧は起き上がるまでの時間が遅い。ここら辺は獣よりも頭が悪いと思う。
だが後方の弓矢を持つ鎧が厄介だ。装填が遅く、射線も読めるので何とか避けられるが、足を取られれば致命傷だ。
「まずはあいつから!」
体術で鎧から槍を奪うと、やり投げの方法で弓鎧に槍を放り投げる。見事命中。放物線を描くように投げれば、手前の鎧の障害物など無いのと同じだ。そして弓鎧が倒れたところで背後の扉が開き、リリーが参上する。
「これは!」
さすがのリリーも敵の多さに驚きの声を上げる。タックルと足払い、蹴りを組み合わせて鎧を転ばし、足止めするとリリーの元まで走る。
「リリー! 盾をくれ!」
「どうするつもりだ!」
「俺が前に出て、一体ずつそっちに送る! そいつを倒してくれ!」
「あの大群を一人で押しとどめるつもりか!」
転ばせた鎧がゆっくりと立ち上がる。
「俺たちならできる!」
盾を装備して大群に突撃する。メイスと斧の一撃が迫る。
「見えてんだよ!」
身を屈めてやり過ごし、一体にタックルを叩き込む。もう一体は背中に蹴りを叩き込み、リリーの元へ導く。
「剣術魔法! 装甲破壊!」
リリーの強烈な一撃が聞こえた。急場しのぎの戦術だったが、上手くいった! 喜ぶ間もなく、再び弓を引く音が聞こえた。気配と音を頼りに盾で弓矢を受け流す。狙いは恐ろしいほど正確だった。障害物の鎧の隙間を縫うように放ってくる。
「お前、山に行ったら一躍英雄だぜ」
石を投げる要領でメイスを放り投げる。再び弓鎧に命中する。これでしばらくは迫りくる鎧の足止めに集中できる。
「次はお前だ! 行ってこい!」
「剣術魔法! 装甲破壊!」
敵を足止めし、一体だけリリーの元へ送る。押し込まれたらタックルで押し返す。時折放たれる弓矢は盾で防ぎ、放ってきた敵に武器を放り投げる。その繰り返し。地道な作業。心が折れた奴が負けの根競べ。
「剣術魔法! 装甲破壊!」
それでも少しずつ敵は減っている! 俺一人ではできない! あいつらが居てくれたからできることだ!
「来いよ! 売られた喧嘩は残さず買ってやる!」
汗が噴き出る。メイスの一撃が頭を掠めてクラリとする。弓矢が放たれるたびに背筋が凍る。
だが負けない! 皆と脱出する! 約束は破れない!
「剣術魔法! 装甲破壊!」
リリーが弓矢を持つ最後の一体を両断する。
「助かった」
すべての敵が倒れたことに安心すると力が抜けて倒れる。小便を漏らしていないか心配だ。
「大丈夫か!」
リリーに抱き起される。
「やったな! やっぱりお前は凄いぜ!」
「喜んでいる場合か! チュリップ! 薬と回復術で治療をしてくれ!」
「分かってます! ああもう酷い! 右腕が折れてるし、全身切り傷だらけ! 足は打撲で真っ青!」
「名誉の負傷だな!」
「まずはその軽い口を縫い合わせますよ!」
チュリップが右腕を掴む。
「真っすぐにします! ローズちゃんとリリーさんはレイさんを押さえてください!」
そういうとギリギリと右腕が軋み、燃えるような痛みが全身を焼く!
ゴキンと死ぬほどの痛みが右腕を襲うと、痛みが軽くなった気がした。
次に傷薬を塗られる。ひりひりと泣きたくなる痛みが続く。
「これで一安心です。ローズちゃん、体力回復ポーションを飲ませてください。私は気休めですが、回復術を使います」
ごくごくと薬を飲まされる。全身の痛みが急激に引いた。
「腕を引っ張る前にこれを飲ませてくれても良かったんじゃないか?」
とんでもない痛みを与えてくれたことに不服を言う。
「飲ませたら腕が変な方向に曲がったまま治ってしまいます。体力回復ポーションは、傷の治りを早くしますが、骨折や裂傷の傷までは正しく治してくれません」
「そうなのか?」
「回復にも手順があります。それを軽視する人は教会で大泣きする羽目になります」
「何で?」
「聞きたいですか? 私は言いたくありません」
「恐ろしさが分かった。ありがとう」
「どういたしまして」
チュリップの治療は的確だった。すぐに立ち上がれるほど回復した。
「皆、各部屋を調べたが、罠は無さそうだ」
「多分、大丈夫。二重で確認したから!」
丁度ローズとリリーが戻ってきた。
「よし! 探索開始だ!」
一室一室を丁寧に見て回る。
「魔法石で作られた剣や盾が惜しげもなく飾られているな。昨日あれだけ喜んだのが馬鹿らしくなる」
「これ、魔導書? 見たことも聞いたことも無い技術が載ってる」
「凄く豪華な家具ですね。手触りだけでも分かります」
俺にはピンと来ないが、驚きの連続だったようだ。
そしてついに、階段を発見する。階段は勝手口のように、扉に閉ざされた先にあった。
「下り階段だ……」
ため息が出る。上り階段は見当たらない。
しかし、予想した部屋は見つかった。
「ご飯だ!」
ローズが飛び上がる。
「果物や肉、魚の干物みたいだ。どれも見たことも無い代物だが」
「こっちは台所のようですね。調理器具があります。見たことのない道具もたくさんありますが」
リリーとチュリップは慎重に物色する。
一度拠点の寝室に戻る。
「マッピングを終えた。これで探索は終わりだ」
嬉しい知らせと悪い知らせがあった。上り階段が見つからず、下り階段のみ。
しかし食糧庫が見つかったため飢える心配は無い。調理場もあるため美味い飯が食える。
「これからどうする?」
ローズが不安を口にする。
「私は皆さまに従います」
チュリップは十字架を握る。
「私は、先に進むしかないと思う」
リリーは剣を握りしめる。
「まずは、見つけた飯が食えるか、確認しよう」
チュリップに調理してもらうと滅茶苦茶美味そうなスープが出てきた!
「これは美味いな。いただきます」
「ちょっと待て!」
リリーに止められる。
「かなりの年月が経っている。食あたりになるかもしれない。それに得体の知れない食べ物だ」
「食うしかない!」
全員の腹が鳴る。
「ふう……確かに、これだけの食糧を見過ごすのは耐えられないな」
全員が食事を啜る。
「学校のご飯より美味しい!」
「ああ! こんな美味しいスープ初めて! 白いパンなんて何年ぶりかしら!」
「騎士学校でもこれだけの物が食べられればやる気が起きるんだが」
美味い飯は人を幸せにする。苦労して見つけた甲斐があった。
「飯食ったら、ひと眠りだ! ぐっすり寝て、明日に備えよう!」
ベッドに横になる。また三人と一緒だ。
「やっぱり俺は床に寝たほうがいいと思うんだが?」
「そうだな。私が床に寝よう。汗臭くて嫌だろう」
「リリーはベッドに寝るべきでしょ」
「そ、そうか? だがそれならレイも一緒に寝るべきだ。リーダーが床に寝るなど許されない!」
「レイさんは気にしすぎなんです。それよりも早く寝ましょう?」
「ぐう……」
嬉しいんだが、また生殺しだ。それを拒絶できない俺はスケベだと心底思う。
「ん!」
うつらうつらしている時、突然全身に悪寒を覚える。
飯に当たったか!
「み、みんな、だいじょうぶか?」
返事が無い。全員汗びっしょりで息が荒い。挙句に吐しゃ物を漏らしている。揺すってもピクリともしない。
「くそ! あのしょくりょうはもうくえねえ!」
最悪の展開だ! あれだけの食糧はただの毒だった。だが悲観している暇はない。
「くすりだ!」
薬を無理やり飲みこむ。しかし全身の悪寒は止まらない。ますます寒くなっていく。
「こんなところでしんでたまるか!」
全員に薬を飲ませる。しかし皆、口に含んでもせき込んでしまう。
「みんな、ごめん」
口移しで強引に、量を調整してせき込まない程度に、ゆっくりと飲ませる。何度も繰り返す。
「しぬなよ!」
意識がブツブツと途切れる。そのたびに頬を叩いて活を入れる。
「しんでたまるか!」
ここまで上手くいって、食あたりで死にました? 冗談じゃない!
絶対に皆と生きて脱出する!
半分意識が飛んでいたところで、もぞもぞと右腕に絡まるチュリップが目を覚ます。
「おはようございます」
「おはよう」
チュリップは目が合うとスッキリした笑みを浮かべる。だいぶ調子が良くなったようだ。
「ご飯を用意しますね」
「ありがとう」
そうしてベッドから起き上がる。足取りはしっかりしている。昨日の探索とベッドで寝たことで気晴らしができた様子だ。前のようなとげとげしさを感じない。
「それにしてもいつまでそうしているつもりなんですか?」
チュリップは呆れたように言う。
「だって寝てるんだから動けねえだろ」
左腕はリリーに腕枕をしている。もぞもぞと寝つきが悪そうなので試しに腕枕をしてみたら、満足したようでそのまま眠ってくれた。ローズは未だに俺の上で爆睡している。落ちそうになるともぞもぞ動いて上りなおす。降りる気配はない。
「まあ、あなたが良ければそれでいいですけどね」
チュリップは宝の山を見つめながら言った。
「ん?」
左腕でリリーがもぞもぞと動き出す。顔を向けると目が合う。
「おはよう」
リリーはぼんやりと目をこすりながら体を起こす。
「す、すまない!」
そして素早くベッドから降りた。
「その……迷惑をかけたな。すまない」
「別に迷惑じゃない。それより、よく眠れたか」
「あ、ああ。すっきりした」
リリーは水筒の水を飲む。
「それより、お前はよく眠れたか? 私みたいな女と寝て嫌じゃなかったか?」
リリーは顔を合わせず小さな声で言う。
「よく眠れた。あと別にお前と寝るのは嫌じゃない。美人だし。というかその聞き方だと悪いって言えないだろ」
「そ、それもそうだな。あ、あと昨日はすまない。よくよく考えると私は暴走していた。あれではもうレイを怒れないな。はは」
リリーはベッドに座って冒険者手帳を読みだした。口調ははっきりしているし、昨夜のことも顧みている。本調子になったようだ。
「はふ……」
あまりにもローズが熟睡しているので、起こすために頭を撫でているとようやく目を覚ます。
「お休み」
そしてまた顔を胸にこすり付ける。ネコか犬か?
「目が覚めたんだから起きろよ」
「まだ眠い」
「起きないと外に出られないぞ」
ピクリとローズが体を強張らせる。
「起きないと置いてく?」
小さな震え声だった。
「起きなかったら抱っこして連れて行くよ」
この状況下ではシャレにならない、嫌な言葉を投げてしまった。不安を和らげるために頭を撫でながら反省する。
「本当に置いていかない?」
「置いていかない。絶対に」
ギュッと少し冷えた体を抱きしめて温める。
ローズにギュッと抱きしめ返される。
「もうちょっと、このまま」
「分かった」
頭を撫でる。腹が減ってきたな。
「レイの心臓の音が聞こえる」
ローズの声からこわばりが取れる。そして俺の腹の虫が暴れる。
「お腹の音も聞こえた」
ローズが顔を起こして、にへへっと柔らかい笑顔を見せてくれた。
「飯食おう」
「うん!」
ぼそぼそした携帯食料を腹に収める。パンや肉やスープが恋しい。新鮮な水が飲めるのが幸いであった。
「いよいよ、ご飯が少なくなってきましたね」
チュリップが荷物の在庫を調べて顔を曇らせる。
「携帯用松明も心細くなってきましたし……」
チュリップは暗いため息を吐く。
「そうだな……十階に上がって終わりじゃない。それからさらに上る必要がある。そう考えると、ギリギリの状態だ」
リリーも荷物を調べて唇を噛む。
「神の水差しで、水の心配がなくなったのは救いだが……」
リリーは無理やり笑みを作ると、荷物から目を外し、再び冒険者手帳を開く。
「生きて帰らないと、これ全部無駄になっちゃうね」
ローズが寂しそうにお気に入りの杖を抱きしめる。
「そう暗くなるな。まだ調べていないところはたくさんある。悲観するのは、全部調べてからでも遅くはない」
皆にマッピングの地図を見せる。
「感だが、調べていない場所に食料がある」
「なぜそう思う!」
リリーが冒険者手帳を閉じて、地図を食い入るように見る。
「武器庫があっただろ。なら食糧庫があってもおかしくない」
リリーは冒険者手帳を閉じたまま、考える。
「あり得るかもしれない!」
リリーは地下一階から地下十階の地図を広げる。
「気になっていたが、この階層は特殊だ。地下一階から十階は罠が多種多様に配置されている。それなのにここにはそれが無い。まるで罠を張る意味がないと言っているようだった」
「罠はあの鎧だけだったな」
「そうだ。そして、手帳を見たところ、そんな罠発見されていないんだ。置物に擬態する化け物は記載されているが、それは罠じゃない」
「そういえば、この階は寝室や食事処など、まるで大勢が生活するための場所みたいですね」
「学校の寄宿舎みたい」
「上層は敵を押しとめるような作りだ。ここは違う。まるで駐屯地のようだ」
皆が違和感を口にする。非常に大きなヒントだが、切りのいいところで終わらせないと何も進まないまま一日が過ぎてしまう。
「皆、色々と言いたいことはあると思うが、そろそろ探索に行こう。気づいたことは、メモに取って後で言えばいい」
皆口を閉ざす。
「確かに、レイの言う通りだ。私たちに必要なのは、前に進むことだ。思い付きを話すことじゃない」
「私は皆さまに従います」
「私は、レイと一緒に居る!」
「ありがとう」
回廊の内側の扉の前に立つ。外側の扉と同じように色の違うレンガを押す。扉は土埃を舞上げながら開く。
「通路だ……嫌な予感がするなぁ」
土埃が収まってから中を覗く。武器を持った鎧が侵入者を拒むように陳列していた。
「入ったら動き出すかもしれない」
リリーが耳打ちする。くすぐったくて堪らない。
「万が一動き出したとして、返り討ちにできるか?」
「挟み撃ちに気をつければ何とかなる」
「俺が先行する」
剣を構える。素人だが、突き刺すように使えば何とかなるはずだ。
「動き出す前に、鎧を壊しながら進んだほうがいいと思うが?」
「そう上手く行かないと思う。どうにもこうにも嫌な予感がして堪らない」
中に一歩足を入れる。
「罠が作動すれば、鎧は俺に集中する。少ししたら中へ入ってくれ。そうすれば、リリーに有利な局面になっているはずだ」
リリーは深呼吸すると、ぐっと握手する。
「気をつけろ」
「ありがとう」
中へ入ろうとすると、服が引っ張られて後ずさりしてしまう。ローズが服を握りしめていた。
「一緒に行く!」
泣きそうな顔だった。
「安心しろ。すぐに戻ってくる」
心配してくれたことが素直に嬉しく、自然と笑顔になる。
「気を付けてね」
ローズは大泣きしそうな顔で手を離した。
「行ってくる」
中へ入る。三人の不安げな視線を背中に感じながら進む。
扉が閉まり、鎧が動き出した。
「一緒に遊ぼうぜ!」
軽口を叩くと通路の扉が開き続々と鎧が現れる。
「暇人がこんなに居るとは思わなかったよ」
通路を埋め尽くす鎧たちに、思わず皮肉を言った。残念ながら、鎧たちは笑わず、武器を構えた。
地面を転がり、メイス、剣、槍、斧の一撃を避けて一旦戦域から離脱する。鎧が密集していて動きずらい。とてもではないが強行突破は無理だ。だが後退しても状況は悪くなるだけだ。
「ほらよ!」
攻撃を外し、隙だらけの鎧に突きを放つ。ガツンと鐘を叩いたような音とともに鎧は後ずさる。しかし後ろの鎧に押されてすぐに体勢を立て直す。
面倒だと舌打ちすると、ガチャガチャと鎧の騒音に紛れて、キリキリと弓を絞る音が聞こえた。しゃがむと頭上を一本の弓矢が風切り音とともに通過する。
「あっぶねえ!」
鎧たちに足払いを食らわせて転ばせる。後続の鎧は、倒れた鎧が起き上がるまで待つ。そして鎧は起き上がるまでの時間が遅い。ここら辺は獣よりも頭が悪いと思う。
だが後方の弓矢を持つ鎧が厄介だ。装填が遅く、射線も読めるので何とか避けられるが、足を取られれば致命傷だ。
「まずはあいつから!」
体術で鎧から槍を奪うと、やり投げの方法で弓鎧に槍を放り投げる。見事命中。放物線を描くように投げれば、手前の鎧の障害物など無いのと同じだ。そして弓鎧が倒れたところで背後の扉が開き、リリーが参上する。
「これは!」
さすがのリリーも敵の多さに驚きの声を上げる。タックルと足払い、蹴りを組み合わせて鎧を転ばし、足止めするとリリーの元まで走る。
「リリー! 盾をくれ!」
「どうするつもりだ!」
「俺が前に出て、一体ずつそっちに送る! そいつを倒してくれ!」
「あの大群を一人で押しとどめるつもりか!」
転ばせた鎧がゆっくりと立ち上がる。
「俺たちならできる!」
盾を装備して大群に突撃する。メイスと斧の一撃が迫る。
「見えてんだよ!」
身を屈めてやり過ごし、一体にタックルを叩き込む。もう一体は背中に蹴りを叩き込み、リリーの元へ導く。
「剣術魔法! 装甲破壊!」
リリーの強烈な一撃が聞こえた。急場しのぎの戦術だったが、上手くいった! 喜ぶ間もなく、再び弓を引く音が聞こえた。気配と音を頼りに盾で弓矢を受け流す。狙いは恐ろしいほど正確だった。障害物の鎧の隙間を縫うように放ってくる。
「お前、山に行ったら一躍英雄だぜ」
石を投げる要領でメイスを放り投げる。再び弓鎧に命中する。これでしばらくは迫りくる鎧の足止めに集中できる。
「次はお前だ! 行ってこい!」
「剣術魔法! 装甲破壊!」
敵を足止めし、一体だけリリーの元へ送る。押し込まれたらタックルで押し返す。時折放たれる弓矢は盾で防ぎ、放ってきた敵に武器を放り投げる。その繰り返し。地道な作業。心が折れた奴が負けの根競べ。
「剣術魔法! 装甲破壊!」
それでも少しずつ敵は減っている! 俺一人ではできない! あいつらが居てくれたからできることだ!
「来いよ! 売られた喧嘩は残さず買ってやる!」
汗が噴き出る。メイスの一撃が頭を掠めてクラリとする。弓矢が放たれるたびに背筋が凍る。
だが負けない! 皆と脱出する! 約束は破れない!
「剣術魔法! 装甲破壊!」
リリーが弓矢を持つ最後の一体を両断する。
「助かった」
すべての敵が倒れたことに安心すると力が抜けて倒れる。小便を漏らしていないか心配だ。
「大丈夫か!」
リリーに抱き起される。
「やったな! やっぱりお前は凄いぜ!」
「喜んでいる場合か! チュリップ! 薬と回復術で治療をしてくれ!」
「分かってます! ああもう酷い! 右腕が折れてるし、全身切り傷だらけ! 足は打撲で真っ青!」
「名誉の負傷だな!」
「まずはその軽い口を縫い合わせますよ!」
チュリップが右腕を掴む。
「真っすぐにします! ローズちゃんとリリーさんはレイさんを押さえてください!」
そういうとギリギリと右腕が軋み、燃えるような痛みが全身を焼く!
ゴキンと死ぬほどの痛みが右腕を襲うと、痛みが軽くなった気がした。
次に傷薬を塗られる。ひりひりと泣きたくなる痛みが続く。
「これで一安心です。ローズちゃん、体力回復ポーションを飲ませてください。私は気休めですが、回復術を使います」
ごくごくと薬を飲まされる。全身の痛みが急激に引いた。
「腕を引っ張る前にこれを飲ませてくれても良かったんじゃないか?」
とんでもない痛みを与えてくれたことに不服を言う。
「飲ませたら腕が変な方向に曲がったまま治ってしまいます。体力回復ポーションは、傷の治りを早くしますが、骨折や裂傷の傷までは正しく治してくれません」
「そうなのか?」
「回復にも手順があります。それを軽視する人は教会で大泣きする羽目になります」
「何で?」
「聞きたいですか? 私は言いたくありません」
「恐ろしさが分かった。ありがとう」
「どういたしまして」
チュリップの治療は的確だった。すぐに立ち上がれるほど回復した。
「皆、各部屋を調べたが、罠は無さそうだ」
「多分、大丈夫。二重で確認したから!」
丁度ローズとリリーが戻ってきた。
「よし! 探索開始だ!」
一室一室を丁寧に見て回る。
「魔法石で作られた剣や盾が惜しげもなく飾られているな。昨日あれだけ喜んだのが馬鹿らしくなる」
「これ、魔導書? 見たことも聞いたことも無い技術が載ってる」
「凄く豪華な家具ですね。手触りだけでも分かります」
俺にはピンと来ないが、驚きの連続だったようだ。
そしてついに、階段を発見する。階段は勝手口のように、扉に閉ざされた先にあった。
「下り階段だ……」
ため息が出る。上り階段は見当たらない。
しかし、予想した部屋は見つかった。
「ご飯だ!」
ローズが飛び上がる。
「果物や肉、魚の干物みたいだ。どれも見たことも無い代物だが」
「こっちは台所のようですね。調理器具があります。見たことのない道具もたくさんありますが」
リリーとチュリップは慎重に物色する。
一度拠点の寝室に戻る。
「マッピングを終えた。これで探索は終わりだ」
嬉しい知らせと悪い知らせがあった。上り階段が見つからず、下り階段のみ。
しかし食糧庫が見つかったため飢える心配は無い。調理場もあるため美味い飯が食える。
「これからどうする?」
ローズが不安を口にする。
「私は皆さまに従います」
チュリップは十字架を握る。
「私は、先に進むしかないと思う」
リリーは剣を握りしめる。
「まずは、見つけた飯が食えるか、確認しよう」
チュリップに調理してもらうと滅茶苦茶美味そうなスープが出てきた!
「これは美味いな。いただきます」
「ちょっと待て!」
リリーに止められる。
「かなりの年月が経っている。食あたりになるかもしれない。それに得体の知れない食べ物だ」
「食うしかない!」
全員の腹が鳴る。
「ふう……確かに、これだけの食糧を見過ごすのは耐えられないな」
全員が食事を啜る。
「学校のご飯より美味しい!」
「ああ! こんな美味しいスープ初めて! 白いパンなんて何年ぶりかしら!」
「騎士学校でもこれだけの物が食べられればやる気が起きるんだが」
美味い飯は人を幸せにする。苦労して見つけた甲斐があった。
「飯食ったら、ひと眠りだ! ぐっすり寝て、明日に備えよう!」
ベッドに横になる。また三人と一緒だ。
「やっぱり俺は床に寝たほうがいいと思うんだが?」
「そうだな。私が床に寝よう。汗臭くて嫌だろう」
「リリーはベッドに寝るべきでしょ」
「そ、そうか? だがそれならレイも一緒に寝るべきだ。リーダーが床に寝るなど許されない!」
「レイさんは気にしすぎなんです。それよりも早く寝ましょう?」
「ぐう……」
嬉しいんだが、また生殺しだ。それを拒絶できない俺はスケベだと心底思う。
「ん!」
うつらうつらしている時、突然全身に悪寒を覚える。
飯に当たったか!
「み、みんな、だいじょうぶか?」
返事が無い。全員汗びっしょりで息が荒い。挙句に吐しゃ物を漏らしている。揺すってもピクリともしない。
「くそ! あのしょくりょうはもうくえねえ!」
最悪の展開だ! あれだけの食糧はただの毒だった。だが悲観している暇はない。
「くすりだ!」
薬を無理やり飲みこむ。しかし全身の悪寒は止まらない。ますます寒くなっていく。
「こんなところでしんでたまるか!」
全員に薬を飲ませる。しかし皆、口に含んでもせき込んでしまう。
「みんな、ごめん」
口移しで強引に、量を調整してせき込まない程度に、ゆっくりと飲ませる。何度も繰り返す。
「しぬなよ!」
意識がブツブツと途切れる。そのたびに頬を叩いて活を入れる。
「しんでたまるか!」
ここまで上手くいって、食あたりで死にました? 冗談じゃない!
絶対に皆と生きて脱出する!
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