14 / 78
迷いの森の拠点確保
しおりを挟む
俺は大きいシロちゃんの背に乗って迷いの森の法則を三人に話す。
「出口は影が示す。こんな簡単な気づかなかったとは」
「足元をお留守にするとはこのことですね」
リリーは悔しそうに、チュリップは皮肉気に影を見つめる。
「レイ凄い!」
ローズは絶賛してくれて、キスまでしてくれた。
「もしかして、レイとローズは付き合っているのか?」
騎士道一筋のリリーもさすがに気づく。
「そうだよ! 脱出したら結婚するんだ!」
「け、結婚! そこまで話が進んでいたのか」
リリーはローズが俺に抱き着く姿を見てドギマギする。照れくさくて居心地が悪い。
「それより、来た道を引き返す場合はどうすればよいのですか?」
チュリップは興味無さげであった。
「影の反対に向かえばいいんじゃないか?」
「そうですね。後で試してみましょう」
チュリップの素っ気なさが気になったが、風と日差しが強くなったので追及はしなかった。
「何て広い草原だ……」
凄まじく気持ちの良い冷たい風、体を内側から温める心地よい日差し、日差しの力を受けて青々と伸びる草花、それが地平線まで続いている。
遠くには牛や馬、羊の群れが見える。シロちゃんと同じく、近づけば山と見間違うほど大きいのだろう。シロちゃんの足元にはチラチラと虫やネズミが見える。これも対面すれば、俺たちなど一口で食べられるほど大きいのだろう。
規格外。それがこの階層のテーマのように思えた。
「レイ、あれ」
ローズが指さすその先には、迷宮の柱のように天まで伸びる大木が立っていた。
「ここが地下十二階の中心部分だ」
千年樹では足りない。万年樹、億年樹とも表現できる大木に、シロちゃんは向かった。
「ここがシロちゃんの家か」
シロちゃんが億年樹の根元にできた空洞の前で止まる。空洞の入り口はやはり、山がすっぽり収まるほどの大きさだ。
スケールの違いに圧倒されていると、突然シロちゃんに鼻で背中を押される。
振り返ると何となくふてぶてしいというか、見下しているというか、邪魔者扱いしているような目で見られていた。
「居候するなら中を掃除しろってか?」
シロちゃんは空洞の前でお座りをして答えた。
「分かった分かった! やりゃいいんだろ!」
空洞から漂ってくる生臭さに鼻を摘まみながら答える。
「お前らは手伝ってくれる?」
「私は遠慮します。どうぞご勝手に」
「私も、遠慮させてもらう。ほら! 私は騎士一筋で家事はダメなんだ! ははは!」
「私はレイと一緒に居たいけど……」
皆顔が引きつっている。気持ちは分かる。入り口から漂う生臭さは恐怖を感じるほどだった。
「分かったよ! 俺がやるよ! お前らはそこで待ってろ!」
剣を装備する。中は最低でもシロちゃんに取りついていたデカいノミやダニで溢れているはずだ。
待てよと考える。ノミやダニは噛みついたら食事に集中する。食事をしていないときは獲物を求めて跳ね回る。
溢れているとしたら、襲ってくる? 噛みつかれたら一瞬で干からびそうなくらいデカいノミやダニに襲われる?
「もしかして命がけの掃除になる?」
やりたくないなぁとシロちゃんに目で訴えると、なら出ていけ、二度と面を見せるなと脅すような目つきで睨まれる。
「分かった! 俺はシロちゃんの友達だ! 居候するならやってやる!」
中へ勇気を出して突撃する!
「うわああああああ!」
頭ほどの大きさもあるノミやダニが血を求めて襲い掛かってきやがった!
「死んでたまるか!」
片っ端から切り伏せる!
俺、掃除するために中に入ったんだよな? そんな疑問が頭に過ったが、それよりもノミやダニの数が多い! 考えている暇などない!
「死ねやごらあああ!」
「レイ、大丈夫かな?」
レイが中で命がけの掃除をしている間、外で待機するローズは呟く。
「心配するな。レイなら大丈夫だ」
リリーはローズの頭を撫でて励ます。
二人を他所に、チュリップは顎を指先で撫でて何かを考える。ふと閃いたようにシロちゃんの前に立つ。
「シロちゃんさん。申し訳ありませんが、私、森の中へ荷物を落としてしまいました。取りに行きたいので手伝って貰えますか?」
チュリップが鼻先を撫でると、シロちゃんは臭いを嗅いでから、優しく手を舐める。
「よろしいようですね」
チュリップはシロちゃんの長い毛に捕まって背中までよじ登る。
「どこへ行く気だ?」
レイの帰還を固唾と見守っていたリリーがチュリップに声をかける。チュリップは静かに舌打ちする。
「神の水差しなど、道中で落とした荷物を取りに行きます。皆さんはそこで待っていてください」
「私も行く!」
ローズが急いでシロちゃんの背中によじ登る。
「荷物を取りに行くだけですから、あなたは待っていても良いのですよ?」
チュリップは笑みを作り、それとなく降りるように勧める。
「ううん! レイが頑張ってるから私も行く! 行って本を取り戻す!」
「本? そういえば、持ってきたな」
リリーが興味を示す。ローズは目を輝かせて答える。
「そうそう! あれには誰も教えてくれなかった魔術の基礎理論が書いてあったの! 私、何で魔術が属性で分かれているのかすっごい疑問だったの! だって水を生み出す魔法も炎を生み出す魔法も、無から有を生み出すことに変わりはないでしょ! でも別々の魔術として扱われている! 学校の先生に質問したら、水と炎は違う、一目瞭然だろって相手にされなかったけど、あの本には書いてあるの! つまり、魔術には属性別魔術の前に、超超超基礎的な魔術理論があったの! それから派生して属性別魔術がある! それ見て私って馬鹿だなって思ったの! だって、本には属性別魔術は上級魔術だって書いてあったの! 私はそれも知らず学んでた! それって足し算も分からないのに掛け算をやっていたことと同じだったの!」
「はいはいはい分かりました」
チュリップは雪崩のように言葉を発するローズの口を遮る。そして嫌そうに顔を一瞬しかめた後、笑顔をリリーに向ける。
「リリーさんはどうしますか?」
「そうだな……私も同行しよう」
「やはり本ですか?」
「ああ。私といった騎士が習う剣術魔法に関することだが、ローズと同じく上級魔法と書かれていた。分かったふりをしていただけと痛感した。これから先、戦いは激化すると考えると、基礎から学びなおす必要がある。魔法石で作られた武具の使い方も載っていたからな」
「はいはい、一緒に行きましょう」
「どうせだったら地下十一階に戻って本を持ってこよう! シロちゃんが居れば大丈夫だよね!」
チュリップは唇を歪めるがすぐに笑顔になる。
「そうですね。地下十一階へ戻ってみましょう。シロちゃんさん、お願いできますか?」
シロちゃんは柔らかく唸って答える。
「では行きましょう。シロちゃんさん、私たちは急ぎたいので走ってください。振り落とすくらいの勢いで」
チュリップはシロちゃんの耳にささやく。シロちゃんは捕まれと吠えると、地鳴りを奏でて走り出す。
「お、落ちる!」
「ローズ! 手を離すな!」
突然の出発で油断していたローズの手をリリーがしっかり掴む。二人ともすぐに背に上り直し、体勢を立て直した。
「あ、危なかった!」
「良かった……チュリップ! 走るなら声をかけてくれ!」
「ごめんなさい。ちゃんと伝えたつもりでしたが……次から気を付けます」
チュリップは申し訳なさそうに二人に頭を下げた。
シロちゃんの足は速く、臭いを頼りにしたのか落とした荷物は簡単に見つかった。一向はそれを拾うと再度、地下十一階へ向かい、宝を物色する。
「あー! これも面白そう! 持ってこ!」
「ふむ……この本によると、この武具は身軽なレイに合いそうだな。このローブは魔術師のローズに合う。この服は僧侶のチュリップに合う。この鎧は見せかけだったのか! こっちの地味なほうが騎士の私に合うな」
二人はシロちゃんという力強い味方を得たことと、迷いの森の攻略法、何より日差しを浴びたことでリラックスした。その結果頭が冴え、本や武具の吟味がスムーズに進む。
一方チュリップは二人から離れ、本と松明を片手に食糧庫を見て回る。
「なるほど、前に食べた食材は戦闘用で、身体能力向上作用があった。私の体が急激に強くなったのも、納得ができます。そして悪いことに、リリーとローズまで強くなってしまった」
パラパラとページをめくりながら呟く。
「不思議ね……副作用は多量摂取による興奮作用だけ。食あたりのような症状は書かれていない。本の通りなら腐っているとも考えられない。古代人と私の体質の違い?」
ある程度考えたところで本を閉じる。
「どうでもいい話。重要なのは、この食材の本質は薬であること。そしてどのように薬にするのか、私しか知らないこと」
チュリップは冷笑しながら本に火をつける。本はメラメラと暗闇の中で燃える。チュリップの黒い瞳の中で燃えるどす黒い感情を代弁するかのように。
「さて、準備をしましょう」
チュリップは道具と食材(薬の原料)を袋にしまう。その動作に淀みは無く、必要な物、不必要な物が分かっているようだった。
準備が済むと同時にリリーが現れる。
「チュリップ! ここに居たのか。心配したぞ」
声と同時にチュリップの体がびくつく。
「リリーさん。脅かさないでください」
微笑みながらため息を吐く姿は、理知的であった。
「そ、そうか。済まない。私も配慮が足りなかった」
「良いんです。それより、そちらは済みましたか?」
「私もローズも持っていくものは決まった。そっちはどうだ?」
「こちらも決まりました」
「結構な荷物だな? そんなにたくさん持っていく物があるのか?」
「実は、調理器具と以前食べた食材を持っていこうと思いまして」
「何! 私たちはそれを食べて死にかけたんだぞ!」
「大丈夫です! 調理方法が間違っていただけです。ちゃんと本の通りに作れば問題ありません」
「そうだったのか」
「そうだったんです。さあ行きましょう」
チュリップは急かすようにリリーの背中を押した。
ようやく化け物ノミや化け物ダニの退治が終わった。お釣りにデカいウジやハエも襲ってきたのは予想外だったが。とにかく、全部片づけた。何百匹倒したのか分からない。生きているのが奇跡だ。
「しかし……臭いはこれが原因か」
空洞の中は悪臭で満ちている。中へ進むほど強くなる。その原因は、シロちゃんの食べ残しだ。
「これは……片づけると怒られるな」
仲間とはいえ、勝手に飯に触るような奴は許せない。俺がそうだから理解できる。
そもそも食べ残しの大きさが規格外なので持ち出せないが。
「残念だが、外に小屋を作るしかないか」
本来ならシロちゃんと一緒に暮らしたかった。虫や動物は自分より大きな生き物を怖がる。シロちゃんと居ればクモといった敵に襲われずに済む。そう考えていたのだが、当てが外れた。
しかしシロちゃんのおかげで格段に迷いの森が動きやすくなった。それにシロちゃんの縄張りで暮らせばそうそう敵も入ってこないだろう。そう考えるとシロちゃんに文句を言うのは筋違いだ。
「さて……この死骸も片づけるのか……」
嫌なのはぶっ殺した虫の死骸を片づける作業が残っていることだった。一人でやるには重労働だ。だがやるしかないので、上着を袋にして外へ運び出す。
「あいつらどこに行ったんだ?」
汗だくで作業を進めていると、三人がシロちゃんともども消えていることに気づいた。シロちゃんと一緒に居れば安全だろうが、一言声をかけて欲しかった。
「腹減ったな……」
虫の死骸を外に出して、埋める。そのための穴を掘る。また外に出して埋める。その繰り返し。
地味すぎる。寂しすぎる。
「皆ぁ……早く帰ってこい」
嘆いても帰ってくるまで淡々と作業を進めるしかなかった。
日が沈んで真っ暗になったのに、三人は帰ってこない。シロちゃんも帰ってこない。掃除は粗方済ませ、寝床も作ったのに。心配でイライラしていると、ようやくシロちゃんとその背中に乗った三人が現れた。
「お前らどこに行ってたんだ?」
イライラしていたので強い口調で言う。
「ご、ごめんなさい。荷物を取りに行ってたの」
ローズに言われて自分の失態を思い出す。
「ああ……落としてたな。拾ってくれてありがとう」
「良いよ。こっちも何も言わないで行っちゃったから」
「できれば一言欲しかったな」
「ごめんなさい。でも良いもの持ってきたよ!」
「良いもの?」
「十一階に持っていけないからって置いてきたものがあったでしょ! シロちゃんが居るから持ってきた!」
三人の荷物を見る。ごちゃごちゃとよく分からない物だった。
「すまないが、これらは役に立つのか?」
俺の言葉にローズが目を輝かせる。
「立つよ! 例えばこの本なんだけど、魔術理論の基礎が全部載ってる! 馬鹿な私でもすっごく分かりやすいし、これで勉強すればもっともっと凄い魔術が使えるの! 例えばこの炎属性の基礎理論なんだけど、これを理解するにはこの魔術基礎理論の本が必要で」
「分かった! 良く持ってきてくれた!」
ローズが垂れ流す言葉の意味が分からなかったので褒めて誤魔化す。ローズはそれでも可愛らしく笑ってくれた。勢いで付き合うことになったが、悪くない。むしろ良い! 日に日に可愛くなっていく!
「レイ、私は皆に合う武具を持ってきた。私的な本も少々あるがな。後で皆に渡すよ」
リリーの言葉に大げさに頷く。渡してくれるのは嬉しいが、武具の説明はご遠慮したい。
「私は調理器具を持ってきたのでご飯を作れます。もっとも今日は材料が無いので、樹液だけになりますが」
チュリップの荷物を確認する。少々無駄だと思えるが、考えて持ってきてくれたのだから有難く思おう。
「待て、食料は持ってきただろ?」
リリーがチュリップの荷物を開ける。そこには以前食あたりを起こした食料が入っていた。
「これ、食べて大丈夫なのか?」
さすがに口にするのは憚られる。
「ちゃんと調理をすれば大丈夫だと思います。手順が間違っていただけなんです。ただ、まだ勉強不足なので作りません。食べられるように調理できるようになったらお出しします」
「そうか……まあ、飯はあることに越したことはないからな」
迷宮の中で飯にケチを付けるなど、考えれば罰当たりだ。食べられるように作ってくれるのなら、有難くいただこう。
「皆ありがとう。これからも頑張ろう!」
心の底から礼を言うと、皆、笑顔を返してくれた。
迷宮に来て何日経つのか正直分からない。だがそれでも、少しずつ希望が見えてきた!
「そうだ! シロちゃん! しっかり掃除したぜ! 中に入ってくれ!」
入り口で待っていたシロちゃんに中を案内する。
「どうだ! ノミもダニもハエも居ない! これで毎日痒い思いをしなくて済むぜ!」
シロちゃんはふんふんと鼻を鳴らして、住処の様子を伺う。そしてそれが終わるとペロリと頬を舐めてくれた。
「やったぜ! じゃあ、俺たちは外で寝るからな! お休み! また明日もよろしく頼むぜ!」
シロちゃんの鼻に抱き着いて鼻頭を撫でまくる。
くしゃみをされて吹っ飛んだ。受け身を取らなければ死んでいた。
「じゃあ、お休み」
何だか今日は死にそうな目にあってばかりだ。
「特訓? 勉強?」
汚れた体を洗い、新しい服に着替え、樹液を舐めながら今後のことを話しているとリリーとローズから提案があった。これから生き抜くためにしっかりと体や技術を鍛えなおしたいという話だった。
「良いんじゃないか? まだ出口も見つかってないし」
「ありがとう!」
ローズに抱き着かれてひっくり返る。こいつは加減を知らないのか。可愛いから怒らないけど。
「ただ、マッピングや飯集めもしないといけないから、特訓だけできる訳じゃないぞ」
「レイ大好き! 頑張って強くなるね!」
こいつは人の話を聞けないのか? 好きだから許すけど。
そうやって和んでいると、ズシンズシンと足を踏み鳴らして、何かの肉を咥えたシロちゃんが現れた。シロちゃんは俺たちを認めると肉を近くに置いて、すぐに巣に戻った。
「食べていいってことですかね?」
チュリップが苦笑いする。シロちゃんの唾液と臭みで食べるのは辛そうだ。だが得体の知れない肉とはいえ、肉は肉! 食う価値はある!
「ところどころ痛んでいるが、シロちゃんのせっかくのご厚意だ。遠慮なく食おう。表面を削いで焼けば臭みも気にならないだろう」
「樹液を塗れば味は誤魔化せると思います。皆さまが宜しければの話ですが」
「食べよう! 樹液だけでは体力が持たない」
「レイが食べるなら食べる!」
「決まりだ! チュリップ! よろしく頼む!」
「はいはい」
チュリップが作ってくれた焼肉は肉汁と樹液の甘さが絶妙で本当に美味かった。何より、腹いっぱい食えたことが嬉しかった。
次の日、皆スッキリした目覚めだった。体中がエネルギーで満ちていた。腹痛も無し。順調だ!
「俺はシロちゃんと一緒に森を回ってマッピングをするつもりだ。お前たちはここに残るか?」
「ここに残って特訓する」
「私も勉強する!」
「私も今回は残らせていただきます。それから、できればご飯を取ってきてくださると嬉しいです」
「分かった。行ってくる。シロちゃん! よろしく頼むぜ!」
シロちゃんは力強く吠えてくれた。
シロちゃんとともに草原と森を駆け抜ける。
「必ず生きて帰る!」
マッピングをしながら改めて己に言い聞かせた。
「出口は影が示す。こんな簡単な気づかなかったとは」
「足元をお留守にするとはこのことですね」
リリーは悔しそうに、チュリップは皮肉気に影を見つめる。
「レイ凄い!」
ローズは絶賛してくれて、キスまでしてくれた。
「もしかして、レイとローズは付き合っているのか?」
騎士道一筋のリリーもさすがに気づく。
「そうだよ! 脱出したら結婚するんだ!」
「け、結婚! そこまで話が進んでいたのか」
リリーはローズが俺に抱き着く姿を見てドギマギする。照れくさくて居心地が悪い。
「それより、来た道を引き返す場合はどうすればよいのですか?」
チュリップは興味無さげであった。
「影の反対に向かえばいいんじゃないか?」
「そうですね。後で試してみましょう」
チュリップの素っ気なさが気になったが、風と日差しが強くなったので追及はしなかった。
「何て広い草原だ……」
凄まじく気持ちの良い冷たい風、体を内側から温める心地よい日差し、日差しの力を受けて青々と伸びる草花、それが地平線まで続いている。
遠くには牛や馬、羊の群れが見える。シロちゃんと同じく、近づけば山と見間違うほど大きいのだろう。シロちゃんの足元にはチラチラと虫やネズミが見える。これも対面すれば、俺たちなど一口で食べられるほど大きいのだろう。
規格外。それがこの階層のテーマのように思えた。
「レイ、あれ」
ローズが指さすその先には、迷宮の柱のように天まで伸びる大木が立っていた。
「ここが地下十二階の中心部分だ」
千年樹では足りない。万年樹、億年樹とも表現できる大木に、シロちゃんは向かった。
「ここがシロちゃんの家か」
シロちゃんが億年樹の根元にできた空洞の前で止まる。空洞の入り口はやはり、山がすっぽり収まるほどの大きさだ。
スケールの違いに圧倒されていると、突然シロちゃんに鼻で背中を押される。
振り返ると何となくふてぶてしいというか、見下しているというか、邪魔者扱いしているような目で見られていた。
「居候するなら中を掃除しろってか?」
シロちゃんは空洞の前でお座りをして答えた。
「分かった分かった! やりゃいいんだろ!」
空洞から漂ってくる生臭さに鼻を摘まみながら答える。
「お前らは手伝ってくれる?」
「私は遠慮します。どうぞご勝手に」
「私も、遠慮させてもらう。ほら! 私は騎士一筋で家事はダメなんだ! ははは!」
「私はレイと一緒に居たいけど……」
皆顔が引きつっている。気持ちは分かる。入り口から漂う生臭さは恐怖を感じるほどだった。
「分かったよ! 俺がやるよ! お前らはそこで待ってろ!」
剣を装備する。中は最低でもシロちゃんに取りついていたデカいノミやダニで溢れているはずだ。
待てよと考える。ノミやダニは噛みついたら食事に集中する。食事をしていないときは獲物を求めて跳ね回る。
溢れているとしたら、襲ってくる? 噛みつかれたら一瞬で干からびそうなくらいデカいノミやダニに襲われる?
「もしかして命がけの掃除になる?」
やりたくないなぁとシロちゃんに目で訴えると、なら出ていけ、二度と面を見せるなと脅すような目つきで睨まれる。
「分かった! 俺はシロちゃんの友達だ! 居候するならやってやる!」
中へ勇気を出して突撃する!
「うわああああああ!」
頭ほどの大きさもあるノミやダニが血を求めて襲い掛かってきやがった!
「死んでたまるか!」
片っ端から切り伏せる!
俺、掃除するために中に入ったんだよな? そんな疑問が頭に過ったが、それよりもノミやダニの数が多い! 考えている暇などない!
「死ねやごらあああ!」
「レイ、大丈夫かな?」
レイが中で命がけの掃除をしている間、外で待機するローズは呟く。
「心配するな。レイなら大丈夫だ」
リリーはローズの頭を撫でて励ます。
二人を他所に、チュリップは顎を指先で撫でて何かを考える。ふと閃いたようにシロちゃんの前に立つ。
「シロちゃんさん。申し訳ありませんが、私、森の中へ荷物を落としてしまいました。取りに行きたいので手伝って貰えますか?」
チュリップが鼻先を撫でると、シロちゃんは臭いを嗅いでから、優しく手を舐める。
「よろしいようですね」
チュリップはシロちゃんの長い毛に捕まって背中までよじ登る。
「どこへ行く気だ?」
レイの帰還を固唾と見守っていたリリーがチュリップに声をかける。チュリップは静かに舌打ちする。
「神の水差しなど、道中で落とした荷物を取りに行きます。皆さんはそこで待っていてください」
「私も行く!」
ローズが急いでシロちゃんの背中によじ登る。
「荷物を取りに行くだけですから、あなたは待っていても良いのですよ?」
チュリップは笑みを作り、それとなく降りるように勧める。
「ううん! レイが頑張ってるから私も行く! 行って本を取り戻す!」
「本? そういえば、持ってきたな」
リリーが興味を示す。ローズは目を輝かせて答える。
「そうそう! あれには誰も教えてくれなかった魔術の基礎理論が書いてあったの! 私、何で魔術が属性で分かれているのかすっごい疑問だったの! だって水を生み出す魔法も炎を生み出す魔法も、無から有を生み出すことに変わりはないでしょ! でも別々の魔術として扱われている! 学校の先生に質問したら、水と炎は違う、一目瞭然だろって相手にされなかったけど、あの本には書いてあるの! つまり、魔術には属性別魔術の前に、超超超基礎的な魔術理論があったの! それから派生して属性別魔術がある! それ見て私って馬鹿だなって思ったの! だって、本には属性別魔術は上級魔術だって書いてあったの! 私はそれも知らず学んでた! それって足し算も分からないのに掛け算をやっていたことと同じだったの!」
「はいはいはい分かりました」
チュリップは雪崩のように言葉を発するローズの口を遮る。そして嫌そうに顔を一瞬しかめた後、笑顔をリリーに向ける。
「リリーさんはどうしますか?」
「そうだな……私も同行しよう」
「やはり本ですか?」
「ああ。私といった騎士が習う剣術魔法に関することだが、ローズと同じく上級魔法と書かれていた。分かったふりをしていただけと痛感した。これから先、戦いは激化すると考えると、基礎から学びなおす必要がある。魔法石で作られた武具の使い方も載っていたからな」
「はいはい、一緒に行きましょう」
「どうせだったら地下十一階に戻って本を持ってこよう! シロちゃんが居れば大丈夫だよね!」
チュリップは唇を歪めるがすぐに笑顔になる。
「そうですね。地下十一階へ戻ってみましょう。シロちゃんさん、お願いできますか?」
シロちゃんは柔らかく唸って答える。
「では行きましょう。シロちゃんさん、私たちは急ぎたいので走ってください。振り落とすくらいの勢いで」
チュリップはシロちゃんの耳にささやく。シロちゃんは捕まれと吠えると、地鳴りを奏でて走り出す。
「お、落ちる!」
「ローズ! 手を離すな!」
突然の出発で油断していたローズの手をリリーがしっかり掴む。二人ともすぐに背に上り直し、体勢を立て直した。
「あ、危なかった!」
「良かった……チュリップ! 走るなら声をかけてくれ!」
「ごめんなさい。ちゃんと伝えたつもりでしたが……次から気を付けます」
チュリップは申し訳なさそうに二人に頭を下げた。
シロちゃんの足は速く、臭いを頼りにしたのか落とした荷物は簡単に見つかった。一向はそれを拾うと再度、地下十一階へ向かい、宝を物色する。
「あー! これも面白そう! 持ってこ!」
「ふむ……この本によると、この武具は身軽なレイに合いそうだな。このローブは魔術師のローズに合う。この服は僧侶のチュリップに合う。この鎧は見せかけだったのか! こっちの地味なほうが騎士の私に合うな」
二人はシロちゃんという力強い味方を得たことと、迷いの森の攻略法、何より日差しを浴びたことでリラックスした。その結果頭が冴え、本や武具の吟味がスムーズに進む。
一方チュリップは二人から離れ、本と松明を片手に食糧庫を見て回る。
「なるほど、前に食べた食材は戦闘用で、身体能力向上作用があった。私の体が急激に強くなったのも、納得ができます。そして悪いことに、リリーとローズまで強くなってしまった」
パラパラとページをめくりながら呟く。
「不思議ね……副作用は多量摂取による興奮作用だけ。食あたりのような症状は書かれていない。本の通りなら腐っているとも考えられない。古代人と私の体質の違い?」
ある程度考えたところで本を閉じる。
「どうでもいい話。重要なのは、この食材の本質は薬であること。そしてどのように薬にするのか、私しか知らないこと」
チュリップは冷笑しながら本に火をつける。本はメラメラと暗闇の中で燃える。チュリップの黒い瞳の中で燃えるどす黒い感情を代弁するかのように。
「さて、準備をしましょう」
チュリップは道具と食材(薬の原料)を袋にしまう。その動作に淀みは無く、必要な物、不必要な物が分かっているようだった。
準備が済むと同時にリリーが現れる。
「チュリップ! ここに居たのか。心配したぞ」
声と同時にチュリップの体がびくつく。
「リリーさん。脅かさないでください」
微笑みながらため息を吐く姿は、理知的であった。
「そ、そうか。済まない。私も配慮が足りなかった」
「良いんです。それより、そちらは済みましたか?」
「私もローズも持っていくものは決まった。そっちはどうだ?」
「こちらも決まりました」
「結構な荷物だな? そんなにたくさん持っていく物があるのか?」
「実は、調理器具と以前食べた食材を持っていこうと思いまして」
「何! 私たちはそれを食べて死にかけたんだぞ!」
「大丈夫です! 調理方法が間違っていただけです。ちゃんと本の通りに作れば問題ありません」
「そうだったのか」
「そうだったんです。さあ行きましょう」
チュリップは急かすようにリリーの背中を押した。
ようやく化け物ノミや化け物ダニの退治が終わった。お釣りにデカいウジやハエも襲ってきたのは予想外だったが。とにかく、全部片づけた。何百匹倒したのか分からない。生きているのが奇跡だ。
「しかし……臭いはこれが原因か」
空洞の中は悪臭で満ちている。中へ進むほど強くなる。その原因は、シロちゃんの食べ残しだ。
「これは……片づけると怒られるな」
仲間とはいえ、勝手に飯に触るような奴は許せない。俺がそうだから理解できる。
そもそも食べ残しの大きさが規格外なので持ち出せないが。
「残念だが、外に小屋を作るしかないか」
本来ならシロちゃんと一緒に暮らしたかった。虫や動物は自分より大きな生き物を怖がる。シロちゃんと居ればクモといった敵に襲われずに済む。そう考えていたのだが、当てが外れた。
しかしシロちゃんのおかげで格段に迷いの森が動きやすくなった。それにシロちゃんの縄張りで暮らせばそうそう敵も入ってこないだろう。そう考えるとシロちゃんに文句を言うのは筋違いだ。
「さて……この死骸も片づけるのか……」
嫌なのはぶっ殺した虫の死骸を片づける作業が残っていることだった。一人でやるには重労働だ。だがやるしかないので、上着を袋にして外へ運び出す。
「あいつらどこに行ったんだ?」
汗だくで作業を進めていると、三人がシロちゃんともども消えていることに気づいた。シロちゃんと一緒に居れば安全だろうが、一言声をかけて欲しかった。
「腹減ったな……」
虫の死骸を外に出して、埋める。そのための穴を掘る。また外に出して埋める。その繰り返し。
地味すぎる。寂しすぎる。
「皆ぁ……早く帰ってこい」
嘆いても帰ってくるまで淡々と作業を進めるしかなかった。
日が沈んで真っ暗になったのに、三人は帰ってこない。シロちゃんも帰ってこない。掃除は粗方済ませ、寝床も作ったのに。心配でイライラしていると、ようやくシロちゃんとその背中に乗った三人が現れた。
「お前らどこに行ってたんだ?」
イライラしていたので強い口調で言う。
「ご、ごめんなさい。荷物を取りに行ってたの」
ローズに言われて自分の失態を思い出す。
「ああ……落としてたな。拾ってくれてありがとう」
「良いよ。こっちも何も言わないで行っちゃったから」
「できれば一言欲しかったな」
「ごめんなさい。でも良いもの持ってきたよ!」
「良いもの?」
「十一階に持っていけないからって置いてきたものがあったでしょ! シロちゃんが居るから持ってきた!」
三人の荷物を見る。ごちゃごちゃとよく分からない物だった。
「すまないが、これらは役に立つのか?」
俺の言葉にローズが目を輝かせる。
「立つよ! 例えばこの本なんだけど、魔術理論の基礎が全部載ってる! 馬鹿な私でもすっごく分かりやすいし、これで勉強すればもっともっと凄い魔術が使えるの! 例えばこの炎属性の基礎理論なんだけど、これを理解するにはこの魔術基礎理論の本が必要で」
「分かった! 良く持ってきてくれた!」
ローズが垂れ流す言葉の意味が分からなかったので褒めて誤魔化す。ローズはそれでも可愛らしく笑ってくれた。勢いで付き合うことになったが、悪くない。むしろ良い! 日に日に可愛くなっていく!
「レイ、私は皆に合う武具を持ってきた。私的な本も少々あるがな。後で皆に渡すよ」
リリーの言葉に大げさに頷く。渡してくれるのは嬉しいが、武具の説明はご遠慮したい。
「私は調理器具を持ってきたのでご飯を作れます。もっとも今日は材料が無いので、樹液だけになりますが」
チュリップの荷物を確認する。少々無駄だと思えるが、考えて持ってきてくれたのだから有難く思おう。
「待て、食料は持ってきただろ?」
リリーがチュリップの荷物を開ける。そこには以前食あたりを起こした食料が入っていた。
「これ、食べて大丈夫なのか?」
さすがに口にするのは憚られる。
「ちゃんと調理をすれば大丈夫だと思います。手順が間違っていただけなんです。ただ、まだ勉強不足なので作りません。食べられるように調理できるようになったらお出しします」
「そうか……まあ、飯はあることに越したことはないからな」
迷宮の中で飯にケチを付けるなど、考えれば罰当たりだ。食べられるように作ってくれるのなら、有難くいただこう。
「皆ありがとう。これからも頑張ろう!」
心の底から礼を言うと、皆、笑顔を返してくれた。
迷宮に来て何日経つのか正直分からない。だがそれでも、少しずつ希望が見えてきた!
「そうだ! シロちゃん! しっかり掃除したぜ! 中に入ってくれ!」
入り口で待っていたシロちゃんに中を案内する。
「どうだ! ノミもダニもハエも居ない! これで毎日痒い思いをしなくて済むぜ!」
シロちゃんはふんふんと鼻を鳴らして、住処の様子を伺う。そしてそれが終わるとペロリと頬を舐めてくれた。
「やったぜ! じゃあ、俺たちは外で寝るからな! お休み! また明日もよろしく頼むぜ!」
シロちゃんの鼻に抱き着いて鼻頭を撫でまくる。
くしゃみをされて吹っ飛んだ。受け身を取らなければ死んでいた。
「じゃあ、お休み」
何だか今日は死にそうな目にあってばかりだ。
「特訓? 勉強?」
汚れた体を洗い、新しい服に着替え、樹液を舐めながら今後のことを話しているとリリーとローズから提案があった。これから生き抜くためにしっかりと体や技術を鍛えなおしたいという話だった。
「良いんじゃないか? まだ出口も見つかってないし」
「ありがとう!」
ローズに抱き着かれてひっくり返る。こいつは加減を知らないのか。可愛いから怒らないけど。
「ただ、マッピングや飯集めもしないといけないから、特訓だけできる訳じゃないぞ」
「レイ大好き! 頑張って強くなるね!」
こいつは人の話を聞けないのか? 好きだから許すけど。
そうやって和んでいると、ズシンズシンと足を踏み鳴らして、何かの肉を咥えたシロちゃんが現れた。シロちゃんは俺たちを認めると肉を近くに置いて、すぐに巣に戻った。
「食べていいってことですかね?」
チュリップが苦笑いする。シロちゃんの唾液と臭みで食べるのは辛そうだ。だが得体の知れない肉とはいえ、肉は肉! 食う価値はある!
「ところどころ痛んでいるが、シロちゃんのせっかくのご厚意だ。遠慮なく食おう。表面を削いで焼けば臭みも気にならないだろう」
「樹液を塗れば味は誤魔化せると思います。皆さまが宜しければの話ですが」
「食べよう! 樹液だけでは体力が持たない」
「レイが食べるなら食べる!」
「決まりだ! チュリップ! よろしく頼む!」
「はいはい」
チュリップが作ってくれた焼肉は肉汁と樹液の甘さが絶妙で本当に美味かった。何より、腹いっぱい食えたことが嬉しかった。
次の日、皆スッキリした目覚めだった。体中がエネルギーで満ちていた。腹痛も無し。順調だ!
「俺はシロちゃんと一緒に森を回ってマッピングをするつもりだ。お前たちはここに残るか?」
「ここに残って特訓する」
「私も勉強する!」
「私も今回は残らせていただきます。それから、できればご飯を取ってきてくださると嬉しいです」
「分かった。行ってくる。シロちゃん! よろしく頼むぜ!」
シロちゃんは力強く吠えてくれた。
シロちゃんとともに草原と森を駆け抜ける。
「必ず生きて帰る!」
マッピングをしながら改めて己に言い聞かせた。
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる