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お前らがローズより才能が無いからだ!
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ローズは雨が止んだ空を見る。どんよりとした曇り空が太陽を遮る。
「これからどうしよう?」
ベッドの上で体を縮こませる。
「レイ……死んじゃったのかな?」
グスグスと泣き虫が泣く。
「私……そんなの嫌……そんなの望んでない」
沈んだ空気の中、扉がノックされる。
「失礼する」
ガウスが静かに中へ入る。
「ガウス様」
顔をあげると涙を拭ってベッドから立ち上がる。
「休んでいるところを無理やり訪ねた。この場では畏まらなくていいよ」
ガウスは穏やかに苦笑しながら椅子に座る。
「君を王宮魔術師に推薦しようと思っている」
ガウスは座るなり告げる。
「王宮魔術師……ですか」
ローズは眉を顰める。
「君の功績は計り知れない。それに実力は私のはるか上だ。そんな君が一介の魔術師だと道理に合わない」
ガウスはテーブルに備えられた塩味のキャンディを頬張る。塩も砂糖も高級品で、キャンディとなると王族の会合といった席でしか出されない。
ガウスはキャンディをローズの前に置いて暗に進める。
「悪い話ではないと思うが、どうかな?」
「……ごめんなさい。今はその気はありません」
ローズは考えるように目を泳がせたが、すぐに首を振った。
「レイ君が気になるのかな?」
ビクリとローズの体が跳ねる。
それから沈黙が始まる。
ガウスは紅茶に真っ白な砂糖を少し入れるとローズの前に置く。
ローズは俯いたまま動かない。
「急な話だからね。まずはゆっくり休むことだ」
「ガウス様」
ガウスが立ち上がると、ローズは外を見ながら呟く。
「家族に会いたいです」
「外で待っているよ」
ガウスは馬車をローズの屋敷の前に止める。
ローズはぺこりと頷いて門を潜った。
中に入るとすぐに目に入るのが手入れされた花壇だ。それに囲まれるように大きな屋敷が建つ。
「なんか、気持ち悪い。迷宮のほうが落ち着いててかっこいい」
玄関の前は彫刻や大理石の床で飾られていた。それを丁寧丁寧に磨く使用人の数は十人以上だ。
「この人たちは、お金を払えば命をかけて私を助けてくれるのかな?」
ローズは玄関と屋敷を眺め続ける。
「ローズお嬢様!」
使用人の一人がローズを見ると大慌てで駆け寄る。
「ただいま。驚かせてごめんね」
ローズは騒ぐ使用人に雑な挨拶をすると、屋敷に入った。
ローズは執事に客間へ通される。客間は煌びやかに鎧や装飾剣、装飾杖で飾られていた。
「地下11階のほうが広くて凄かったな」
金箔で彩られた杖の一つを持つ。
「私の杖のほうがずっと凄い」
自慢げにほくそ笑む。
「おい! それに触るな!」
ローズの兄が扉を乱暴に開いて叫んだ。
「それは私が魔術学校を首席で卒業した証の杖だ! お前が触るなど100年早い!」
兄はビキビキと頬を引きつらせてドカリと椅子に座る。
「これってそんなに凄いんですか?」
ローズは無表情に杖から手を離す。
「当然だ! それには王宮魔術師の中でもエリートの証! お前が触れていい物ではない!」
「そうだったんですか」
ローズは興味なさげな表情で椅子に座る。
「生きているとは思わなかった」
向かい合うと兄はじっとローズを睨む。
「心配かけてごめんなさい」
ローズは礼儀としてお辞儀をする。
「お父さんとお母さんは?」
「皆仕事だ。妹も弟も」
「私がここに来ると連絡は?」
「あったから私が居る」
執事が紅茶を持ってくる。
「生きて帰ってきたのは良いことだ。曲がりなりにも家族だからな」
「ありがとうございます」
「感謝しろ」
兄は紅茶に色のくすんだ砂糖を入れる。
「父上たちと会う前に話がある」
「話ですか?」
「お前が生きていると聞いて、皆で話し合った。その結果、お前を私の同僚と結婚させることにした」
兄は当然のように落ち着いて紅茶を飲む。
「突然ですね」
「驚くのも無理はない。非常にありがたい話だからな」
「私の意志も聞かず、それどころか再開を喜ぶ前にお見合いですか?」
ギュッとスカートを握りしめる。
「何を言っている? お前には才能がない。だから本来結婚相手すら居ない。それを飲み込んで結婚してやると言ってくれたんだ。感謝するのがあたりまえだ!」
兄の顔が歪む。
「だいたいガウス様の期待を裏切った時点でお前は勘当ものだぞ! お前がガウス様の期待を裏切ったとき私は顔から火が出るほど恥ずかしかった! 我が家の汚点だ! なぜ生きて帰ってきた!」
兄は立ち上がるとカップを投げつける。ローズの額に当たるとカップの持ち手が欠けた。
「分かりました。もうこの家に用はありません」
ローズは立ち上がると速足で部屋を出る。
「待て! 話は終わっていない!」
兄は大声で引き留めるが、ローズはすでに馬車の中であった。
「学校へ向かってください!」
ローズは御者に大声で言った。
「どうかしたか?」
ガウスは声を強張らせる。
「何でもありません!」
ローズが目を瞑ると、隙間から雫がいくつも流れた。
「本当に一人で大丈夫か?」
「大丈夫です。それに、ガウス様が居るとダメなんです。一人じゃなきゃダメなんです」
ローズは馬車から降りると、殺意を滾らせた瞳で校舎に入った。
「あぁ! ローズ!」
お昼休みが終わるころに教室に入ると、皆が嫌な物を見るようにしかめっ面になる。
「あいつ死んだんじゃなかったのか?」
「そのはずよ! 葬式してたじゃない」
「死んでいなかったのか?」
「迷惑」
ローズは担任とともに教壇に立つ。
「えー。ローズ君だが、昨日迷宮から帰ってきた。えー。皆、学友が無事に戻ってきてくれたので。えー。拍手で迎えましょう」
担任はやる気がないのか、どもりながら喋る。
「マジかよ」
「死んでなかったんだ。残念」
「嫌な奴が戻ってきた」
拍手は無い。
「では、授業を始めます」
担任は何も言わずに授業が始まる。
「結局、ここにも私の居場所は無いんだ」
ローズがぼそりと呟くと、隣の席からばい菌を触るような手つきで手紙を渡される。
『迷宮に帰れ』
手紙の一番最初に書かれていた言葉だ。それから先も色々と書かれている。
「何で私、レイを置いてきちゃったの?」
ローズは紙を見つめながら泣く。
「泣いた泣いた!」
「早く迷宮で死ね!」
それを見て教室が笑った。
「えー。この理論ですが……」
授業は進んだ。
座学が終わると次は実技が始まる。訓練場に集まると、少し離れた的に目を向ける。
「本日は炎魔法の上級呪文、ファイヤーボールです。あの的に当ててください」
先生が手本を見せた後、生徒は的に向けて一斉に杖を振る。
「炎魔法! ファイヤーボール!」
的はそれほど遠くないが、ほとんどの生徒はそれに届かない。途中で霧散してしまう。
だが名家出身だけに素質はある。少しすると全員的に当てることができるようになった。威力は的が焦げる程度で、実践には全然役に立たないが。
「ローズ? どうして呪文を唱えない?」
先生が立ち尽くすローズに舌打ちする。
「才能無いからやる訳ないよね!」
「絶対に届かない! 戦闘もできない魔術師なんて国の恥だ!」
生徒があざ笑う中、ローズは黙って震える。
「迷宮から生還して疲れているのならすぐに帰りなさい! 役立たずはアルカトラズ国に必要ありません!」
先生は青筋を立てて怒鳴る。
「やっていいんですね?」
ローズは涙を流しながら皆を睨む。
「悔しかったら早くやりなさい」
先生は舌打ちを隠さない。生徒は薄笑いを隠さない。
「分かりました! 炎魔法! ファイヤーボール!」
校舎すら飲み込むかと思われるほどの火球が訓練場を焼き尽くす!
「ふ! ふ! ふ! ふざけるな!」
呆然とする皆に叫ぶ。
「私はお前たちなんかに負けない! お前たちなんか一瞬で殺せるんだ!」
杖を捨てて手のひらを向ける。
「何だこいつ!」
先生と生徒は勇敢にも杖を向けて呪文を唱える。
「炎魔法! ファイヤー!」
炎が放たれる。それはローズの目前で跡形もなく消える。
「は? え?」
皆は何が起きたのか意味が分からない。そして意味を理解している場合ではない。
「炎魔法!」
ローズの殺意が解き放たれようとしていた!
「待ちなさい!」
ガウスが間一髪のところでローズの腕を掴むとローズは口を閉じた! 学園は助かった!
皆は訳が分からない様子だが、ガウスはローズを掴む手が焼ける感触に震えていた。
「何があった!」
ガウスは汗をかきながら生徒たちを睨む。
「そいつが私たちを攻撃してきました!」
生徒たちは傷心を訴える。
「ローズ、君は何か言うべきことがあるか?」
ガウスは困惑したように顔を振り回す。
「こ、これ!」
ローズは血を吐き出すように、ガウスに座学中に渡された証拠を示す。
「……何だこれは?」
ガウスはローズに渡された手紙を見ると不快感を露にする。
「これは君たちの仕業か?」
ガウスは手紙をぐしゃぐしゃに握りしめる。
「知りません」
先生と生徒は真っ当な表情で言う。
「ローズ、君の意見は何だ?」
「こ! こ! こいつらが! さっき渡してきた! 私を虐めてきた! ずっと!」
「被害妄想も体外にしろこの無能!」
ローズが崩れ落ちると生徒たちはパッシングする。
「君は気づかなかったか? 一年生からずっとこの授業の専任だったと思うが?」
「私は知りません。悪ふざけか何かでしょう」
先生は王宮魔術師の監督であるガウス、つまり王の側近を前にして、暢気に冷静だった。
「君たちは、何か気づかなかったか?」
ガウスはローズの頭を撫でながら生徒を睨む。
「知りません」
震えもしない立ち姿勢は見事だと褒めよう。
「これは私に対する挑戦状だ!」
ガウスはローズの頭を撫でる。
「私はローズを後継者にすると決めていた! だがこの手紙にはガウスの目が曇っていると書いてある!」
「え!」
不細工な女生徒が素っ頓狂な声を上げる。
「そこの君! 心当たりはあるか?」
ガウスは不細工な女生徒を睨む。
「知りません」
不細工は白々しく否定する。
「この手紙はローズの才能を嫉妬したから書かれた! そうに違いない!」
「ぷ!」
生徒たちと先生は口の端を持ち上げる。
「私の後継者であるローズが泣いている! これは重大な問題だ! だからこそ犯人を突き止める! そのためにテストをする! ローズよりも結果が悪いもの! それこそ犯人だ!」
ガウスは訓練場に立つ。
「私に炎魔法を放て! 合格点はローズ以上の者! ローズ以上の者は王宮魔術師に推薦する!」
訓練場が息を飲む。
「ガウス様! 本当にそいつよりも上なら王宮魔術師に推薦してもらえるのでしょうか?」
子供らしくない下卑た笑みが湖の底に溜まる汚泥のように浮かび上がる。
「二言は無い! 私の目が曇っていれば、君たち全員が合格だ」
ヒソヒソと笑みが広がる。
「何でガウス様がここに?」
「どうでもいいでしょ。それより王宮魔術師に推薦だって!」
「あいつよりも下ってあり得ないでしょ!」
「やるだけやるか。ガウス様に名前を覚えてもらういい機会だ!」
ざわめきの中、先生が前に出る。
「私のお力を見ていただきたいので、私も参加してよろしいでしょうか?」
「良かろう」
先生はガウスに杖を向ける。
「炎魔法! ファイヤーレーザー!」
糸のように細い光線がガウスに発射される。
「水魔法、ウォーターウォール」
ガウスは分厚い水の壁を作り出し容易く光線を防ぐ。
「最上級炎魔法のファイヤーレーザーを使えるのは見事だが、威力が足りない。その実力では王宮魔術師になっても苦労する。精進しなさい」
「ありがたいお言葉です」
先生はぺこりと頭を下げると、くつくつと笑った。
「これで私は王宮魔術師だ!」
「次の者!」
続々と生徒が前に出る。
「炎魔法! ファイヤー!」
次々と炎が生み出される。
「水魔法、ウォーターウォール」
ガウスは微動だにせずすべて防ぐ。
「これで全員か。実力は足りないが、年齢を考えれば伸びしろがあるだろう」
ガウスはローズに目を移す。
「君の番だ。全力で来なさい」
ローズはくしゃくしゃな顔をガウスに向け続ける。
「君の苦しみに気づけなかった。これは私の責任でもある。だからまず、その怒りを私にぶつけなさい」
ガウスは頬に汗を流しながら杖を握りしめる。
「良いんですね」
ローズはゆっくりとガウスに手を向ける。
「来なさい!」
ガウスは目力を込めて全身を緊張させる!
「炎魔法! ファイヤーレーザー!」
ローズの手のひらから極太の熱線が放たれる!
「氷魔法! アイスレーザー!」
ガウスの杖から冷気が放たれる!
すべてを焼き尽くす獄炎がすべてを凍らせる冷気を押しのける!
「ぐあああああ!」
ガウスの悲鳴が学園に響いた。
「あ……あ」
生徒も先生も言葉を失う。彼らの前にはぐつぐつと焼きただれる溶岩が彼方まで続いていた。
「ガウス様!」
ローズは熱気の中で焼けただれるガウスを見ると、我に返って走り寄る。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「い……い」
ガウスは手に焼き付いた小瓶を開けると、一気に中身を飲み干す。
見る見ると時間が巻き戻るようにガウスの体が治る。
「恐ろしい力だ。君が手加減していなければ死んでいた」
ガウスは気持ちよく笑いながらローズの頭を撫でる。
「ガウス様! ごめんなさい!」
ローズはガウスに抱き着いて泣きじゃくる。
「これは私の罰だ。君の辛さに比べれば何ともない」
ガウスは薄っすらと涙を流してローズを慰める。
「さて……これで犯人は分かった」
ガウスは新たにローブを羽織ると生徒たちに言い放つ。
「お前たちは全員退学だ。すぐに荷物を纏めて家に帰れ!」
「な!」
生徒たちの顔から血の気が引く。
「君も実力不足だ。解雇する」
「ば、馬鹿な!」
先生も血の気が引く。
「何でだ! 何で退学なんだ!」
「いくらガウス様でも横暴だわ!」
生徒たちは醜いひな鳥のようにピーチク騒ぎ立てる。
「俺を舐めるな!」
ガウスは天に届くほど恐ろしい声で恫喝する。
「この手紙はお前たちが書いたものだ! 俺がそれも分からないようなぼんくらだと思っているのか!」
生徒たちは凍り付いたように固まる。その中で一人、勇敢で無謀な男子生徒が叫ぶ。
「証拠がない!」
ガウスの眉が吊り上がる。
「証拠か。分かった。今示してやろう。黒魔法! トゥルーマウス!」
ガウスは勇敢な生徒に魔法をかける。
「君に質問する。君はローズに普段何を言っていた?」
「才能無し、早く学校から出て行け」
生徒はハッと口を閉ざす。
「君はこの手紙を書いたね」
「書きました」
再び生徒は口を覆う。
「君以外に書いた者は?」
「クラス全員です。先生も書きました」
生徒は泣き出してしまう。他の生徒も許しを請うように泣き出す。
先生はガウスに土下座していた。
「お前たちのやったことはとてつもなく恥ずかしいことだ。王宮魔術師になってもアルカトラズ国に恥をかかせるだけだ」
ガウスは神に代わって宣告する。
「最も、アルカトラズ国は実力主義だ。品性がなくても、力があれば許される面もある。私は絶対に許さないが!」
ガウスは杖を振って、下を見て、顔を見ない馬鹿者たちの顔を上げる。
「なぜお前たちが退学か? それは非常に単純だ。君たちも理解しているだろ」
ガウスはギリギリと喉元を噛みちぎるような勢いで歯を食いしばる。
「お前らがローズより才能が無いからだ!」
涙で地面が染まる。
ガウスはローズの肩を抱いて背を向ける。
「才能がない者は学園に来るな。君たちの言葉通りになっただけのことだ」
学園に悲鳴が轟いた。
「ローズ。彼らが憎いだろう。許せないだろう。だけど、許すべきだ。あんな奴らでも殺せば責められる。理不尽だと思うだろうが、それもまた現実だ」
ガウスは馬車の中でローズの背中を撫でる。
「ガウス様……ありがとうございます」
ローズは腫れあがった目に涙を浮かべる。
「今は休みなさい」
「はい」
ローズは少しだけ晴れた表情で背もたれに体を預けて目を瞑る。
「少しだけ天気が良くなったな」
ガウスは窓から空を見る。
雲の隙間から太陽が顔を出していた。
「これからどうしよう?」
ベッドの上で体を縮こませる。
「レイ……死んじゃったのかな?」
グスグスと泣き虫が泣く。
「私……そんなの嫌……そんなの望んでない」
沈んだ空気の中、扉がノックされる。
「失礼する」
ガウスが静かに中へ入る。
「ガウス様」
顔をあげると涙を拭ってベッドから立ち上がる。
「休んでいるところを無理やり訪ねた。この場では畏まらなくていいよ」
ガウスは穏やかに苦笑しながら椅子に座る。
「君を王宮魔術師に推薦しようと思っている」
ガウスは座るなり告げる。
「王宮魔術師……ですか」
ローズは眉を顰める。
「君の功績は計り知れない。それに実力は私のはるか上だ。そんな君が一介の魔術師だと道理に合わない」
ガウスはテーブルに備えられた塩味のキャンディを頬張る。塩も砂糖も高級品で、キャンディとなると王族の会合といった席でしか出されない。
ガウスはキャンディをローズの前に置いて暗に進める。
「悪い話ではないと思うが、どうかな?」
「……ごめんなさい。今はその気はありません」
ローズは考えるように目を泳がせたが、すぐに首を振った。
「レイ君が気になるのかな?」
ビクリとローズの体が跳ねる。
それから沈黙が始まる。
ガウスは紅茶に真っ白な砂糖を少し入れるとローズの前に置く。
ローズは俯いたまま動かない。
「急な話だからね。まずはゆっくり休むことだ」
「ガウス様」
ガウスが立ち上がると、ローズは外を見ながら呟く。
「家族に会いたいです」
「外で待っているよ」
ガウスは馬車をローズの屋敷の前に止める。
ローズはぺこりと頷いて門を潜った。
中に入るとすぐに目に入るのが手入れされた花壇だ。それに囲まれるように大きな屋敷が建つ。
「なんか、気持ち悪い。迷宮のほうが落ち着いててかっこいい」
玄関の前は彫刻や大理石の床で飾られていた。それを丁寧丁寧に磨く使用人の数は十人以上だ。
「この人たちは、お金を払えば命をかけて私を助けてくれるのかな?」
ローズは玄関と屋敷を眺め続ける。
「ローズお嬢様!」
使用人の一人がローズを見ると大慌てで駆け寄る。
「ただいま。驚かせてごめんね」
ローズは騒ぐ使用人に雑な挨拶をすると、屋敷に入った。
ローズは執事に客間へ通される。客間は煌びやかに鎧や装飾剣、装飾杖で飾られていた。
「地下11階のほうが広くて凄かったな」
金箔で彩られた杖の一つを持つ。
「私の杖のほうがずっと凄い」
自慢げにほくそ笑む。
「おい! それに触るな!」
ローズの兄が扉を乱暴に開いて叫んだ。
「それは私が魔術学校を首席で卒業した証の杖だ! お前が触るなど100年早い!」
兄はビキビキと頬を引きつらせてドカリと椅子に座る。
「これってそんなに凄いんですか?」
ローズは無表情に杖から手を離す。
「当然だ! それには王宮魔術師の中でもエリートの証! お前が触れていい物ではない!」
「そうだったんですか」
ローズは興味なさげな表情で椅子に座る。
「生きているとは思わなかった」
向かい合うと兄はじっとローズを睨む。
「心配かけてごめんなさい」
ローズは礼儀としてお辞儀をする。
「お父さんとお母さんは?」
「皆仕事だ。妹も弟も」
「私がここに来ると連絡は?」
「あったから私が居る」
執事が紅茶を持ってくる。
「生きて帰ってきたのは良いことだ。曲がりなりにも家族だからな」
「ありがとうございます」
「感謝しろ」
兄は紅茶に色のくすんだ砂糖を入れる。
「父上たちと会う前に話がある」
「話ですか?」
「お前が生きていると聞いて、皆で話し合った。その結果、お前を私の同僚と結婚させることにした」
兄は当然のように落ち着いて紅茶を飲む。
「突然ですね」
「驚くのも無理はない。非常にありがたい話だからな」
「私の意志も聞かず、それどころか再開を喜ぶ前にお見合いですか?」
ギュッとスカートを握りしめる。
「何を言っている? お前には才能がない。だから本来結婚相手すら居ない。それを飲み込んで結婚してやると言ってくれたんだ。感謝するのがあたりまえだ!」
兄の顔が歪む。
「だいたいガウス様の期待を裏切った時点でお前は勘当ものだぞ! お前がガウス様の期待を裏切ったとき私は顔から火が出るほど恥ずかしかった! 我が家の汚点だ! なぜ生きて帰ってきた!」
兄は立ち上がるとカップを投げつける。ローズの額に当たるとカップの持ち手が欠けた。
「分かりました。もうこの家に用はありません」
ローズは立ち上がると速足で部屋を出る。
「待て! 話は終わっていない!」
兄は大声で引き留めるが、ローズはすでに馬車の中であった。
「学校へ向かってください!」
ローズは御者に大声で言った。
「どうかしたか?」
ガウスは声を強張らせる。
「何でもありません!」
ローズが目を瞑ると、隙間から雫がいくつも流れた。
「本当に一人で大丈夫か?」
「大丈夫です。それに、ガウス様が居るとダメなんです。一人じゃなきゃダメなんです」
ローズは馬車から降りると、殺意を滾らせた瞳で校舎に入った。
「あぁ! ローズ!」
お昼休みが終わるころに教室に入ると、皆が嫌な物を見るようにしかめっ面になる。
「あいつ死んだんじゃなかったのか?」
「そのはずよ! 葬式してたじゃない」
「死んでいなかったのか?」
「迷惑」
ローズは担任とともに教壇に立つ。
「えー。ローズ君だが、昨日迷宮から帰ってきた。えー。皆、学友が無事に戻ってきてくれたので。えー。拍手で迎えましょう」
担任はやる気がないのか、どもりながら喋る。
「マジかよ」
「死んでなかったんだ。残念」
「嫌な奴が戻ってきた」
拍手は無い。
「では、授業を始めます」
担任は何も言わずに授業が始まる。
「結局、ここにも私の居場所は無いんだ」
ローズがぼそりと呟くと、隣の席からばい菌を触るような手つきで手紙を渡される。
『迷宮に帰れ』
手紙の一番最初に書かれていた言葉だ。それから先も色々と書かれている。
「何で私、レイを置いてきちゃったの?」
ローズは紙を見つめながら泣く。
「泣いた泣いた!」
「早く迷宮で死ね!」
それを見て教室が笑った。
「えー。この理論ですが……」
授業は進んだ。
座学が終わると次は実技が始まる。訓練場に集まると、少し離れた的に目を向ける。
「本日は炎魔法の上級呪文、ファイヤーボールです。あの的に当ててください」
先生が手本を見せた後、生徒は的に向けて一斉に杖を振る。
「炎魔法! ファイヤーボール!」
的はそれほど遠くないが、ほとんどの生徒はそれに届かない。途中で霧散してしまう。
だが名家出身だけに素質はある。少しすると全員的に当てることができるようになった。威力は的が焦げる程度で、実践には全然役に立たないが。
「ローズ? どうして呪文を唱えない?」
先生が立ち尽くすローズに舌打ちする。
「才能無いからやる訳ないよね!」
「絶対に届かない! 戦闘もできない魔術師なんて国の恥だ!」
生徒があざ笑う中、ローズは黙って震える。
「迷宮から生還して疲れているのならすぐに帰りなさい! 役立たずはアルカトラズ国に必要ありません!」
先生は青筋を立てて怒鳴る。
「やっていいんですね?」
ローズは涙を流しながら皆を睨む。
「悔しかったら早くやりなさい」
先生は舌打ちを隠さない。生徒は薄笑いを隠さない。
「分かりました! 炎魔法! ファイヤーボール!」
校舎すら飲み込むかと思われるほどの火球が訓練場を焼き尽くす!
「ふ! ふ! ふ! ふざけるな!」
呆然とする皆に叫ぶ。
「私はお前たちなんかに負けない! お前たちなんか一瞬で殺せるんだ!」
杖を捨てて手のひらを向ける。
「何だこいつ!」
先生と生徒は勇敢にも杖を向けて呪文を唱える。
「炎魔法! ファイヤー!」
炎が放たれる。それはローズの目前で跡形もなく消える。
「は? え?」
皆は何が起きたのか意味が分からない。そして意味を理解している場合ではない。
「炎魔法!」
ローズの殺意が解き放たれようとしていた!
「待ちなさい!」
ガウスが間一髪のところでローズの腕を掴むとローズは口を閉じた! 学園は助かった!
皆は訳が分からない様子だが、ガウスはローズを掴む手が焼ける感触に震えていた。
「何があった!」
ガウスは汗をかきながら生徒たちを睨む。
「そいつが私たちを攻撃してきました!」
生徒たちは傷心を訴える。
「ローズ、君は何か言うべきことがあるか?」
ガウスは困惑したように顔を振り回す。
「こ、これ!」
ローズは血を吐き出すように、ガウスに座学中に渡された証拠を示す。
「……何だこれは?」
ガウスはローズに渡された手紙を見ると不快感を露にする。
「これは君たちの仕業か?」
ガウスは手紙をぐしゃぐしゃに握りしめる。
「知りません」
先生と生徒は真っ当な表情で言う。
「ローズ、君の意見は何だ?」
「こ! こ! こいつらが! さっき渡してきた! 私を虐めてきた! ずっと!」
「被害妄想も体外にしろこの無能!」
ローズが崩れ落ちると生徒たちはパッシングする。
「君は気づかなかったか? 一年生からずっとこの授業の専任だったと思うが?」
「私は知りません。悪ふざけか何かでしょう」
先生は王宮魔術師の監督であるガウス、つまり王の側近を前にして、暢気に冷静だった。
「君たちは、何か気づかなかったか?」
ガウスはローズの頭を撫でながら生徒を睨む。
「知りません」
震えもしない立ち姿勢は見事だと褒めよう。
「これは私に対する挑戦状だ!」
ガウスはローズの頭を撫でる。
「私はローズを後継者にすると決めていた! だがこの手紙にはガウスの目が曇っていると書いてある!」
「え!」
不細工な女生徒が素っ頓狂な声を上げる。
「そこの君! 心当たりはあるか?」
ガウスは不細工な女生徒を睨む。
「知りません」
不細工は白々しく否定する。
「この手紙はローズの才能を嫉妬したから書かれた! そうに違いない!」
「ぷ!」
生徒たちと先生は口の端を持ち上げる。
「私の後継者であるローズが泣いている! これは重大な問題だ! だからこそ犯人を突き止める! そのためにテストをする! ローズよりも結果が悪いもの! それこそ犯人だ!」
ガウスは訓練場に立つ。
「私に炎魔法を放て! 合格点はローズ以上の者! ローズ以上の者は王宮魔術師に推薦する!」
訓練場が息を飲む。
「ガウス様! 本当にそいつよりも上なら王宮魔術師に推薦してもらえるのでしょうか?」
子供らしくない下卑た笑みが湖の底に溜まる汚泥のように浮かび上がる。
「二言は無い! 私の目が曇っていれば、君たち全員が合格だ」
ヒソヒソと笑みが広がる。
「何でガウス様がここに?」
「どうでもいいでしょ。それより王宮魔術師に推薦だって!」
「あいつよりも下ってあり得ないでしょ!」
「やるだけやるか。ガウス様に名前を覚えてもらういい機会だ!」
ざわめきの中、先生が前に出る。
「私のお力を見ていただきたいので、私も参加してよろしいでしょうか?」
「良かろう」
先生はガウスに杖を向ける。
「炎魔法! ファイヤーレーザー!」
糸のように細い光線がガウスに発射される。
「水魔法、ウォーターウォール」
ガウスは分厚い水の壁を作り出し容易く光線を防ぐ。
「最上級炎魔法のファイヤーレーザーを使えるのは見事だが、威力が足りない。その実力では王宮魔術師になっても苦労する。精進しなさい」
「ありがたいお言葉です」
先生はぺこりと頭を下げると、くつくつと笑った。
「これで私は王宮魔術師だ!」
「次の者!」
続々と生徒が前に出る。
「炎魔法! ファイヤー!」
次々と炎が生み出される。
「水魔法、ウォーターウォール」
ガウスは微動だにせずすべて防ぐ。
「これで全員か。実力は足りないが、年齢を考えれば伸びしろがあるだろう」
ガウスはローズに目を移す。
「君の番だ。全力で来なさい」
ローズはくしゃくしゃな顔をガウスに向け続ける。
「君の苦しみに気づけなかった。これは私の責任でもある。だからまず、その怒りを私にぶつけなさい」
ガウスは頬に汗を流しながら杖を握りしめる。
「良いんですね」
ローズはゆっくりとガウスに手を向ける。
「来なさい!」
ガウスは目力を込めて全身を緊張させる!
「炎魔法! ファイヤーレーザー!」
ローズの手のひらから極太の熱線が放たれる!
「氷魔法! アイスレーザー!」
ガウスの杖から冷気が放たれる!
すべてを焼き尽くす獄炎がすべてを凍らせる冷気を押しのける!
「ぐあああああ!」
ガウスの悲鳴が学園に響いた。
「あ……あ」
生徒も先生も言葉を失う。彼らの前にはぐつぐつと焼きただれる溶岩が彼方まで続いていた。
「ガウス様!」
ローズは熱気の中で焼けただれるガウスを見ると、我に返って走り寄る。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「い……い」
ガウスは手に焼き付いた小瓶を開けると、一気に中身を飲み干す。
見る見ると時間が巻き戻るようにガウスの体が治る。
「恐ろしい力だ。君が手加減していなければ死んでいた」
ガウスは気持ちよく笑いながらローズの頭を撫でる。
「ガウス様! ごめんなさい!」
ローズはガウスに抱き着いて泣きじゃくる。
「これは私の罰だ。君の辛さに比べれば何ともない」
ガウスは薄っすらと涙を流してローズを慰める。
「さて……これで犯人は分かった」
ガウスは新たにローブを羽織ると生徒たちに言い放つ。
「お前たちは全員退学だ。すぐに荷物を纏めて家に帰れ!」
「な!」
生徒たちの顔から血の気が引く。
「君も実力不足だ。解雇する」
「ば、馬鹿な!」
先生も血の気が引く。
「何でだ! 何で退学なんだ!」
「いくらガウス様でも横暴だわ!」
生徒たちは醜いひな鳥のようにピーチク騒ぎ立てる。
「俺を舐めるな!」
ガウスは天に届くほど恐ろしい声で恫喝する。
「この手紙はお前たちが書いたものだ! 俺がそれも分からないようなぼんくらだと思っているのか!」
生徒たちは凍り付いたように固まる。その中で一人、勇敢で無謀な男子生徒が叫ぶ。
「証拠がない!」
ガウスの眉が吊り上がる。
「証拠か。分かった。今示してやろう。黒魔法! トゥルーマウス!」
ガウスは勇敢な生徒に魔法をかける。
「君に質問する。君はローズに普段何を言っていた?」
「才能無し、早く学校から出て行け」
生徒はハッと口を閉ざす。
「君はこの手紙を書いたね」
「書きました」
再び生徒は口を覆う。
「君以外に書いた者は?」
「クラス全員です。先生も書きました」
生徒は泣き出してしまう。他の生徒も許しを請うように泣き出す。
先生はガウスに土下座していた。
「お前たちのやったことはとてつもなく恥ずかしいことだ。王宮魔術師になってもアルカトラズ国に恥をかかせるだけだ」
ガウスは神に代わって宣告する。
「最も、アルカトラズ国は実力主義だ。品性がなくても、力があれば許される面もある。私は絶対に許さないが!」
ガウスは杖を振って、下を見て、顔を見ない馬鹿者たちの顔を上げる。
「なぜお前たちが退学か? それは非常に単純だ。君たちも理解しているだろ」
ガウスはギリギリと喉元を噛みちぎるような勢いで歯を食いしばる。
「お前らがローズより才能が無いからだ!」
涙で地面が染まる。
ガウスはローズの肩を抱いて背を向ける。
「才能がない者は学園に来るな。君たちの言葉通りになっただけのことだ」
学園に悲鳴が轟いた。
「ローズ。彼らが憎いだろう。許せないだろう。だけど、許すべきだ。あんな奴らでも殺せば責められる。理不尽だと思うだろうが、それもまた現実だ」
ガウスは馬車の中でローズの背中を撫でる。
「ガウス様……ありがとうございます」
ローズは腫れあがった目に涙を浮かべる。
「今は休みなさい」
「はい」
ローズは少しだけ晴れた表情で背もたれに体を預けて目を瞑る。
「少しだけ天気が良くなったな」
ガウスは窓から空を見る。
雲の隙間から太陽が顔を出していた。
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