俺たちの幕間(注:かっこいい人はいません)

仙桜可律

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ヒューゴ姉達は見た(うっかり者の~龍起こす)

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(最終話「龍の花嫁」街に二人で買い物に行った時)

「ねえ、ヒュー。あんたの友達のカイくん、彼女できたでしょ」

ヒューゴは飲んでいた茶をむせた。

「たぶん?」

「この間、部屋着と寝間着と下着とスリッパとタオルとシーツを大量に買っていったけど。」

「うわあ」

あまり生活感のない奴
なので想像できない

「自分は黒ばっかり着てるくせに彼女には淡い色ばっかり着せたがるのね、あんたたちそんなとこまで似てるの」

「似てねえよ!だいたいあいつの彼女は色気あるんだろ、」

「知ってるんじゃない」

「いや、直接は知らないけどあのカイがガチ惚れしたってくらいだから色っぽい感じの子かなって思っただけで」

「ウサギ耳のついたバスローブ買っていってたわよ。ピンク」

「……俺の知ってるカイじゃねえ。」

「ちなみにこれだけど。マリアちゃんにも似合いそうでしょう」

「なんだこのふわふわは!これをバスローブって素肌に?は?考えたやつ天才か?」

「ネコもあるのよ」
「ネコもあるのか」

「いやでもこんなの贈ったら嫌がられるだろ。エロいことしたいって四六時中思ってるって」

「これをエロいと思うのがどうかしてるわ」

「一枚マリアに贈って同じのを俺が家で着て妄想するのはセーフか?」

「発想が完全アウトだわ、アンタが着たら股間ギリギリな丈よ」


後日。

リナを連れてカイがやって来た。
「すいませんが、こいつにいい感じの服をお願いします」

カイの後ろからおずおず、と顔を出すリナに、ヒュー姉達は心の中で叫んだ。

かっわいいじゃないの!
なにこの、ちんまりふわふわした小動物みたいなかわいさ。
マリアちゃんも可愛いお嬢さんだけど、もう少し幼い感じがしてこれは原石ね!

しかしべったりくっついてるわね。ヒューより粘着質なんじゃないの。

「あの、下着を買いたいんです。この間カイさんが買ってくれたものがきつくなってしまって」

「では一度採寸してみましょうか。こちらへどうぞ」


ーーーーーー
「姉さん、あの子やっばいわ」

「え?あの、リナちゃんだっけ」

「カイくんが大好き!ってのが溢れててすごいわー。お料理を頑張りたいって言うから、担当に引き継ぎしてきた」

「カイくんも『俺の嫁』って言ってたわよー。付き合い初めかしら。盛り上がってそういう妄想が楽しい頃よね」

そこに兄が来た

「いや?カイくん不動産の相談に来て新居の候補の資料いくつかもって帰ったけど」

「え?ガチ嫁なの」
「うん。ガチ嫁。娼館で他の客とる前に身請けしたって聞いたけど」

「は?ガチじゃん」

「感動通り越して怖いんだけど」
「仕事早すぎる」
三人はため息をついた。

がんばれ、弟よ……

見た目によらず乙女思考な末っ子を思った。






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