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ヒューゴは土下座する
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「頼む!」
「……あのなあ、お前」
「仕事替わってくれ」
「協力したいのは山々だけどな」
「頼む」
ヒューゴがカイに土下座している。
騎士団の連中が何事かと見てくる。
「どうしたんだ?カイ
、もめ事?」
他の団員が声をかけてくる
「違う。勤務を替わってくれって言うんだが、」
なんだそんなことか、と皆が興味を失いかける。
「カイも都合が悪いのか?」
「いやそれがな、こいつが日程が決まってないのにこうやって頼んでくるから」
「え?決まってないのか」
「せめて決まってから言ってくれ、と。替わりたくても夜勤とか巡回のコースによっては、もともとヒューゴと違うルートのときもあるからな」
確かにカイとヒューゴはどちらも素早さを評価されている。違うルートに配置されることも多い。
「カイしか頼めないんだ」
「おいおい、それは水くさいだろ。オレも可能だったら替わってやるぜ」
「ヒューゴさん、俺も実践のヒューゴさんには到底なれませんが、内勤なら替われます!
」
「みんな、ありがとう!」
「で、急用なのか?もしかして身内に何か?」
「恋人とちょっと、初めての泊まりに」
初めての
泊まり?
「え、マリアさんと付き合ってどれくらいだっけ」
「一年」
あれだけベタベタして執着心を隠さずにいて、まだ泊まりで出掛けてない、だと?
「ヒューゴさん!俺も替わります!」
「俺も!」
ヒューゴは以前は怖がられていた。マリアと付き合うようになってから雰囲気が優しくなり、後輩から慕われている。
帰りにカイと軽く飲むことにした。
カイから誘うのは珍しい。嫁大好きのこの男は早く帰るのが基本だから。
「泊まりなら、プロポーズするのか」
「予定外だけど、そうなるからにはした方がいいと思って、準備はしてる」
「そうか。」
聞くまでもなかったな、と安心してカイは帰ろうとした。
「でも、ムードを作る自信がない」
ヒューゴが目を泳がせてオロオロしていたので、
あ、これは長くなるわ
とカイは思った。
惚気なのか悩みなのかわからない話を一通り聞いてやった。
「……あのなあ、お前」
「仕事替わってくれ」
「協力したいのは山々だけどな」
「頼む」
ヒューゴがカイに土下座している。
騎士団の連中が何事かと見てくる。
「どうしたんだ?カイ
、もめ事?」
他の団員が声をかけてくる
「違う。勤務を替わってくれって言うんだが、」
なんだそんなことか、と皆が興味を失いかける。
「カイも都合が悪いのか?」
「いやそれがな、こいつが日程が決まってないのにこうやって頼んでくるから」
「え?決まってないのか」
「せめて決まってから言ってくれ、と。替わりたくても夜勤とか巡回のコースによっては、もともとヒューゴと違うルートのときもあるからな」
確かにカイとヒューゴはどちらも素早さを評価されている。違うルートに配置されることも多い。
「カイしか頼めないんだ」
「おいおい、それは水くさいだろ。オレも可能だったら替わってやるぜ」
「ヒューゴさん、俺も実践のヒューゴさんには到底なれませんが、内勤なら替われます!
」
「みんな、ありがとう!」
「で、急用なのか?もしかして身内に何か?」
「恋人とちょっと、初めての泊まりに」
初めての
泊まり?
「え、マリアさんと付き合ってどれくらいだっけ」
「一年」
あれだけベタベタして執着心を隠さずにいて、まだ泊まりで出掛けてない、だと?
「ヒューゴさん!俺も替わります!」
「俺も!」
ヒューゴは以前は怖がられていた。マリアと付き合うようになってから雰囲気が優しくなり、後輩から慕われている。
帰りにカイと軽く飲むことにした。
カイから誘うのは珍しい。嫁大好きのこの男は早く帰るのが基本だから。
「泊まりなら、プロポーズするのか」
「予定外だけど、そうなるからにはした方がいいと思って、準備はしてる」
「そうか。」
聞くまでもなかったな、と安心してカイは帰ろうとした。
「でも、ムードを作る自信がない」
ヒューゴが目を泳がせてオロオロしていたので、
あ、これは長くなるわ
とカイは思った。
惚気なのか悩みなのかわからない話を一通り聞いてやった。
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