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出会いは行き倒れ
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「ライラちゃん、さっきの人って前に倒れてた人?」
スーラさんが聞いてきた。
「そうですよ。あの、仕事をしすぎて空腹で倒れてた。可哀想な」
ライラが働きはじめの頃に、出勤してきたら食堂のドアにもたれ掛かるようにたおれていたのだ。
青白い顔、乱れた黒髪。
投げ出された脚。
きれいな人形のように整った顔だった。
眉間に皺が刻まれていなければ。
「わあ、イケメン様が倒れているわ」
とりあえず熱はないし、脈も正常だった。
少し揺すると、お腹が鳴った。
空腹なだけかな?
そう思って、ちょうど来た業者に中に運んでもらった。
「ああ、徹夜した文官さんね。毎年この時期に出るのよ」
お化けみたいに
「あちこちに行き倒れてるから、侍女さんが助けてそれが縁で結婚した人もいるのよ。大物が落ちてることもあるから、ライラちゃんも頑張って拾うのよ!」
栗拾いじゃないんだから
「あ、目が覚めそうですよ」
目を開いたイケメンは、深い緑色の瞳だった。
パチパチと瞬きしている。
「あなた倒れてたのよ!ほら!スープ!」
スーラさんが持ってきた。
「まずはスープにして、食べられそうなら他のものをもってくるよ。急に食べるとお腹が驚くからね」
「食べられそうですか?」
スプーンで掬って口元に持っていくと、パクっと飲み込んだ。
あら、可愛いわこの人。
そのあと、ハッと気付いたイケメンが赤くなったので、スーラはライラを連れて離れた。
「あれは、子供扱いされたのとライラちゃんが可愛いから恥ずかしがってるわね、離れてあげなさい」
というわけで、しばらくしてスープを飲み終わったので、パンを持っていった。
「これ、昨日の残りなのでいくらでもどうぞ」
もぐもぐと食べている。
「ライラちゃん、どうして残りのパンを?」
「だって、食べられないくらい忙しくてお金も切り詰めてるなんて可哀想だから」
文官さんは高給取りのはずだけど、食にこだわりがないのかパンを文句も言わず食べている。
これをきっかけにライラちゃん目当てに通ってきたりして、とスーラは思ったけれど、そんなことは無かった。
そこから音沙汰なく、今日監査に来たわけである。
そしてライラちゃんに何か言い残して去っていった。
「ねえ、もしかしてデートの誘いとか?」
「いえ、そんな感じではなかったですよ。何か気になることがあったらまた来るそうです」
じゃあ、ただの仕事のことか、とちょっと残念に思った。
ライラは食堂のみんなから可愛がられていた。没落したとはいえ貴族のお嬢様なのによく働くし愛想もいい。
そろそろいい人ができてもおかしくないと思っていた。
「みんなより早く戻るなんて、やっぱり下っ端さんは大変なんでしょうか」
「え?」
「ご飯もゆっくり食べられないんですね、可哀想だわ。上司の人が怖いってさっきも別の方が話していたし」
ライラちゃん、その鬼上司がさっきの黒髪イケメンだよ?
あの威厳をみて、周囲の部下の怯えっぷりをみて、それでも気付かないなんて。
さすが、ライラちゃん。
鈍感で可愛いわね。
私たちが守らなきゃ!
と、職員は目配せした。
スーラさんが聞いてきた。
「そうですよ。あの、仕事をしすぎて空腹で倒れてた。可哀想な」
ライラが働きはじめの頃に、出勤してきたら食堂のドアにもたれ掛かるようにたおれていたのだ。
青白い顔、乱れた黒髪。
投げ出された脚。
きれいな人形のように整った顔だった。
眉間に皺が刻まれていなければ。
「わあ、イケメン様が倒れているわ」
とりあえず熱はないし、脈も正常だった。
少し揺すると、お腹が鳴った。
空腹なだけかな?
そう思って、ちょうど来た業者に中に運んでもらった。
「ああ、徹夜した文官さんね。毎年この時期に出るのよ」
お化けみたいに
「あちこちに行き倒れてるから、侍女さんが助けてそれが縁で結婚した人もいるのよ。大物が落ちてることもあるから、ライラちゃんも頑張って拾うのよ!」
栗拾いじゃないんだから
「あ、目が覚めそうですよ」
目を開いたイケメンは、深い緑色の瞳だった。
パチパチと瞬きしている。
「あなた倒れてたのよ!ほら!スープ!」
スーラさんが持ってきた。
「まずはスープにして、食べられそうなら他のものをもってくるよ。急に食べるとお腹が驚くからね」
「食べられそうですか?」
スプーンで掬って口元に持っていくと、パクっと飲み込んだ。
あら、可愛いわこの人。
そのあと、ハッと気付いたイケメンが赤くなったので、スーラはライラを連れて離れた。
「あれは、子供扱いされたのとライラちゃんが可愛いから恥ずかしがってるわね、離れてあげなさい」
というわけで、しばらくしてスープを飲み終わったので、パンを持っていった。
「これ、昨日の残りなのでいくらでもどうぞ」
もぐもぐと食べている。
「ライラちゃん、どうして残りのパンを?」
「だって、食べられないくらい忙しくてお金も切り詰めてるなんて可哀想だから」
文官さんは高給取りのはずだけど、食にこだわりがないのかパンを文句も言わず食べている。
これをきっかけにライラちゃん目当てに通ってきたりして、とスーラは思ったけれど、そんなことは無かった。
そこから音沙汰なく、今日監査に来たわけである。
そしてライラちゃんに何か言い残して去っていった。
「ねえ、もしかしてデートの誘いとか?」
「いえ、そんな感じではなかったですよ。何か気になることがあったらまた来るそうです」
じゃあ、ただの仕事のことか、とちょっと残念に思った。
ライラは食堂のみんなから可愛がられていた。没落したとはいえ貴族のお嬢様なのによく働くし愛想もいい。
そろそろいい人ができてもおかしくないと思っていた。
「みんなより早く戻るなんて、やっぱり下っ端さんは大変なんでしょうか」
「え?」
「ご飯もゆっくり食べられないんですね、可哀想だわ。上司の人が怖いってさっきも別の方が話していたし」
ライラちゃん、その鬼上司がさっきの黒髪イケメンだよ?
あの威厳をみて、周囲の部下の怯えっぷりをみて、それでも気付かないなんて。
さすが、ライラちゃん。
鈍感で可愛いわね。
私たちが守らなきゃ!
と、職員は目配せした。
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