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アルテ、張り切る
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アルテは令嬢たちのお茶会に行くことにした。
ブルーノとは会う気にならないし、きっとこのまま破談になる。正直、今は誰とも結婚したくないし考えたくもない。
クリスが先に結婚すればいい。
先日の夜会から兄は恋をしているらしい。
相手の令嬢の名前を聞くのを忘れたと言っていたけれど、クリスはわりと人気がある。うまくいけばいいけれど。
茶会にいくとアルテは質問責めにあう。
セインもブルーノもクリスもそれぞれ人気があるのだ。
アルテの親しい令嬢たちはブルーノのことは狙っていない。アルテの本心を知っているから。けれど、情報をくれる。
「ねえ、クリス様が雰囲気が変わったと聞いたのだけれど。」
なんて情報の早いこと
アルテは笑ってしまった。
「それが、お兄様どうやら恋をしているみたいなの」
キャーッ!と声が上がる
「誰にも靡かない氷の貴公子がついに」
「お相手はアルテの知ってる方?」
「それが、教えてくれないの。かわいらしい方のようなんだけど」
「可愛らしい、か……。アルテと似た感じの方なのかしら。クールな男性が片思いだなんて、絵になるわね」
「私は恋するセイン様が見てみたいわ!誰にでも優しい方が更に自分にだけ特別だったり嫉妬されたら、もう最高ですわ」
「ほんとうね、それは私も見てみたい」
アルテがいうと、周りが吹き出した
「アルテったら、本当にセイン様はそういう対象じゃないのね」
「そうね、お兄さまと同じように思っているわ」
「セイン様にアプローチをしたいんだけど、アルテに遠慮している令嬢がいるの。アルテにそのつもりがないって言ってもいい?」
一人の令嬢が言ったが、他の令嬢が口を押さえた
「家のことだから、私はまだ……確約はできないわ。それでも、セイン様が本当に好きな方と結ばれてほしいし、婚約がなくなったら両家に……出会いの場が多くあればいいのに、と思う。
でも、私の勘なんだけど。
セイン様、もう心に決めた方がいるんじゃないかしら。」
「大人ですものね。働いてらっしゃるから出会いも多そうですし」
「セイン様は憧れでやめとくべきかしら」
令嬢たちの話は気楽で楽しかった。
夜会にもクリスと共に参加した。
クリスはアルテのことも心配しているようだけど、会場を見渡したり廻廊に出ているようだった。
「お兄さま、例の方はいらっしゃった?」
「いや、今日はいないらしい」
それでも、クリスとアルテが夜会に以前より参加していることは噂になっているらしい。
ギリアム兄弟とは一緒に来ないから、婚約がなくなるのかもしれないと。
ギリアム兄弟とクリスはわざと一緒に過ごしているらしい。
両家が変わらず友好的だということは認知されている。
クリスは男性たちとの会話をそれなりに楽しんでいるようだった。
アルテが一人になったときに、話しかけられた。
「あの、アルテ様少しよろしいかしら」
フルーツを食べかけていたアルテは、落としそうになった。
「はいっ、!」
憧れのフェルミーナ様が話しかけて下さったから。
令嬢たちの憧れの方なので、ファンの間ではミーナ様と呼んでいるけれど、もちろん本人には愛称なんておそれ多い。
「アルテ様とお話してみたかったのです」
女神様!
近くでみると綺麗だしいい匂いがする。大人っぽい
「私も、フェルミーナ様に以前から憧れてて」
「嬉しいわ。私もアルテ様とお話したかったんだけれど、緊張して話しかけられなくて」
緊張?ミーナ様が?
もしかして、セイン様といる時に……?
「あの、アルテ様にこんなお願いをしてはしたないのですが、」
セイン様との間を取り持ってほしいということかしら、まさかそんな
「クリス様へのお礼をしたいのです」
はっ?
「お兄様に……?」
「先日の夜会で助けていただいて、とても感謝しているのです。
でも、もし恋人や婚約を考えてらっしゃる方がいるのならご迷惑ではないかと」
「いえ、兄にはそういった方はいませんが……今日も兄と来ていますので呼んできましょうか」
「いえ!そんな……」
「ちょうどこちらに戻ってくるようですわ、呼んできます」
「お兄さま」
「アルテ、そんなにあわてて何かあったのか?誰かに何か言われた?」
「いえ、そうではなくてお兄さまにフェルミーナ様がお話があるそうで」
「フェルミーナ、待て、それはお前が前人気言っていたセインのことを気に入ってると言っていた……」
顔をそっちに向けたクリスが固まる
「彼女か?」
「そうですわ。先日お兄さまと会ったそうですね」
クリスがゆっくり近づいていく。
「お兄さま?」
フェルミーナの前で見つめている。
フェルミーナがドレスの布地を握りしめている
「クリス様、先日はありがとうございました」
クリスは黙っている。
「あの……?」
「あの日から貴女のことが忘れられない。もっと教えてほしい。挨拶からやり直しても良いだろうか」
フェルミーナは頷くしかできない。
手を差し出すと、クリスが身を屈めて手の甲に口づけのふりをした。
周囲がざわめく。
真っ赤になったフェルミーナはそれまでの印象とは違って、庇護欲をそそった。
「まさか、ミーナ様だったなんて」
帰りの馬車ではしゃぐアルテと、腕組みをしてしかめっ面をしているクリス。
「お兄さま?嬉しくないの?」
「嬉しくないわけがない。ただ、考えることが増えた」
「ミーナ様は美しいでしょう」
「美しいし可愛らしい。」
兄がデレた!
「これからお付き合いを申し込むのね?」
「そんな悠長なことをしてられるか。今まで婚約していないのが奇跡だ。
とりあえずセインは近づけない。面倒だからギリアムの二人ともまとめて消してしまおうか」
「お兄さま?悪い顔になってますわよ」
「好きな女を手に入れるのに手段なんか選んでられるか。
二の足踏んでブルーノみたいに自滅なんかやってられん」
「ブルーノは関係ないでしょ」
「ああ、関係ないな。あんな奴どうなっても知るもんか。お前がも次に行け」
「ミーナ様がセイン様のことをみていたのは私の勘違いかもしれないわ。前から私と話したかったとおっしゃってたから、タイミングを見てらしたのかもしれないわ」
ブルーノとは会う気にならないし、きっとこのまま破談になる。正直、今は誰とも結婚したくないし考えたくもない。
クリスが先に結婚すればいい。
先日の夜会から兄は恋をしているらしい。
相手の令嬢の名前を聞くのを忘れたと言っていたけれど、クリスはわりと人気がある。うまくいけばいいけれど。
茶会にいくとアルテは質問責めにあう。
セインもブルーノもクリスもそれぞれ人気があるのだ。
アルテの親しい令嬢たちはブルーノのことは狙っていない。アルテの本心を知っているから。けれど、情報をくれる。
「ねえ、クリス様が雰囲気が変わったと聞いたのだけれど。」
なんて情報の早いこと
アルテは笑ってしまった。
「それが、お兄様どうやら恋をしているみたいなの」
キャーッ!と声が上がる
「誰にも靡かない氷の貴公子がついに」
「お相手はアルテの知ってる方?」
「それが、教えてくれないの。かわいらしい方のようなんだけど」
「可愛らしい、か……。アルテと似た感じの方なのかしら。クールな男性が片思いだなんて、絵になるわね」
「私は恋するセイン様が見てみたいわ!誰にでも優しい方が更に自分にだけ特別だったり嫉妬されたら、もう最高ですわ」
「ほんとうね、それは私も見てみたい」
アルテがいうと、周りが吹き出した
「アルテったら、本当にセイン様はそういう対象じゃないのね」
「そうね、お兄さまと同じように思っているわ」
「セイン様にアプローチをしたいんだけど、アルテに遠慮している令嬢がいるの。アルテにそのつもりがないって言ってもいい?」
一人の令嬢が言ったが、他の令嬢が口を押さえた
「家のことだから、私はまだ……確約はできないわ。それでも、セイン様が本当に好きな方と結ばれてほしいし、婚約がなくなったら両家に……出会いの場が多くあればいいのに、と思う。
でも、私の勘なんだけど。
セイン様、もう心に決めた方がいるんじゃないかしら。」
「大人ですものね。働いてらっしゃるから出会いも多そうですし」
「セイン様は憧れでやめとくべきかしら」
令嬢たちの話は気楽で楽しかった。
夜会にもクリスと共に参加した。
クリスはアルテのことも心配しているようだけど、会場を見渡したり廻廊に出ているようだった。
「お兄さま、例の方はいらっしゃった?」
「いや、今日はいないらしい」
それでも、クリスとアルテが夜会に以前より参加していることは噂になっているらしい。
ギリアム兄弟とは一緒に来ないから、婚約がなくなるのかもしれないと。
ギリアム兄弟とクリスはわざと一緒に過ごしているらしい。
両家が変わらず友好的だということは認知されている。
クリスは男性たちとの会話をそれなりに楽しんでいるようだった。
アルテが一人になったときに、話しかけられた。
「あの、アルテ様少しよろしいかしら」
フルーツを食べかけていたアルテは、落としそうになった。
「はいっ、!」
憧れのフェルミーナ様が話しかけて下さったから。
令嬢たちの憧れの方なので、ファンの間ではミーナ様と呼んでいるけれど、もちろん本人には愛称なんておそれ多い。
「アルテ様とお話してみたかったのです」
女神様!
近くでみると綺麗だしいい匂いがする。大人っぽい
「私も、フェルミーナ様に以前から憧れてて」
「嬉しいわ。私もアルテ様とお話したかったんだけれど、緊張して話しかけられなくて」
緊張?ミーナ様が?
もしかして、セイン様といる時に……?
「あの、アルテ様にこんなお願いをしてはしたないのですが、」
セイン様との間を取り持ってほしいということかしら、まさかそんな
「クリス様へのお礼をしたいのです」
はっ?
「お兄様に……?」
「先日の夜会で助けていただいて、とても感謝しているのです。
でも、もし恋人や婚約を考えてらっしゃる方がいるのならご迷惑ではないかと」
「いえ、兄にはそういった方はいませんが……今日も兄と来ていますので呼んできましょうか」
「いえ!そんな……」
「ちょうどこちらに戻ってくるようですわ、呼んできます」
「お兄さま」
「アルテ、そんなにあわてて何かあったのか?誰かに何か言われた?」
「いえ、そうではなくてお兄さまにフェルミーナ様がお話があるそうで」
「フェルミーナ、待て、それはお前が前人気言っていたセインのことを気に入ってると言っていた……」
顔をそっちに向けたクリスが固まる
「彼女か?」
「そうですわ。先日お兄さまと会ったそうですね」
クリスがゆっくり近づいていく。
「お兄さま?」
フェルミーナの前で見つめている。
フェルミーナがドレスの布地を握りしめている
「クリス様、先日はありがとうございました」
クリスは黙っている。
「あの……?」
「あの日から貴女のことが忘れられない。もっと教えてほしい。挨拶からやり直しても良いだろうか」
フェルミーナは頷くしかできない。
手を差し出すと、クリスが身を屈めて手の甲に口づけのふりをした。
周囲がざわめく。
真っ赤になったフェルミーナはそれまでの印象とは違って、庇護欲をそそった。
「まさか、ミーナ様だったなんて」
帰りの馬車ではしゃぐアルテと、腕組みをしてしかめっ面をしているクリス。
「お兄さま?嬉しくないの?」
「嬉しくないわけがない。ただ、考えることが増えた」
「ミーナ様は美しいでしょう」
「美しいし可愛らしい。」
兄がデレた!
「これからお付き合いを申し込むのね?」
「そんな悠長なことをしてられるか。今まで婚約していないのが奇跡だ。
とりあえずセインは近づけない。面倒だからギリアムの二人ともまとめて消してしまおうか」
「お兄さま?悪い顔になってますわよ」
「好きな女を手に入れるのに手段なんか選んでられるか。
二の足踏んでブルーノみたいに自滅なんかやってられん」
「ブルーノは関係ないでしょ」
「ああ、関係ないな。あんな奴どうなっても知るもんか。お前がも次に行け」
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