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第4章 悪役令嬢は目を付けられたくない
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終業式が終わると、皆が私の所に駆け寄ってきた。
「アリアナ様。最優秀成績者、おめでとうございます!」
「素晴らしかったですわ。アリアナ様と友人関係でいられて、本当に誇らしい気分ですわ。」
リリーとミリアが私の手を握って、まるで自分の事の様に喜んでくれた。
「壇上で賞状を受け取るアリアナ様のご雄姿、目に焼き付いておりますっ。」
グローシアなどは目に涙を浮かべている。
「ありがとうございます。皆と一緒に勉強したおかげです。」
とまぁ、さすがに「当然じゃ!」とは言えないので、そう言っておく。
私達は昼食をとる為に、学園のカフェテリアへと移動した。
途中、ディーンやクリフ達の男子組とも合流でしたので、随分と大人数になってしまった。でも、そこは第二皇子パーシヴァルのご威光で、広めの個室を使わせて貰える事になった。
「式が終わって、みんな一斉に食事に向かったから、座れないかと思ったぁ!。パーシヴァル様のおかげで、助かるわぁ。」
と、ジョーは早速メニューを広げた。
「こういう特権は使わないとね。」
パーシヴァルは飄々とした態度で、ディーンにメニューを渡し、水を回し、何かと世話をやいている。
(う~ん・・・、かいがいしい・・・と思うのは間違いか・・・?。)
この半年、そういう目でパーシヴァルを観察すると、とにかく彼はディーンに優しい。しかも、その優しさはさりげなくて、ディーンに負担を感じさせない。でも、パーシヴァルの行動は、全てディーンの為になる様に、きっちり方向が向いているように感じるのだ。
(パーシヴァルが王女として生まれてたら、身分的にも性格的にもディーンとぴったりだったかもなぁ。・・・世の中上手く行かないもんだね。)
私は水を飲みながら、コップ越しに皆を見てみる。
リリーは相変わらず可愛い!。可愛い上に、最近背が伸びで大人っぽさが増した。2年生になると、いよいよ聖女候補として、他の二人の候補者と競う事になる。もちろん私は全力で応援するつもりだ。
ミリアも少し背が伸びたかな?。彼女は成績もずっと優秀で、しっかりしているので、先生方からの信頼も厚い。2年生になったら生徒会からのスカウトがあるのでは?と噂されているようだ。
ジョーは相変わらず明るくて、よく食べ、元気いっぱいだ。でも、そういう彼女が、意外と洞察力が鋭い事を、私は知っている。もともと背が高かったけど、さらに伸びたようだ。そしてそれはグローシアも同じで、二人ともスラリとして、その辺の男子よりもかっこいい。
(レティシアの描いた男装の絵は、凄く売れたらしいし。)
レティシアと言えば、最近、何処にいる時でもスケッチブックを持ち歩いている。そして隙あらば、ハンターの様な目で絵を描き始めるのだ。
どうやら、例の『裏の肖像画』の売り上げランキングで、レティシアは学園で2番の人気を誇っているとか。
レティシアは「1番人気の方には、全く敵わないのです。」と悔しそうにしていたが、描き手は20人位いるそうなので、充分凄いと思う。絵の単価はそれ程高くないし、レティシアの絵はかなり書きこまれているので、量産が難しいと思うのだが、そこそこの、お小遣い稼ぎになってるみたいだ。
ミリアは「そんな事やってるから、勉強がおろそかになるのよ!」と言いつつ、レティシアの宿題や課題を手伝ってあげていたようだ。
(でも、1番人気の描き手って、いったい誰じゃ?。それに、肖像画の売買って誰がどうやって仕切ってんの?。)
この大きな学園には、色んな謎があるのだ。
(まぁ、それは良いとして、2年生でレティも同じ上級クラスに入れたら良いけど。)
最後のテストでは、30番以内に入れたようだから、可能性はあるだろう。
私は次にクリフの方に目をやった。相変わらず見目麗しいが、前よりも少し体つきが男らしくなった気がする。そして以前からモテていたが、もっとモテる様になった。色んな事に前向きに取り組むようになったせいか、周りから見ても魅力が増したようなのだ。
(ちょっと天然っぽいとこもあって、そこも女子にはたまらんのだろうな。それに、あの美貌ときたら、たまに私でも、ヤバいと思うくらいだもんなぁ。)
クリフと二人で話してたりしたら、周りからの視線が痛い時がある。変なやっかみは受けたくないんだけど、クリフは私にとっては大事な友人なんだ。
(ちょっと話をしただけで、凄いジットリした目を向けられるんだよ。)
妙な噂は流されるし、たまったもんじゃない。
(まぁ、噂になっても、前みたいに慌てる必要は無くなったけどね。)
ディーンとの関係は、とっても良好なのである。
ディーンは相変わらず真面目でお固い性格だが、前よりもずっと話しやすくなった。それに私と会話してても、結構笑う様になった。多分、私もそうだろう。
でも、こんな風に親しくなってみると、周りから婚約者として見られる事が、逆に恥ずかしい。何と無く、こそばゆい気持ちになってしまうのだ。
そんな事を考えながら、私はランチの魚料理を口に放り込んだ。
「今日のダンスパーティは夕方の6時からでしたよね?」
「6時10分前に、寮の門で待ち合わせしましょうよ。」
女子達は、今夜のダンスパーティの話でもちきりだ。
会場は中庭に隣接しているから、寮からも遠くない。ゆっくり行っても充分間に合うし、別に途中から参加しても良いのだが、皆待ちきれないようだ。
面倒臭いことに、婚約者がいる者は、最初のダンスは二人で踊らなくてはいけないという、暗黙のルールがあるらしい。と言う事は、私はディーンと会うまで待っていなくてはいけないのだ。
(別に、私は誰かとダンスを踊りたい訳じゃないから良いんだけど、ディーンと踊りたがってる女子が、うじゃうじゃいるだろうからなぁ。さっさとディーンと踊って、さっさと離れよう!)
そう言えば、夢の中のアリアナも、ダンスホールでディーンを待っていた。ディーンと早く踊りたいって、待ち焦がれてた。そういう所は可愛かったけど。
(リリーのドレスを汚したりするのはサイテーだからね。)
私は心の中のアリアナにダメ出しした。何だか彼女がシュンとなってる気がして、笑いたくなる。
食事を終えて、私達はそれぞれ寮に戻った。後で、ダンスパーティで会う事を約束して。
ちなみにノエルはこの半年で全く変わっていない。相変わらず何があってもポジティブで、落ち込んでもすぐ浮上する。しかも、全く他人を恨まない。
(あれって、なかなか凄い才能だよねぇ。)
私は本気でそう思っているし、ある意味、尊敬の念さえ抱いている。
ちなみに身長は全く伸びてないそうだ。
「アリアナ様。最優秀成績者、おめでとうございます!」
「素晴らしかったですわ。アリアナ様と友人関係でいられて、本当に誇らしい気分ですわ。」
リリーとミリアが私の手を握って、まるで自分の事の様に喜んでくれた。
「壇上で賞状を受け取るアリアナ様のご雄姿、目に焼き付いておりますっ。」
グローシアなどは目に涙を浮かべている。
「ありがとうございます。皆と一緒に勉強したおかげです。」
とまぁ、さすがに「当然じゃ!」とは言えないので、そう言っておく。
私達は昼食をとる為に、学園のカフェテリアへと移動した。
途中、ディーンやクリフ達の男子組とも合流でしたので、随分と大人数になってしまった。でも、そこは第二皇子パーシヴァルのご威光で、広めの個室を使わせて貰える事になった。
「式が終わって、みんな一斉に食事に向かったから、座れないかと思ったぁ!。パーシヴァル様のおかげで、助かるわぁ。」
と、ジョーは早速メニューを広げた。
「こういう特権は使わないとね。」
パーシヴァルは飄々とした態度で、ディーンにメニューを渡し、水を回し、何かと世話をやいている。
(う~ん・・・、かいがいしい・・・と思うのは間違いか・・・?。)
この半年、そういう目でパーシヴァルを観察すると、とにかく彼はディーンに優しい。しかも、その優しさはさりげなくて、ディーンに負担を感じさせない。でも、パーシヴァルの行動は、全てディーンの為になる様に、きっちり方向が向いているように感じるのだ。
(パーシヴァルが王女として生まれてたら、身分的にも性格的にもディーンとぴったりだったかもなぁ。・・・世の中上手く行かないもんだね。)
私は水を飲みながら、コップ越しに皆を見てみる。
リリーは相変わらず可愛い!。可愛い上に、最近背が伸びで大人っぽさが増した。2年生になると、いよいよ聖女候補として、他の二人の候補者と競う事になる。もちろん私は全力で応援するつもりだ。
ミリアも少し背が伸びたかな?。彼女は成績もずっと優秀で、しっかりしているので、先生方からの信頼も厚い。2年生になったら生徒会からのスカウトがあるのでは?と噂されているようだ。
ジョーは相変わらず明るくて、よく食べ、元気いっぱいだ。でも、そういう彼女が、意外と洞察力が鋭い事を、私は知っている。もともと背が高かったけど、さらに伸びたようだ。そしてそれはグローシアも同じで、二人ともスラリとして、その辺の男子よりもかっこいい。
(レティシアの描いた男装の絵は、凄く売れたらしいし。)
レティシアと言えば、最近、何処にいる時でもスケッチブックを持ち歩いている。そして隙あらば、ハンターの様な目で絵を描き始めるのだ。
どうやら、例の『裏の肖像画』の売り上げランキングで、レティシアは学園で2番の人気を誇っているとか。
レティシアは「1番人気の方には、全く敵わないのです。」と悔しそうにしていたが、描き手は20人位いるそうなので、充分凄いと思う。絵の単価はそれ程高くないし、レティシアの絵はかなり書きこまれているので、量産が難しいと思うのだが、そこそこの、お小遣い稼ぎになってるみたいだ。
ミリアは「そんな事やってるから、勉強がおろそかになるのよ!」と言いつつ、レティシアの宿題や課題を手伝ってあげていたようだ。
(でも、1番人気の描き手って、いったい誰じゃ?。それに、肖像画の売買って誰がどうやって仕切ってんの?。)
この大きな学園には、色んな謎があるのだ。
(まぁ、それは良いとして、2年生でレティも同じ上級クラスに入れたら良いけど。)
最後のテストでは、30番以内に入れたようだから、可能性はあるだろう。
私は次にクリフの方に目をやった。相変わらず見目麗しいが、前よりも少し体つきが男らしくなった気がする。そして以前からモテていたが、もっとモテる様になった。色んな事に前向きに取り組むようになったせいか、周りから見ても魅力が増したようなのだ。
(ちょっと天然っぽいとこもあって、そこも女子にはたまらんのだろうな。それに、あの美貌ときたら、たまに私でも、ヤバいと思うくらいだもんなぁ。)
クリフと二人で話してたりしたら、周りからの視線が痛い時がある。変なやっかみは受けたくないんだけど、クリフは私にとっては大事な友人なんだ。
(ちょっと話をしただけで、凄いジットリした目を向けられるんだよ。)
妙な噂は流されるし、たまったもんじゃない。
(まぁ、噂になっても、前みたいに慌てる必要は無くなったけどね。)
ディーンとの関係は、とっても良好なのである。
ディーンは相変わらず真面目でお固い性格だが、前よりもずっと話しやすくなった。それに私と会話してても、結構笑う様になった。多分、私もそうだろう。
でも、こんな風に親しくなってみると、周りから婚約者として見られる事が、逆に恥ずかしい。何と無く、こそばゆい気持ちになってしまうのだ。
そんな事を考えながら、私はランチの魚料理を口に放り込んだ。
「今日のダンスパーティは夕方の6時からでしたよね?」
「6時10分前に、寮の門で待ち合わせしましょうよ。」
女子達は、今夜のダンスパーティの話でもちきりだ。
会場は中庭に隣接しているから、寮からも遠くない。ゆっくり行っても充分間に合うし、別に途中から参加しても良いのだが、皆待ちきれないようだ。
面倒臭いことに、婚約者がいる者は、最初のダンスは二人で踊らなくてはいけないという、暗黙のルールがあるらしい。と言う事は、私はディーンと会うまで待っていなくてはいけないのだ。
(別に、私は誰かとダンスを踊りたい訳じゃないから良いんだけど、ディーンと踊りたがってる女子が、うじゃうじゃいるだろうからなぁ。さっさとディーンと踊って、さっさと離れよう!)
そう言えば、夢の中のアリアナも、ダンスホールでディーンを待っていた。ディーンと早く踊りたいって、待ち焦がれてた。そういう所は可愛かったけど。
(リリーのドレスを汚したりするのはサイテーだからね。)
私は心の中のアリアナにダメ出しした。何だか彼女がシュンとなってる気がして、笑いたくなる。
食事を終えて、私達はそれぞれ寮に戻った。後で、ダンスパーティで会う事を約束して。
ちなみにノエルはこの半年で全く変わっていない。相変わらず何があってもポジティブで、落ち込んでもすぐ浮上する。しかも、全く他人を恨まない。
(あれって、なかなか凄い才能だよねぇ。)
私は本気でそう思っているし、ある意味、尊敬の念さえ抱いている。
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