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第7章 悪役令嬢は目覚めたくない
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(ロリコンだ・・・変態がもう一人いたんだ・・・くっそぉ、油断した。まさかあの先生が・・・)
あの人と二人っきりで授業していた事を思い出して、ぞーっとする。
「レティ!あ、あんた、まさか先生にアリアナ様のいかがわしい絵を・・・」
ミリアがすごい剣幕でレティシアに詰め寄った。
「描いてない!描いてないわよ!。私だっておかしいと思ったもの!。結局先生は私の絵のファンでも何でも無くて、アリアナ様の絵が欲しかっただけなのよ!だから、ちゃんと断ったってば!」
普段大人しいレティシアが両手を振り上げながら叫び、そして音を立てて机に崩れ落ちた。
「私だってショックだったのよ!私の絵を認めてくれたんだって思ったのに・・・。でも、我に返って気付いたの。私、それまで先生にアリアナ様の絵をたくさん売ってて・・・ちょっと際どい構図の物もあったし・・・。もしかしたら危険な人なんじゃないかって思ったら怖くなってしまったのよ・・・。アリアナ様になんて申し訳ない事をしたんだろうって!。そ、そうしたらアリアナ様がこんな事になってしまって。私もう、心苦しくって・・・」
わぁ~っと声をあげて泣き出してしまった。
(ああ、レティ・・・)
ここまで後悔に涙しているレティシアを見ていると、さすがに可哀そうになって来る。
(今回の事件には関係無かったんだし・・・。もう、許してあげて欲しいんだけど)
スクリーンのアリアナの視点はレティシアにロックオンされたままだ。そして、
「レティ・・・」
アリアナの静かな声にレティシアの肩がビクッと踊った。
「ご、ごめんなさい、アリアナ様・・・私」
「そうね、あなたのした事はとても浅はかだったと思うわ」
青かったレティの顔色が、今度は白に近くなった。
「わたくしも、あの子も、あのような下痺た人間の事は、特に嫌悪しておりますのよ」
(ちょ、ちょっとアリアナ!)
「だから、あのような下賤な者に、貴女の絵を売るなんて勿体無いでしょう?」
「・・・え?」
(ん?)
アリアナの声が柔らかい。
「貴女の絵は美しくてよ。もう少し見る目のある方にお売りなさいな。それに学生の間は『裏の肖像画』を通す事をお勧めするわ。そうですわよねぇ、殿下?」
「・・・ああ、そうだな」
トラヴィスは落ち着いた笑みを浮かべて頷いた。内心はどう思ってるかは知らないが・・・。
レティシアは口元に手をやると、涙をぽろぽろこぼし、
「ア、アリアナ様、ありがとうございます・・・本当に、申し訳ありませんでした」
「もう、宜しくてよ」
アリアナはそう言って優雅にお茶を飲んだ。
(か・・・格好いい・・・)
何、このお洒落な許し方!?
私はソファにもたれたまま両手で顔を覆って頭を振った。
(どうしよう!?アリアナが格好良すぎる!)
どやっ!?このアリアナのお嬢様っぷりは!と、周りに自慢したいくらいだった。
スクリーンに目を戻すと、毒気を抜かれた様な皆の顔が映し出されている。
パーシヴァルがやれやれといった表情で、
「OK。アリアナ嬢が許したのなら良いや。レティシア嬢に聞く事はもう無いよ。次は・・・ジョー?」
アリアナの視点がジョーに変わる。ジョーの表情に変化は無い。慌てた様子も見られなかった。
「何?」
「君も、隠している事があるよね?」
パーシヴァルの問いにジョーは不敵とも見える笑みを浮かべた。
「だったらどうなの?。誰だって隠し事の一つや二つあるでしょ」
「確かに君の言う通りだね」
パーシヴァルは両腕を広げて肩をすくめた。
「だけど、それってアリアナ嬢に関係する事だよね?。今はこんな状況だからね、出来れば話して貰えたら助かるんだけど?。君がアリアナ嬢を助けたいと思ってるのならね」
パーシヴァルとジョーの視線が交じる。
(珍しいな。こんなジョーは・・・)
ジョーは思った事が口に出る性格で、物事をあまり気にしない。そのジョーが頑な態度を見せている。
(とういう事はきっと・・・)
「ジョーが黙ってるのは、ケイシー様に関係のある事だからですわね?」
アリアナが私の考えた事をそっくりそのまま言った。
「ジョーが彼女らしく無い態度をとる時は、大抵ケイシー様の事ですですもの」
ジョーの口がムッとへの字になる。やっぱり図星のようだ。
(ジョーはケイシーが大好きだもんなぁ)
ケイシー・バークレイ。
ミリアの兄で攻略者の一人。
確か、トラヴィスは同じクラスでずっと友人のはず。ゲームでは2年の途中でリリーと出会うイベントがあるはずだけど、
(ここまでストーリーが変わってきてるとなぁ・・・)
同じ展開は期待できないだろう。
ちなみにゲームでヒロインとケイシーの好感度が上がった時、ヒロインを積極的に攻撃していたのは、主にエメライン王女の取り巻きだった『女生徒B』だった。多分、それがジョーだったのだろう。
あの人と二人っきりで授業していた事を思い出して、ぞーっとする。
「レティ!あ、あんた、まさか先生にアリアナ様のいかがわしい絵を・・・」
ミリアがすごい剣幕でレティシアに詰め寄った。
「描いてない!描いてないわよ!。私だっておかしいと思ったもの!。結局先生は私の絵のファンでも何でも無くて、アリアナ様の絵が欲しかっただけなのよ!だから、ちゃんと断ったってば!」
普段大人しいレティシアが両手を振り上げながら叫び、そして音を立てて机に崩れ落ちた。
「私だってショックだったのよ!私の絵を認めてくれたんだって思ったのに・・・。でも、我に返って気付いたの。私、それまで先生にアリアナ様の絵をたくさん売ってて・・・ちょっと際どい構図の物もあったし・・・。もしかしたら危険な人なんじゃないかって思ったら怖くなってしまったのよ・・・。アリアナ様になんて申し訳ない事をしたんだろうって!。そ、そうしたらアリアナ様がこんな事になってしまって。私もう、心苦しくって・・・」
わぁ~っと声をあげて泣き出してしまった。
(ああ、レティ・・・)
ここまで後悔に涙しているレティシアを見ていると、さすがに可哀そうになって来る。
(今回の事件には関係無かったんだし・・・。もう、許してあげて欲しいんだけど)
スクリーンのアリアナの視点はレティシアにロックオンされたままだ。そして、
「レティ・・・」
アリアナの静かな声にレティシアの肩がビクッと踊った。
「ご、ごめんなさい、アリアナ様・・・私」
「そうね、あなたのした事はとても浅はかだったと思うわ」
青かったレティの顔色が、今度は白に近くなった。
「わたくしも、あの子も、あのような下痺た人間の事は、特に嫌悪しておりますのよ」
(ちょ、ちょっとアリアナ!)
「だから、あのような下賤な者に、貴女の絵を売るなんて勿体無いでしょう?」
「・・・え?」
(ん?)
アリアナの声が柔らかい。
「貴女の絵は美しくてよ。もう少し見る目のある方にお売りなさいな。それに学生の間は『裏の肖像画』を通す事をお勧めするわ。そうですわよねぇ、殿下?」
「・・・ああ、そうだな」
トラヴィスは落ち着いた笑みを浮かべて頷いた。内心はどう思ってるかは知らないが・・・。
レティシアは口元に手をやると、涙をぽろぽろこぼし、
「ア、アリアナ様、ありがとうございます・・・本当に、申し訳ありませんでした」
「もう、宜しくてよ」
アリアナはそう言って優雅にお茶を飲んだ。
(か・・・格好いい・・・)
何、このお洒落な許し方!?
私はソファにもたれたまま両手で顔を覆って頭を振った。
(どうしよう!?アリアナが格好良すぎる!)
どやっ!?このアリアナのお嬢様っぷりは!と、周りに自慢したいくらいだった。
スクリーンに目を戻すと、毒気を抜かれた様な皆の顔が映し出されている。
パーシヴァルがやれやれといった表情で、
「OK。アリアナ嬢が許したのなら良いや。レティシア嬢に聞く事はもう無いよ。次は・・・ジョー?」
アリアナの視点がジョーに変わる。ジョーの表情に変化は無い。慌てた様子も見られなかった。
「何?」
「君も、隠している事があるよね?」
パーシヴァルの問いにジョーは不敵とも見える笑みを浮かべた。
「だったらどうなの?。誰だって隠し事の一つや二つあるでしょ」
「確かに君の言う通りだね」
パーシヴァルは両腕を広げて肩をすくめた。
「だけど、それってアリアナ嬢に関係する事だよね?。今はこんな状況だからね、出来れば話して貰えたら助かるんだけど?。君がアリアナ嬢を助けたいと思ってるのならね」
パーシヴァルとジョーの視線が交じる。
(珍しいな。こんなジョーは・・・)
ジョーは思った事が口に出る性格で、物事をあまり気にしない。そのジョーが頑な態度を見せている。
(とういう事はきっと・・・)
「ジョーが黙ってるのは、ケイシー様に関係のある事だからですわね?」
アリアナが私の考えた事をそっくりそのまま言った。
「ジョーが彼女らしく無い態度をとる時は、大抵ケイシー様の事ですですもの」
ジョーの口がムッとへの字になる。やっぱり図星のようだ。
(ジョーはケイシーが大好きだもんなぁ)
ケイシー・バークレイ。
ミリアの兄で攻略者の一人。
確か、トラヴィスは同じクラスでずっと友人のはず。ゲームでは2年の途中でリリーと出会うイベントがあるはずだけど、
(ここまでストーリーが変わってきてるとなぁ・・・)
同じ展開は期待できないだろう。
ちなみにゲームでヒロインとケイシーの好感度が上がった時、ヒロインを積極的に攻撃していたのは、主にエメライン王女の取り巻きだった『女生徒B』だった。多分、それがジョーだったのだろう。
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