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第二章 新たなライバルで変化!?
第11話 廊下で見知らぬドジっ子を助けたら
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幼馴染の告白場面を見て何も思わなかったは、もちろん本音じゃなかった。
ただ、木下や河神は鈴菜が事務室に寝に行ってることを知ってる友達だ。そんな親しい奴らに気持ちを全て知られるのが嫌なだけで、鈴菜のことを何とも思ってないなんてそんなことはなくて、でも俺の中でまだそういう段階じゃないっていう訳が分からなくなってる状態。
何せ風呂場で洗いっこまでしてる幼馴染なんて聞いたことがないからな。距離が近いけど好きとか恋だとかはまた別というか、俺にもよく分からなくなってる。
「は、話ってなんでしょうか?」
「まぁた、敬語使う~! 駄目だよ~? わたしには素直になれって言われたよね~?」
「そ、そうだった」
幼馴染としてあんまり意識してこなかったし、こうして間近で話してても特別な意識なんて――
「――ん~? ん~ん~? 貴俊くんはどうしてわたしの目を見れないのかなぁ?」
「のわっ!?」
無意識に俺の顔を覗き込んでくる鈴菜の顔が近すぎる。幼馴染だからって近すぎだと思うんだが。
「あ~え~っと、鈴菜」
「ふぇ? え、なになに~?」
「……落ち着け」
俺自身も冷静になるために、鈴菜の両肩に手を置いて一定の距離を取らせてもらった。
「あ、うん~」
いくらくつろぎスペースでも誰も来ないわけじゃないし、このままここで話すのもちょっとな。
「とりあえず、ここ図書室だから一緒に帰りながらでいいか?」
「そっか~それもそうだね。ということは、貴俊くん一緒に帰ってくれるんだ?」
「そうなるな」
「やった~!」
いや、騒いでどうする。
二人で図書室から出ると、放課後なせいもあって廊下には誰も歩いていなかった。図書室自体がそもそも人がいないけど。
教室にスク―ルバッグを取りに向かおうとすると、鈴菜が俺の前を歩きだしてすぐに振り向いた。
「貴俊くんはこのまま昇降口に向かってて~!」
「ん?」
「わたしがまとめてスクバ持ってくるから~」
「え、いいのか?」
「そうしたいの~!」
鈴菜とは朝の登校は一緒になることがまあまああるが、下校の時は俺のバイトシフトの関係もあったりして帰りまで一緒になることはあまりない。
それだけに嬉しさが爆発して俺の分のバッグまで持ってこようとしてるとか、本当に滅多にないことで驚いた。
俺のバッグはそこまで重さはないものの、男子と女子では……などと心配にはなる。
教室に向かった鈴菜を心配しながら考え事をしていると、正面から小柄な金髪女子が歩いてくるのが見える。
学園にはそこそこギャルがいるが、こうして真正面から見るのは初めてかも。まぁ、ギャルと決めつけるのは良くないけど。
井澄学園の廊下は廊下に予算でもかけたのかと思うくらい幅が広く、すれ違うのに何の神経も使う必要がなく、床もフラットでどこかが出っ張っているところも見当たらない。
それなのに。
その女子は俺の目の前でいきなり派手に転び、廊下中に派手な音を出した。幸いにも見ているのが俺だけだったせいか、その女子はすくっと顔を上げ何事もなかったかのように立ち上がってみせた。
「うぅ、ちくしょ~……何もないのにまた転んじゃったぜ~」
そう言いながらどこか痛めたのか、その場で膝をついて状態を確かめている。しかもなぜか俺をチラッと見ながら。
……これはアレか、天然のドジっ子なのでは?
俺に助けて欲しいのがミエミエなので、注文通りにドジっ子に近づいて手を貸すことにした。
「えっと、大丈夫?」
「さっさと手を貸してほしかったんだけど~……君は目の前で困ってる女子を見ても素通りする冷たい男の子か?」
「そんなことは……」
「それとも可愛い子にしか興味ないゲスゲス男子?」
小柄だけど言ってることが結構辛口で気が強いな。本人は気にしてるみたいだが、このドジっ子も可愛い部類に入るんじゃないのか?
「まぁ、君ごときに守られんでも誰かが勝手に守ってくれるから今の状態が出来てるんだけど」
分かる気がする。何もないところで転んだら守ってあげたくなるもんな。
「ごとき……って、そんなこと言われても誰かを守るとか慣れてないんで……」
鈴菜を守ってやってるかというとそんなでも無いだろうし。
「へ~? 他の男子と反応が違うね?」
ちょっと手を貸しただけだし、早いところ昇降口に向かわねば。
「じゃ、今度は気を付けて」
「ちょい待ち!」
そう言って小柄女子が俺の手を握ってくる。
「な、何か?」
「帰るから急いでる? 違う?」
「そうですが……」
「あたしも連れて行ってくれ! 一人だとまた転んじゃうかもだから」
見知らぬ小柄女子、しかも名前も知らない人に手を握られたら逃げようがないので、仕方なく鈴菜が待っている昇降口に向かう。
手を強制的に握られているだけなので目的地まで口を開かずにいたが、小柄女子も特に何も言ってこなかった。
「あ~! 貴俊くん、おそ~い! 廊下を歩くだけなのにな~にしてたの~……あれっ? 響ちゃん先輩? え~なんで~?」
響ちゃんなのに先輩なのか。
――まてまて、先輩って言った?
「ははぁ、やっぱり鈴菜っちの男だったね~うんうん」
「鈴菜。この人は……?」
というか、手を離してほしいぞ。
「響ちゃん先輩は~井澄学園一位さんなんだよ~! すごぉい~偶然の出会いだぁ~」
ただ、木下や河神は鈴菜が事務室に寝に行ってることを知ってる友達だ。そんな親しい奴らに気持ちを全て知られるのが嫌なだけで、鈴菜のことを何とも思ってないなんてそんなことはなくて、でも俺の中でまだそういう段階じゃないっていう訳が分からなくなってる状態。
何せ風呂場で洗いっこまでしてる幼馴染なんて聞いたことがないからな。距離が近いけど好きとか恋だとかはまた別というか、俺にもよく分からなくなってる。
「は、話ってなんでしょうか?」
「まぁた、敬語使う~! 駄目だよ~? わたしには素直になれって言われたよね~?」
「そ、そうだった」
幼馴染としてあんまり意識してこなかったし、こうして間近で話してても特別な意識なんて――
「――ん~? ん~ん~? 貴俊くんはどうしてわたしの目を見れないのかなぁ?」
「のわっ!?」
無意識に俺の顔を覗き込んでくる鈴菜の顔が近すぎる。幼馴染だからって近すぎだと思うんだが。
「あ~え~っと、鈴菜」
「ふぇ? え、なになに~?」
「……落ち着け」
俺自身も冷静になるために、鈴菜の両肩に手を置いて一定の距離を取らせてもらった。
「あ、うん~」
いくらくつろぎスペースでも誰も来ないわけじゃないし、このままここで話すのもちょっとな。
「とりあえず、ここ図書室だから一緒に帰りながらでいいか?」
「そっか~それもそうだね。ということは、貴俊くん一緒に帰ってくれるんだ?」
「そうなるな」
「やった~!」
いや、騒いでどうする。
二人で図書室から出ると、放課後なせいもあって廊下には誰も歩いていなかった。図書室自体がそもそも人がいないけど。
教室にスク―ルバッグを取りに向かおうとすると、鈴菜が俺の前を歩きだしてすぐに振り向いた。
「貴俊くんはこのまま昇降口に向かってて~!」
「ん?」
「わたしがまとめてスクバ持ってくるから~」
「え、いいのか?」
「そうしたいの~!」
鈴菜とは朝の登校は一緒になることがまあまああるが、下校の時は俺のバイトシフトの関係もあったりして帰りまで一緒になることはあまりない。
それだけに嬉しさが爆発して俺の分のバッグまで持ってこようとしてるとか、本当に滅多にないことで驚いた。
俺のバッグはそこまで重さはないものの、男子と女子では……などと心配にはなる。
教室に向かった鈴菜を心配しながら考え事をしていると、正面から小柄な金髪女子が歩いてくるのが見える。
学園にはそこそこギャルがいるが、こうして真正面から見るのは初めてかも。まぁ、ギャルと決めつけるのは良くないけど。
井澄学園の廊下は廊下に予算でもかけたのかと思うくらい幅が広く、すれ違うのに何の神経も使う必要がなく、床もフラットでどこかが出っ張っているところも見当たらない。
それなのに。
その女子は俺の目の前でいきなり派手に転び、廊下中に派手な音を出した。幸いにも見ているのが俺だけだったせいか、その女子はすくっと顔を上げ何事もなかったかのように立ち上がってみせた。
「うぅ、ちくしょ~……何もないのにまた転んじゃったぜ~」
そう言いながらどこか痛めたのか、その場で膝をついて状態を確かめている。しかもなぜか俺をチラッと見ながら。
……これはアレか、天然のドジっ子なのでは?
俺に助けて欲しいのがミエミエなので、注文通りにドジっ子に近づいて手を貸すことにした。
「えっと、大丈夫?」
「さっさと手を貸してほしかったんだけど~……君は目の前で困ってる女子を見ても素通りする冷たい男の子か?」
「そんなことは……」
「それとも可愛い子にしか興味ないゲスゲス男子?」
小柄だけど言ってることが結構辛口で気が強いな。本人は気にしてるみたいだが、このドジっ子も可愛い部類に入るんじゃないのか?
「まぁ、君ごときに守られんでも誰かが勝手に守ってくれるから今の状態が出来てるんだけど」
分かる気がする。何もないところで転んだら守ってあげたくなるもんな。
「ごとき……って、そんなこと言われても誰かを守るとか慣れてないんで……」
鈴菜を守ってやってるかというとそんなでも無いだろうし。
「へ~? 他の男子と反応が違うね?」
ちょっと手を貸しただけだし、早いところ昇降口に向かわねば。
「じゃ、今度は気を付けて」
「ちょい待ち!」
そう言って小柄女子が俺の手を握ってくる。
「な、何か?」
「帰るから急いでる? 違う?」
「そうですが……」
「あたしも連れて行ってくれ! 一人だとまた転んじゃうかもだから」
見知らぬ小柄女子、しかも名前も知らない人に手を握られたら逃げようがないので、仕方なく鈴菜が待っている昇降口に向かう。
手を強制的に握られているだけなので目的地まで口を開かずにいたが、小柄女子も特に何も言ってこなかった。
「あ~! 貴俊くん、おそ~い! 廊下を歩くだけなのにな~にしてたの~……あれっ? 響ちゃん先輩? え~なんで~?」
響ちゃんなのに先輩なのか。
――まてまて、先輩って言った?
「ははぁ、やっぱり鈴菜っちの男だったね~うんうん」
「鈴菜。この人は……?」
というか、手を離してほしいぞ。
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