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第三章 見えない幼馴染と見られる幼馴染
第33話 意識したって認めるんだ?
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濡れたタオル姿の鈴菜を浴室に残し、先に俺だけ洗面所に出た――までは良かったものの、俺だけ致命的な問題があった。
真っ裸で浴室に直行した俺には着替えの服がなく、あるのは洗面所にあるタオル類のみでしかも、濡れた服が乾燥機にすら入ってない。
その時点で、俺のずぶ濡れた制服類は恐らく玄関に放置されたままという予想が出来るうえ、浴室から出てくる鈴菜を待つ以外に手段はないことを意味する。
現実を知りつつ、とりあえず適当なバスタオルを借りて鈴菜を待つことに。
「あれ? 貴俊ってまだここにいたんだ?」
そう言いながらバスタオル姿のまま鈴菜が浴室から出てきた。流石に濡れたままではなく、ある程度絞ったようで床に水がつかない。
……というか、俺への言葉遣いがまた元通りに戻ってるな。一時的に気が緩んだだけだったみたいだ。
「鈴菜が出てくるのを待ってました」
ここは以前のように低姿勢かつ敬語で話す。ついでにその場で土下座でも何でもしてしまう。そうしないと駄目な気がする。
「……ふ~ん。それって、ここでも裸を見たいから?」
「流石にそれは」
「見たくないんだ?」
これはどう言うのが正解なんだ?
しかし今までこんなことを平気でしてきてる以上、特に捻った回答ではないはず。
「見たいけど、別にそれが目当てじゃない。俺が鈴菜を待っていたのは、俺の着替えをどうすればいいのかを訊きたかっただけだし」
「……じゃあ、わたしに対して全然その気にならないんだ?」
その気って、エロい意味か?
それとも――いや、これだけは正直に打ち明けてしまおう。
「――意識した。以前の鈴菜と全然違くて、そのせいか分からないけど何だかこう、緊張しながら風呂に入ってた。えっと、胸を触ったのは事故だからそれはごめん!」
これは俺の本当の気持ちだ。脱力系だった時は慣れもあって鈴菜になかなか緊張するなんてことにはならなかったけど、今は違う。
「……髪を短くして言葉も変えただけなのに?」
それだけじゃないが、俺の中での意識は間違いなく変わってしまった。
「君の言いたいこと、全部正直に話していいよ」
「――な、何を?」
「無抵抗におっぱいを触られたのに全然平気な顔をするわたしが気に入らない。そうだろ?」
「違う!」
何の話かと思えばそっちか。俺の中ではあの感触は、とっくの昔に消去されていたというのに。
だけど鈴菜は密かに気にしていたと。
「そうじゃなくて、だから……俺が鈴菜を意識しすぎたから、だからその、つまり……好きって気づいたってことなんじゃないか?」
「ふ、ふ~ん……」
何だか特に喜んでないな。俺的に告白みたいなことを言ったと思うんだが、鈴菜はあまり気にしてないような気がする。
「わたしのおっぱいはともかく、わたしの変わりようで貴俊は意識しちゃったと。そういう意味?」
「そういう意味でいい」
好きと言ったのに意識ってところだけは気にするのか。
「そ……そうなんだ。じゃあいい……」
「それだけ?」
「他に何かある?」
「……いや」
これ以上気にしても俺が言った【好き】って言葉に全く気付いてないどころか、その言葉に意識してないみたいだし、これ以外に何か言っても無駄だな。
「ところで、俺の着替えというか何か代わりのものって……」
肝心の俺の今の姿に全く意識してないのも何か悲しい。流石に急所部分に視線をやってないのは助かるが。
「タオルとかならその辺の棚に入ってるんだから、好きに使えば?」
「だよな。悪い」
その通りなんだけど一応確認はしておかないと。今までみたいに何も意識してなかった時は自分の家のように自由に動いていたが、今は全く違うわけだし。
「……わたしは着替えるから、後ろ向くかそのままリビングに行っててくれる?」
「後ろを向くからタオルを渡してもらえると~……」
「わがままだなぁ、君は。それとも、もしかして君……甘えてる?」
「そんなつもりはないけど……」
鈴菜の考えはどこかずれてるんだよな。何で今までしてきたことが俺の甘えになるのか。
しかし、そう思う方がいい方に向かうなら肯定しとく方が楽だ。
「でも、そうだな。俺、鈴菜に甘えてるかも」
「そうなんだ? 甘えられるんじゃなくて、甘えたい男の子なんだ?」
俺自身はそうじゃないと思っているが、鈴菜の機嫌が良くなるきっかけになるのであれば甘えたい方になるのは問題ない。
「そ、そう。俺は甘えたい奴だったんだ。悪いな、申告するのが遅れて……」
「…………ふ~ん」
あれ、いまいちな反応?
もしや俺の嘘に気づいてしまったのか?
「あ~えっと、とりあえず適当にタオル探して借りることにするから、俺を気にしないで着替えていいから」
「……ん」
俺の甘えたい宣言に呆れたのか鈴菜はバスタオル姿のまま動こうとしないが、俺はその辺の棚を開け、手頃サイズのタオルを出すことに。
そして、そのまま下半身だけ隠して先にリビングに避難する。
「鈴菜。俺、先にリビングにいるから早く着替えて戻ってこいよ~? 風邪ひくぞ」
一応背中際の鈴菜に向けて声をかけ、俺だけリビングに戻った。あの様子だとしばらく出てこないと思われるが。
「え? ええええ? ウソウソ……貴俊くん、わたしのことを好きって言ってた。え、しかもしかも、本当は甘えたい男の子とか! わたしがこの姿に変わったからなの!? え~!? どうしよどうしよ……キリのいいところで戻ろうと思ってたのに~! 嬉しすぎるんだが!!」
真っ裸で浴室に直行した俺には着替えの服がなく、あるのは洗面所にあるタオル類のみでしかも、濡れた服が乾燥機にすら入ってない。
その時点で、俺のずぶ濡れた制服類は恐らく玄関に放置されたままという予想が出来るうえ、浴室から出てくる鈴菜を待つ以外に手段はないことを意味する。
現実を知りつつ、とりあえず適当なバスタオルを借りて鈴菜を待つことに。
「あれ? 貴俊ってまだここにいたんだ?」
そう言いながらバスタオル姿のまま鈴菜が浴室から出てきた。流石に濡れたままではなく、ある程度絞ったようで床に水がつかない。
……というか、俺への言葉遣いがまた元通りに戻ってるな。一時的に気が緩んだだけだったみたいだ。
「鈴菜が出てくるのを待ってました」
ここは以前のように低姿勢かつ敬語で話す。ついでにその場で土下座でも何でもしてしまう。そうしないと駄目な気がする。
「……ふ~ん。それって、ここでも裸を見たいから?」
「流石にそれは」
「見たくないんだ?」
これはどう言うのが正解なんだ?
しかし今までこんなことを平気でしてきてる以上、特に捻った回答ではないはず。
「見たいけど、別にそれが目当てじゃない。俺が鈴菜を待っていたのは、俺の着替えをどうすればいいのかを訊きたかっただけだし」
「……じゃあ、わたしに対して全然その気にならないんだ?」
その気って、エロい意味か?
それとも――いや、これだけは正直に打ち明けてしまおう。
「――意識した。以前の鈴菜と全然違くて、そのせいか分からないけど何だかこう、緊張しながら風呂に入ってた。えっと、胸を触ったのは事故だからそれはごめん!」
これは俺の本当の気持ちだ。脱力系だった時は慣れもあって鈴菜になかなか緊張するなんてことにはならなかったけど、今は違う。
「……髪を短くして言葉も変えただけなのに?」
それだけじゃないが、俺の中での意識は間違いなく変わってしまった。
「君の言いたいこと、全部正直に話していいよ」
「――な、何を?」
「無抵抗におっぱいを触られたのに全然平気な顔をするわたしが気に入らない。そうだろ?」
「違う!」
何の話かと思えばそっちか。俺の中ではあの感触は、とっくの昔に消去されていたというのに。
だけど鈴菜は密かに気にしていたと。
「そうじゃなくて、だから……俺が鈴菜を意識しすぎたから、だからその、つまり……好きって気づいたってことなんじゃないか?」
「ふ、ふ~ん……」
何だか特に喜んでないな。俺的に告白みたいなことを言ったと思うんだが、鈴菜はあまり気にしてないような気がする。
「わたしのおっぱいはともかく、わたしの変わりようで貴俊は意識しちゃったと。そういう意味?」
「そういう意味でいい」
好きと言ったのに意識ってところだけは気にするのか。
「そ……そうなんだ。じゃあいい……」
「それだけ?」
「他に何かある?」
「……いや」
これ以上気にしても俺が言った【好き】って言葉に全く気付いてないどころか、その言葉に意識してないみたいだし、これ以外に何か言っても無駄だな。
「ところで、俺の着替えというか何か代わりのものって……」
肝心の俺の今の姿に全く意識してないのも何か悲しい。流石に急所部分に視線をやってないのは助かるが。
「タオルとかならその辺の棚に入ってるんだから、好きに使えば?」
「だよな。悪い」
その通りなんだけど一応確認はしておかないと。今までみたいに何も意識してなかった時は自分の家のように自由に動いていたが、今は全く違うわけだし。
「……わたしは着替えるから、後ろ向くかそのままリビングに行っててくれる?」
「後ろを向くからタオルを渡してもらえると~……」
「わがままだなぁ、君は。それとも、もしかして君……甘えてる?」
「そんなつもりはないけど……」
鈴菜の考えはどこかずれてるんだよな。何で今までしてきたことが俺の甘えになるのか。
しかし、そう思う方がいい方に向かうなら肯定しとく方が楽だ。
「でも、そうだな。俺、鈴菜に甘えてるかも」
「そうなんだ? 甘えられるんじゃなくて、甘えたい男の子なんだ?」
俺自身はそうじゃないと思っているが、鈴菜の機嫌が良くなるきっかけになるのであれば甘えたい方になるのは問題ない。
「そ、そう。俺は甘えたい奴だったんだ。悪いな、申告するのが遅れて……」
「…………ふ~ん」
あれ、いまいちな反応?
もしや俺の嘘に気づいてしまったのか?
「あ~えっと、とりあえず適当にタオル探して借りることにするから、俺を気にしないで着替えていいから」
「……ん」
俺の甘えたい宣言に呆れたのか鈴菜はバスタオル姿のまま動こうとしないが、俺はその辺の棚を開け、手頃サイズのタオルを出すことに。
そして、そのまま下半身だけ隠して先にリビングに避難する。
「鈴菜。俺、先にリビングにいるから早く着替えて戻ってこいよ~? 風邪ひくぞ」
一応背中際の鈴菜に向けて声をかけ、俺だけリビングに戻った。あの様子だとしばらく出てこないと思われるが。
「え? ええええ? ウソウソ……貴俊くん、わたしのことを好きって言ってた。え、しかもしかも、本当は甘えたい男の子とか! わたしがこの姿に変わったからなの!? え~!? どうしよどうしよ……キリのいいところで戻ろうと思ってたのに~! 嬉しすぎるんだが!!」
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