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アフターストーリー 2
魔導師たちの近況報告会:シャムガルド帝国編
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トージとコムギが一緒に暮らし、漁村の周辺を歩き回り悠久の魔導師レイモンに出会ったそんな頃――とある場所では、トージの移動販売スキルの喪失、それに代わる新スキルの存在などなど、トージとコムギの近況について話し合いが行われようとしていた。
――シャムガルド帝国のどこか。
「遅いのだ! ルーナはいつもいつも遅れてくるのだ!!」
そう言ってカリカリしてるのは、猫獣人魔導師のシャムだ。元はと言えばシャムのうっかりでトージのスキルが使えなくなったようなものだったが、シャム本人に自覚はなかった。
「まぁまぁ。ルーナが遅刻してくるのは今に始まったことじゃないだろう? シャムだって今回の会合が帝国だから遅れないだけで、別の拠点だったらすぐには行ってないはずだ」
「アイゼルクラスはいちいちうるさいのだ! 猫には猫の身支度があるのだ」
「はいはい」
魔導世界の各拠点に存在する魔導師たち。彼らは世界で起きている出来事、関心事を定期的に報告し合っては気まぐれに集団行動をする変わり者でもあった。
彼らは同じ場所で会合を開くことはなく、毎回のように場所を変えている。魔導師の多くは自分たちの居場所を知られたくない思いがあるからだ。
「やぁ、待たせたねぇ。アイゼル君、シャム」
「ガルス! 君が会合に来るなんて珍しいな。あぁ、そうか。君も関わってるからか」
「うむ。我はスキルが使えなくなった彼の元に密かに贈り物をしたのだよ。持つべきものは商人だねぇ」
「商人? それは僕も知ってる商人かい?」
「うむ! 同じだな」
アイゼルクラスとガルスは気が合う魔導師のようで、楽しそうに話をしている。
それに対し、シャムは退屈そうな様子で近くをうろちょろし始め、走り回ったり寝転がったりとかなり落ち着かない。
「それにしても魔導師姉妹は国を治めているから仕方がないが、相変わらず非協力的な魔導師ばかりだねぇ」
「ローニのことか? 奴はドワーフだからな。地上に出ることを面倒くさがる奴だから仕方あるまい」
「退屈なのだ~退屈すぎるのだ~!!」
「……いつでも動ける魔導師というのも微妙なものだねぇ」
退屈すぎてあくびをするシャムを見ながら二人の魔導師は呆れるも、特に相手をするつもりはないようで、ゆっくりと茶を啜っている。
「お待たせしましたわね、アイゼル、それとガルス。ついでにシャムも」
魔導師二人と猫魔導師が退屈そうにしている中、どこから現れたか分からないタイミングで魔導師ルーナが姿を見せた。
「遅すぎるのだ、ルーナ!!」
「あら、そんなにわたくしを待ち望んでいたのですか?」
「当たり前なのだ! ボクはルーナとしか話が合わないのだ。早く話を始めるのだ!」
シャムはそう言ってルーナにしがみつくが、ルーナは慣れたようにかわして涼しい顔を見せる。
「アイゼル。いつも思いますけれど、他の魔導師ときちんと連絡をしているのですか?」
「ハッハッハー。してるよ。だが中々来てくれなくてね~」
「……交流のない魔導師を除けば連絡は取れるはずでしょうに。よほど会いたくないということなんでしょうね……」
世界各地の魔導師は個性が強すぎるせいか、ウマが合う魔導師以外の者とはほとんど会うことがなく、会合で揃うことはほとんどないようだ。
「アイゼルなんてどうでもいいのだ。ルーナの話が聞きたいのだ!」
「ハハハ……手厳しいねぇ。さて、ルーナ」
気楽そうなアイゼルクラスは苦笑しながらも、ルーナを見ながら頷く。
「……では、近況報告を始めましょう!」
魔導師の中の筆頭である魔導師ルーナの掛け声で近況報告が始まろうとしていた。
「そういえばシャム。あなた、ムギヤマさんから預かった石板と魔導車は誰に預けているのです?」
「ニャッ!? 魔導車と石板はペリア王国の工房に預けたのだ」
ルーナの詰め寄りにシャムは体を震わせ怯えているが、ルーナは構わずシャムに詰め寄る。
「人任せにするなんて、全く……。ムギヤマさんがどれほど苦労なさっているか、シャムには分からないでしょうね」
「ムギヤマさんは頑張っているようだねぇ」
「うむ。我が与えた種と植木鉢を上手く使えそうで何よりだ」
アイゼルクラスとガルスはトージを心配していないようで、笑顔を見せている。そんな彼らと違い、ルーナに怒られたシャムは耳をへたらせながら。
「ごめんなのだ……。コムギがしっかりしてるからムギヤマくんは何とかなっていると思って後回しにしていたのだ」
「はぁ、呆れた……それで、工房から連絡は?」
「分からないのだ。ボクはムギヤマくんの宅配ボックスに入れてペリア王国に送っただけで、その後は分からないのだ」
「なんてこと――!」
シャムによって預けられた石板、そして魔導車の行方――果たしてトージのスキルは元に戻るのだろうか?
「ペリア王国の魔導師は古老の魔導師。交流がない方に連絡するのは流石に厳しいですわね……」
「参ったねぇ。ペリア王国とは……」
「ううむ。我もかの国には行けぬな」
「ごめんなさいなのだ……」
シャムの適当さに呆れるルーナ、アイゼルクラス、ガルスは頭を抱えながら近況報告会を終えるのだった。
――シャムガルド帝国のどこか。
「遅いのだ! ルーナはいつもいつも遅れてくるのだ!!」
そう言ってカリカリしてるのは、猫獣人魔導師のシャムだ。元はと言えばシャムのうっかりでトージのスキルが使えなくなったようなものだったが、シャム本人に自覚はなかった。
「まぁまぁ。ルーナが遅刻してくるのは今に始まったことじゃないだろう? シャムだって今回の会合が帝国だから遅れないだけで、別の拠点だったらすぐには行ってないはずだ」
「アイゼルクラスはいちいちうるさいのだ! 猫には猫の身支度があるのだ」
「はいはい」
魔導世界の各拠点に存在する魔導師たち。彼らは世界で起きている出来事、関心事を定期的に報告し合っては気まぐれに集団行動をする変わり者でもあった。
彼らは同じ場所で会合を開くことはなく、毎回のように場所を変えている。魔導師の多くは自分たちの居場所を知られたくない思いがあるからだ。
「やぁ、待たせたねぇ。アイゼル君、シャム」
「ガルス! 君が会合に来るなんて珍しいな。あぁ、そうか。君も関わってるからか」
「うむ。我はスキルが使えなくなった彼の元に密かに贈り物をしたのだよ。持つべきものは商人だねぇ」
「商人? それは僕も知ってる商人かい?」
「うむ! 同じだな」
アイゼルクラスとガルスは気が合う魔導師のようで、楽しそうに話をしている。
それに対し、シャムは退屈そうな様子で近くをうろちょろし始め、走り回ったり寝転がったりとかなり落ち着かない。
「それにしても魔導師姉妹は国を治めているから仕方がないが、相変わらず非協力的な魔導師ばかりだねぇ」
「ローニのことか? 奴はドワーフだからな。地上に出ることを面倒くさがる奴だから仕方あるまい」
「退屈なのだ~退屈すぎるのだ~!!」
「……いつでも動ける魔導師というのも微妙なものだねぇ」
退屈すぎてあくびをするシャムを見ながら二人の魔導師は呆れるも、特に相手をするつもりはないようで、ゆっくりと茶を啜っている。
「お待たせしましたわね、アイゼル、それとガルス。ついでにシャムも」
魔導師二人と猫魔導師が退屈そうにしている中、どこから現れたか分からないタイミングで魔導師ルーナが姿を見せた。
「遅すぎるのだ、ルーナ!!」
「あら、そんなにわたくしを待ち望んでいたのですか?」
「当たり前なのだ! ボクはルーナとしか話が合わないのだ。早く話を始めるのだ!」
シャムはそう言ってルーナにしがみつくが、ルーナは慣れたようにかわして涼しい顔を見せる。
「アイゼル。いつも思いますけれど、他の魔導師ときちんと連絡をしているのですか?」
「ハッハッハー。してるよ。だが中々来てくれなくてね~」
「……交流のない魔導師を除けば連絡は取れるはずでしょうに。よほど会いたくないということなんでしょうね……」
世界各地の魔導師は個性が強すぎるせいか、ウマが合う魔導師以外の者とはほとんど会うことがなく、会合で揃うことはほとんどないようだ。
「アイゼルなんてどうでもいいのだ。ルーナの話が聞きたいのだ!」
「ハハハ……手厳しいねぇ。さて、ルーナ」
気楽そうなアイゼルクラスは苦笑しながらも、ルーナを見ながら頷く。
「……では、近況報告を始めましょう!」
魔導師の中の筆頭である魔導師ルーナの掛け声で近況報告が始まろうとしていた。
「そういえばシャム。あなた、ムギヤマさんから預かった石板と魔導車は誰に預けているのです?」
「ニャッ!? 魔導車と石板はペリア王国の工房に預けたのだ」
ルーナの詰め寄りにシャムは体を震わせ怯えているが、ルーナは構わずシャムに詰め寄る。
「人任せにするなんて、全く……。ムギヤマさんがどれほど苦労なさっているか、シャムには分からないでしょうね」
「ムギヤマさんは頑張っているようだねぇ」
「うむ。我が与えた種と植木鉢を上手く使えそうで何よりだ」
アイゼルクラスとガルスはトージを心配していないようで、笑顔を見せている。そんな彼らと違い、ルーナに怒られたシャムは耳をへたらせながら。
「ごめんなのだ……。コムギがしっかりしてるからムギヤマくんは何とかなっていると思って後回しにしていたのだ」
「はぁ、呆れた……それで、工房から連絡は?」
「分からないのだ。ボクはムギヤマくんの宅配ボックスに入れてペリア王国に送っただけで、その後は分からないのだ」
「なんてこと――!」
シャムによって預けられた石板、そして魔導車の行方――果たしてトージのスキルは元に戻るのだろうか?
「ペリア王国の魔導師は古老の魔導師。交流がない方に連絡するのは流石に厳しいですわね……」
「参ったねぇ。ペリア王国とは……」
「ううむ。我もかの国には行けぬな」
「ごめんなさいなのだ……」
シャムの適当さに呆れるルーナ、アイゼルクラス、ガルスは頭を抱えながら近況報告会を終えるのだった。
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