消えるまでの1ヶ月

Sora

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《1話》

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連日ニュースで猛暑日や熱中症などのワードが飛び交う現実世界からはほど近いのに、その現実世界とはまるで時間の流れが違っているこの場所。外壁から内装まで全て白で統一されたこの病院に今年高校生になった星月楓が来たのはつい3ヶ月前だった。本来なら普通の16歳の少女が病院に来ることもないし、医師から自分の余命を告げられることもまず無い。しかし実際、楓は普通の16歳でありながら医師に余命を告げられた。不治の病として有名なその病気を患わった楓の余命は残り1年ほどというとても短いものだった…。


その後のことはよく覚えていない。医師の口から自分が残り1年しか生きられないと告げられてすぐに状況を理解できる方がおかしい。後から詳しく聞いた病気についての説明はそれほど必要ではなかった。不治の病として有名なその病気は私でさえその名前を知っていたからだ。聞いたことのある病気だったからなのか、その怖さを知っている病気だったからなのか、そのせいか余計に自分の病気に対して恐怖を覚えた。もう絶対に治らない。もう前みたいに友達と遊んだりすることも出来ない。そう思うと悲しくて怖くて、私は自分の運命を憎むことしか出来なかった。何で私だけ余命が1年しかないんだろう。何で私には外の世界で友達と遊ぶことが許されないんだろう。何で私だけ…。そんなどこにもぶつけられない怒りが頭の中でさ迷い、私は疲れきってしまった。私のためにお見舞いにやって来てくれる人達さえ憎らしく思えて仕方がなかった。そんなことを思う自分さえも嫌になり、私は人と関わることを避けるようにした。いつ病気の症状が出るかも分からないため色の無いこの白い病院の中でただひたすらに死を待つだけの毎日を過ごした。中学生の頃に思い描いた華やかな高校生の生活の様子なんて欠片も見当たらない、味気ない毎日だった。
ある日、楓のもとにクラスメイトである葵と海香が来た。それは丁度私が人と関わることを避けるようになった頃だった。葵と海香のことは好きなはずなのに、二人が私のお見舞いに来た時に心の中で迷惑だと思ってしまった。その時に気がついた。私は綺麗な嘘の私で本当の私を隠してるだけだったんだということに。どちらに嫌気がさしたのかは分からない。迷惑な二人に対してなのか、本当の私に対してなのか。どちらにしても私は二人に対して言ってしまったのだ。
「もう来ないで。お世辞なんてもう聞きたくない!!」
言ってから気がついた。でも口から出た言葉はもう戻ってこない。私はただ泣いた。二人の前だとかそういうことはどうでもよかった。本当は泣きたくなんかないのに涙が止まらなかった。二人は何も言わずに私が泣き止むのを待っていてくれた。泣き疲れて気がつくと、いつの間にか辺りは暗くなっていた。外では小夜時雨が静かに降っていた。
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