アイドルのマネージャーになったら

はぴたん

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仕事開始

13

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コンコンッ

明日の準備も終え、そろそろ寝ようかと思っていた時に自室をノックする音が聞こえた。

「はい。」

そう返事をするも応答が無かったため、ドアを開けると斗哉が突っ立っていた。

「どうしたの?」

「これ。お前も読んでみろよ。」

手渡されたのは脚本家の佐藤さんから渡された漫画だった。
結局あれから寮に着いてずっと自室に篭っていたので、この漫画を読んでいたのだろうか。

「いいの?てかずっと読んでたの?」

「あぁ。意外と話もしっかりしてて面白かったからな。
どうせ暇だろ?」

一言余計だな。

「暇じゃないけど。
でも面白いなら読みたい。」

「あっそ。続き俺の部屋にあるから。」

そう言うと踵を返して自室へ帰っていった。

ひとまず渡された1巻を呼んでみるか。とベッドで寝転がりながら読み始めた。



、、、え、何これ!面白い!
てか続き気になるー!

一途に主人公の事が好きな幼なじみと、女の子が好きだったのに徐々に幼なじみの事が気になってしまう主人公。
健気でもどかしくてそれでいてキュンとして、!!

絵も綺麗で読みやすくて気づけばあっという間に1巻読み終えていた。

続き気になるけどもうこんな時間、、
読む前に寝ようとしていたのですでにいい時間になっている。
気になるけど斗哉も寝てるかもしれないし、明日にしよう。

仕方なくベッドサイドに漫画を置き、電気を消して寝に入る。が、寝れない。興奮して寝れないー、、

目を瞑るも先程の漫画の内容を考えてしまう。
この先どうなるのか想像してニヤニヤしていると、

ガチャッ

とゆっくりドアが開く音がする。

パッと目を開けてドアを見ると、廊下の光に照らされている夜月がいた。
「あ、起きてた。」とこちらに気づいたようだ。
入ってくるところ、初めてみたかも。

「何で起きてんの。」

「え、あ、これ読んでた。」

話しかけながらドアを閉めたのでまた真っ暗になってしまった。

「ふっこれってどれ。」

暗闇の中を躊躇なく進み、気づけばすぐ傍まで声が迫っていた。
ギシッとベッドが沈むと、パッとベッドサイドの明かりをつけられた。

「うっ眩し、」

「ふふっごめん。
っと、"いつか君と"て何これ。」

慣れてきた目を開けると借りた漫画"いつか君と"を手に持つ夜月が顔の前のスペースに腰かけていた。

「漫画。」

「ふーん、面白いの?」

「うん!続きが気になって眠れなくなるくらい面白いよ。
明日斗哉に続き借りなきゃ。」

「斗哉?へぇー、、あいつが、」

「あ、斗哉の持ち物じゃないよ?
斗哉が脚本家さんにもらったものを借りた。」

「ふーん、、ねぇ俺も読みたい。」

「え?」

「ここで読むから。ほら詰めて。」

そう言うとバサッと掛布団を持ち上げられた。
うぅ寒い。

なんで俺がと思いながらも有無を言わせない圧により、渋々ズレると、空いたスペースにさも当たり前の素振りで入ってくる。

まぁぽかぽかして暖かいからいっか、。

「気にせず寝ていいから。」

おやすみ。そう言って頭を撫でられると何だか眠くなってきた、、「んー、、おやすみ。」
そのまま俺は夢の中へと落ちていった。


••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••


最近俺は自分で作詞作曲するのにハマっている。

ダンスなどの自主練後に、1人ダンススタジオの下にある機材スペースで夜な夜な自分の時間を楽しんでいるのだ。
いい出来になればみんなにも聴かせようかなとは思っているが、ほぼ趣味みたいなものだ。

夜遅くに隣の寮へ帰り、風呂に入って咲夜の部屋へ。

初めて咲夜が来た時は、新しいマネージャーが来るなんて知らなかったがいつもと違うキッチンの様子に違和感を感じ、何気なしに空き部屋を開けて気づいた。
部屋も片付いており、新メンバーの話は無く、マネージャーが抜けたばかりだったため、きっとこいつが新しいマネージャーなんだろうと結論付けた。

顔拝んどくか、と近づいて驚いた。

窓から差し込む月明かりに照らされた咲夜は、息を飲むほど美しかった。

今まで顔が整ったやつばかりに囲まれてきたが、こんなに美しいと思ったのは初めてだ。

白くてふわふわのほっぺ、綺麗に縁取られた長いまつ毛。
血色感のある赤い唇。

そっとほっぺをつつくと、ぷにぷにしている。
、、、本当に人間だよな、?
天使とか言われても否定できない。

何だか離れる気になれず、だが寝顔を見ているとだんだん俺も眠くなってきた。
しょうがない。ここで寝るか。

掛布団を上げればヒヤッとしたのか少し眉間に皺が寄る。
俺が体を滑り込ませれば、俺の体温で暖かくなったのか、眉間の皺は和らいだ。
何だこれ。癒されるな。

そっと身を寄せると天使の方もすりっとすり寄って来た。
可愛いすぎる、、

思わずギュッと抱きつく。


、、、暑い。


ふかふかの掛布団と体温が重なり一気に暑くなる。
だが天使の方は心地よさそうにすやすやと寝ているので布団を取る事も出来ない。
仕方ないので一旦離れて着ていたロンTを脱ぎ放り投げた。

これで抱きつける。

ギューッと抱きついても起きない事をいい事にこれ見よがしに抱きつく。
いい匂い、、やば、眠くなってきた、、

普段は寝付きがあまり良くないのに、優しく香る甘い香りが安心できて気づけばすぐに眠りについていた。


ピピピピッピピピピッ


「うるさい。」

不快な音が響き思わず洩らした。
しかも腕の中でもぞもぞ暴れる何か。
何でこんなに暴れてるんだ?

「うるさい。」

「うるさいじゃなくて!離してってばー!!」

急に大声が聞こえてきて腕に力が入っていた事に気づく。
言われるがまま手の力を緩めると、ガタンッと大きな音がしてゆっくり目を開ける。

パッと視界に人が写ったと思った瞬間、パフパフ布団の上から叩かれる。
そういやこの天使に魅入られてここで寝たんだっけ。
やっと覚醒しながら起き上がりガシガシ頭を搔いて考える。

すると近づく気配、え、近。

鼻がくっつきそうな程顔を寄せた天使が「誰!?」と顔を驚かせている。

昨日は寝顔しか見れなかったけど、驚いたらこんな顔するんだ。
他の表情も見てみたい。

「夜月。」

俺がそう言うとさらに驚いていた。
ちなみに天使はやはりマネージャーだった。
名前は冴島。
後から下の名前ももちろん聞き出した。

咲夜は目が悪いらしく普段は分厚いメガネをかけている。
お陰で良い虫除けになるほど目は小さくなる。
非常に有難い。
きっとまだ咲夜の素顔に気づいているのは俺だけだろう。

独り占めしたいなんて初めて思ったな。

それから毎晩咲夜を抱きしめて寝るのが習慣づいていた。
いつも俺の帰りが遅いためすでに深い眠りについているけど。

なのに今日は部屋を開けると視線を感じ、見ると起きていた。

寝る前に言葉を交わすなんて何だか不思議だ。

斗哉に借りた漫画を読んでいたらしいが、あの斗哉が人に何かを貸すなんて何だか嫌な予感がする。
咲夜が読んでいたならと俺も読むことにした。

隣ではすやすや眠る咲夜。
最初こそ一緒に寝ていた事に文句を言っていたが、何を言っても効かないと思ったのか途中から諦めだした。
本当流されやすくて有難いが他のやつにも流されやすいのは止めてほしい。
俺だけにしとけよ。
そう願いを込めて頬をつつく。
今日も今日とてぷにぷにだな。

癒されながらページを捲り、読み終えるとまた咲夜を抱きしめて眠りについた。

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