無頓着な彼は。

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「きょうちゃん！きょうちゃん！」

「んん、？」

「もう！きょうちゃん起きて！
もう着くよ！」
葵の声で目をこじ開ける。

、、、そうだ、葵とバスで学園へ向かっていたんだった。

「ごめん、寝てた。」

「もーう。あ、ほら着いたよ！」
葵に引っ張られるままバスを降りた。

「、、そんなに引っ張るなよ。」

「むー、だって。
2人きりでいられるのもあとちょっとなのに寝ちゃうんだもん。」
ぎゅーっと腕にしがみつく葵。

「昨日葵が最後だからって俺の部屋に居座って夜通しお喋りしてたからだろ。
ふあぁ、葵は眠くないの？」

「まだ眠くないー！」
さらにぎゅーっと力を込めて俺の腕にしがみついてくる。

「ちょっと痛い。」

「あ、ごめん。」
しょぼん、とする葵。

「もう大丈夫だから、寝ててごめん。
ほら、行くぞ。」
そう言いながら葵の頭を撫でると、すぐに嬉しそうに微笑む葵。

「うん！」
にっこり笑顔で答えると、俺の腕に寄り添う葵と一緒に寮へと向かう。


明日から始まる新学期の前に葵と学校へ帰ってきた。


「荷物置いたらまたきょうちゃんの部屋行ってもいい？」

「ん？あぁ、一応要に聞いてみるけど、いいと思うよ。」


「やったー！！
じゃあまた後でね！」
まだ要に聞いてないけど、大喜びで自分の部屋に入っていく葵。
要だからいいと思うけど。

俺も部屋に入るか、と扉を開く。


約1ヶ月ぶりだが特に何も変わっていない。
そう思いながら、続いてリビングのドアを開ける。


「あれ、要？
いないのかな。」
電気はついているが見当たらない。

、、、もしかして、とソファへ近づくとやっぱりそこにいた。

初めて寮に来た時と同じだ。と何だか面白くなりながら要の顔の前でしゃがむ。


眉間のシワを指で押していると、ゆっくり目が開いた。
昼寝なので朝より寝起きはいいみたいだ。


「ふふっ要、おはよ。」

「、、おう。
今帰ってきたのか？」

「うん。
なんか初めてここに来た時と同じで面白かった。」

「あ？あぁ、確かに。
あん時も俺の顔みて笑ってたな。」
意地悪そうなでも嬉しそうな顔で笑って俺の頭をくしゃくしゃなでる要。

「もう、あんまりくしゃくしゃにしないでよ。
あ！葵が荷物置いたら来るって。いいよね？」

「あぁ。光も帰ってたら来るかもな。」

「そうだね！」

そう2人で話していると、ピンポーンとチャイムが鳴った。

「葵かも！行ってくる。」


開けると葵と光がいた。

「あ、光！この前ぶり。」

「きょーうー！会いたかったー！」
声をかけるとうずうずしていた光が勢いよく飛びついてきた。

「この前会ったじゃん。」

「葵がずっと一緒だったって自慢してきたんだよ。ずるいー。
あ！デートのこと忘れてないよね？」

「え？あ、うん。忘れてないよー。」

「ほんとにー？」

「はい、終わりー！もう離れて！早く入ろうよ！」
光の腕をぐいぐい引っ張る葵。

「どーぞ。要もいるよ。」
名残惜しそうに光が離れたので、ドアを大きく開けて中に入れた。


その後は久しぶりに4人でのんびり過ごした。