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65甘:船旅の出発
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王子夫妻の結婚式から数日後。エリザータは珍しく声を荒らげた。
「駄目!これは、持っていっちゃ駄目!!」
「だが、一応だな、王宮関係者との面会があるわけだし、あまりラフな格好で会いたくはないんだ。一着だけでも持って行かせてくれ」
「駄目!それでも駄目!!スーツなんて着たら仕事しちゃうでしょ?貴方!」
「仕事はしない。大丈夫だ」
「駄目!」
「わかった。置いて行く」
「それでいいわ。王宮の皆もわかってくれるわよ」
翌日、ベルカイザ号にエリザータとアルヴェードは乗る。その準備を進めていたのだ。荷物の最終チェックを終えたエリザータは、安心してその場を離れた。アルヴェードは、置いて行くと決めたスーツを見上げ、苦笑した。
「あそこまで言われたんだ。絶対に仕事はしないぞ」
翌日、エリザータとアルヴェードは港へ行った。乗船予定の客が大勢いたが、そこにティコラセーヌがいた。アルヴェードは、棒立ちになった。声をかけるか躊躇していたが、ティコラセーヌが気づき、軽く会釈した。アルヴェードは、それに返し、会釈をした。
「何?誰かいた?」
エリザータは疑問を口にしたが、アルヴェードの視線の先を見て、微笑んだ。
「久しぶりに、話しをしてきたら?」
「そうだな」
アルヴェードは、ティコラセーヌの方に足を向けた。ティコラセーヌは、予想外の事に少し後ずさりした。しかし、意を決してアルヴェードに歩み寄る。
「お久しぶりです。ティコラセーヌさん」
「アルヴェードさん、お久しぶりです」
少し離れた所でそのやり取りを聞いていたエリザータは、呟いた。
「私とセブレーノのようには、いかないようね」
ぎこちないアルヴェードではあったが、ティコラセーヌに尋ねた。
「その、もしかして王子から指名されたんですか?」
「ええ。主人のセブレーノが最初に指名されて、私も行っていいって言われて、お言葉に甘えました」
「そうですか。奇遇ですね、私も指名されたんですよ」
「旅の最中は、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
アルヴェードは、最初の愛人との会話を終えた。ティコラセーヌとすれ違う形で、キャナリーンが来る。
「アルヴェードさん、エリザータ」
「おお、キャナリーンさん」
アルヴェードは。気持ちを切り替える。
「貴女も指名されたんですね?」
「はい。王子妃から、直々に」
エリザータは、先ほどティコラセーヌの隣にセブレーノがいなかった事を思い出した。そして、キャナリーンの隣にもミルフォンソがいない。思い切って尋ねた。
「あの、ミルフォンソさんは?」
「王子の側近だから、王宮からこっちに来るようになってるんです」
「そうでしたよね」
一方、王宮では、王子夫妻が港へ向けて出発の時を迎えていた。ランディレイとミルーネは国王マーディル、王妃ランクーナに挨拶していた。
「父上、母上、行って参ります」
「国王陛下、王妃陛下、行って参ります」
マーディルは返した。
「世界を、見てくるのだぞ」
「はい、父上」
ランクーナも返した。
「くれぐれも、お体を大事にね」
「はい、王妃陛下」
そして、王子夫妻は、国王夫妻に見送られながら、ミルフォンソ、セブレーノと共に港へと出発した。
その頃、港では、一般の乗客や指名された同行者が続々とベルカイザ号に乗船していった。そして、全員が乗船した時、王子夫妻らは港へ着いた。船から乗客たちが見守る中、王子夫妻はミルフォンソとセブレーノを従えベルカイザ号に乗船する。4人が乗船した事を確認し、定刻となった為、ベルカイザ号は、ゆっくりとブンボル王国の港を出発して行った。
「この度は、我々の新婚旅行に同行してくれて、ありがとう」
ランディレイは、テラスに集まった人々の前でそう言った。傍らのミルーネは軽く頭を下げる。そして、言った。
「この旅を、皆さんと一緒に楽しみたいと思います。よろしくお願いします」
乗客の拍手が轟いた。エリザータとアルヴェードも手が痛くなるほどランディレイとミルーネに拍手を贈った。
「駄目!これは、持っていっちゃ駄目!!」
「だが、一応だな、王宮関係者との面会があるわけだし、あまりラフな格好で会いたくはないんだ。一着だけでも持って行かせてくれ」
「駄目!それでも駄目!!スーツなんて着たら仕事しちゃうでしょ?貴方!」
「仕事はしない。大丈夫だ」
「駄目!」
「わかった。置いて行く」
「それでいいわ。王宮の皆もわかってくれるわよ」
翌日、ベルカイザ号にエリザータとアルヴェードは乗る。その準備を進めていたのだ。荷物の最終チェックを終えたエリザータは、安心してその場を離れた。アルヴェードは、置いて行くと決めたスーツを見上げ、苦笑した。
「あそこまで言われたんだ。絶対に仕事はしないぞ」
翌日、エリザータとアルヴェードは港へ行った。乗船予定の客が大勢いたが、そこにティコラセーヌがいた。アルヴェードは、棒立ちになった。声をかけるか躊躇していたが、ティコラセーヌが気づき、軽く会釈した。アルヴェードは、それに返し、会釈をした。
「何?誰かいた?」
エリザータは疑問を口にしたが、アルヴェードの視線の先を見て、微笑んだ。
「久しぶりに、話しをしてきたら?」
「そうだな」
アルヴェードは、ティコラセーヌの方に足を向けた。ティコラセーヌは、予想外の事に少し後ずさりした。しかし、意を決してアルヴェードに歩み寄る。
「お久しぶりです。ティコラセーヌさん」
「アルヴェードさん、お久しぶりです」
少し離れた所でそのやり取りを聞いていたエリザータは、呟いた。
「私とセブレーノのようには、いかないようね」
ぎこちないアルヴェードではあったが、ティコラセーヌに尋ねた。
「その、もしかして王子から指名されたんですか?」
「ええ。主人のセブレーノが最初に指名されて、私も行っていいって言われて、お言葉に甘えました」
「そうですか。奇遇ですね、私も指名されたんですよ」
「旅の最中は、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
アルヴェードは、最初の愛人との会話を終えた。ティコラセーヌとすれ違う形で、キャナリーンが来る。
「アルヴェードさん、エリザータ」
「おお、キャナリーンさん」
アルヴェードは。気持ちを切り替える。
「貴女も指名されたんですね?」
「はい。王子妃から、直々に」
エリザータは、先ほどティコラセーヌの隣にセブレーノがいなかった事を思い出した。そして、キャナリーンの隣にもミルフォンソがいない。思い切って尋ねた。
「あの、ミルフォンソさんは?」
「王子の側近だから、王宮からこっちに来るようになってるんです」
「そうでしたよね」
一方、王宮では、王子夫妻が港へ向けて出発の時を迎えていた。ランディレイとミルーネは国王マーディル、王妃ランクーナに挨拶していた。
「父上、母上、行って参ります」
「国王陛下、王妃陛下、行って参ります」
マーディルは返した。
「世界を、見てくるのだぞ」
「はい、父上」
ランクーナも返した。
「くれぐれも、お体を大事にね」
「はい、王妃陛下」
そして、王子夫妻は、国王夫妻に見送られながら、ミルフォンソ、セブレーノと共に港へと出発した。
その頃、港では、一般の乗客や指名された同行者が続々とベルカイザ号に乗船していった。そして、全員が乗船した時、王子夫妻らは港へ着いた。船から乗客たちが見守る中、王子夫妻はミルフォンソとセブレーノを従えベルカイザ号に乗船する。4人が乗船した事を確認し、定刻となった為、ベルカイザ号は、ゆっくりとブンボル王国の港を出発して行った。
「この度は、我々の新婚旅行に同行してくれて、ありがとう」
ランディレイは、テラスに集まった人々の前でそう言った。傍らのミルーネは軽く頭を下げる。そして、言った。
「この旅を、皆さんと一緒に楽しみたいと思います。よろしくお願いします」
乗客の拍手が轟いた。エリザータとアルヴェードも手が痛くなるほどランディレイとミルーネに拍手を贈った。
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