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第4章
指先に愛を込めて※
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再び、唇が重なる。
キスはもう、優しさの形ではなく、独占の証だった。確かめるように、求めるように、繋がる熱。息が荒くなり、溶け合う。
「ん……あ………っぅ」
「……ちゅ……っ……んは」
部屋には熱を帯びた肌の擦れ合う音と、浅くなる呼吸。
食べられている──。由紀は彼の勢いを必死に受け止めながらも、どこか冷静だった。彼の不安を拭うために、決して受け身ではなく、その熱に応じる。それはもう練習ではなくて、半ば本番だった。
「ゆきさ……ん」
「んぁ……」
糸を紡いで唇が離されると、眼鏡を外される。そのまま首筋を舐られた。堪らず身をよじろうとも、肩を強く抱かれてそれができなかった。デコルテに吸いつかれ、赤い印を付けられる度、短く声が上がる。
着ていたパジャマのボタンを解かれ、ブラトップの上から胸を揉まれた。乳首が布に擦れる感覚に、由紀の顔が切なく歪む。
亮がスエットを脱いで床に捨てたかと思うと、再び覆い被さる。ブラトップをずらせば、由紀の豊かな胸が揺れて出た。亮は由紀に乞うような目線を向けて、無言で胸を揉みしだいた。
「由紀さんの、おっぱい、本当柔らかい」
「……うん、舐めても、いいよっ、んぁ!」
自分で言っていて恥ずかしくなったのか、顔を赤らめた彼に、優しく許可をする。すると双丘を寄せて、2つのぷっくらとした頂を同時に吸い始めた。
「う、……んふ」
「ん……気持ちいい?」
「うん……あ、や……あん」
乳首を舌先で捏ねられ、弾かれ。指先でも必要に愛撫される。胸の外側も喰まれ、吸われ、印を残された。そのまま濡れた舌が、脇腹の柔らかな部分へと進む。
少し強引に、ズボンを剥ぎ取られた。純白のショーツに、灰色の染みが広がっている。そこへ指を2本這わし、ゆっくりと動かす。由紀の肩が小刻みに震えた。
「ここ、すっごく濡れてる。感じてくれてるんですね」
「ん……あ、あ!」
嬉しそうに微笑まれて、恥ずかしさに視線を逸らす。すると、ショーツの中に手が直接侵入してきた。思わず、息を飲む。陰核を優しく捏ねられ、とろけた入り口をなぞられれば、一層甘い声が出た。
「りょ、くん……あ、それ、あぅ、ぅ……」
「これ好き?由紀さん」
素直に頷けば、「続けるね」と目を細められた。段々と足の付け根から焦燥が上がってくる。
熱に浮かれたような顔をした由紀の頬に、亮が軽くキスをする。吐息を吹きかけるように、耳に唇を寄せた。
「由紀さんのイくとこ、よく見せて」
「あ、やん、そこ……あぁん!」
卑猥なおねだりに、体温が一気に上がる。それに伴って、指の動きが巧みになってきた。亮の澄んだ青い目に見つめられながら、あられのない声を上げ、腰をくねらせる自分。恥ずかしいはずなのに、この状況に由紀は興奮し切っていた。
「いっちゃう、あ、んん、んぁ、りょ、キスし、て!」
「いいよ、ゆきさん、すっごいえろい……はぁん」
「ん……んん!あ、ぁん──!」
唾液に濡れた舌を出して、懇願する。その舌をすくうように音を立て、先を喰まれる。上と下でくちゃくちゃとなる水音に、耐えきれず何かが弾けた。足の指先がぴんと伸びる。
体の力が抜けても、亮は由紀を愛撫し続けた。
「上手に、いけた。……えらいです」
褒められれば、喉が鳴る。今までは知れなかった快感。目の端には生理的なのか、感情的なのか、雫が溜まっていた。
「ここも、舐めてもいい?」
「え……」
放心していると、器用に上着とズボンを脱がされた。ショーツを下ろされる時にそう、尋ねられた。彼の視線は、薄い濡れた茂みに向けられていた。
「うん。亮君なら……気持ちよくしてくれる、から」
昔は嫌だった行為の1つだ。
だけれども、そう、確信があった。
何より亮になら、されてもいい、と思えた。
「分かった。……足、広げて見せて」
立ち上がって上着を脱ぐ。生まれたままの姿。ソファに腰掛け、膝を折った由紀がゆっくりと開脚する。赤く濡れた秘所が顕になった。
「すっごく、……えっち」
その前にしゃがみ込んだ亮が、くすりと笑った。かかる吐息だけで、体が震える。舌先がゆっくりと、丁寧に陰核を舐め始めた。
「くぅ……あ、あん」
「……っ、ふ……」
夢中で貪られた。時に厚い舌で全体を舐められる。
わんちゃんみたい──快感に呑まれながらも、そんな事を思う。亮の柔らかな髪に触れれば、顔を上げられた。濡れた顎を手で拭う。
「これ、嫌じゃない?由紀さん」
心配そうに顔を傾けて、見上げられる。その真摯さとかわいさに、胸が締め付けられそうだった。ふるふると、横にふれば、はにかまれる。
「よかった。……続けるね」
「あん」
静かな部屋に響く卑猥な水音。ふいに秘所の入り口に、舌先を入れられた。その刺激に、中がひくつく。
「……あ!あ、ん……ん!」
「ん……すごい、溢れてくる」
膣の中を刺激される。快感が電流のように走る。しかし、由紀はなんだか焦ったさのようなものを感じていた。
なんだろう、この感覚──。この間のいくにいけなかった時とそれは似ていた。
もっと、もっと欲しい。
「りょ、りょうくん」
「んは……どうしたの?由紀さん、嫌になった?」
「ううん、あの……。ゆ、指、入れてみて、くれる?」
真っ赤になりながら、懇願してみる。刺激に耐えた目は潤んでいた。亮は目を見開く。すると口を真横に結んだ。
「ゆきさんがえろかわいすぎて。どうにかなっちゃいそう」
「そんな、こと──、ふぁ、あ!」
「ほんと、……えろい」
人差し指をゆっくりと埋められる。中を優しく撫でるように刺激されれば、甘美な刺激が波のように訪れた。
「あ!……あぁん!」
「欲しいのこれでした?」
「う、うん……あ、あ!」
「……指、増やすね」
「……っ!」
指を2本にされ、ぴちゃぴちゃと蜜壺の中を出し入れされる。中の段差を確かめるように、時に広げるように動かされば、自然と腰が揺れてきた。
「そ、そこ、くるっちゃ、うぅ、んは!」
「うん、ここが好きなんだ、由紀さん。覚えましたから。……ん」
「っはぁうぅ!」
中を刺激しながら、陰核を指で剥き出しにする。舌先を硬くして弾くように刺激してやれば、膣に中がきゅうきゅうと締まった。
「はぁ!あ、それき、きちゃうぅ!うぅ」
恍惚な表情を浮かべ、嬌声を上げれば自らの腰を振り、動きに合わせていた。思わず足を閉じ、亮の頭を抱え込むようにして果てた。
足が攣って、しばらく動かすことができなかった。
「感じてる時の由紀さん、すごいとろけてて、かわいい……はぁ」
「んあ……」
ゆっくりと引き抜いて、見せつけるように、濡れた指をしゃぶられた。青い瞳が炯々として見える。亮は唇を拭うと真正面から由紀を抱きしめた。
「由紀さん、本当に、本当に大好き」
「私も……あ」
その時ズボン越しに、亮のものが昂っているのを感じた。そっと、由紀はそこに触れた。
「亮君、……ここ」
「ん?……あ」
布の上から形を確かめるように撫でられれば、亮はひどく困惑した顔をした。
「つらい、よね」
「そう……だけど」
目を伏せて、素直に答える。
「由紀さん、挿れるのは、……まだ怖いでしょう?」
腰にしがみつかれ、上目遣いで聞かれる。垂れた犬の耳が見えるようだった。
「亮君は、……本当に優しいね」
本当は挿れたくてしょうがないはずなのに。前回も我慢させてしまった。
正直、思いが通じ合ったとはいえ、亮が相手でも怖かった。それほどまでに、過去の傷は深い。
「ごめんね、それはまだ少し、……怖くって」
「うん。だから、俺は大丈夫です」
だけれども──。彼のために、今できる事をしたかった。
***
「亮君。ここ座ってくれる?」
「……はい?」
由紀は微笑んで立ち上がる。ソファに座るよう促すと、ありのままの姿で亮の股下に座った。
おもむろに、彼のズボンに手をかける。
「ゆ、由紀さん?」
「腰浮かして?脱げないから」
「そんな、そんな事、俺求めてないですから!」
何をされるのかを察して慌てる。それでも由紀は止めようとはしなかった。
「私も……。私のできる範囲で亮君を気持ちよくさせたいなって。だめ、かな?うまく、できないかもしれないけど」
「だめじゃ……ないです」
恥ずかしげに目を細め、亮は由紀の額にキスをした。
──気持ちよくして、くれます?
迫る焦ったさに耐えながらも、亮はおずおずと心配そうに尋ねる。けれど期待に満ちた目が少し潤んで見えて。
押し寄せる感情の名は、愛しさに他ならなかった。
「うん。亮君、好きだから」
自然とそう言葉が出た。
好きだから、愛しいから、かわいいから。
あなたのためだけに、したい。
昔一度は抱いて凍りついてしまっていた感情が、ほろほろと溶かされていく。由紀はそんな自分の感情の変化に、驚いていた。同時に嬉しさが込み上げて、瞼が熱くなる。
「ゆ、由紀さん!?やっぱり嫌だよね、そんな事」
「ううん、違うの。逆になんだかね、自分でしたいって思えた事がね。とっても、嬉しくて……」
「……由紀さん」
そう微笑む彼女に胸打たれたように、亮は立ち上がると自らズボンを脱ぎ始めた。黒いボクサーパンツを押し下げると、窮屈さから解放されたように欲が弾かれて出た。伏せ目がちになって、亮はソファに再び腰掛ける。
由紀は目の前の光景に、目を見開いた。彼のそこはまっさらだった。白い地肌が続いたかと思えば、ものの方はややピンク色がかっている。
「あ、あの。俺、なんかそこ、自分に毛があるのなんか嫌で……。引きますよね」
「ううん?欧米の人なんかは、男の人もここ処理するもんね。すごい、すべすべしてる」
「……あ」
本来毛があるはずの場所を撫でれば、短く声が上がった。そっとものを両手で包む。そこは熱く脈を打っていた。
「……舐めるね」
「はい。……っ」
すでに雫の溜まった切先をぺろりと舐める。少し塩気と粘り気を感じた。そのまま全体を順繰りに舐っていく。
顔にかかる横髪を耳にかけ、先や竿や玉を丁重に。
舌でそれぞれの質感を確かめるように。
時に稲光のように竿に這った筋の行き先を、舌で追う。
するとぴくぴくと亮の欲が反応した。
感じてくれている──。それがとてつもなく嬉しかった。
亮は顔を赤らめ、漏れる息を殺し由紀の動作を見守っていた。彼の夢に由紀が現れた際、何度かこうしてもらった事がある。
それが今現実に、行ってもらっていると思うと、眩暈がしそうだった。
少し、長いかも──。太さはそこまでではない。けれどもそんな不安を感じつつも、ゆっくりと口を開け飲み込んでいく。
「く……あ……」
亮の口から刹那げな吐息が漏れた。喉を突く寸前のところで、全て口に入った。そのまま、物をこめるように舌を動かしていく。
「……っ、あ、それ、やばいっ」
上下の動きも伴うと、甘い衝動が波のように押し寄せた。一方で、滴る唾液を使いながら、玉を弄れば叫声が上がる。
「ゆきさ……あ!……、んあ!」
「亮君、きもちいい?」
しゅぽんと音を立てて、口を外された。亮がとろけているが、どこか切なそうな顔で答える。
「気持ちいいです……すっごく」
「よかった。……続けるね、ん、ん」
「はっ……ッ」
由紀のそれは、巧みだった。これには訳がある。
元カレから挿れられるのが嫌で、それを逃れるために、口でする事を覚えた。
そういった事情を、勘のいい亮は察していた。
陶酔し切った頭で、元カレへの殺意が浮かぶ。
由紀の初めてがなぜ自分でなかったのだろうと、どうしようもない事にまで腹が立った。怒りもまた昇華され、欲が厚みを帯びて行く。
「亮君、苦しい?……ごめんね、私下手だから」
顔を歪ませる彼を心配して、由紀がそう声をかける。そこにそれまで彼女が投げかけられた言葉の影と、自己防衛の術を見て、亮は切なくなった。
小さな時、手を差し伸べてくれた由紀。
今度は自分の番だ──。絶対に、彼女を守ると固く誓う。
「そんなこと言わないでください。すごく、上手です。狂っちゃいそうになるぐらい」
そっと頭を撫でる。かつて彼女がそうしてくれた時のように。すると、由紀は嬉しそうにはにかんだ。
「ありがとう、……頑張るね、はぁん」
「……は、あ……ッ」
頑張る必要なんてないのに──。ひたすらに健気だった。一方でものをしゃぶりながら、上目遣いで見つめる彼女の妖艶さに、鼓動が速くなる。
皮を押し下げられ、手も使って扱かれれば、段々と足が震えてきた。
「ゆきさ、……きもち、それ、あ、あ!」
「ん……んぁ、んん」
もう声を抑える事などできずに、心情を吐露する。腹筋に力が入る。
「すき、ゆきさ……すき、……ッ、で、でる!」
「ん、……んんッ!」
腰が浮き上を突くように何度か動く。脳が痺れるような感覚に支配され、何も考えられなかった。由紀は出された物を口で受け止めると、竿に溢れ出てしまった白い液体までも舌で舐めとった。その様は夢で見た時よりも卑猥だった。
亮が荒く息をしている間に、由紀は洗面所へと向かった。やがて水の流れる音がしたかと思うと、戻ってきてソファに腰掛けた。
蕩けた瞳を浮かべる亮の頭を、そっと胸に抱いた。
***
「……亮君の、役に立てたかな」
どこまでも献身的な彼女に、視界が緩む。彼女の胸元に頭を預けたまま、しばらく何も言えなかった。
柔らかな胸に頬を埋める。そこから伝わってくる体温も、指先に残る感触も、唇にまだ残る甘い名残も、全てが愛おしくて唯一無二だった。
でも──。彼女の言葉の端々から滲み出る“過去”が、亮の心に爪を立てていた。
「由紀さんに、“こうしなきゃだめだ”って思わせた奴がいたことが……悔しいです」
「……え?」
ふいに亮が呟いた。ぎゅっと腕に力が入った。彼女を抱き寄せる腕。守るように、温めるように。
「俺……もっと早く出会いたかった」
その言葉が漏れた瞬間、由紀の腕がきゅっと亮の背に回された。それは、答えの代わりだった。
「あんな奴に、指一本触れさせたくなかった。あなたを泣かせたり、傷つけたり、萎縮させたり、そんな権利誰にもない」
亮の青い瞳には、滲む涙と怒りの淡い炎として宿っていた。けれど、それを見せまいとするように、彼はただ由紀の額に、そっとキスを落とした。
「俺、由紀さんの笑顔が一番好きです」
「……亮君」
「だからもう、誰にも奪わせたくない。壊させたくない」
「うん」
「……だから少し、過保護になっちゃうんですけど。許してくれますか?」
顔を傾けしゅんと尋ねられれば、苦笑が漏れた。由紀の胸にあった、かつての痛みの跡が、少しずつ癒されていく音がした。
「許すも何も。私、ずっと亮君といるから」
満面な笑顔で、抱きしめる。亮は静かに目を閉じ、彼女の心音に耳を澄ませた。そのぬくもりのためなら、命だって投げ打ってもいい、と思いながら──。
キスはもう、優しさの形ではなく、独占の証だった。確かめるように、求めるように、繋がる熱。息が荒くなり、溶け合う。
「ん……あ………っぅ」
「……ちゅ……っ……んは」
部屋には熱を帯びた肌の擦れ合う音と、浅くなる呼吸。
食べられている──。由紀は彼の勢いを必死に受け止めながらも、どこか冷静だった。彼の不安を拭うために、決して受け身ではなく、その熱に応じる。それはもう練習ではなくて、半ば本番だった。
「ゆきさ……ん」
「んぁ……」
糸を紡いで唇が離されると、眼鏡を外される。そのまま首筋を舐られた。堪らず身をよじろうとも、肩を強く抱かれてそれができなかった。デコルテに吸いつかれ、赤い印を付けられる度、短く声が上がる。
着ていたパジャマのボタンを解かれ、ブラトップの上から胸を揉まれた。乳首が布に擦れる感覚に、由紀の顔が切なく歪む。
亮がスエットを脱いで床に捨てたかと思うと、再び覆い被さる。ブラトップをずらせば、由紀の豊かな胸が揺れて出た。亮は由紀に乞うような目線を向けて、無言で胸を揉みしだいた。
「由紀さんの、おっぱい、本当柔らかい」
「……うん、舐めても、いいよっ、んぁ!」
自分で言っていて恥ずかしくなったのか、顔を赤らめた彼に、優しく許可をする。すると双丘を寄せて、2つのぷっくらとした頂を同時に吸い始めた。
「う、……んふ」
「ん……気持ちいい?」
「うん……あ、や……あん」
乳首を舌先で捏ねられ、弾かれ。指先でも必要に愛撫される。胸の外側も喰まれ、吸われ、印を残された。そのまま濡れた舌が、脇腹の柔らかな部分へと進む。
少し強引に、ズボンを剥ぎ取られた。純白のショーツに、灰色の染みが広がっている。そこへ指を2本這わし、ゆっくりと動かす。由紀の肩が小刻みに震えた。
「ここ、すっごく濡れてる。感じてくれてるんですね」
「ん……あ、あ!」
嬉しそうに微笑まれて、恥ずかしさに視線を逸らす。すると、ショーツの中に手が直接侵入してきた。思わず、息を飲む。陰核を優しく捏ねられ、とろけた入り口をなぞられれば、一層甘い声が出た。
「りょ、くん……あ、それ、あぅ、ぅ……」
「これ好き?由紀さん」
素直に頷けば、「続けるね」と目を細められた。段々と足の付け根から焦燥が上がってくる。
熱に浮かれたような顔をした由紀の頬に、亮が軽くキスをする。吐息を吹きかけるように、耳に唇を寄せた。
「由紀さんのイくとこ、よく見せて」
「あ、やん、そこ……あぁん!」
卑猥なおねだりに、体温が一気に上がる。それに伴って、指の動きが巧みになってきた。亮の澄んだ青い目に見つめられながら、あられのない声を上げ、腰をくねらせる自分。恥ずかしいはずなのに、この状況に由紀は興奮し切っていた。
「いっちゃう、あ、んん、んぁ、りょ、キスし、て!」
「いいよ、ゆきさん、すっごいえろい……はぁん」
「ん……んん!あ、ぁん──!」
唾液に濡れた舌を出して、懇願する。その舌をすくうように音を立て、先を喰まれる。上と下でくちゃくちゃとなる水音に、耐えきれず何かが弾けた。足の指先がぴんと伸びる。
体の力が抜けても、亮は由紀を愛撫し続けた。
「上手に、いけた。……えらいです」
褒められれば、喉が鳴る。今までは知れなかった快感。目の端には生理的なのか、感情的なのか、雫が溜まっていた。
「ここも、舐めてもいい?」
「え……」
放心していると、器用に上着とズボンを脱がされた。ショーツを下ろされる時にそう、尋ねられた。彼の視線は、薄い濡れた茂みに向けられていた。
「うん。亮君なら……気持ちよくしてくれる、から」
昔は嫌だった行為の1つだ。
だけれども、そう、確信があった。
何より亮になら、されてもいい、と思えた。
「分かった。……足、広げて見せて」
立ち上がって上着を脱ぐ。生まれたままの姿。ソファに腰掛け、膝を折った由紀がゆっくりと開脚する。赤く濡れた秘所が顕になった。
「すっごく、……えっち」
その前にしゃがみ込んだ亮が、くすりと笑った。かかる吐息だけで、体が震える。舌先がゆっくりと、丁寧に陰核を舐め始めた。
「くぅ……あ、あん」
「……っ、ふ……」
夢中で貪られた。時に厚い舌で全体を舐められる。
わんちゃんみたい──快感に呑まれながらも、そんな事を思う。亮の柔らかな髪に触れれば、顔を上げられた。濡れた顎を手で拭う。
「これ、嫌じゃない?由紀さん」
心配そうに顔を傾けて、見上げられる。その真摯さとかわいさに、胸が締め付けられそうだった。ふるふると、横にふれば、はにかまれる。
「よかった。……続けるね」
「あん」
静かな部屋に響く卑猥な水音。ふいに秘所の入り口に、舌先を入れられた。その刺激に、中がひくつく。
「……あ!あ、ん……ん!」
「ん……すごい、溢れてくる」
膣の中を刺激される。快感が電流のように走る。しかし、由紀はなんだか焦ったさのようなものを感じていた。
なんだろう、この感覚──。この間のいくにいけなかった時とそれは似ていた。
もっと、もっと欲しい。
「りょ、りょうくん」
「んは……どうしたの?由紀さん、嫌になった?」
「ううん、あの……。ゆ、指、入れてみて、くれる?」
真っ赤になりながら、懇願してみる。刺激に耐えた目は潤んでいた。亮は目を見開く。すると口を真横に結んだ。
「ゆきさんがえろかわいすぎて。どうにかなっちゃいそう」
「そんな、こと──、ふぁ、あ!」
「ほんと、……えろい」
人差し指をゆっくりと埋められる。中を優しく撫でるように刺激されれば、甘美な刺激が波のように訪れた。
「あ!……あぁん!」
「欲しいのこれでした?」
「う、うん……あ、あ!」
「……指、増やすね」
「……っ!」
指を2本にされ、ぴちゃぴちゃと蜜壺の中を出し入れされる。中の段差を確かめるように、時に広げるように動かされば、自然と腰が揺れてきた。
「そ、そこ、くるっちゃ、うぅ、んは!」
「うん、ここが好きなんだ、由紀さん。覚えましたから。……ん」
「っはぁうぅ!」
中を刺激しながら、陰核を指で剥き出しにする。舌先を硬くして弾くように刺激してやれば、膣に中がきゅうきゅうと締まった。
「はぁ!あ、それき、きちゃうぅ!うぅ」
恍惚な表情を浮かべ、嬌声を上げれば自らの腰を振り、動きに合わせていた。思わず足を閉じ、亮の頭を抱え込むようにして果てた。
足が攣って、しばらく動かすことができなかった。
「感じてる時の由紀さん、すごいとろけてて、かわいい……はぁ」
「んあ……」
ゆっくりと引き抜いて、見せつけるように、濡れた指をしゃぶられた。青い瞳が炯々として見える。亮は唇を拭うと真正面から由紀を抱きしめた。
「由紀さん、本当に、本当に大好き」
「私も……あ」
その時ズボン越しに、亮のものが昂っているのを感じた。そっと、由紀はそこに触れた。
「亮君、……ここ」
「ん?……あ」
布の上から形を確かめるように撫でられれば、亮はひどく困惑した顔をした。
「つらい、よね」
「そう……だけど」
目を伏せて、素直に答える。
「由紀さん、挿れるのは、……まだ怖いでしょう?」
腰にしがみつかれ、上目遣いで聞かれる。垂れた犬の耳が見えるようだった。
「亮君は、……本当に優しいね」
本当は挿れたくてしょうがないはずなのに。前回も我慢させてしまった。
正直、思いが通じ合ったとはいえ、亮が相手でも怖かった。それほどまでに、過去の傷は深い。
「ごめんね、それはまだ少し、……怖くって」
「うん。だから、俺は大丈夫です」
だけれども──。彼のために、今できる事をしたかった。
***
「亮君。ここ座ってくれる?」
「……はい?」
由紀は微笑んで立ち上がる。ソファに座るよう促すと、ありのままの姿で亮の股下に座った。
おもむろに、彼のズボンに手をかける。
「ゆ、由紀さん?」
「腰浮かして?脱げないから」
「そんな、そんな事、俺求めてないですから!」
何をされるのかを察して慌てる。それでも由紀は止めようとはしなかった。
「私も……。私のできる範囲で亮君を気持ちよくさせたいなって。だめ、かな?うまく、できないかもしれないけど」
「だめじゃ……ないです」
恥ずかしげに目を細め、亮は由紀の額にキスをした。
──気持ちよくして、くれます?
迫る焦ったさに耐えながらも、亮はおずおずと心配そうに尋ねる。けれど期待に満ちた目が少し潤んで見えて。
押し寄せる感情の名は、愛しさに他ならなかった。
「うん。亮君、好きだから」
自然とそう言葉が出た。
好きだから、愛しいから、かわいいから。
あなたのためだけに、したい。
昔一度は抱いて凍りついてしまっていた感情が、ほろほろと溶かされていく。由紀はそんな自分の感情の変化に、驚いていた。同時に嬉しさが込み上げて、瞼が熱くなる。
「ゆ、由紀さん!?やっぱり嫌だよね、そんな事」
「ううん、違うの。逆になんだかね、自分でしたいって思えた事がね。とっても、嬉しくて……」
「……由紀さん」
そう微笑む彼女に胸打たれたように、亮は立ち上がると自らズボンを脱ぎ始めた。黒いボクサーパンツを押し下げると、窮屈さから解放されたように欲が弾かれて出た。伏せ目がちになって、亮はソファに再び腰掛ける。
由紀は目の前の光景に、目を見開いた。彼のそこはまっさらだった。白い地肌が続いたかと思えば、ものの方はややピンク色がかっている。
「あ、あの。俺、なんかそこ、自分に毛があるのなんか嫌で……。引きますよね」
「ううん?欧米の人なんかは、男の人もここ処理するもんね。すごい、すべすべしてる」
「……あ」
本来毛があるはずの場所を撫でれば、短く声が上がった。そっとものを両手で包む。そこは熱く脈を打っていた。
「……舐めるね」
「はい。……っ」
すでに雫の溜まった切先をぺろりと舐める。少し塩気と粘り気を感じた。そのまま全体を順繰りに舐っていく。
顔にかかる横髪を耳にかけ、先や竿や玉を丁重に。
舌でそれぞれの質感を確かめるように。
時に稲光のように竿に這った筋の行き先を、舌で追う。
するとぴくぴくと亮の欲が反応した。
感じてくれている──。それがとてつもなく嬉しかった。
亮は顔を赤らめ、漏れる息を殺し由紀の動作を見守っていた。彼の夢に由紀が現れた際、何度かこうしてもらった事がある。
それが今現実に、行ってもらっていると思うと、眩暈がしそうだった。
少し、長いかも──。太さはそこまでではない。けれどもそんな不安を感じつつも、ゆっくりと口を開け飲み込んでいく。
「く……あ……」
亮の口から刹那げな吐息が漏れた。喉を突く寸前のところで、全て口に入った。そのまま、物をこめるように舌を動かしていく。
「……っ、あ、それ、やばいっ」
上下の動きも伴うと、甘い衝動が波のように押し寄せた。一方で、滴る唾液を使いながら、玉を弄れば叫声が上がる。
「ゆきさ……あ!……、んあ!」
「亮君、きもちいい?」
しゅぽんと音を立てて、口を外された。亮がとろけているが、どこか切なそうな顔で答える。
「気持ちいいです……すっごく」
「よかった。……続けるね、ん、ん」
「はっ……ッ」
由紀のそれは、巧みだった。これには訳がある。
元カレから挿れられるのが嫌で、それを逃れるために、口でする事を覚えた。
そういった事情を、勘のいい亮は察していた。
陶酔し切った頭で、元カレへの殺意が浮かぶ。
由紀の初めてがなぜ自分でなかったのだろうと、どうしようもない事にまで腹が立った。怒りもまた昇華され、欲が厚みを帯びて行く。
「亮君、苦しい?……ごめんね、私下手だから」
顔を歪ませる彼を心配して、由紀がそう声をかける。そこにそれまで彼女が投げかけられた言葉の影と、自己防衛の術を見て、亮は切なくなった。
小さな時、手を差し伸べてくれた由紀。
今度は自分の番だ──。絶対に、彼女を守ると固く誓う。
「そんなこと言わないでください。すごく、上手です。狂っちゃいそうになるぐらい」
そっと頭を撫でる。かつて彼女がそうしてくれた時のように。すると、由紀は嬉しそうにはにかんだ。
「ありがとう、……頑張るね、はぁん」
「……は、あ……ッ」
頑張る必要なんてないのに──。ひたすらに健気だった。一方でものをしゃぶりながら、上目遣いで見つめる彼女の妖艶さに、鼓動が速くなる。
皮を押し下げられ、手も使って扱かれれば、段々と足が震えてきた。
「ゆきさ、……きもち、それ、あ、あ!」
「ん……んぁ、んん」
もう声を抑える事などできずに、心情を吐露する。腹筋に力が入る。
「すき、ゆきさ……すき、……ッ、で、でる!」
「ん、……んんッ!」
腰が浮き上を突くように何度か動く。脳が痺れるような感覚に支配され、何も考えられなかった。由紀は出された物を口で受け止めると、竿に溢れ出てしまった白い液体までも舌で舐めとった。その様は夢で見た時よりも卑猥だった。
亮が荒く息をしている間に、由紀は洗面所へと向かった。やがて水の流れる音がしたかと思うと、戻ってきてソファに腰掛けた。
蕩けた瞳を浮かべる亮の頭を、そっと胸に抱いた。
***
「……亮君の、役に立てたかな」
どこまでも献身的な彼女に、視界が緩む。彼女の胸元に頭を預けたまま、しばらく何も言えなかった。
柔らかな胸に頬を埋める。そこから伝わってくる体温も、指先に残る感触も、唇にまだ残る甘い名残も、全てが愛おしくて唯一無二だった。
でも──。彼女の言葉の端々から滲み出る“過去”が、亮の心に爪を立てていた。
「由紀さんに、“こうしなきゃだめだ”って思わせた奴がいたことが……悔しいです」
「……え?」
ふいに亮が呟いた。ぎゅっと腕に力が入った。彼女を抱き寄せる腕。守るように、温めるように。
「俺……もっと早く出会いたかった」
その言葉が漏れた瞬間、由紀の腕がきゅっと亮の背に回された。それは、答えの代わりだった。
「あんな奴に、指一本触れさせたくなかった。あなたを泣かせたり、傷つけたり、萎縮させたり、そんな権利誰にもない」
亮の青い瞳には、滲む涙と怒りの淡い炎として宿っていた。けれど、それを見せまいとするように、彼はただ由紀の額に、そっとキスを落とした。
「俺、由紀さんの笑顔が一番好きです」
「……亮君」
「だからもう、誰にも奪わせたくない。壊させたくない」
「うん」
「……だから少し、過保護になっちゃうんですけど。許してくれますか?」
顔を傾けしゅんと尋ねられれば、苦笑が漏れた。由紀の胸にあった、かつての痛みの跡が、少しずつ癒されていく音がした。
「許すも何も。私、ずっと亮君といるから」
満面な笑顔で、抱きしめる。亮は静かに目を閉じ、彼女の心音に耳を澄ませた。そのぬくもりのためなら、命だって投げ打ってもいい、と思いながら──。
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