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クルムロフ城
第88話:手ごわい相手
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カルムの命令で魔法が放たれた瞬間、アイレは神速《ディヴィーツ》を詠唱するとフェアとヴェルネルを掴んで移動した。
先ほどの不意打ちを避ける際《さい》にも使用したので、身体中の筋肉がズキズキと痛む。
神速《ディヴィーツ》はアイレの反応や身体を強化してくれるが、その反動は甚だ大きい。
特に二人を担いでの連続使用は、負担が凄まじく、戦闘はおろか歩くことすらできなくなる可能性を持ち合わせている。
さっきまで自分たちが立っていた場所に、止めどなく魔法攻撃が放たれているのを柱の裏に隠れながら眺めていた。そう何度も避けきれるものではない。
「ここは分が悪いわ、一旦引きましょう」
「いや……シンドラの居場所を吐かせないと……」
フェアが入口の扉に視線を変えるが、アイレはカルムから目を離さない。残り時間がわからない今、退却することは頭にはない。
ヴェルネルは自分の無くなった右腕を眺めながら、
「……」
無言で悔し気な表情を浮かべていた。
「……俺がなんとかするしかないな、フェアとヴェルネルは――」
突然後ろからレッグが現れ、全員を巻き込むように鋭い蹴りを繰り出した。
かろうじて避けきったものの、その衝撃はすさまじく柱がえぐり取られる。魔力を漲《みなぎ》らせた脚はまるで絶大な威力を誇るハンマーのようだ。
「こそこそすんな!」
吐き捨てるようにレッグが悪態をつく。間髪入れずにカルムがふたたび魔法使いたちに指示を出すと、追撃するように魔法が放たれる。それをフェアが魔法防御で防いだが、反撃のタイミングは一切与えてもらえない。
さすがにアイレたちの表情にも焦りが見えはじめる。カルムを狙おうとすればレッグが現れ、反撃しようとすると大勢の魔法使いが攻撃を仕掛けてくる。
シンドラがレムリの身体を乗っ取る時間も明確ではない今、早々に決着をつけなければいけないのだが……。
「キミ……ほんとに魔王なの? 魔力もほとんどないし、守られてばっかじゃん」
レッグがめんどくさそうにヴェルネルに視線を向ける。先ほどの攻防でマントが剥がれ落ちており、義足の脚と無くなった右腕が晒されていた。
「ああ、自分でも情けないと思う。……だけど、僕は自分の意思で動いている。操り人形の君とは違う」
「へぇ、今まで好き勝手してきたはずなのに、よくそんなことが言えるね。ボクだって自分の意思だ。知った風な口で喋るな!」
アイレは再度、確かめるように、
「……レッグ。お前はそんなひどいことをするやつじゃないと、フェローが言っていた。一体なにがあったんだ? あのカルムって野郎も、シンドラも、何をしてるのかわかってるのか?」
まるで説得するように優しく声をかける。そのやり取りを見ているカルムが、
「レッグ! 無駄口を叩くな!」
大きな声で叫ぶ。レッグが大きなため息を吐いて、
「……さっきも言ったよね、フェローなんて知らないって」
舌打ちをしながら、明らかに不機嫌な表情を浮かべる。
「……いいや、お前は知っているはずだ。リーンズで一緒だったんだろ? 本当にお前は自分の意思で、こんなことをしているのか?」
その言葉で、明らかに困惑した表情を浮かべて、
「……うるさい……うるさいうるさい! そんなやつは知らないっていってるだろうが!!!!」
怒気を放ったまま、地を蹴ってアイレとの距離を詰めた。そのまま脚で連撃を繰り出したが、頭に血が上っているせいで、大振りで空を斬る。それを、アイレが返すように短剣で顔を狙った。
残念ながら、返した攻撃は直撃はしなかったが、レッグの頬《ほほ》に赤い線が一筋走る。
少しだけ表情を歪ませるが、もちろん致命傷にはいたっていない。
そのタイミングで、ふたたび魔法使いの攻撃が飛んできたが、アイレは地面を転がるようにそれを回避した。
――ちぃ、今ので仕留めきれていればっ。
悔し気な表情を浮かべているアイレから、少し離れた位置の柱に隠れているヴェルネルとフェアが、
「……フェア、あの魔法使いたちはどうやら操られているみたいだ。カルムを止めれば、もしかすると意識を取り戻すかもしれない」
「でもどうやって? 盾のようにカルムを守ってる魔法使いが邪魔だわ」
早口で作戦を練る。言葉の通り、カルムの前には数名の魔法使いが盾のように立っている。魔力で覆われたシールドを展開していて、攻撃を受けないようにしていた。
「アイレは……動けない。なら僕が……なんとか隙を作る」
ヴェルネルが、何かを覚悟した眼をした。誰かを助けるとき、いつもそんな目をしていたと、フェアが古い記憶を思い返す。
「……死なないでよ」
ほんの数時間前まで、命を狙っていたとは思えないほどヴェルネルのことを本心から心配した。レムリと……もう一度会わせてあげたい。
そんな気持ちが、少なからずフェアの心には芽生えていた。
レッグがふたたびアイレに仕掛けたとき、カルムが手信号で魔法使いに指示を出した。
その隙を狙って、ヴェルネルは柱の影から勢いよく飛び出すと、カルムの裏を取るために走った。
魔力が少ないからこそ、感知されづらいことを逆手に取り、気づかれないように最小限の動きで急ぐ。
さらにそれを悟らせないように、フェアもあえて姿を晒した。カルムに向かって攻撃魔法を放つと、魔法使いたちが手の平を翳《かざ》してシールドを展開する。
カルムは得意げな顔で、無駄だ! と嬉しそうに笑う。
そして、そのタイミングでヴェルネルは残った左腕と剣に、残り少ない魔力を漲《みなぎ》らせた。剣が呼応して蒼く光り輝く。
ヴェルネルはもう使い物にならん、と侮っていたカルムは、その攻撃に直前まで気づくことができなかった。
たとえ片腕しかなかったとしても、魔族に転生したヴェルネルの一撃の威力は重い。人間の首を切断することなど造作《ぞうさ》もない。
いつしか忘れてしまった正義の心、そんな気持ちを剣に宿らせるに感情を込めて、渾身の力で振り下ろした。魔法使いたちはカルムの指示がなければ動かないらしく、そのまま茫然《ぼうぜん》と立っている。
「終わりだ!!」
ヴェルネルが振り下ろした剣先が、カルムの首に触れる――
が、そのときどこかで幼い声が発せられた。
「だめだよ」
その声と同時に、ヴェルネルの剣がカルムの首を切断する前に、粉々に砕け散った。そのことは、その場で見ていたフェアでさえも何が起きたのかわからなかった。
二人は驚きながら、その幼い声が聞こえた広場の入り口に顔を向けた。そこには、練色《ねりいろ》の髪をした少女が掌を翳《かざ》していた。年齢は10歳くらい、フェローの元戦友で、ラコブニーク王国で「アイ」と呼ばれていた少女。
「たまには役に立つじゃないか!」
カルムが嬉しそうに叫ぶと、ヴェルネルに向かって剣を振った。その攻撃は脇腹を直撃したが、攻撃を受ける瞬間に、残り少ない魔力で防御することで致命傷を防ぐことができた。しかし、肋骨が数本折れてバキバキと音を立てる。そしてその衝撃で身体がずれると、
「っっがぁっ!」
激痛で小さな悲鳴を漏らして、地面を滑るように吹き飛んだ。
それからアイは、素足のまま広場の中心をゆっくりと歩くと、全員の視線を集めた。
「ここにもいたんだ」
その物言いは淡々としていて、感情が一切感じられない。幼い顔立ちだが、無表情も相まって、かなり不気味に聞こえる。
アイの姿を見たことで、少し落ち着きをみせたレッグが、よおと声をかける。
しかしそんなことよりも、”ここにも” という言葉が、アイレの頭に引っかかった。
そして、
「地下にもいたよ。――全員殺したけど」
何の躊躇もなく、アイレたちにとって衝撃的な言葉をその場で発した。
先ほどの不意打ちを避ける際《さい》にも使用したので、身体中の筋肉がズキズキと痛む。
神速《ディヴィーツ》はアイレの反応や身体を強化してくれるが、その反動は甚だ大きい。
特に二人を担いでの連続使用は、負担が凄まじく、戦闘はおろか歩くことすらできなくなる可能性を持ち合わせている。
さっきまで自分たちが立っていた場所に、止めどなく魔法攻撃が放たれているのを柱の裏に隠れながら眺めていた。そう何度も避けきれるものではない。
「ここは分が悪いわ、一旦引きましょう」
「いや……シンドラの居場所を吐かせないと……」
フェアが入口の扉に視線を変えるが、アイレはカルムから目を離さない。残り時間がわからない今、退却することは頭にはない。
ヴェルネルは自分の無くなった右腕を眺めながら、
「……」
無言で悔し気な表情を浮かべていた。
「……俺がなんとかするしかないな、フェアとヴェルネルは――」
突然後ろからレッグが現れ、全員を巻き込むように鋭い蹴りを繰り出した。
かろうじて避けきったものの、その衝撃はすさまじく柱がえぐり取られる。魔力を漲《みなぎ》らせた脚はまるで絶大な威力を誇るハンマーのようだ。
「こそこそすんな!」
吐き捨てるようにレッグが悪態をつく。間髪入れずにカルムがふたたび魔法使いたちに指示を出すと、追撃するように魔法が放たれる。それをフェアが魔法防御で防いだが、反撃のタイミングは一切与えてもらえない。
さすがにアイレたちの表情にも焦りが見えはじめる。カルムを狙おうとすればレッグが現れ、反撃しようとすると大勢の魔法使いが攻撃を仕掛けてくる。
シンドラがレムリの身体を乗っ取る時間も明確ではない今、早々に決着をつけなければいけないのだが……。
「キミ……ほんとに魔王なの? 魔力もほとんどないし、守られてばっかじゃん」
レッグがめんどくさそうにヴェルネルに視線を向ける。先ほどの攻防でマントが剥がれ落ちており、義足の脚と無くなった右腕が晒されていた。
「ああ、自分でも情けないと思う。……だけど、僕は自分の意思で動いている。操り人形の君とは違う」
「へぇ、今まで好き勝手してきたはずなのに、よくそんなことが言えるね。ボクだって自分の意思だ。知った風な口で喋るな!」
アイレは再度、確かめるように、
「……レッグ。お前はそんなひどいことをするやつじゃないと、フェローが言っていた。一体なにがあったんだ? あのカルムって野郎も、シンドラも、何をしてるのかわかってるのか?」
まるで説得するように優しく声をかける。そのやり取りを見ているカルムが、
「レッグ! 無駄口を叩くな!」
大きな声で叫ぶ。レッグが大きなため息を吐いて、
「……さっきも言ったよね、フェローなんて知らないって」
舌打ちをしながら、明らかに不機嫌な表情を浮かべる。
「……いいや、お前は知っているはずだ。リーンズで一緒だったんだろ? 本当にお前は自分の意思で、こんなことをしているのか?」
その言葉で、明らかに困惑した表情を浮かべて、
「……うるさい……うるさいうるさい! そんなやつは知らないっていってるだろうが!!!!」
怒気を放ったまま、地を蹴ってアイレとの距離を詰めた。そのまま脚で連撃を繰り出したが、頭に血が上っているせいで、大振りで空を斬る。それを、アイレが返すように短剣で顔を狙った。
残念ながら、返した攻撃は直撃はしなかったが、レッグの頬《ほほ》に赤い線が一筋走る。
少しだけ表情を歪ませるが、もちろん致命傷にはいたっていない。
そのタイミングで、ふたたび魔法使いの攻撃が飛んできたが、アイレは地面を転がるようにそれを回避した。
――ちぃ、今ので仕留めきれていればっ。
悔し気な表情を浮かべているアイレから、少し離れた位置の柱に隠れているヴェルネルとフェアが、
「……フェア、あの魔法使いたちはどうやら操られているみたいだ。カルムを止めれば、もしかすると意識を取り戻すかもしれない」
「でもどうやって? 盾のようにカルムを守ってる魔法使いが邪魔だわ」
早口で作戦を練る。言葉の通り、カルムの前には数名の魔法使いが盾のように立っている。魔力で覆われたシールドを展開していて、攻撃を受けないようにしていた。
「アイレは……動けない。なら僕が……なんとか隙を作る」
ヴェルネルが、何かを覚悟した眼をした。誰かを助けるとき、いつもそんな目をしていたと、フェアが古い記憶を思い返す。
「……死なないでよ」
ほんの数時間前まで、命を狙っていたとは思えないほどヴェルネルのことを本心から心配した。レムリと……もう一度会わせてあげたい。
そんな気持ちが、少なからずフェアの心には芽生えていた。
レッグがふたたびアイレに仕掛けたとき、カルムが手信号で魔法使いに指示を出した。
その隙を狙って、ヴェルネルは柱の影から勢いよく飛び出すと、カルムの裏を取るために走った。
魔力が少ないからこそ、感知されづらいことを逆手に取り、気づかれないように最小限の動きで急ぐ。
さらにそれを悟らせないように、フェアもあえて姿を晒した。カルムに向かって攻撃魔法を放つと、魔法使いたちが手の平を翳《かざ》してシールドを展開する。
カルムは得意げな顔で、無駄だ! と嬉しそうに笑う。
そして、そのタイミングでヴェルネルは残った左腕と剣に、残り少ない魔力を漲《みなぎ》らせた。剣が呼応して蒼く光り輝く。
ヴェルネルはもう使い物にならん、と侮っていたカルムは、その攻撃に直前まで気づくことができなかった。
たとえ片腕しかなかったとしても、魔族に転生したヴェルネルの一撃の威力は重い。人間の首を切断することなど造作《ぞうさ》もない。
いつしか忘れてしまった正義の心、そんな気持ちを剣に宿らせるに感情を込めて、渾身の力で振り下ろした。魔法使いたちはカルムの指示がなければ動かないらしく、そのまま茫然《ぼうぜん》と立っている。
「終わりだ!!」
ヴェルネルが振り下ろした剣先が、カルムの首に触れる――
が、そのときどこかで幼い声が発せられた。
「だめだよ」
その声と同時に、ヴェルネルの剣がカルムの首を切断する前に、粉々に砕け散った。そのことは、その場で見ていたフェアでさえも何が起きたのかわからなかった。
二人は驚きながら、その幼い声が聞こえた広場の入り口に顔を向けた。そこには、練色《ねりいろ》の髪をした少女が掌を翳《かざ》していた。年齢は10歳くらい、フェローの元戦友で、ラコブニーク王国で「アイ」と呼ばれていた少女。
「たまには役に立つじゃないか!」
カルムが嬉しそうに叫ぶと、ヴェルネルに向かって剣を振った。その攻撃は脇腹を直撃したが、攻撃を受ける瞬間に、残り少ない魔力で防御することで致命傷を防ぐことができた。しかし、肋骨が数本折れてバキバキと音を立てる。そしてその衝撃で身体がずれると、
「っっがぁっ!」
激痛で小さな悲鳴を漏らして、地面を滑るように吹き飛んだ。
それからアイは、素足のまま広場の中心をゆっくりと歩くと、全員の視線を集めた。
「ここにもいたんだ」
その物言いは淡々としていて、感情が一切感じられない。幼い顔立ちだが、無表情も相まって、かなり不気味に聞こえる。
アイの姿を見たことで、少し落ち着きをみせたレッグが、よおと声をかける。
しかしそんなことよりも、”ここにも” という言葉が、アイレの頭に引っかかった。
そして、
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何の躊躇もなく、アイレたちにとって衝撃的な言葉をその場で発した。
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