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第11話 再会
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それからもずっと、魔結界と魔滅の練習を繰り返した。
だがなぜか魔滅は、あの壺のときが最後で、まともに成功していない。
黒い魔力で中が覆われることがあっても、破壊はできないし、そもそも出現しない。
どうしてあの時だけ成功したのかわからないが、父には申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
一週間、二週間、一ヵ月経過しても、相変わらず、魔結界だけしか安定しなかった。
「ぐるぅ!」
「魔結界!」
おもちを敵に見立てる。魔滅はしないが、強度を保つ練習もしているのだ。
父、リルドは仕事も忙しい合間に見てくれている。
今は中庭、そのとき、メアリーが声をかけてきてくれた。
「クライン、あんまり無理しちゃだめよ」
「う、うん……でも、全然ダメで……」
「当たり前よ。普通、魔結界だけでも凄く時間がかかるの。今でも凄いんだから」
「うん、でもがんばりたい。パパとママの力になりたいんだ」
俺がそういうと、メアリーはゆっくり近づいて膝をつく。
そして頬をぎゅっとむにむにした。
「ほんと、あなたは子供なのに気を遣いすぎよ」
それからぎゅっと抱きしめてくれる。
落ち着く。心が洗われるようだ。
だけど余計に頑張りたいと思える。
そのとき、フェアの姿が見えた。
その横に立っているのは、頭にウサギを乗せた少女――ミリシアだった。
「え!?」
慌ててメアリーから脱出、なんだろう。
恥ずかしかった。
それから、ペコリと挨拶。
「メアリー様、ミリシア様とインバート様がいらっしゃいました」
「あら、早いわね。リルドは?」
「後でいらっしゃいます。先にご案内します」
「わかったわ。1人で行くから、二人を見ていてもらえるかしら?」
「かしこまりました」
どうしてミリシアが?
メアリーはゆっくり近づいて、ミリシアに微笑んだ。
「初めまして、お話は聞いているわ。カワイイ魔獣ちゃんね」
「こんにちは、ミリシア・インバートです。ありがとうございます」
「ふふふ、丁寧ね。それじゃあ、クライン、ちょっと大事なお話があるから、お客様を退屈させないようにしてね」
最後にメアリーは、俺に片目をウィンク。
ど、どうすればいいんだ……。
メアリーは去っていく。
その横ではフェアが待機していた。
どうしよう、どうしよう。
ひとまず声をかけよう。
「ええと、久しぶり、元気してた?」
「うん、元気だよ。何してたの?」
「魔結界と魔滅の練習、難しいね……」
「魔滅? 魔結界はもうできるの?」
「できるよ。たまに失敗するけど」
「すごい……」
ミリシアは子供だが大人っぽい。
まあ、それは俺もだろうが。
「ぐるぅ」
「わっ、ふふふ、久しぶりおもち」
するとおもちが近づいてミリシアの頬を舐めた。
ナイスアシストだ。
隣では、フェアが微笑んでいた。
「ミリシアのウサギ可愛いね。名前はなんていうの?」
「リリっていうの。魔力を探知してくれる」
「へえすごいね」
しかし変だ。精神的にも子供なんだろうか。
何だかドキドキする。
何を話したらいいのかわからない。
そもそも元の世界でも彼女なんていなかったし、家族以外とほとんど話していない。
そのとき、フェアがいつのまにか消えていた。
どこだろうと思っていたら、テーブルと椅子を片手で持ち上げて歩いてくる
……え、怪力すぎない?
そのままゆっくりとおろし、テキパキとカフェセットを広げる。
「どうぞ、ミリシア様」
「わ、ありがとう。リリ、おいで」
フェアが、視線で俺を誘導する。
あわてて急ぎで、ミリシアが座りやすいように椅子を動かした。
「ありがとう、クライン」
「どういたしまして」
そして、フェアがふたたび右目をパチ。
そのまま俺たちは、祝福の儀の話をした。
お互いのことを話せるのは貴重な相手だ。
そこで俺は、少しかっこいいところを見せたくなった。
「じゃあ、わたしが作るよ」
そういって、ミリシアはポケットから折り紙を出した。
それを丁寧に折る。出来上がったのは鶴だ。
ふうと息を吐くと、生命の息吹をかけられたかのようにパタパタと動き出す。
――すごい。
リルドもしていたが、もっとこう、ぎこちない感じだった。
あまり上手じゃないんだ、とはいっていたが、こういうことだったのか。
そのまま手から離れていくと、鳥のように旋回した。
「いいよ」
「――わかった」
椅子から立ち上がる。
人差し指と中指を立てる。
魔結界はイメージが大事だ。
空中に足場を創るイメージで、そこから一気に。
深呼吸する。
そのとき、フェアが口パクで――「リラックスです」といってくれた。
ああ、本当に彼女は優しい。
「――魔結界」
すると、紙鳥は一瞬で囲まれた。
「すごい、すごいすごい!」
「上手くできたかも」
軽口をたたきながら、ホッと胸をなでおろす。
だがそのとき、なんだか成功するとわかった。
そのまま、肩の力を抜いたまま――。
「――魔滅」
すると黒く覆われた後、箱が消えていく。
紙鳥は、粉々になっていた。
「ええええええええ、すごい! 魔滅も!?」
「あ、ああ。――いや、ミリシアのおかげだよ。力を抜くことを忘れてたかも。最近、ずっと力を入れてたから」
「わたしなにもしてないよ?」
「そんなことないよ。そうやって褒めてくれたから、心が穏やかになったんだ」
「そうなの? ――なら、良かった」
そして俺は、静かにフェアにお礼を言った。
フェアは、うんうんと微笑んでくれた。
◇
尊い、尊い、尊い、尊い、尊いいいいいいいいいい。
な、なにこのカワイイ二人。
絶妙な距離感、子供ながらに美男美女、更にもふもふ二匹。
鼻血がでそう……。
愛しすぎます。ミリシア様、クライン様!
そして才能も溢れすぎ……。
魔結界と魔滅が使える上に、魔獣と心を通わせることができるクライン様。
稀有な魔獣を従えさせながら、式紙と魔結界を持つミリシア様。
更にあのインバート様の娘さん。
任せてくださいメアリー様、リルド様。
私、フェアは頑張ります!
二人が仲良くなるために、何とか頑張ります!
頑張れ私、いけいけ私!
そしてがんばって二人!
「クラインすごいね」
「そんなことないよ、ミリシアも凄い」
にしても……ほんと、癒されるうううううううう。
だがなぜか魔滅は、あの壺のときが最後で、まともに成功していない。
黒い魔力で中が覆われることがあっても、破壊はできないし、そもそも出現しない。
どうしてあの時だけ成功したのかわからないが、父には申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
一週間、二週間、一ヵ月経過しても、相変わらず、魔結界だけしか安定しなかった。
「ぐるぅ!」
「魔結界!」
おもちを敵に見立てる。魔滅はしないが、強度を保つ練習もしているのだ。
父、リルドは仕事も忙しい合間に見てくれている。
今は中庭、そのとき、メアリーが声をかけてきてくれた。
「クライン、あんまり無理しちゃだめよ」
「う、うん……でも、全然ダメで……」
「当たり前よ。普通、魔結界だけでも凄く時間がかかるの。今でも凄いんだから」
「うん、でもがんばりたい。パパとママの力になりたいんだ」
俺がそういうと、メアリーはゆっくり近づいて膝をつく。
そして頬をぎゅっとむにむにした。
「ほんと、あなたは子供なのに気を遣いすぎよ」
それからぎゅっと抱きしめてくれる。
落ち着く。心が洗われるようだ。
だけど余計に頑張りたいと思える。
そのとき、フェアの姿が見えた。
その横に立っているのは、頭にウサギを乗せた少女――ミリシアだった。
「え!?」
慌ててメアリーから脱出、なんだろう。
恥ずかしかった。
それから、ペコリと挨拶。
「メアリー様、ミリシア様とインバート様がいらっしゃいました」
「あら、早いわね。リルドは?」
「後でいらっしゃいます。先にご案内します」
「わかったわ。1人で行くから、二人を見ていてもらえるかしら?」
「かしこまりました」
どうしてミリシアが?
メアリーはゆっくり近づいて、ミリシアに微笑んだ。
「初めまして、お話は聞いているわ。カワイイ魔獣ちゃんね」
「こんにちは、ミリシア・インバートです。ありがとうございます」
「ふふふ、丁寧ね。それじゃあ、クライン、ちょっと大事なお話があるから、お客様を退屈させないようにしてね」
最後にメアリーは、俺に片目をウィンク。
ど、どうすればいいんだ……。
メアリーは去っていく。
その横ではフェアが待機していた。
どうしよう、どうしよう。
ひとまず声をかけよう。
「ええと、久しぶり、元気してた?」
「うん、元気だよ。何してたの?」
「魔結界と魔滅の練習、難しいね……」
「魔滅? 魔結界はもうできるの?」
「できるよ。たまに失敗するけど」
「すごい……」
ミリシアは子供だが大人っぽい。
まあ、それは俺もだろうが。
「ぐるぅ」
「わっ、ふふふ、久しぶりおもち」
するとおもちが近づいてミリシアの頬を舐めた。
ナイスアシストだ。
隣では、フェアが微笑んでいた。
「ミリシアのウサギ可愛いね。名前はなんていうの?」
「リリっていうの。魔力を探知してくれる」
「へえすごいね」
しかし変だ。精神的にも子供なんだろうか。
何だかドキドキする。
何を話したらいいのかわからない。
そもそも元の世界でも彼女なんていなかったし、家族以外とほとんど話していない。
そのとき、フェアがいつのまにか消えていた。
どこだろうと思っていたら、テーブルと椅子を片手で持ち上げて歩いてくる
……え、怪力すぎない?
そのままゆっくりとおろし、テキパキとカフェセットを広げる。
「どうぞ、ミリシア様」
「わ、ありがとう。リリ、おいで」
フェアが、視線で俺を誘導する。
あわてて急ぎで、ミリシアが座りやすいように椅子を動かした。
「ありがとう、クライン」
「どういたしまして」
そして、フェアがふたたび右目をパチ。
そのまま俺たちは、祝福の儀の話をした。
お互いのことを話せるのは貴重な相手だ。
そこで俺は、少しかっこいいところを見せたくなった。
「じゃあ、わたしが作るよ」
そういって、ミリシアはポケットから折り紙を出した。
それを丁寧に折る。出来上がったのは鶴だ。
ふうと息を吐くと、生命の息吹をかけられたかのようにパタパタと動き出す。
――すごい。
リルドもしていたが、もっとこう、ぎこちない感じだった。
あまり上手じゃないんだ、とはいっていたが、こういうことだったのか。
そのまま手から離れていくと、鳥のように旋回した。
「いいよ」
「――わかった」
椅子から立ち上がる。
人差し指と中指を立てる。
魔結界はイメージが大事だ。
空中に足場を創るイメージで、そこから一気に。
深呼吸する。
そのとき、フェアが口パクで――「リラックスです」といってくれた。
ああ、本当に彼女は優しい。
「――魔結界」
すると、紙鳥は一瞬で囲まれた。
「すごい、すごいすごい!」
「上手くできたかも」
軽口をたたきながら、ホッと胸をなでおろす。
だがそのとき、なんだか成功するとわかった。
そのまま、肩の力を抜いたまま――。
「――魔滅」
すると黒く覆われた後、箱が消えていく。
紙鳥は、粉々になっていた。
「ええええええええ、すごい! 魔滅も!?」
「あ、ああ。――いや、ミリシアのおかげだよ。力を抜くことを忘れてたかも。最近、ずっと力を入れてたから」
「わたしなにもしてないよ?」
「そんなことないよ。そうやって褒めてくれたから、心が穏やかになったんだ」
「そうなの? ――なら、良かった」
そして俺は、静かにフェアにお礼を言った。
フェアは、うんうんと微笑んでくれた。
◇
尊い、尊い、尊い、尊い、尊いいいいいいいいいい。
な、なにこのカワイイ二人。
絶妙な距離感、子供ながらに美男美女、更にもふもふ二匹。
鼻血がでそう……。
愛しすぎます。ミリシア様、クライン様!
そして才能も溢れすぎ……。
魔結界と魔滅が使える上に、魔獣と心を通わせることができるクライン様。
稀有な魔獣を従えさせながら、式紙と魔結界を持つミリシア様。
更にあのインバート様の娘さん。
任せてくださいメアリー様、リルド様。
私、フェアは頑張ります!
二人が仲良くなるために、何とか頑張ります!
頑張れ私、いけいけ私!
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