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第27話 束の間の休暇
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「よちよち、クラインクライン」
「ぬおおおクラインクラインン」
「ンが一個多いよ。てか――近いよ!? 父さん母さん」
来週からまた忙しくなるということで、候補生になってから初めての休暇をもらった。
久しぶりに屋敷に帰ってきたのだが、二人とも俺を物理的に挟み込んで離れない。
書斎に移動したらメアリーが付いてきて。
お風呂に移動したらリルドが入ってきて。
寝ようとしたら、フェアが横でニコニコと子守歌を歌ってくれる。
至れり尽くせりとはこのこと――いや、違うかも。
「お二人ともずっとクライン様のことを心配していたのですよ。王城に連絡を送ることは、はばかれますから」
ニコニコ顔のフェアの言う通り、二人は俺のことを愛してくれている。
それも無条件に。
なんて嬉しいことだろう。
親と子供ってのは、本当に凄く良い関係だ。
だからこそ、頑張らないと。
俺が宮廷結界師になれば家は安泰だ。
候補生として合格か不合格かの制度があることは、後からメアリーとリルドにも伝えられている。
そのことは秘匿なので漏らすことはできない。
「おもち、おいで」
「ぐるぅ」
そしてみんなで抱き合う。
変な光景だ。でも、幸せなのだ。
詳しい訓練内容は話せないが――。
「これからも頑張るよ。応援ありがとう」
そんな変な俺たちを、フェアはずっと嬉しそうに眺めていた。
◇
今まででは考えられないほどゆっくりしていたら、父さんが久しぶりに手合わせしようと声をかけてくれた。
だが驚いた。
――こんなにも強かっただなんて。
「魔結界。――残念だな。また私の勝ちだ」
互いに動きながら結界を掛け合う。
一部分でポイント、三ポイントで勝利
体を覆えばその時点で勝利。
俺はかなり自信があった。
だが、リルドの魔結界は形成までがおそろしく早いのだ。
「凄い……俺も頑張ってたのになあ」
「はは、まだまだ父としての威厳は保てそうだ。といいたいところだが、既に私を超えてるよ。見たところ魔力の防御力も上がっている。魔滅ありで対決したら既に勝負にならないだろう。そこにおもちだ。クライン、お前は私の自慢の息子だよ」
「ありがとう。でも、まだだよ。これからも頑張るから」
「……クライン」
リルドは、俺の頭をよしよしと撫でた。
「いいんだ。頑張ってることは知ってるが、元気でさえいてくれたらいいんだ。それで幸せなんだ。私もメアリーも、フェアもそうだ。だから、無理はするな。楽しめばいい」
本当に優しい父だ。そこから二人で何度か訓練したあと、おもちと一緒にお風呂に入って、みんなで食事した。
翌日は、フェアの聞き取り調査があった。
「進展なし……ですか!?」
「え、ええと……あのどうだろう。例えばその、なんだろう。肩を叩きあったりはしたことあるよ」
「手を繋いだことは?」
「魔物と逃げるときに一度だけ」
「二人きりでの夜景は?」
「王城の渡り廊下で一度だけ」
「うーん、それはギリ合格ですね」
相変わらず手厳しい。
とはいえ、俺もミリシアと仲良くするのは楽しい。
これが恋愛かどうかはわからないが、元々恥ずかしがり屋なので、フェアの指導はありがたい。
「ふむ、今日のところはいいでしょう」
「はい師匠!」
色々と女の子扱いを教えてもらってその日は就寝。
そんな日々が続いて、すぐに休暇の終わりが来た。
今日は他候補生との対面だ。
胸がどきどきする。
けれども、皆が応援してくれる。
「クライン、手紙はもっとちょうだいね」
「今度王都で仕事がある。そのとき会いに行く」
「クライン様、押しですよ、押し!」
「ありがとうみんな。――いこうおもち」
「ぐるぅ」
ミリシアやルージュも同じ時間を過ごしているだろう。
気合も入っているに違いない。
他も三人組と聞いている。
試験もあるらしい。
どんな風になるのか楽しみだ。
「ぬおおおクラインクラインン」
「ンが一個多いよ。てか――近いよ!? 父さん母さん」
来週からまた忙しくなるということで、候補生になってから初めての休暇をもらった。
久しぶりに屋敷に帰ってきたのだが、二人とも俺を物理的に挟み込んで離れない。
書斎に移動したらメアリーが付いてきて。
お風呂に移動したらリルドが入ってきて。
寝ようとしたら、フェアが横でニコニコと子守歌を歌ってくれる。
至れり尽くせりとはこのこと――いや、違うかも。
「お二人ともずっとクライン様のことを心配していたのですよ。王城に連絡を送ることは、はばかれますから」
ニコニコ顔のフェアの言う通り、二人は俺のことを愛してくれている。
それも無条件に。
なんて嬉しいことだろう。
親と子供ってのは、本当に凄く良い関係だ。
だからこそ、頑張らないと。
俺が宮廷結界師になれば家は安泰だ。
候補生として合格か不合格かの制度があることは、後からメアリーとリルドにも伝えられている。
そのことは秘匿なので漏らすことはできない。
「おもち、おいで」
「ぐるぅ」
そしてみんなで抱き合う。
変な光景だ。でも、幸せなのだ。
詳しい訓練内容は話せないが――。
「これからも頑張るよ。応援ありがとう」
そんな変な俺たちを、フェアはずっと嬉しそうに眺めていた。
◇
今まででは考えられないほどゆっくりしていたら、父さんが久しぶりに手合わせしようと声をかけてくれた。
だが驚いた。
――こんなにも強かっただなんて。
「魔結界。――残念だな。また私の勝ちだ」
互いに動きながら結界を掛け合う。
一部分でポイント、三ポイントで勝利
体を覆えばその時点で勝利。
俺はかなり自信があった。
だが、リルドの魔結界は形成までがおそろしく早いのだ。
「凄い……俺も頑張ってたのになあ」
「はは、まだまだ父としての威厳は保てそうだ。といいたいところだが、既に私を超えてるよ。見たところ魔力の防御力も上がっている。魔滅ありで対決したら既に勝負にならないだろう。そこにおもちだ。クライン、お前は私の自慢の息子だよ」
「ありがとう。でも、まだだよ。これからも頑張るから」
「……クライン」
リルドは、俺の頭をよしよしと撫でた。
「いいんだ。頑張ってることは知ってるが、元気でさえいてくれたらいいんだ。それで幸せなんだ。私もメアリーも、フェアもそうだ。だから、無理はするな。楽しめばいい」
本当に優しい父だ。そこから二人で何度か訓練したあと、おもちと一緒にお風呂に入って、みんなで食事した。
翌日は、フェアの聞き取り調査があった。
「進展なし……ですか!?」
「え、ええと……あのどうだろう。例えばその、なんだろう。肩を叩きあったりはしたことあるよ」
「手を繋いだことは?」
「魔物と逃げるときに一度だけ」
「二人きりでの夜景は?」
「王城の渡り廊下で一度だけ」
「うーん、それはギリ合格ですね」
相変わらず手厳しい。
とはいえ、俺もミリシアと仲良くするのは楽しい。
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「ふむ、今日のところはいいでしょう」
「はい師匠!」
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「クライン、手紙はもっとちょうだいね」
「今度王都で仕事がある。そのとき会いに行く」
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「ありがとうみんな。――いこうおもち」
「ぐるぅ」
ミリシアやルージュも同じ時間を過ごしているだろう。
気合も入っているに違いない。
他も三人組と聞いている。
試験もあるらしい。
どんな風になるのか楽しみだ。
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