やがて最強になる結界師、規格外の魔印を持って生まれたので無双します

菊池 快晴

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第28話 交流会

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「あなたが静かなる最凶サイレントイビル? 思ってたより小さいんだね」
「……よろしくお願いします」
「よ、よろしく」

 最初に俺のことを二つ名で呼んだ女の子は、アブダル国の結界師候補生、アクリル・ガールフ。
 ブルーのショートカット、なんだか気だるそうだ。ガムみたいなものを膨らましている。
 小さいといっているが、身長は俺と同じくらい。

 その隣で小さな茶色髪、物静かなのは、エウリ・トーリエ。
 宮廷魔法使い候補生で、魔術の有名なアルト国から来ている(ミリシアに教えてもらった)。

 俺のことも話そうとしたのだが、既に知っていたので言うことはなかった。

「今回は交流を目的としている。正式な試験じゃないので気楽にな。修練の儀と難易度はそこまで変わらないだろう。お互いの能力を確認しながら、存分に楽しんでほしい」
 
 ココア先生の言う通り、俺たちの前には、修練の儀で使われた大きな門があった。
 存分に楽しんでほしいなんて、俺は信用していないが。
 
「どうせなら一位を目指すよ。私がリーダーでいいよね?」
「……まだ判断しかねます」

 今から俺たちは三人で門をくぐる。
 ……だ、大丈夫かな。

  ◇

 数時間前――。

「今日は楽しみだな。どんな奴がくるんだろう」
「ルージュはコミュ力が高いから誰でも話せそうでいいな。俺は苦手だ」
「コミュ力? なんかクライン、時々変な事言うよな」
「え、そ、そうかな?」

 元の世界の言葉は、通じるときと通じないときがある。
 気を付けないと。

 休暇を終えた俺たちは、他の候補生と初めて対面することになった。
 だが全員がライバルだ。気を引き締めていかないと。

「クライン、気をつけてね」
「気を付けるって? どういうこと、ミシリア」
「あなたが一番注目されてるはずよ。ちょっかい出されるかも」
「……そうなの?」
「私の調べではね」
「おいなんだミリシア、クラインのことそんな気にして、好きなのか?」
 
 ルージュの問いかけに、ミリシアは反論しながら頬を赤らめた。
 風邪なのかな?

「体調大丈夫?」
「何……言ってるの?」

 約束の20分前行動が染みついた俺たちだったが、既に他の候補生たちもいた。
 年齢は少し上ぐらいが多いみたいだ。

 10組と聞いていたので、単純計算で残り27人と会うことになる。

 俺たちより大きくて強そうな人もいる。
 結界師ではなく、宮廷戦士候補だろうか。

 俺たちの敵は魔物よりも対人を想定されている。

 それからも次々と候補生たちがやってくる。
 俺たちと同じ服を着ているのを見ると、ライバルとはいえ仲間なんだと思えて少しホッコリした。

「揃ったな」

 だがココア先生の言葉に驚いた。
 今ここにいるのは、ざっとみて15人ほどだ。

 半分も足りない。
 俺は、おそるおそる手を挙げた。

「あ、あの他の候補生は?」
「これで全員だ。トリア国、ビブリア国、フーリス国の候補生は除隊している」

 んでという言葉が口から出そうになるが、先に「整列」と号令がかかった。
 隣からゆっくり現れたのは、無精髭のルスティ・ブイさんだ。

「よお、揃ったみたいだな。俺はルスティだ。知っている奴もいると思うが、初めましてもいる。まあ、周りもそんな感じだろうが。さっきクラインから質問があったので答えておくが、ここにいない候補生奴らは自ら辞めた。理由は様々だ。詳しく伝える義務はない」

 せっかく候補生に選ばれたというのにもったいない。そう思ったのは傲慢だろうか。
 確かに訓練は大変だ。だが相応の見返りはある。

 とはいえ人それぞれだ。もし俺の家が裕福なら、もっと時間が取れる仕事を選んだのかもしれない。

 次に他国で訓練官をしていた先生たちの軽い紹介があった。
 みんな強そうだ。俺の知らない王都での先生を含む、他国の結界師、魔法使い、戦士、索敵師らしい。

 正式に採用された場合、宮廷魔法使いになるのだが、場合によって他国でのスカウトもあるとのこと。
 といっても、俺はここを離れたくはないが。

「とりあえず今回は交流会だ。まあ、かたっ苦しい事は抜きにしよう。よろしくこんにちは、なんて俺たちには必要ない。わかるだろ? 命を預けりゃ仲間になれる。今回はそれほど強くはねえが、試練を用意した」

 そのまま別の場所に移動すると、修練の門が用意されていた。
 そういえばこれはどういうものなのか、詳しく聞いたことはない。

「それじゃあなクライン、ミリシア。頑張れよ」
「ルージュもね。――ミリシア」
「ん?」
「頑張ってね」
「ふふふ、ありがと」

 精一杯のエールを送り、ミリシアを見送る。

 交流会とは名ばかり、他国との三人一組で試練を受ける。

 即席で命を預け合うなんて、候補生は何でもいきなりだ。

 そして、女の子二人が俺の前に現れた。

「あなたがクライン・ロイク?」
「……こんにちは」
「よろしく! 王都訓練してるクラインです。一緒に頑張ろうね!」

「頑張ろう? それって意味ある? 私たちはライバルだよね?」
「……一理はあります」

 ん、ん-ーー?
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