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11.男は手作りに弱いはず
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ルシアの庶民語を直すべく、昼食は一緒に過ごすことにした私たち。
「マルガリータ様はスッゲェ上品に食べるんすね」
「…え、えぇ。所作も美しくなければならないのよ?」
「そんなもんなんすねぇ」
「ルシア様?『んすね』だけでもやめてみたらどうでしょうか?」
「『んすね』の代わりになんて言えばいいんすか?」
「『ですね』とか『ですわね』に変えてみたらいいわよ」
「分かったっす」
「っす?」
「分かったですわ」
「……分かりましたわ」
ヒロインとジャレス殿下の距離が全く近づかない。
庶民語のせいかしら……。
「これ、うめぇっす」
「こちらは、美味しゅうございます」
満面の笑みで、口いっぱいに頬張る姿は、リスみたいで本当に可愛らしいのだけれど。
「うめ…美味しゅう。ホントにうめ…美味しゅう」
淑女への道は遠そうだわ。
男は手作りに弱いはず。
前世の男も私の作ったケーキを食べて
「家庭的な女っていいよな」
って言ってたもの。
言葉遣いは後回しにして、殿下の胃袋を掴んじゃおう作戦はどうかしら?
「ルシア様、あなた、何か料理とかお菓子とか作れますの?」
「マルガリータ様はスッゲェ上品に食べるんすね」
「…え、えぇ。所作も美しくなければならないのよ?」
「そんなもんなんすねぇ」
「ルシア様?『んすね』だけでもやめてみたらどうでしょうか?」
「『んすね』の代わりになんて言えばいいんすか?」
「『ですね』とか『ですわね』に変えてみたらいいわよ」
「分かったっす」
「っす?」
「分かったですわ」
「……分かりましたわ」
ヒロインとジャレス殿下の距離が全く近づかない。
庶民語のせいかしら……。
「これ、うめぇっす」
「こちらは、美味しゅうございます」
満面の笑みで、口いっぱいに頬張る姿は、リスみたいで本当に可愛らしいのだけれど。
「うめ…美味しゅう。ホントにうめ…美味しゅう」
淑女への道は遠そうだわ。
男は手作りに弱いはず。
前世の男も私の作ったケーキを食べて
「家庭的な女っていいよな」
って言ってたもの。
言葉遣いは後回しにして、殿下の胃袋を掴んじゃおう作戦はどうかしら?
「ルシア様、あなた、何か料理とかお菓子とか作れますの?」
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