君を幸せにする、そんな言葉を信じた私が馬鹿だった

白羽天使

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卒業パーティー

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 学園の卒業式が終わると、敷地内にある大広間で、卒業パーティーが開かれた。
 卒業生たちはそこで仲間や恋人と最後の学園生活を楽しむのだ。
 
「アリス。お前も来たんだな」

 一人会場の端で佇んでいると、フロイドが近寄ってきて言った。
 隣にはやはりペティの姿があって、まだ彼の婚約者は私なのに、彼の腕に自分の腕を絡みつけている。

「ええ、これでも一応首席卒業なので……スピーチを頼まれたの」

「ふーん。どうせ先生に色仕掛けでもしたんじゃないのぉ?」

 ペティは私を見て不気味な笑みを浮かべた。
 私は拳をぎゅっと握るが、怒りを何とか抑えこみ、冷静な口調で言う。

「そんな……あなたじゃあるまいし……」

 一瞬ペティは顔を青ざめさせたが、すぐに元に戻って、早口に言う。

「な、何を言っているのかしら? あんたみたいな女のスピーチなんて誰も……」

「アリス。時間だ」

 と、ペティの言葉を遮ったのは、モラルだった。
 彼はフロイドとペティをひと睨みすると、淡々と言う。

「アリスはこれからスピーチの準備をしなくちゃならない。友達がいなくて暇なのは分かるが、彼女の邪魔をするな。式の進行に関わる」

「なんだとモラル。別に僕達は暇でも友達が少ないわけでもない! 行くぞペティ!」

「もちろんよ、こんな人達と話していたらせっかくの時間がもったいないものね! ふん!」

 モラルの言葉が効いたのか、二人は悔しそうにその場を離れていく。
 
「ありがとうモラル。また助けてもらっちゃったわね」

「気にしないでくれ。式の進行に関わるのは本当なんだから。スピーチ、楽しみにしているよ」

「うん」

 私は頷くと壇上へ向かった。

 ……私が壇上へ上がると、あんなに騒がしかった会場がしんと静まり返り、皆の視線が一気にこちらへ集中した。
 私は緊張感に唾を呑み込むと、意を決して口を開く。

「まずは皆様、ご卒業おめでとうございます。誰一人かけることなく卒業できたのはまさに僥倖というべき……」

 事前に用意された賛辞の言葉を述べ、模範解答のようなスピーチをする私。
 時に拍手や野次を飛ばされながらも問題なく進み、いよいよあれを言う時がきた。

「最期に皆様に是非お伝えしたいことがあります。私の婚約者フロイドと、親友のペティについてです」

 予想外の言葉を私が放ったため、会場がざわつき、二人へ視線が移り始める。

「単刀直入に申しますと、フロイドは私という婚約者がありながら、ペティと男女の仲になっております。そしてペティに至っては、ここにいる数人の男性とも関係を持っています」
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