174 / 185
おまけ もう1つの戦場7
しおりを挟む
各地で善戦しているものの状況は厳しかった。
旧王国方面は先にドラルの城があるとはいえドラルの城だけで旧王国に向かう全ての魔物を食い止められる訳もなく、ドラルの城の戦力にも疲れが見え始め次第に魔物の突破を許していた。だが、それらを止める術が旧王国領にはない。
冒険者ギルドが存在しているものの、ゼギウスが除名されたことによる人気低迷に加えドラルの城の城主がアルメシアになってからは魔物関連のいざこざが減り戦闘要員は減っていた。
そのため、魔物の群れに対抗できるような戦力は有していない。
皇国方面もララや子供たち、シアンの故郷の人々と大勢の呼び掛けが伝播して各地で避難を始めているものの魔物の群れに対抗する戦力はない。各街町で戦える人を集め武器を手に取り防衛線を築いているが、その戦力が十分とは言えない。
それを打開するはずの皇国軍もミレーネの死の影響で中枢が麻痺しているのか動く気配がなかった。
そんな中で、意外にも最も苦戦を強いられているのが帝国方面だった。
ガルドスが戻り自らが指揮を執り魔物の群れを退けるかと思われたが、そうはいっていない。
と、いうのもガルドスは帝国軍の基本的な方針、方向性を示すだけで実際に指揮を執っていたのは近衛たちだった。その近衛がいなくなったせいで連絡1つ、連携が上手く取れず未だに軍を動かすに至っていないのだ。
トップダウンで迅速に対応できるはずが下す先が無くなり、自由に動けるはずの冒険者も厳しく抑圧されているせいで動けない。トップダウンだったが故に全員が指示待ちで自分の役割以外を熟すことができないでいた。
どこもかしこも厳しさを極める中、変化が訪れようとしているのは皇国方面だった。
その変化は2つあり、1つは皇城で起きようとしていた。
子供たちを避難する人に預けると、ララはいつまで経っても動きの無い皇城に向かっていた。
ミレーネの死があっただけにしては動きが遅すぎる。その違和感に体が動いていたのだ。
「ここから先へ通す訳にはいきません」
皇城の前まで来ると厳戒態勢を敷いている兵士が大勢囲う中、門兵の2人が槍をクロスしてララを止める。
「通していただかなくても構いません。ですが、魔物の進攻に対する防衛策を至急、講じてください」
「我々にそのようなことを言われても…」
「今、皇城の中は大変なのだ。外に向けている余力はない」
そう門兵たちは取り付く島もない。このままだと何を言おうと相手にもされないと悟ったララは危ないと分かっていながらも踏み込む。
「ミレーネ様の死により新体制の構築など多忙なのは理解しています。ですが、目の前の困難を後回しにしていい理由にはなりません」
「貴様!何故そのことを知っている!連れて行け!」
近くにいた兵士に手荒に拘束されるとララは城の中へ連れて行かれる。
薄暗くて拷問器具の並べられている部屋に連れてこられるとララは椅子に座らされる。それから目隠しをされ手足を縛られた。
「貴様!何故ミレーネ様の死を知っている!」
言葉に合わせてバチィィインッ!と鞭を振るわれる。それを、唇を噛みしめて耐えるとララは鞭の振るわれた方に顔を向けていた。
「んんっ!ベネッタをここに呼んでください。そうすれば全てを話します」
「図に乗るな!お前ごときがベネッタ様に会えると思うな!」
そう何度も何度も何度も何度も…どれだけ鞭を振るわれてもララは頑なに「ベネッタを呼んでください」としか言わない。その意思の硬さに気づけば鞭を振るう方がへばっていた。
「はぁ…はぁ…隊長、ここはベネッタ様に直接、尋問にかけていただいた方がよろしいのではないでしょうか」
「そう…だな。その方がベネッタ様の気も紛れるだろう」
そう自分たちが吐かせられなかったいい訳みたいなものを口にすると兵士たちはベネッタを呼びに行く。だが、尋問に慣れていないララにここまで耐えるのは困難で意識は飛び掛けていた。寧ろ、意識が飛び掛けているから同じことを繰り返すことしかできなかったのだ。
それから少しすると他の兵士とは明らかに身分の違う女性、ベネッタが現れる。
「貴様がミレーネ様を殺したというのは事実か?」
ベネッタは部屋に入るなりララの目隠しを外すと、虚ろな目をしているララに鋭い眼光を向ける。その鋭い眼光に中てられては嘘を吐くことはできないだろう。尤も、大半は嘘を吐くどころか言葉を発することも敵わない。それ程、ベネッタは鋭い眼光をしていた。
「他の人を外してください。そうすれば全てをお話しします」
「いいだろう。全員外せ」
自分の眼光に怯まず発言したララへの称賛か、すぐに指示を出す。しかし、他の兵士はベネッタの身を案じてか食い下がる。
「ですが…」
「外せ」
しかし、2度、ベネッタが同じことを言うと、兵士たちはその凄みに圧されて「ははっ!」と返事をしてすぐに出て行く。
「これで満足か?」
「はい。では、お話しします。私はララ、旧名をレイネシアと言います」
「なっ、貴___」
「最後まで聞いてください。現在、ゼギウス様を始めとする七英雄の方が庭なる魔物の勢力と戦っています。その間、人間界を守らないといけないのです。だから、貴方がその指揮を執り魔物の軍勢を退けてください。早くしないと、手遅れに……」
かなり掻い摘んだ説明だったが今のララにはそれが限界だった。伝えるべきことを伝えると既に限界を迎えていたララの意識は途絶える。そのまま縛り付けられた椅子ごと倒れようとすると、ベネッタが受け止めた。
「近頃、ミレーネ様が嬉しそうにしていると思ったらレイネシア様の無事を知って安堵していたのですね。ようやく目が覚めました。後は私にお任せください」
椅子からララを開放して抱き上げるとベネッタは部屋を出る。
「この方はミレーネ様の死には関係なかった。丁重に治療をして差し上げろ」
有無を言わせず近くにいた女兵士にララの体を預ける。
「残りの兵士は各軍団長に伝達、これより皇国の民を守るべく魔物狩りを始める。総指揮はベネッタが執るとな」
「ですが、そのような勝手…この機に乗じて帝国が攻めてくる恐れがあります。上の指示を待つべきでは___」
「もしそうなれば敗軍の将という汚名も国家反逆罪であろうとその全ての罰を私が背負おう。それらは今、目の前で苦しんでいる皇国民を見放していい理由にはならない。私たちは誇り高き皇国の兵士だろう?」
ベネッタがそう語りかけるとその場にいた全兵士の目つきが変わり、「はっ!」と腹から声を出して返事をすると動き始めた。
もう1つの変化は闇商人たちの場所で起きようとしていた。
築いていた防衛線は既に崩壊しており防衛設備がない状態で闇商人たちは戦っていた。
何千、何万と絶え間なく押し寄せる魔物の群れを相手にすること1時間余り、その体は既に限界を迎えていた。
「《火球》」
そう闇商人は突破していく魔物の背に向けて火球を放つ。そうやって突破されても少しでも皇国領に向かう魔物を減らしながら近距離と至近距離を槍と短剣の使い分けで対応していた。
だが、その戦い方にも限界を迎えている。
魔力が足りないのか個体が強いのか、闇商人のスキルでは魔物を倒せなくなり槍も短剣もその扱いに鋭さが無くなっていた。
「あっ…」
もう握力も残っていないのか振ろうとした槍が滑って飛んでいく。それでも短剣でどうにか斬りつけるが浅い。
その反撃に魔物は闇商人に噛みつこうと前足で押さえつける。今の闇商人にそれを拒む力がある訳もなくあっさりと倒された。
そのまま噛みつかれるかと思いきや少女が助けに入る。一瞬にして魔物の胴体を貫くと次の魔物を倒していく。
闇商人がこんな状態でも戦線を最低限、維持できていたのは一重に少女たちが善戦していたからだ。
この1時間余り少女たちの動きは鈍くなるどころか時間を追うごとにキレを増していき、今では少女たちの横を通過していく魔物の方が少ない。壊れた防壁も、その代わりが魔物の骸が積み上がることで形成される程度には魔物を葬っていた。
しかし、そんな動きに代償も制限も無い訳がなく、唐突に少女たちは倒れ出した。
旧王国方面は先にドラルの城があるとはいえドラルの城だけで旧王国に向かう全ての魔物を食い止められる訳もなく、ドラルの城の戦力にも疲れが見え始め次第に魔物の突破を許していた。だが、それらを止める術が旧王国領にはない。
冒険者ギルドが存在しているものの、ゼギウスが除名されたことによる人気低迷に加えドラルの城の城主がアルメシアになってからは魔物関連のいざこざが減り戦闘要員は減っていた。
そのため、魔物の群れに対抗できるような戦力は有していない。
皇国方面もララや子供たち、シアンの故郷の人々と大勢の呼び掛けが伝播して各地で避難を始めているものの魔物の群れに対抗する戦力はない。各街町で戦える人を集め武器を手に取り防衛線を築いているが、その戦力が十分とは言えない。
それを打開するはずの皇国軍もミレーネの死の影響で中枢が麻痺しているのか動く気配がなかった。
そんな中で、意外にも最も苦戦を強いられているのが帝国方面だった。
ガルドスが戻り自らが指揮を執り魔物の群れを退けるかと思われたが、そうはいっていない。
と、いうのもガルドスは帝国軍の基本的な方針、方向性を示すだけで実際に指揮を執っていたのは近衛たちだった。その近衛がいなくなったせいで連絡1つ、連携が上手く取れず未だに軍を動かすに至っていないのだ。
トップダウンで迅速に対応できるはずが下す先が無くなり、自由に動けるはずの冒険者も厳しく抑圧されているせいで動けない。トップダウンだったが故に全員が指示待ちで自分の役割以外を熟すことができないでいた。
どこもかしこも厳しさを極める中、変化が訪れようとしているのは皇国方面だった。
その変化は2つあり、1つは皇城で起きようとしていた。
子供たちを避難する人に預けると、ララはいつまで経っても動きの無い皇城に向かっていた。
ミレーネの死があっただけにしては動きが遅すぎる。その違和感に体が動いていたのだ。
「ここから先へ通す訳にはいきません」
皇城の前まで来ると厳戒態勢を敷いている兵士が大勢囲う中、門兵の2人が槍をクロスしてララを止める。
「通していただかなくても構いません。ですが、魔物の進攻に対する防衛策を至急、講じてください」
「我々にそのようなことを言われても…」
「今、皇城の中は大変なのだ。外に向けている余力はない」
そう門兵たちは取り付く島もない。このままだと何を言おうと相手にもされないと悟ったララは危ないと分かっていながらも踏み込む。
「ミレーネ様の死により新体制の構築など多忙なのは理解しています。ですが、目の前の困難を後回しにしていい理由にはなりません」
「貴様!何故そのことを知っている!連れて行け!」
近くにいた兵士に手荒に拘束されるとララは城の中へ連れて行かれる。
薄暗くて拷問器具の並べられている部屋に連れてこられるとララは椅子に座らされる。それから目隠しをされ手足を縛られた。
「貴様!何故ミレーネ様の死を知っている!」
言葉に合わせてバチィィインッ!と鞭を振るわれる。それを、唇を噛みしめて耐えるとララは鞭の振るわれた方に顔を向けていた。
「んんっ!ベネッタをここに呼んでください。そうすれば全てを話します」
「図に乗るな!お前ごときがベネッタ様に会えると思うな!」
そう何度も何度も何度も何度も…どれだけ鞭を振るわれてもララは頑なに「ベネッタを呼んでください」としか言わない。その意思の硬さに気づけば鞭を振るう方がへばっていた。
「はぁ…はぁ…隊長、ここはベネッタ様に直接、尋問にかけていただいた方がよろしいのではないでしょうか」
「そう…だな。その方がベネッタ様の気も紛れるだろう」
そう自分たちが吐かせられなかったいい訳みたいなものを口にすると兵士たちはベネッタを呼びに行く。だが、尋問に慣れていないララにここまで耐えるのは困難で意識は飛び掛けていた。寧ろ、意識が飛び掛けているから同じことを繰り返すことしかできなかったのだ。
それから少しすると他の兵士とは明らかに身分の違う女性、ベネッタが現れる。
「貴様がミレーネ様を殺したというのは事実か?」
ベネッタは部屋に入るなりララの目隠しを外すと、虚ろな目をしているララに鋭い眼光を向ける。その鋭い眼光に中てられては嘘を吐くことはできないだろう。尤も、大半は嘘を吐くどころか言葉を発することも敵わない。それ程、ベネッタは鋭い眼光をしていた。
「他の人を外してください。そうすれば全てをお話しします」
「いいだろう。全員外せ」
自分の眼光に怯まず発言したララへの称賛か、すぐに指示を出す。しかし、他の兵士はベネッタの身を案じてか食い下がる。
「ですが…」
「外せ」
しかし、2度、ベネッタが同じことを言うと、兵士たちはその凄みに圧されて「ははっ!」と返事をしてすぐに出て行く。
「これで満足か?」
「はい。では、お話しします。私はララ、旧名をレイネシアと言います」
「なっ、貴___」
「最後まで聞いてください。現在、ゼギウス様を始めとする七英雄の方が庭なる魔物の勢力と戦っています。その間、人間界を守らないといけないのです。だから、貴方がその指揮を執り魔物の軍勢を退けてください。早くしないと、手遅れに……」
かなり掻い摘んだ説明だったが今のララにはそれが限界だった。伝えるべきことを伝えると既に限界を迎えていたララの意識は途絶える。そのまま縛り付けられた椅子ごと倒れようとすると、ベネッタが受け止めた。
「近頃、ミレーネ様が嬉しそうにしていると思ったらレイネシア様の無事を知って安堵していたのですね。ようやく目が覚めました。後は私にお任せください」
椅子からララを開放して抱き上げるとベネッタは部屋を出る。
「この方はミレーネ様の死には関係なかった。丁重に治療をして差し上げろ」
有無を言わせず近くにいた女兵士にララの体を預ける。
「残りの兵士は各軍団長に伝達、これより皇国の民を守るべく魔物狩りを始める。総指揮はベネッタが執るとな」
「ですが、そのような勝手…この機に乗じて帝国が攻めてくる恐れがあります。上の指示を待つべきでは___」
「もしそうなれば敗軍の将という汚名も国家反逆罪であろうとその全ての罰を私が背負おう。それらは今、目の前で苦しんでいる皇国民を見放していい理由にはならない。私たちは誇り高き皇国の兵士だろう?」
ベネッタがそう語りかけるとその場にいた全兵士の目つきが変わり、「はっ!」と腹から声を出して返事をすると動き始めた。
もう1つの変化は闇商人たちの場所で起きようとしていた。
築いていた防衛線は既に崩壊しており防衛設備がない状態で闇商人たちは戦っていた。
何千、何万と絶え間なく押し寄せる魔物の群れを相手にすること1時間余り、その体は既に限界を迎えていた。
「《火球》」
そう闇商人は突破していく魔物の背に向けて火球を放つ。そうやって突破されても少しでも皇国領に向かう魔物を減らしながら近距離と至近距離を槍と短剣の使い分けで対応していた。
だが、その戦い方にも限界を迎えている。
魔力が足りないのか個体が強いのか、闇商人のスキルでは魔物を倒せなくなり槍も短剣もその扱いに鋭さが無くなっていた。
「あっ…」
もう握力も残っていないのか振ろうとした槍が滑って飛んでいく。それでも短剣でどうにか斬りつけるが浅い。
その反撃に魔物は闇商人に噛みつこうと前足で押さえつける。今の闇商人にそれを拒む力がある訳もなくあっさりと倒された。
そのまま噛みつかれるかと思いきや少女が助けに入る。一瞬にして魔物の胴体を貫くと次の魔物を倒していく。
闇商人がこんな状態でも戦線を最低限、維持できていたのは一重に少女たちが善戦していたからだ。
この1時間余り少女たちの動きは鈍くなるどころか時間を追うごとにキレを増していき、今では少女たちの横を通過していく魔物の方が少ない。壊れた防壁も、その代わりが魔物の骸が積み上がることで形成される程度には魔物を葬っていた。
しかし、そんな動きに代償も制限も無い訳がなく、唐突に少女たちは倒れ出した。
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる