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ナカル防衛戦
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巨大な火の玉が駆け回っている。
クリフは、危なげなく、それをマタドールの様に華麗に躱しながら距離を取ると弓矢を構え、2本火の矢を射った。
2本の矢は、それぞれ頭と体に刺さり、頭に刺さったのが致命傷になったのだろうか巨大な火の玉は、頭から地面に突っ伏する様に倒れるとそのままピクリとも動かなくなった。
「よぅ大将泥だらけだな~」
クリフは、笑みを浮かべゼンに向かい歩きながらそう言い、ゼンはそんな、クリフの顔を見ながらため息を一つついた。
「そんな疲労困憊な顔してよく言えたな、何本射った?」
ゼンがそう聞くとクリフはパイプタバコを取り出しながらその場で座り込んだ。
「丁度20発、あの姉ちゃん化物かよ、こんなの一人で相手したのかよ」
「恐らく、昨日のは、見た目だけ大きくしたんだろ?脅すだけならそれだけ良かった筈だ」
そう言いながらゼンもまたその場に座り込みパイプタバコを取り出した。
「なんでそんなこと分かる?」
「足跡だ、明らかに昨日ついたやつより深い、おそらく質量上げたんだろ?」
ゼンの言葉に促される様にクリフは、先程まで走っていた巨体の足跡に目を向けてため息を一つ漏らすと天を仰ぎながら紫煙を吐いた。
「犯人の目的はなんなんだろうな?」
「さぁな、聞いてみるしかねぇんじゃね?」
そう言いながらゼンは、ゆっくりと暗闇に目向けた。
闇の奥から明らかに陣形を取りながらこちらに向かってくる影が三つ見えた。
ゼンは、ゆっくりと刀を腰まで上げたがその変化を見逃すことが出来ずに少しため息を漏らした。
切っ先付近の刃がボロボロになっていたのだ。
どのタイミングでそうなったかの凡そは、ついている。骨を断った時だ。
不快な感覚の正体は、あの時に刃を持っていかれたのだ。
生半可な斬り方なのもあるだろうがまだ刀としては不完全だったとも言える。
ゼンは、気を取り直しながら二、三度刀を振るとゆっくりと防御姿勢を構えた。
焚き火の灯りに当てられ影がゆっくりと抜けてくるとフードの着いた焦茶色のローブを纏った3人の人が現れた。
体格から見て全員男性。それぞれショートソードを持ったのが1人とナイフを持ったのが2人。ゼンとクリフにゆっくりと迫ってきていた。
「剣士が1名に魔術師が2名、さっきの3頭を2人で操ってなると相当ルンを使ったんじゃないか?」
ゼンが先制に口撃を仕掛けるとナイフを持った2人の肩がピックリと動いた。
図星か?
ゼンは、クリフに視線を持っていくとクリフは、弓を背に仕舞い、その代わりに腰からショートソードを抜いた。
剣士は任せろっと言いたいのだろう。
ゼンは、軽く頷きながら再びローブの3人へと目を向けた。
「お前ら、誰の命令で動いてる?」
ゼンの問いに誰も応えずにいる。
応えなど最初から期待は、してなかったが時間稼ぎがしたかった。
ゼンもクリフも既に疲労困憊である。少しでも休んで体力の回復を測りたいのだ。
そして、きっとそれは向こうも同じなのだろう、あの3頭を操るのを2人でやったとするならば、1人は、強化を入れ、もう1人が操作をしていた筈だ。
そうなれば、2人の魔術師も既に疲労困憊の筈なのだ。
もし、相手が見い出す、勝機があるとすれば残った剣士の腕前である。
フゥ…
誰かの息遣いがゼンの耳に届いたその時だった。
30m近くは、あったであろう間合いを剣士が一気に間合いを詰めてきたのだ。
早い!
ゼンは、咄嗟ながらも膝をから力を抜き横に転がる。
狙われたのは、ゼンの首だった。
ゼンは、直ぐ様に体勢を立て直すと空振りをした剣士の横を狙いクリフが突きを放っていた。
ガキィン!
金属がぶつかり合う音と共にクリフの剣は、捌かれていたが予想内の事であったのだろう、クリフは、体勢を崩すこと無く突き出した剣を引き、構えていた。
ゼンは、刀を前に出した半身の構えを取ると後ろのリボルバーの持つ手をいつでも撃てる様に腰元に隠した。
クリフを相手してもなお剣士は、ゼンの方をチラチラと気にかけている。
嫌な風がゼンの右横から吹くのを感じ、視線を走らせる。
ナイフを振り被った魔術師がローブをはためかせてゼンに向かい迫って来ていた。
ゼンは、そのナイフを刀で受け止めたが風の身体能力の補強と水の身体強化の力により逆に刀ごと、後ろに吹っ飛ばされてしまった。
泥の上を拳銃を持った腕を地面に擦らせながら滑った。ゼンの眼は、それでも魔術師達を捉えている。
好機と判断したのか尚もナイフを持った魔術師がナイフを構えてゼンに向かい走り出してくる。
間に合え。
距離は、然程離れていない、ゼンは足を使い横向きの身体を捻ると仰向けになり迫る魔術師に向かい銃口を向けた。
「アウォォォォォン」
遠吠えが聞こえる。
犬かはたまた狼なのか。
よく通る遠吠えだった。
その遠吠えに全員の動き止まった。
クリフは、危なげなく、それをマタドールの様に華麗に躱しながら距離を取ると弓矢を構え、2本火の矢を射った。
2本の矢は、それぞれ頭と体に刺さり、頭に刺さったのが致命傷になったのだろうか巨大な火の玉は、頭から地面に突っ伏する様に倒れるとそのままピクリとも動かなくなった。
「よぅ大将泥だらけだな~」
クリフは、笑みを浮かべゼンに向かい歩きながらそう言い、ゼンはそんな、クリフの顔を見ながらため息を一つついた。
「そんな疲労困憊な顔してよく言えたな、何本射った?」
ゼンがそう聞くとクリフはパイプタバコを取り出しながらその場で座り込んだ。
「丁度20発、あの姉ちゃん化物かよ、こんなの一人で相手したのかよ」
「恐らく、昨日のは、見た目だけ大きくしたんだろ?脅すだけならそれだけ良かった筈だ」
そう言いながらゼンもまたその場に座り込みパイプタバコを取り出した。
「なんでそんなこと分かる?」
「足跡だ、明らかに昨日ついたやつより深い、おそらく質量上げたんだろ?」
ゼンの言葉に促される様にクリフは、先程まで走っていた巨体の足跡に目を向けてため息を一つ漏らすと天を仰ぎながら紫煙を吐いた。
「犯人の目的はなんなんだろうな?」
「さぁな、聞いてみるしかねぇんじゃね?」
そう言いながらゼンは、ゆっくりと暗闇に目向けた。
闇の奥から明らかに陣形を取りながらこちらに向かってくる影が三つ見えた。
ゼンは、ゆっくりと刀を腰まで上げたがその変化を見逃すことが出来ずに少しため息を漏らした。
切っ先付近の刃がボロボロになっていたのだ。
どのタイミングでそうなったかの凡そは、ついている。骨を断った時だ。
不快な感覚の正体は、あの時に刃を持っていかれたのだ。
生半可な斬り方なのもあるだろうがまだ刀としては不完全だったとも言える。
ゼンは、気を取り直しながら二、三度刀を振るとゆっくりと防御姿勢を構えた。
焚き火の灯りに当てられ影がゆっくりと抜けてくるとフードの着いた焦茶色のローブを纏った3人の人が現れた。
体格から見て全員男性。それぞれショートソードを持ったのが1人とナイフを持ったのが2人。ゼンとクリフにゆっくりと迫ってきていた。
「剣士が1名に魔術師が2名、さっきの3頭を2人で操ってなると相当ルンを使ったんじゃないか?」
ゼンが先制に口撃を仕掛けるとナイフを持った2人の肩がピックリと動いた。
図星か?
ゼンは、クリフに視線を持っていくとクリフは、弓を背に仕舞い、その代わりに腰からショートソードを抜いた。
剣士は任せろっと言いたいのだろう。
ゼンは、軽く頷きながら再びローブの3人へと目を向けた。
「お前ら、誰の命令で動いてる?」
ゼンの問いに誰も応えずにいる。
応えなど最初から期待は、してなかったが時間稼ぎがしたかった。
ゼンもクリフも既に疲労困憊である。少しでも休んで体力の回復を測りたいのだ。
そして、きっとそれは向こうも同じなのだろう、あの3頭を操るのを2人でやったとするならば、1人は、強化を入れ、もう1人が操作をしていた筈だ。
そうなれば、2人の魔術師も既に疲労困憊の筈なのだ。
もし、相手が見い出す、勝機があるとすれば残った剣士の腕前である。
フゥ…
誰かの息遣いがゼンの耳に届いたその時だった。
30m近くは、あったであろう間合いを剣士が一気に間合いを詰めてきたのだ。
早い!
ゼンは、咄嗟ながらも膝をから力を抜き横に転がる。
狙われたのは、ゼンの首だった。
ゼンは、直ぐ様に体勢を立て直すと空振りをした剣士の横を狙いクリフが突きを放っていた。
ガキィン!
金属がぶつかり合う音と共にクリフの剣は、捌かれていたが予想内の事であったのだろう、クリフは、体勢を崩すこと無く突き出した剣を引き、構えていた。
ゼンは、刀を前に出した半身の構えを取ると後ろのリボルバーの持つ手をいつでも撃てる様に腰元に隠した。
クリフを相手してもなお剣士は、ゼンの方をチラチラと気にかけている。
嫌な風がゼンの右横から吹くのを感じ、視線を走らせる。
ナイフを振り被った魔術師がローブをはためかせてゼンに向かい迫って来ていた。
ゼンは、そのナイフを刀で受け止めたが風の身体能力の補強と水の身体強化の力により逆に刀ごと、後ろに吹っ飛ばされてしまった。
泥の上を拳銃を持った腕を地面に擦らせながら滑った。ゼンの眼は、それでも魔術師達を捉えている。
好機と判断したのか尚もナイフを持った魔術師がナイフを構えてゼンに向かい走り出してくる。
間に合え。
距離は、然程離れていない、ゼンは足を使い横向きの身体を捻ると仰向けになり迫る魔術師に向かい銃口を向けた。
「アウォォォォォン」
遠吠えが聞こえる。
犬かはたまた狼なのか。
よく通る遠吠えだった。
その遠吠えに全員の動き止まった。
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